何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」感想 面白い けど、めっちゃ酔う…

どうもきいつです


ホラー映画「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」観ました

WOWOWのホラードラマ「オカルトの森へようこそ」の劇場版
異界へと繋がる森へ足を踏み入れた人々を襲う恐怖を描いたPOVホラー
ドラマ版にはない短編「訪問者」が同時上映

監督を務めるのは「不能犯」「ノロイ」などの白石晃士
出演するのは堀田真由、筧美和子などです

 

あらすじ
ホラー映画監督の黒石は実録映画撮影のため
助監督の市川を引き連れ山奥の家を訪れる
2人は黒石のファンだと言う三好から黒石が撮った映画と同じ体験をしたと聞かされる
すると突如、不可解な現象が発生し
そこから彼らを思わぬ恐怖が襲うのだった

 

感想
白石ワールド全開でとても楽しめました
白石作品の集大成って感じ
いろいろとブッ飛んでいて面白い
ただ、手ブレが激しくマジで画面酔いする
序盤あたりからずっと気持ち悪かった…

 

白石晃士監督の新作ということで観てきました
かなり楽しみにしていた作品


まず、本作はTHE MOVIEと銘打ってるけど
ドラマ版の続編というわけではなく
ドラマ版全6話を一つにして映画として公開したって感じです

なので、ドラマ版は観てなくて大丈夫
僕もドラマ版は観ていません

 

まず、本作はやはり独特な作風なので観る人を選びますかね
つまらないと感じる人はとことんつまらないんじゃないでしょうか

そもそも、本作は土台に定番のホラーや定番のPOVがあって
それを踏まえた上で作られた作品かと思います

普段からホラーやPOVの作品をよく観る人だからこそ刺さるものが多いです

なので、そんな作品に馴染みのない人がいきなり本作を観ると
なんじゃこりゃ
って感じだと思いますよ

基本的にやってることは下らないし滅茶苦茶だし
よくわからん変な映画としてしか目に映らないかもしれませんね

とは言え、普段からホラーやPOVに馴染みがあって
その上、白石作品が好きな人ならば
本作は最高に楽しめると思います

 

言ってしまえば
この映画は白石監督の集大成のような作品
白石ワールド全開です

POVホラーの定石を崩しつつ
頭のおかしい人たちがコミカルに格好よく大活躍します
根底にクトゥルフ神話の世界観があるのも定番ですね


で、登場人物に関しては
これまでの白石作品のアベンジャーズみたいになっています

助監督の市川は
名前からして「コワすぎ」シリーズの市川ですよね
性格は物怖じせずちょっとドライでガンガン行くタイプ
これは「コワすぎ」の工藤みたいな性格になっていて
市川と工藤を足したようなキャラクター

他にも
三好麻理亜は白石作品によく出てくる“あっち”の世界に毒されて頭がおかしくなった人

江野さんは白石作品にいろんな形で登場するあの江野さん

ナナシは「カルト」に登場したネオのような反則急の超人

もちろんカメラで撮影するのは白石監督本人です

登場人物だけでも全部盛りオールスターなわけですよ
白石作品を観てきた人ならばこれだけでテンション上がります


それだけでなく
登場人物がみんな魅力的に描かれていて
それが本作の面白さでもあります
基本的にみんな頭がイッてます

市川はガンガン進んでいくので
主人公として物語を引っ張っている
市川を演じる堀田真由も可愛くて良かったですね

黒石こと白石監督は弱々しいけどやる時はやるってのがいつもの感じ
今回は三好麻理亜に恋しているという設定が面白かった

三好麻理亜は明らかにヤバい女でしたけど
なんか可愛いかったですね
天真爛漫な雰囲気もあって愛嬌を感じられる
黒石が好きになるのも納得できる

江野さんは江野さんでした
なんかめっちゃ強かったし
言動が絶妙にヤバくて笑えます
スーパーボランティアとかも絶妙に古くて笑える

ナナシは最強
そしてイケメン
とにかくイケメン
抱かれたい

とにかくみんな魅力的でそれだけでこの映画を最後まで観てれました

最後に戦うカルト集団も絶妙だし
あのおばさん達がちょうどいいヤバさ
笑えるような笑えないような

白石監督の良さって
やっぱり、頭のおかしい人の描写ですよね
マジでヤバい人に見える
でも、どこかコミカルで好きになれたりもする
絶妙なバランスのキ○ガイ描写です

 

ストーリーに関してはかなり薄い
と言うか、ほぼ無い

“あっち”の世界の“なにか”が現れて
それから逃げたり戦ったりするだけの話です

軽く恋愛やら熱い展開やらはあるけど
ストーリーを楽しむ映画ではないかな

本作は白石ワールドを体感するアトラクションって感じですね

起こる出来事にしても
出てくるバケモノにしても
白石作品らしいもの満載で楽しいです

とにかく、ノンストップで最後まで駆け抜けていくような作品で
本当にジェットコースターのようなアトラクションでした

ここも楽しめる人は楽しめるけど
楽しめない人は微妙に思ってしまう部分かもしれませんけどね

 

個人的に最高に楽しめる作品だったのは間違いないんですけども
難点があるとすれば
めちゃくちゃ酔います

終始、手持ちカメラの映像なので手ブレが激しいです
さらに走ったりするシーンも多く
カメラが左右によく振れたりもするので
序盤のうちから気持ち悪くなっていた

今までの人生で様々な映画を観てきましたが
歴代1位で酔いました

映画を観終えた後はぐったり
帰宅するまで引きずりました…

僕はどちらかと言えば三半規管が弱い方だとは思いますが
POVもよく観るのでそれなりに馴れてはいる

それでもヤバいほど酔いました
だから僕だけでなく酔う人はかなり多いと思います

映画館で観たからより酔いやすいというのもあったのかもしれませんね


この手ブレはあえてのことだとは思うんです
臨場感やリアリティを出すための手段
後はチープな部分を誤魔化すための工夫だとも思う

でも、もう少し抑えれなかったんですかね…

休憩するヒマもあまりなかったので
途中、走ってる場面とか目を瞑ってましたから

正直、これはマイナス要素としてかなり大きい
気持ち悪すぎて集中力も欠けますしね

バスの場面とかマジでヤバかったっす
このままだと吐くんじゃないかと不安でいっぱいだった

別な意味でスリルを感じてました


それと、酔って気持ち悪くなるだけでなく
もう少し登場人物をしっかり見たかったってのもあります

手ブレが酷いので
顔や動きなどが終始わかりにくく
役者の演技や表情もあまりちゃんと見れなかった印象

手ブレが止まってる場面もあるっちゃあるけど
圧倒的に少ない
止まってるときは休憩タイムって感じになってしまってましたしね…

とにかく画面酔いはかなりキツかった…

 

あと、思ったのが
やっぱりお金と時間をかけて好き放題やってる白石作品が観てみたい

本作も低予算だろうしかなりチープなわけですよ

はっきり言ってCGはめっちゃショボいし
手ブレにしてもそれを隠すための工夫でしょうし

舞台が森の中だけだとか
人の数が明らかに少ないとか
そういう部分からチープさがプンプンしてきます


終盤のバトルももっと大人数いればさらに盛り上がったと思います

この前観た韓国映画「カーター」の銭湯バトルみたいなのが本作にもあればマジですごい映画になってただろうし

お金をかければナナシの超人さをもっと出せたはず
バケモノ達をもっとリアルで怖いものにできたはず

白石監督自身もお金さえあればやりたいことがたくさんあると思うんですよ
それを観てみたいです

白石監督は低予算でも工夫して面白い作品を作れる人です
だからこそ、お金と時間をかけて好き放題やれば
もっとすごいものが生まれるかもしれない

こういう監督たちはたくさんいて
そんな人たちにお金をかけて素晴らしい作品をたくさん生み出していって欲しいですけども
今の日本の映画業界では無理でしょうね…
そこが残念…

僕が大富豪ならこんな監督たちに大金渡して好き放題映画撮らせたいですけどね

 

本作はチープなのは否めないけど
白石作品の魅力がてんこ盛りで
ファンとしては最高に楽しめました

ただ、めっちゃ酔うので
観るのなら酔い止め薬を飲んでから挑むことをオススメします

 


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映画「女神の継承」感想 タイ版悪魔払いが新しい

どうもきいつです


ホラー映画「女神の継承」観ました

タイの村を舞台に
とある女性が不可解な現象に襲われるドキュメンタリー風のホラー
タイ、韓国合作の作品です

「哭声/コクソン」などのナ・ホンジンが原案とプロデュースを担当し
バンジョン・ピサンタナクーンが監督を務めます

 

あらすじ
ドキュメンタリーチームがタイ北東部のインサーン地方を訪れ
地元の神バ・ヤンに選ばれた霊媒師ニムを生活を取材する
取材する中、ニムの姪であるミンが体調不良に陥り不可解な現象に見舞われる
次第に凶暴な言動を繰り返すミン
彼女を救うためニムは祈祷を行うが
ミンに憑依する者は想像を超える強大な存在だった

 

感想
タイが舞台のホラーには新しさを感じた
ドキュメンタリーのような作風にはリアリティを感じてゾクゾクさせられます
終盤の怒濤の展開は怖いし楽しいけど
急激な作風の変化にバランスの悪さも感じてしまった

 

評判が良く前から気になっていたので観に行ってきました

評判通りなかなか面白い
独特な世界観のホラーでした

やってることは「エクソシスト」みたいな悪魔払いって感じのホラーですけど
国が違うだけで味わいが全然違いますね

それにドキュメンタリー風なのも面白かったです

本作はいわゆるモキュメンタリー映画
フィクションだけどドキュメンタリーのように作られている作品です
フェイクドキュメンタリーですね

日本の作品で言えば「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズは作風が近いと思います
海外の作品なら「レイク・マンゴー 〜アリス・パーマーの最期の3日間〜」とかですかね

ドキュメンタリー番組を観ているような感覚にもさせられて
それによってリアリティを生み出しています

本作は霊媒師に密着するドキュメンタリーという体で
その過程で様々なトラブルに発展し
最終的には悪魔払いみたいな感じになっていきます

特に序盤はリアルなドキュメンタリーを観ているような感覚に陥ります

わかりやすくホラーな出来事は起きないけど
地味に不可解なものを見せられ
徐々に気持ち悪さを積み重ねていくような作り

だからこそ本当にあったことのようなリアリティがあります
どこか現実的なんですよね

本作の主役でもあるミンは
普段は可愛らしい女性で今どきの若者なんだけど
取材をしていく中で多重人格のような一面を見せます

これが結構リアルで気持ち悪いんですよ

演技が上手いというのもあってか
本当にそういう人に見えます

ミンが体調を崩していく様も痛々しくて
観ていて辛くなる
そして何とも言えない居心地の悪さも感じます


で、本作でやはり面白いと思うのは
謎を放ったらかしてモヤモヤさせるところですね

最後まで観ても結局よくわからない映画なんですよ
意味深なものは多く提示されるけど
わかりやすく謎を解き明かしたり解決したりしません

そんな放ったらかしなところが気に食わない人もいるだろうけど
フェイクドキュメンタリーとしては
そんな曖昧な作りがリアリティに繋がっている

伏線をしっかり回収して結末をきっちり見せて上手くまとめて終わる
というのは物語としては完成度が高いと思います

ただ、本作の場合は
あくまでドキュメンタリーの体なんです

現実って
わかりやすく伏線が回収されるわけもなく
明確に何か結末があるわけでもない

本作も同じで
よくわからないことが多いから現実っぽい
謎が解き明かされないから現実っぽい
理不尽だからこそ現実っぽい

いろいろと曖昧だからこそ
自分の知らない場所で本当に起きた出来事なんじゃないか?
と、少し思わされたりもするんです

面白いフェイクドキュメンタリーって
現実味があって映像の中に引き込まれます
本作はそんな作品になっていたと思う

 

そして、終盤からの怒濤の展開
これに関しては良くも悪くもって感じなんですよね

終盤の展開に至るまでは
リアルなフェイクドキュメンタリーの作りでエンタメ性は弱いです

ただ、終盤になると一気に定番のわかりやすいホラーに一転します

わかりやすく怖い演出が増えてテンポも良くなり勢いもある

素直に面白いなと思う気持ちがある反面
今まで積み重ねたリアリティを崩してしまうことに違和感もありました

終盤になると急激にフィクションになってしまうわけですよ
そのせいで今までプラスに働いていたフェイクドキュメンタリーの形が
マイナスに機能してしまっている
終盤はツッコミどころも急激に増えますしね

やっぱり1番気になってしまうのは
こういう作品に付きものの
なぜ撮ってるんだよ問題
撮ってないで逃げろよと思ってしまう

本作の場合はずっとリアルに突き進んできたからこそ
終盤の撮り続けていることへの矛盾がより際立ちます
悪いギャップが生まれているんですよね

最終的には撮影クルーが全滅で
じゃあ今までのドキュメンタリー番組風はなんだったんだよ
とも思わされましたし

あと、撮影クルーの人数がよくわからなかったですね
カメラの数とかも
終盤になるとそのへんもめちゃくちゃ引っ掛かります

終盤は展開自体も現実離れしてしまっているので
いろいろと悪目立ちしてるように思いました


とは言え
終盤の怒濤の展開はエンタメ的に面白くなっているのも間違いなくて
これがなければ尻すぼみな地味な映画で終わっていたと思います

定点カメラでの隠し撮りも怖くてゾクゾクしましたし
理不尽なほど悪い方向にしか物語が進まないのもホラー映画らしくてすごく良かった
人が死にまくり全滅で後味の悪いラスト最高

あの可愛いミンがどんどんと異形に変貌していく様も複雑な気持ちにさせられましたね
ミン助かってくれ
って思うけど
最悪な結末が待ち受けてます


個人的には最後までリアリティを損なわずに行ってほしかったけど
最後のエンタメに振り切った展開があったからこそ
多くの人が面白いと思える映画になったようにも感じます

 

ちょっとバランスの悪さはあったけど
クオリティの高いホラー映画でした

最近の日本のホラーと比べると全然レベルが上ですよね

タイ舞台の悪魔払いは新鮮だし観て損はないと思います

 


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映画「ももいろクローバーZ アイドルの向こう側 特別上映版」感想 自己犠牲のアイドル

どうもきいつです


ドキュメンタリー映画「ももいろクローバーZ アイドルの向こう側 特別上映版」観ました


ももクロの愛称で知られる人気グループ
ももいろクローバーZに密着したドキュメンタリー
TBSドキュメンタリー映画祭2022で限定上映された作品に新映像を追加した劇場版
20代後半となったメンバー4人の人生観や将来像をインタビューなどを通して映し出されます

監督はTBSの様々な番組に携わってきた酒井祐輔が務めています

 

あらすじ
2008年に結成され2014年には国立競技場で女性グループ初のワンマンライブを成功させたももいろクローバーZ
百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れに4人のメンバーが30歳目前となり
これからどこへ向かうのか、何を考えているのか
ももクロの今に迫っていく

 

感想
ももクロ4人のアイドルやファンへの向き合い方がもはや狂気
他のアイドルに比べても異質
彼女たちの自己犠牲の精神には少し不安も…
興味深い内容でした
ただ、彼女たちの話は興味深いもののドキュメンタリー映画としては微妙
正直、映画館で上映するレベルではない

 

なんとなく興味が湧いたので観てきました

僕は昔はももクロのファンだったし
このグループへの思い入れはそれなりにあります

今は完全に離れてしまいましたが
5年ほど前まではしょっちゅうライブに行くほど好きでした

現在進行形のファンの人と比べると
この映画の見え方は違うかもしれないけど
僕なりに思うことも結構ありました


まず、彼女たちが30歳目前というのは
なかなか感慨深いものがありますね

僕が初めてももクロを知った時はまだ全員10代
みんな中学生、高校生でした

その頃は僕自身もまだ20代前半でしたし
今の自分がこの年齢なら
そりゃももクロもそんな歳だよなって感じ
僕と高城れにちゃんは5歳しか違わないし

だから、同じ時間を共に過ごしてきたような変な感覚もあります
共に歳を重ねてきたみたいな

本作を観ると
やはりももクロの成長や変化はとても感じました
5年ほど離れていたのでよりそれを感じたのかもしれません

そんなももクロの変化を感じれたことが
この映画を面白く観れた要因ですかね


だから、ファンじゃない人や興味ない人からすれば
この映画はいまいちかな…
あまり心に刺さるものは無いかと思います

ファンに向けた映画なのは間違いない

 

で、僕が本作で興味深く思ったのが
年齢や結婚についてのトークからももクロメンバーそれぞれの思いが深掘りされたところ

実は年齢や結婚についての具体的な話なんかはどうでもよくて
そこから見えてくるグループへの向き合い方やファンへの思いなどが面白い

なんと言うか
ももクロって自己犠牲の精神がちょっと異常なんですよね
特に赤の百田夏菜子と紫の高城れに
この2人が普通じゃないです

それがももクロの魅力なのかと改めて思わされました

普通、アイドルを目指す女の子って
有名人になりたいとか人気者になりたいとかちやほやされたいとか
そういうのが原動力になってると思うんですよ

例えばAKBや坂道系のグループは
グループという形はあるものの団体戦と言うよりは個人戦
如何に個人がグループの中で這い上がるかなんですよね

他のグループにしたって
アイドル活動を経て芸能界にトップにのしあがりたい子や
小さいコミュニティでもちやほやされたい子とか
そういう人の集まりがアイドルだと思う

結局はみんな橋本環奈になりたいわけです


ただ、ももクロは逆で
4人ともあまり目立とうとしないと言うか
個々が自分優先ではなく
グループだったりファンだったりが中心の考えなんです

百田夏菜子と高城れにはそれが顕著で
自分のためにアイドルをやっているんじゃなくて
アイドルであることに人生を捧げているって感じです

それがちょっと異常にも思えて少し心配になるレベル
もう少し自分の事を考えてもいいんじゃないかと…

この2人の姿を見ていると
ファンとしてももクロを消費していた自分としては
心をえぐられるような思いにもなりました

まあ、そこがももクロの魅力にも繋がっていて
カルト的なももクロ信者がいるのにも納得できる

彼女たち自身もそれが生き甲斐で幸せなのかもしれない

玉井詩織と佐々木彩夏に関してはそこまで自己犠牲の人ではないと思うんですけど
人生を捧げている2人に引っ張られてそっち側になったって感じですかね

逆に脱退した青と緑はそういうのについていけなかったんだろうなと思う

今の4人になってから
よりももクロの濃度が高まったのかな
と、この作品を観て感じさせられました


他にも
辞めたいと思ったことがあるか?
10年、20年後はどうしていると思うか?
みたいな質問からもこのグループの深い部分を掘り下げれていたと思います

4人でのトークや個人のインタビューで
ももクロの魅力は十分に引き出せていました

この映画から感じれるのは
ももクロはグループやファンへ真摯に向き合い大切にしている
すごく真面目にアイドルをやっているということ

彼女たちの言葉には打算や嘘はないんだろうなとも思えます

それがももクロの愛される理由なんでしょうね

 

ここまでめっちゃももクロを褒めましたけども
結局はももクロを知ってるからの戯れ言でしかなくて
知らない人からすれば
は?って感じだと思う
やたら語ってる僕のことをキモいと思ってるかも

で、この映画がももクロを知らない人に何かを伝えれる作品なのかと言うと
全然、伝えれていないドキュメンタリーです

正直、ドキュメンタリーとしてレベルが低い

そもそも、テレビで放送したものを再編集して映画にしたらしく
テレビ番組の延長線上なのは否めません


まず、密着取材をしてるんですけども
密着してる意味があまり無い作りです

普段のももクロ活動から見えてくるものが無いんですよね
密着映像をちょくちょく挟んではいるけど
別に無くてもいいと思うほど意味がない

それに、たぶんライブにしか密着してないんですよ
ライブにどう向き合ってるのかはわかるんですけど
それ以外のももクロは見えてこない

テレビ番組の撮影とか個人の活動とか
そういう部分にまで密着すれば
仕事に対する思いや彼女たちのアイドル像なんかをもっと深く見せれたと思う


それに、やっぱり内輪ノリが目立って
ファン以外にはつまらない部分が多々ある

冒頭のメンバー内でのダラダラした会話もファンは嬉しいだろうけど
知らない人からすれば入り口として最悪
ここで拒否してしまう人もいると思う

ドキュメンタリーとしても冒頭の会話は必要ないと思うし


4人の座談会に関しては
トーク内容は興味深いけど
やっぱりテレビって感じで
これを映画館で見せられるとさすがに萎えますかね

もうちょい見せ方があったんじゃないでしょうか

ドキュメンタリーなのにテレビのバラエティー番組っぽくなってるところが
この映画を作り物みたくしてしまってる

この作りじゃ
ももクロがいくら真実を話そうが
嘘っぽく聞こえてしまっても仕方ないです


あと気になったのが
結婚がテーマの話をしているのに
脱退した青と緑を完全にスルーしてた

青と緑は脱退した後に結婚しているので
このテーマで話をするのなら触れてほしかったかな

まあ、青はともかく緑のことは完全にタブーになってるし
話さないのは当然か…

緑のタブー扱いはももクロの嫌な部分ではありますね

昔のももクロならそういうネガティブなことにも触れてくれる信頼感がありましたが
緑の脱退後はそれが崩れてしまいました
緑に関しては話せないレベルの闇なのかな…

この緑タブー扱いにしても
ファンでない外側の人からすればマイナスでしかないですよね
この映画を観るとより不信感が生まれると思う

 

昔に比べてももクロは内輪向けのグループになってしまっている現状で
この映画でもその悪い部分は出てしまっていたな
という印象です

僕がももクロから離れた理由はそこにあったりもする

この映画はファンでない人が入るには入り口が狭いかな…
ドキュメンタリーとしても面白くないと思うし

まあ、ももクロに思い入れがあれば
この映画を観ていろいろと思うことはあるだろうし
そんなに悪い作品ではないですかね

 


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映画「ソニック・ザ・ムービー ソニックvsナックルズ」感想 ソニックたちがかわいい

どうもきいつです


アクション映画「ソニック・ザ・ムービー ソニックvsナックルズ」観ました

セガの人気ゲーム「ソニック」シリーズをハリウッドで映画化した作品
「ソニック・ザ・ムービー」の続編です
今作では原作ゲームから人気キャラのナックルズやテイルズが登場
舞い戻ったドクター・ロボトニックと再び戦いが繰り広げられます

前作から引き続きジェフ・フォウラーが監督を務め
ソニックの声を演じるのはベン・シュワルツ
ドクター・ロボトニックを演じるのはジム・キャリーです

 

あらすじ
平和が戻ったグリーンヒルズで
ソニックはヒーローになるため勝手に街を守り続けていた
そんなある日、ドクター・ロボトニックが
危険な戦士ナックルズを引き連れ地球に舞い戻ってきた
ナックルズの攻撃に歯が立たず窮地に立たされるソニック
そこへテイルスが助けに現れるのだった


感想
前作と同じくソニックがかわいい
さらに、テイルスやナックルズもかわいい
登場人物が増えたにも関わらずそれぞれにスポットが当たり
その上、とっ散らからずにストーリーが上手くまとまっていました
意外と完成度が高いかも


前作が面白かったので
続編である本作も観てきました

ゲームはさほど詳しくありませんが
今回も楽しんで観ることができた

正直言うと、ちょっと舐めてたんですよね
どうせ続編だしつまらなくても仕方ないか…
くらいの気持ちでした

でも、意外とちゃんと面白かった
むしろ完成度が高いんじゃないでしょうか

ソニックらしさは保たれていて原作ゲームが好きな人は楽しめるだろうし
続編としても前作を踏まえた盛り上がりや面白さがしっかりとあるし
ストーリーのまとめ方もすごく上手いと思いましたし

このタイプの映画としては完成度が高い

キャラもので続編とか
ヤバい雰囲気がプンプンするけど
本作はそんなのを吹っ飛ばすような出来だったと思います

 

本作の魅力の1つは
やはりキャラクター

それぞれみんなが個性的に描かれていて魅力的

主人公のソニックはもちろんそうだし
エッグマンことドクター・ロボトニックも前作同様にブッ飛んでいて楽しい

前作から引き続き登場する人間たちも良い感じで脇を固めていました

そして、新キャラのナックルズとテイルスも個性が際立っていて存在感抜群
とても好きになれるキャラクターです


で、やっぱりかわいいんですよ

ソニックも前作からずっとかわいいんです
ヒーロー目指して行動するけど空回りしてたり
子供みたいに楽しそうに遊んでいたり
敵を倒すため健気に頑張っていたり

愛嬌があるし感情移入できるし
とても好きになれるキャラクター


ソニックだけでなく今回新たに登場する
ナックルズとテイルスもめっちゃかわいいです

それぞれ性格も個性も全く違うキャラだけど
かわいさは共通する

テイルスは真面目で気弱な性格
ナックルズは不器用でバカ
そんな2人も生き生きと動いていてコミカルな場面も多いです

ナックルズなんて敵として登場して
かなり暴力的で好戦的であるにも関わらず
バカで抜けてるところがあるので愛らしいキャラになってる

テイルスはモフモフナデナデしたい

ソニック、テイルス、ナックルズが3人揃うと化学反応でよりかわいい
なんか癒されますよね

最後の3人仲良くやってる場面とかかわいくて仕方がない
てか、なんか泣けてくる

あと、ペットのゴールデンレトリーバーもめっちゃかわいい
序盤しか登場しないけどマジかわいい
たまらん


ドクター・ロボトニックは言わずもがな
ジム・キャリー全開で最高でした

主人公を食うレベルの存在感です

ずっとふざけてるのにラスボスとしての存在感は揺るぎなく
小物には全く見えない
マジで世界を破壊してしまいそうなヤバさも感じます

ジム・キャリーだからこそ生まれた絶大な存在感なのかもしれませんね

 

ストーリーに関しては
全体的に上手くまとまっていてすっきり観れます

そもそも、とてもシンプルなストーリーで
マスターエメラルドを探す冒険とドクター・ロボトニックとの戦い
それだけのストーリーです

物語の中心になるのはソニックの成長で
これもまたシンプル

なので、大して考えることもなく
普通に観やすい映画かなと思う

そんな中で様々なキャラを活躍させてるわけですが
どのキャラもちゃんと軸に沿って活躍させられているので
無駄な動きが無かった印象です

いろんなキャラにスポットは当たるけど
変な方向には行っていない
あくまで中心のストーリーからは外れてないんですよ

だから、無駄に難解になったりはせず
軸のストーリーの邪魔はしていませんでした

若干、ギャグに行きすぎてる人たちもいたけど
許容の範囲内かな


それに、メインのキャラ
ソニックとテイルスとナックルズ
この3人のキャラクター性もあってジュブナイル的な物語にもなっていましたね
ここにグッときたり熱くさせられたり
感情を揺さぶられました

3人が反応しあってそれぞれ成長し最後には友情を築いていく
こういうの好きです

最終決戦で3人力を合わせるという展開も
ベタだけど熱い気持ちにさせられました


全体的に少年漫画っぽい内容で
ご都合主義なところも多少あるけど
テンポが良いしソニックもちゃんと成長してるし
そんなに引っ掛かりがなく最後まで観れました

てか、こんなシンプルな少年漫画みたいなストーリーは個人的にも好物ですし
普通に面白かったです

 

あとはアクションも良かったですね

ソニックらしいスピード感のある場面が多くて
アトラクションのような楽しさがある

雪山のスノボーシーンは派手だし臨場感があってワクワクだった

ナックルズとの戦いなど前作に無いようなバトルも追加されてましたし
最後まで飽きずに観れました

最後のソニックがスーパーサイヤ人みたいなのになるのも嫌いじゃないです

アクションに関しても完成度は高かったと思う

 

正直、子供向けで深い内容ではないけども
単純に楽しめるエンターテイメントとしてのクオリティは高かったです

夏休みに家族で観に行くファミリー映画としてはうってつけ
子供も大人も楽しめると思います

まだ続編もありそうな感じだけど
これなら続きを観たくなりますね

 


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映画「カーター」感想 常軌を逸した映像

どうもきいつです


アクション映画「カーター」観ました

記憶を失った男の戦いを描いた韓国のアクション映画
全編ワンカット風に撮影された作品
Netflixで2022年8月より独占配信されています

監督は「悪女/AKUJO」などのチョン・ビョンギルが務めています

 

あらすじ
人間を凶暴化させるDMZウイルス世界中に広まっていた
そんな中、とあるホテルで男が目覚める
一切の記憶を失った彼の耳元に謎の声が聞こえてくる
その声によれば彼の名前はカーター
そして、ある少女を救出するミッションを課せられる
カーターは自分が何者かもわからないまま
危険な任務へ乗り出すこととなるのだった

 

感想
アクションに次ぐアクション
息つく暇なくアクション
全編ワンカット風の映像は圧巻でした
最初から最後まで続く強引なほどの勢いに細かいことは気にならない

 

予告を見て面白そうだったので観てみました

本作の特徴としては
最初から最後まで途切れることないワンカットのような映像で作られているところ

正直、どうやって撮影されているのかは全然わからない
当然ワンカットで撮られているわけではないですが
ワンカット長回しのように見えます

それが本作の目玉で面白い部分ですよね

とにかく、このワンカット風の映像によって
本作の世界の中に引き込まれていきます
最後まで目が離せない映像の連続

欠点があるとすれば
縦横無尽に動き回る視点によって画面酔いしてしまう可能性があることでしょうか

苦手な人はちょっと気持ち悪くなるかもしれません

ただ、そんな欠点を差し引いても本作の映像は斬新で圧巻
スゲーの一言だと思います

 

そして、本作は映像がすごいだけでなく
アクションもすごい
アクション全振りの映画でもあります

最強な主人公が数多くの敵を無双するタイプの映画です
「ジョン・ウィック」とかに似た感じ

とにかく主人公カーターが敵を倒しまくる
もう何人殺してんだよってくらい殺しまくります

序盤の銭湯みたいな場所でのヤクザとのバトル
ここから既にヤバい
映画が始まったばかりでどんだけ人殺すんだよと
もはや冒頭からクライマックス

掴みとしても抜群で
この場面だけで本作を好きになってしまいました

アクションはカッコいいし
バイオレンスだし
人死にまくるし
なんかエロいし

完全に心を掴まれてしまった


そんな銭湯バトルの後も
とにかくアクションがずっと続きます

手を変え品を変え様々なアクションを見せてくれる

肉弾戦はもちろんのこと
銃撃戦、カーチェイス、爆発
いろんなアクションがてんこ盛りです


さらにシチュエーションもいろいろと豊富で
アクション続きなのに全然飽きない

街中を縦横無尽に走り回る逃走劇や
走る車の中でのバトル
スカイダイビング
ゾンビ
ヘリコプター

いろんな場所でいろんな状況の中いろんな敵と戦います

この世の全てのアクションを詰め込んだような
まるでおもちゃ箱ですよ
本当にずっと楽しいです


ノンストップのアクションをリアルタイムで味わっている感覚にもなれて
ジェットコースターに乗ってるような爽快感

映画の中に入り込んでいました
臨場感が半端ないです


あと、映像の斬新さやアクションの派手さだけでなく
格好いい画が多かった印象もあります

構図やカメラワークがカッコいいなと思わされることが多かった
本作の一部を切り取って静止画にしても画になりますよね

カメラワークにしても
格好よく見せよう面白く見せようとする工夫が凝らせれていて
観ていてワクワクさせられました

ただワンカット風にしてるだけじゃなく
ワンカットで撮るの無理だろ
って思わされるカメラワークも多く
挑戦的な映像にもなっていたりもします

そんなブっ飛んだ映像だからこそ
すごいものを見たなって気持ちにもさせられるんですよね


本作は今までにない映像表現に挑戦しているのは明らかで
アクション映画を一つ上の次元に引き上げたように思わされました


そんなすごい映画ですが
マイナスな部分を上げるとすれば
ちょっと雑なのは否めません

特にCGはショボかったり…
明らかにCGだとわかってしまいます

爆発や炎はちょっと浮いてるなと思ったし
トラックに乗ってる豚とかも違和感がありました
スカイダイビングのシーンも少しチープだったかな…

他にも
ドローン使ったりだとかいろんなカメラを使ってるからなのか
画質が粗っぽい場面もちらほらあります

そういう部分は若干引っ掛かりましたかね


それと、やっぱりストーリーがわかりにくいですよね
このタイプの映画にしては複雑すぎるのかな

アクション重視な上
映像で魅せるタイプの作品ではありますが

ストーリーを捻ってる部分も多くあって
情報過多になってるかなと感じてしまう…

主人公が記憶喪失でその記憶を辿っていくという面があり
さらに、韓国、北朝鮮、CIAの三つ巴
さらにさらに、ゾンビ蔓延みたいな世界観

主人公がそれぞれの勢力に翻弄され振り回され
誰が味方で誰が的かもよくわからなくなってきます

あえてミステリアスなストーリーにしてるのは理解できるんですけども

正直、頭に入ってこないんですよね

激しく動き回る映像とアクションもりもりスピード感重視の本作には
複雑なストーリーとの相性があまり良くなかったのかもしれません

終盤になると
誰と戦っていて目的はなんだったのかもよくわからなくなっていた


まあ、マイナス点は上げましたけども
それを差し引いても全然面白いことには間違いない

そもそも勢い任せな映画なので
観ている間は細かいことが全然気にならなくて
最後まで面白く観れる

後から
ちょっと気になるところがあったなと思う程度ですかね

ストーリーに関しても
この映画はストーリーが無くても面白いほどの完成度なので

ストーリー意味わからんな
と思いながら観てても面白いんですよ
意味がわからなくても全然問題ないわけです

結果的に超面白い映画

 

アクション好きな人には是非とも観てもらいたい映画です

斬新な映像には驚かされ
激しいアクションには興奮させられる

最高に楽しめテンションが上がるアトラクションのような映画でした

 


悪女/AKUJO [Blu-ray]

 

 

映画「ONE PIECE FILM RED」感想 表面的には面白いっぽい映画

どうもきいつです


アニメ映画「ONE PIECE FILM RED」観ました

尾田栄一郎による大ヒット漫画「ONE PIECE」の劇場版アニメ
尾田栄一郎が総合プロデューサーを務めるFILMシリーズとしては4作目の作品
本作ではシャンクスの娘ウタをめぐる物語が描かれます

監督を務めるのは「コードギアス」シリーズなどの谷口悟朗
ウタの歌唱パートを担当するのは人気歌手のAdです

 

あらすじ
世界中の人たちに愛される歌手ウタが
初めて公の前に姿を現すライブを開催する
そこへルフィ率いる麦わらの一味も彼女のライブを楽しみにやって来た
ライブが始まり観客たちが盛り上る中
ルフィの一言でウタがシャンクスの娘だという事実が明らかになる
そこから事態は大きく動き出していくのだった

 

感想
歌のシーンや戦闘シーンは見映えが良くて楽しく観れる
過去の登場人物もたくさん登場して盛り上がる
ただ、ONE PIECEに思い入れが強い人ほどこの映画は微妙かな
雑な部分が多く感じた

 

「ONE PIECE」の劇場版新作ということで観てきました
劇場版は毎回映画館に観に行っているので
今回も当然の如く観てきました


本作は賛否がとても割れているようですね
しかも、大絶賛と酷評が両極端
「ONE PIECE」の劇場版の評価がここまで割れるなんて今までなかったように思います

個人的な感想としては可もなく不可もなく
正直、ここまで賛否が分かれるような映画かな?
という気持ちもあります

深く考えてみると
この映画が好きか嫌いかを分けるのは
「ONE PIECE」という作品にどういう思い入れがあるのか
だと思います

「ONE PIECE」をただの娯楽作品として消費している人からすれば本作はたぶん面白い
逆に「ONE PIECE」に思い入れが強く深く掘り下げて読んでいる人ほど本作が嫌いかと思う

僕の場合は中立…
と言うか、今となってはさほど思い入れもなく
娯楽作品としてもそこまで楽しんでるというわけでもなく
ほぼ外野ですよね
だからこそ1本の作品として観れたような気もする

まあ、とは言え両方の気持ちもわかるっちゃわかります

 

まず、本作が良かった点から話すと
作画のクオリティは高くて
本気で作られた劇場版作品って感じです

特に今回はウタが歌うライブシーンが目玉で
最近の作品で言えば「竜とそばかすの姫」とか雰囲気が近いかもしれません

それ以外にも
アニメなら新海誠の作品とか
海外作品なら「ボヘミアン・ラプソディ」や「アナと雪の女王」とか
挿入歌が多い歌を中心にした作品がヒットすることが多いので
そういう流行に乗っかったのかな

本作もそれらの作品のように歌のシーンを中心に作られた作品になっています

歌姫ウタのライブにみんなが集まるという設定の中で
様々な楽曲が披露されていきます

このときの映像は本当にライブ演出みたいな見せ方も多く
ここに力を注いでいるのでアニメのクオリティもとても高いです

なので、すごく楽しく感じるし
カッコいい見せ方なんかもあるし
ポップな映像に仕上がっています

曲も耳に残るようなものが多くて
音楽をテーマにした作品としては成功してるんじゃないでしょうか

それに、やっぱりAdoの歌声も良かったですね
このキャスティングも成功だと思います


そして、戦闘シーンです
これもカッコよく見せようというのはとても伝わってきて
アクションも頑張ってるように思えました

派手な演出で見映えが良い
原作のいろんなキャラがたくさん登場するのでお祭り感もあります

勢いもあって終盤のバトルなんかはなかなか盛り上がっていました

 

そんな感じで
表面的に楽しめる要素はたくさんあります

ただ、やはり表面的な部分だけなので
深く考えると微妙な部分もたくさんあります

いろんな意味で雑な映画だったなという印象でした


ストーリーに関しては
内容は薄く強引に推し進めてるだけ

どのキャラクターにもあまり感情移入できないストーリーですかね
人物描写はおざなりでした

本作で中心になるキャラクターは本作オリジナルの登場人物ウタなんですけども

行動原理や目的がブレてる上に
さほど深く描かれてるわけでもないので
好きになれるキャラではないです

そもそも、世界平和を目的に計画を遂行するんですが
その行動原理が漠然としていて
いまいちぴんとこない
ウタが結局何をしたい人なのかよくわからん

シャンクスに捨てられたってバックボーンはあるけど
それが世界平和がどうとかいう話には繋がらないし


ウタがただのメンヘラみたいなキャラになってしまってるので
感情移入ができず好感も持てない

そんなブレブレのキャラが中心なのでストーリーもブレブレなわけです


それと同時にルフィも中途半端な描かれかたで
いまいち何をしたいのかわからんのですよね

ウタに対してどういう気持ちで向き合ってるか謎で
最後までウタに寄り添うわけでもなければ突き放すわけでもなく
ルフィのくせにすごく優柔不断なんですよ

ルフィがウタを助けようとする理由も
幼なじみだから
ってだけ

もうちょっとこの2人の関係性を深掘りしてくれれば納得できたと思う

強引に物語を運んでそれっぽくはしてますが
雑なことには間違いないですね

 

それと、既存キャラの扱いは酷いなと思わされました
これが本作が酷評される理由の1つだと思います

お祭りだから原作のキャラが再登場
というのは言い訳で

この映画
都合の良い能力を持ってるキャラを都合よく登場させてるだけなんです

ご都合主義のためのキャラが多すぎます

ロー、ブルーノ、バルトロメオ、ブリュレあたりは完全にただの便利屋ですね

物語をスムーズに進めるためだけに登場させたって感じです

カタクリの扱いなんかも雑でしたね
これもご都合主義のためのキャラになってしまってた


そして、本作の目玉の1つでもあるシャンクス

シャンクス率いる赤髪海賊団の登場は盛り上がるっちゃ盛り上がるんですけど

原作をちゃんと読んでる人からすれば
この扱いどうなの?
と、引っかかるはず

僕はあんまり良くない出し方だなと思いました

そもそも、ルフィの前にシャンクスが普通に現れてしまってることがなんか違うし

ルフィとシャンクスがリンクして敵を倒す展開にしても
確かに熱い展開ではあるけど
これは違うでしょ

ウソップとヤソップの意志疎通
親子愛みたいなのは感じるけど
やっぱ違う

赤髪海賊団がみんな本格的に戦っていて
確かにカッコいいけど
これでいいのか?

正直言って
この映画におけるシャンクスの扱いは
ただの客寄せパンダなんですよね

サブタイトルのREDってのも
最後まで見ても全然意味が繋がってこない
このタイトルは客を呼び寄せるためのものでしかない

シャンクスについて深く描かれる映画だと思わせるような宣伝の仕方もしています
これはなかなか悪質な宣伝だよ

こんな中途半端な形で原作の重要キャラのシャンクスを消費してしまえば
怒るファンがいても当然のこと

これに関しても表面的には盛り上がってるので
シャンクスカッコいいー!!
とキャーキャー言える人は満足だと思う

ただ、思い入れが強い人は
この展開に納得できないでしょうね

 

あと、この映画が批判されるのは
ちょっと媚びすぎなところもあると思う

歌を中心にした作りは明らかに流行に合わせた媚びだし
Adoの起用は若者に媚びてる
REDってサブタイトルはファンに媚びてますよね

媚びてるが故に
わざわざ「ONE PIECE」でやらなくていいようなことを数々やってしまってるので
批判されるのも仕方がない

結局は動員数や興業収入などの数稼ぎに走ってしまった
ってことだと思います

 

あと、もうちょっと文句を言うと
さっき褒めたアクションシーンですけど
勢いや派手さは十分だけど
やっぱり雑ですね

みんなただ技を出して攻撃してるだけで
ギミックとかはなく単調
映像をゴチャゴチャさせることで誤魔化してたりも

赤髪海賊団は原作ではほぼ戦ってる場面なんてないので
特色のある戦闘なんて見せれるわけもなく
無理やりすごいっぽく戦わされてました

この無理やり感は正直ちょっとキツかったかな…


「ONE PIECE」が好きだった頃の気持ちを思い出して
なんか批判的な感じになってしまったけど

別に駄作だとも思っていません
大絶賛もしないですけど

批判的な人も原作とは別物だと思ってみればまだましかも

AdoのMVと思って観ればちょうどいいんじゃない?

 


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映画「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー」感想 バカバカしすぎてめっちゃ笑える

どうもきいつです

 コメディ映画「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー」観ました

ハリウッドのアメコミヒーロー映画をモチーフにしたフランスのコメディ映画
ヒーロー映画の主役に選ばれた俳優が撮影途中に事故に遭い記憶を失い
とんでもない騒動が巻き起こります

監督、脚本、主演を務めるのは「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」などのフィリップ・ラショーです

 

あらすじ
父親の反対を押しきり俳優を目指すセドリック
ある日、彼はヒーロー映画「バッドマン」の主役に抜擢され
厳しいトレーニングをこなし役作りに打ち込み撮影に挑む
しかし、初日の撮影終了後に父が倒れたと連絡が入り
衣装を着たまま病院に急行し途中で事故に遭ってしまうのだった
そして、事故の影響で記憶を失ったセドリックは自分をスーパーヒーローだと思い込んでしまう

 

感想
とにかく低俗でバカバカしいくだらない映画
だからこそ、めちゃくちゃ笑えました
アメコミのパロディ満載
下ネタ満載
下の下の映画
でも、意外とちゃんと作られている

 

「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」がとても面白かったので
本作にもとても期待して観に行ってきました

想像していた通り
とてもくだらないしょうもない映画でしたね
だからこそ爆笑できた
期待を裏切らないアホな映画

ただ、やっぱり観る人は選ぶのかな
という印象です

本作はとにかく低俗で下品で
倫理的にどうなの?
と思ってしまうような場面もちらほら

創作物に対して潔癖な人は不快に感じるかもしれません
しょうもない映画が嫌いな人も本作を受け入れられないでしょうね

まあ、しょうもない映画が嫌いなら
そもそもこの映画をわざわざ観ないでしょうが

僕の場合はこんな映画が大好物なので大いに笑えて楽しむことができました

 

本作は
やはりギャグがすごく多いです
しかも、結構レベルの低いしょうもないギャグ

でも、そんなギャグがちゃんと笑えるんですよね
くだらないけど笑えるギャグが多い

その理由は
前フリがしっかりしていてタイミングもとても良いからだと思います

例えば
日本のつまらないコメディ映画でありがちなのが
ただ変なことを言ってるだけとか
変顔を見せるだけとか
ボケとツッコミだとか
ギャグ単体で笑わせようとするパターンが多いですよね

ただ、本作の場合は
ギャグ単体で終わらせるんじゃなくて
そこに至るまでのプロセスがあるし
1つのギャグから後に繋がっていったりもする

例えば
主人公の友達が薬の治験バイトやってるってのも
それ自体もちょっとした小ボケですが
そのせいで幻覚が見えることで次のボケに繋がっていったり
物語を展開させるきっかけになったりもするわけです

他にも1つのギャグから次のギャグへと発展して連鎖的に繋がっていく
という場面はとても多かったように思います


それに、本作は設定の扱い方も上手いですね

そもそも、主人公が記憶を失って自分を本物のスーパーヒーローと思い込んでしまう
という設定自体も面白いんですけども

その設定からいろいろと広げて笑いにしてました

本当は普通の人間なのにヒーローみたいな立ち振舞いをしようとすることでズレが生じ
そこが滑稽で笑える

主人公がヒーローらしく振る舞おうとすれば
逆に変なことが起きて笑いに転換されるんですよね

これに関してもやはりギャグ単体で笑わそうとしてるのではなく
設定から派生させてそこから笑いに繋げている
って感じの作りです

ある意味
伏線を張って回収するという映画の手法を
笑いの部分でもちゃんとやってる

しょうもないギャグの連発をやっているだけのようで
実は知的なことをやっているんですよ

だから、低レベルな下ネタの連発もそこまで下品にも感じなかったりもします
下ネタ単体で笑わそうとしていないので
結構マイルドな下ネタが多く
さほどいやらしい下ネタにはなっていません


あとはアメコミ映画のパロディですよね
これもホントに面白かった
アメコミ映画が好きなら笑えるのは間違いないです

バットマンのパロディ映画と思いきや
むしろ、DCよりマーベルばっかりイジってるし

印象に残ったのは
あのスパイダーマンの名シーンのパロディ
あれはさすがにアホすぎる
あんなの怒られるよ

終盤のアベンジャーズも良かったですね
何もせずに全滅してましたし
バカバカしい

他にもジョーカーの名シーンやら
X-MENの学園やら

てか、そもそも劇中映画がバットマンのパクりでしかないし

アメコミ映画を好きな人なら気づけるところがたくさんあって
そのしょうもないパロディ連続に笑わされると思います

めっちゃ茶化してましたけど
監督たぶんアメコミ映画大好きですよね
ふざけてるけど愛は伝わってきました

 

あと、メリハリがちゃんと効いてますよね
すごくふざけてるけど真面目なところは真面目に作られています

ストーリーなんてかなりちゃんと作られてるんですよ

主人公がヒーローとして活躍しようとすればするほど悪い方向にどんどん転がっていって
この先どうなるんだろう?
と、どんどん物語りに引き込まれていきます

次々とテンポよくストーリーが展開していくので退屈することもない

ストーリーの作りも良くて
真面目な部分でも伏線を張って回収ができていて
観ていて気持ちよくもありますよね

ラストの展開はかなり良かったと思う
ちょっと感動したし


ストーリーだけでなく登場人物も意外と真面目なんですよね
実はみんな意外とふざけてなくて
真面目に行動してるが故に変なことが起きてるわけです

主人公のセドリックにしたって
めちゃくちゃ真面目な人ですから

本気で自分をヒーローだと思っていて家族を助けようと行動してる
だから笑えるんですよ

ふざけた人がふざけた言動をしていたら冷めるだけで
ここもやっぱりメリハリですよね

登場人物が真面目に行動してるからこそのズレで
そこから変な事が起きると緩急で笑いに変わる

真面目な部分があるからこそ笑いが生まれる
本作はそこを徹底していると感じさせられます


アクションシーンは格好よくチープになっていなかったり
ラブロマンスは茶化すことなくハッピーエンド

最後まで観るととてもバランスがいいなと思わされました


本当にくだらないおバカ映画ではあるけど
ただふざけてるだけでなく知的に作られた映画でもある
パロディにも愛を感じれました

コメディ映画としてクオリティが高い作品だったのではないでしょうか

とても笑えたしちょっと感動したし
低俗な映画なはずなのに最後には爽やかな気持ちになれた

 


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