何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

僕はスランプかもしれない

どうもきいつです


気がつけば最後にブログを更新してから1ヶ月ほど経ちました

最近、あまり感想を書く気になれないというか
書こうとしても
あまり考えがまとまらないし
気が利いた言葉も思いつかないし

正直、面倒くせーな
と思ったりもして
あえてブログから離れてました

まあ、僕なんて映画を観てただ感想を書いてるだけだし
大して何も生み出してない奴がスランプとか言っておこがましいですよね

 

僕がブログを始めてからは4年ほどで
更新頻度はそこそこ多いほうだったと思います

何ヵ月もほぼ毎日更新してたような時期もあったし
頻度が減っても少なくとも週に1、2記事は更新してた

自分で言うのもあれですけど
結構すごいですよね

例え趣味であろうと
こんなに長くマメに続けるなんてなかなか難しいでしょ
普通じゃない並外れてる
僕はすごい人間です
自画自賛

 

だからこそか
最近になってマジで書くことがなくなってきたんですよね

基本的に映画の感想を書いてきて
もはや800記事超えてるわけですよ
1つの記事でだいたい2000~3000文字くらい
そりゃ書くことないよ

ブログを書いてると
こんなこと前も書いてたよな…
みたいなデシャブに見舞われることもしばしば

やっぱり、多く書いていると段々と書くことが似かよってきます

文章を書いている途中にふと客観的になり
こいつまた同じことで絶賛してるなとか
こいつまた同じことでキレてるなとか
心の中でもう1人の自分がつっこんでくる
すると萎えてきます

最近それが本当に多い


あと、僕の書くことが似かよってるだけでなく
映画自体も似てるの多いしね

人生で言えば
たぶん1000本くらい映画を観てるわけです
そんな数あれば似てるのもめっちゃある
ホラー映画なんて全部同じですから!!

似てる映画なんて感想も似てくるに決まってる
800記事もあれば間違えて同じ映画の感想を書いてるかもしれん
それくらいわけわからなくなってるのは確か

「13日の金曜日」シリーズの感想も何作か書きましたが
たぶん、毎回同じことを書いてる

仮面ライダーの感想なんていつも同じ批判ばかりしてますよ

同じ批判ばかりしていると
心の中の自分が
つまらないのになんでずっと観てるんだよ
って言ってくる

客観的になればなるほど
ブログを書きながら
何故、自分はこんなことをしているんだろう…
という気持ちに苛まれます

そういうところから書くのがしんどくなってくる

体調や気持ちや環境によるものもあるだろうけど
やはりモチベーションが下がっているのは否めません

 

かと言って
ブログを辞めますときっぱり言い切れない自分もいます

いろんな作品に触れることで思うことはありますし
自分の考えが見えてきたりもする

やっぱりそんな思いを表面に出したいという衝動はあるんですよ
だから、映画を観たときに
ついついTwitterで気持ちが溢れだしてたりもしました

映画の感想だけでなく
日々の生活の中でも自分の思うことや考えで言いたいことはたくさんあるし
真面目なことだけでなく
くだらなくてしょうもないことも言いたいし


今回、この記事を書いているのも
ブログを終わらせたくないって気持ち
何か書きたいなって衝動
そういうのがあるから思いつきだけで書いている

 

今後はどうなるかわかりません

また気分がノってきて映画の感想で更新頻度が上がるかもしれないし
感想という形に囚われずブログを続けていくかもしれないし

良い感情であれ負の感情であれ
何かしら気持ちが昂った時にだけ更新するようになるかもしれない

このまま自然消滅する可能性もあります

誰かに
この映画を観て感想を書いてほしいとリクエストを受けるのとかも悪くない

 

まあ、あまり深く考えすぎず気楽にやっていこうかと思います

趣味の話を聞いてくれて共有できるような友達がいれば
わざわざこんなブログで発散しなくてもいいんですけどね
友達がいればこんな悩みもない

じゃあ友達作れよ

 

 

映画「“それ”がいる森」感想 一体どういうつもりなのか?

どうもきいつです


ホラー映画「“それ”がいる森」観ました

森の中で得たいの知れない何かに遭遇した人々の恐怖を描いたホラー

監督は「リング」などの中田秀夫
主演を努めるのは相葉雅紀です

 

あらすじ
田舎で農業を営む田中淳一
彼のもとへ別れた妻との息子の一也が東京から訪れ2人はしばらく共に暮らすことになる
そのころ、近くの森で不可解な現象が発生し
彼らが住む町でも不審死や失踪が続発していた
そして、彼らは得たいの知れない“それ”を目撃してしまう

 

感想
真面目に作ってこうなってしまったのか
あえてこんなのを作ったのか
観ていて意図が全くわからない
どんな気持ちでこの映画を観ればいいのか…
まあ、どっちにしたってクソなのは間違いないけど

 

地雷だろうなとは思ってたけど
“それ”の正体が気になったので観てきました


…が
“それ”の正体に期待してしまうと…

 

まず、本作を観た人のほとんどかCMや予告を見て
“それ”の正体が気になったから観たんじゃないでしょうか
相葉雅紀ファンもそれなりにいるとは思いますが

CMや予告を見る限りでは
この映画のメインは“それ”の正体が何なのか
という部分だと思いますよね

 

ただ、実際に本編を観てみると
本当に拍子抜けと言うか…

これは予告詐欺と言われても仕方ない

あれだけCMや予告で煽ってるのなら
“それ”の正体は想像以上のものでなくてはならない

しかし、実際は想像のはるか下
なんじゃそれって感じです


ネタバレすると
“それ”の正体は宇宙人です
しかも超テンプレなグレイタイプのやつ

宇宙人なのは百歩譲って良しとしましょう
なら、せめて造形をもっと斬新で想像を絶するものにしましょうよ

こんなの令和の時代でやることか?

 

まあ、“それ”の正体の話についてはこれで終わりです

本題はここから
この映画は“それ”の正体が拍子抜けってことだけでなく
それ以外にもいろいろと酷いと思わされる映画です

何から話せばと悩むんですけども…

まず最初は
そもそもこの映画が古臭すぎるってとこからですかね

宇宙人の造形ももちろん今さらすぎるわけですが
基本的に本作でやってることは全て周回遅れ甚だしいです

もし、この映画が20年前に公開されていたとしても
その時代ですら50周遅れくらいしてる

宇宙人や地球外生物を題材にしたホラーなんて昔からたくさんあって
僕が生まれる前の作品ですら
前衛的で想像を超えてくるようなものは多くある

そんな昔の作品に比べても本作は相当劣っています


ストーリーに関しても新しさの欠片もなくて
ものすごくステレオタイプです

キャラクターにしろ設定にしろ展開にしろ
どれを取っても今さらすぎ

最後まで予想外の事は1つも起きなかったです
怖くもないし
シンプルにつまらないですよね

 

で、次に気になるのは
あまりのチープさです

特にやはり演技ですかね
マジでヤバイです
近年まれに見るヤバさ

ただ、これって出演者の演技が下手とか
そんなレベルじゃないんですよ

たぶん主演の相葉雅紀は下手だと思うけど
脇を固めてる実力派の人たちも何故か下手だったりします

この映画で一番感じたのが
心が無いんですよ

出てくる人みんながなんかハリボテみたいなんです
中身が空っぽと言うか
心を抜き出されたんじゃないかと思うほど

ラストなんて
子供が3人も死んでるのに笑いながらサッカー応援してたので
こいつらサイコパスだなと思いました


で、この心の無さの原因は
たぶんセリフだと思います

この映画は本当にセリフが酷くて
観ていて嫌気が差してくるほどでした

基本的に説明セリフで埋め尽くされていて
これじゃあ、いくら演技が上手くても嘘っぽくなるよ

登場人物たちが
その時の気持ちや状況や出来事を全て言葉に出してるわけです

不可解なものを見つけた時には絶対に
「なんだこれは…」って言いますからね
岡本太郎じゃないんだから…

セリフで全部説明した後に回想シーンがあったりもするし
めっちゃくどい

その上、肝心な登場人物の内面や考えは描かれず
行動原理や目的が理解不能なまま物語が進んでいく

あとは
こんな映画に出てるからなのか
出演者全員の目が死んでましたよね
みんな黒目が真っ黒でした
子役ですら目が死んでたよね

本当にこの映画に出てくる人みんなゾンビみたいでした
この映画はゾンビ映画ですね


他に気になったのは
主人公の息子が嫌いっすね
あいつマジでイライラする

父親や大人に偉そうに逃げるなとか言ってるくせに自分は逃げてばっかだし
基本、他力本願で自分で何もしないし
大して何の役にも立ってないし
結局、成長もしてないし

この映画においてのあのガキの存在意義がわからない

つまらないだけでなくイライラもさせられました


それ以外にも脚本の酷さとかも目に余るかな…

唐突な展開は多いし
登場人物はみんな頭悪いと思うし
もっと脚本はちゃんと作った方がいい

 

ここまでいろいろと文句を垂れてきましたけども
本作で最も不可解なのが
どういうつもりでこの映画を撮ったのか
ってことなんですよ

真面目に怖いホラーを撮ろうとしてこの体たらくなのか
あえてチープでギャグみたいな映画を撮っているのか
そこが観ていて全然伝わってこないんですよね

まあ、たぶんあえてチープでバカバカしく少し懐かしさを感じるように作られた映画なのかとは思うんですよ

とは言え、やはりその意図が伝わってこないし
多くの人がただのクソ映画と思ってしまうのなら
やり方が間違ってるってことです


本作が
どこの馬の骨ともわからない監督によって撮られた
知らない役者ばかり出ている超低予算B級映画だったなら
たぶんこれでも笑えただろうなと思うんですが

実際は
大御所監督によって撮られ
ジャニーズやら実力派俳優やらをふんだんに使い
そこそこ金もかけられ宣伝しまくっている上
シネコンなど上映館数の多い映画なので

例えこれが“あえて”のクソ映画であったとしても
正直、笑えない

 

そもそも、“あえて”これをやっていたとしても
スベってると言うか
あえてクソ映画を撮ってますよってのが予防線にしかなってないかな

これを“あえて”のギャグ映画で面白いと認めてしまえば
なんでもありになってしまいますよね

 

エンドロールの実際のUFO映像なんかも
意図があまりわからない
どういうつもりなんだろうと

一体この映画をどうしたいのか?

結局、誰に向けられているのか?
どう感じてほしいのか?
何を表現したいのか?
そういうのが本当に曖昧と言うか伝わってこないと言うか
何がしたいんだろう?って感じなんですよ

僕としても
この映画を肯定するも否定するも
どの路線ですればいいのか定まらない

 


つまるところ
この映画が真面目に作られた映画であっても
“あえて”こう作られたギャグ映画であっても
面白くないですね

これは悪い意味でのクソ映画でしかないかな…

この映画で一番怖かったのは
これにお金を払ってしまったこと

 


リング (Blu-ray)

 

 

映画「LAMB/ラム」感想 意外とほのぼの そして不穏

どうもきいつです


ホラー映画「LAMB/ラム」観ました

アイスランドの田舎で暮らす羊飼い夫婦が
羊から生まれた羊ではない何かを育てる姿を描いたスリラー

監督は本作が長編初監督のバルディミール・ヨハンソン
主演はノオミ・ラパスで製作総指揮も務めています

 

あらすじ
アイスランドの山間で羊飼いをしている夫婦マリアとイングヴァルは
ある日、羊の出産に立ち会う
しかし、羊から産まれてきたのは羊ではない何かだった
2人はその存在にアダと名前を付け育てることにする
アダとの生活はこの上ない幸せに満ちていたのだった

 

感想
終始、淡々としていて掴み所がない映画
わかりやすく面白い作品ではないと思う
ただ、不穏な雰囲気にどんどん引き込まれていきました
これは人間の愚かさとそれに対する報いを描いた寓話なのかもしれない

 

予告を見て以前から興味があった作品
期待して観に行ってきました

本作はホラーなのかスリラーなのか
正直、ジャンルはよくわかりません

わかりやすいホラーな演出などもほぼなく
むしろ、ちょっとほのぼのしていると言うか…
幸せな雰囲気すら漂っている

その上、最後まで淡々と静かに進んでいく物語でもあって
わかりやすく面白い映画でもありません

物語がどこへ進んでいるのか
結局どういうことだったのか
終始、掴み所があまりなくて
意味不明な映画という印象を持つ人も多いと思う

本作はエンタメ的な楽しさは皆無なのではないでしょうか

この映画を観て
面白い映画だった
と一言では言えないですよね

 

ただ、個人的には本作に引き込まれて
この映画の独特な世界観に浸れました

先の読めなさにどんどんと興味を惹かれ
幸福の裏に見え隠れする不穏な空気にゾクゾクさせられた

表面的にはさほど怖くないけど
噛めば噛むほど味わいのある怖さが染み出てくる

しかも、その怖さって
未知のものに対する漠然とした恐怖ではなく
人間の中に潜む普遍的な危うさへ対する恐怖のように思います

本作は教訓が込められた映画なのかなと

映画というよりは寓話
昔話を聞いているような感覚にもなりましたし

 

まず、この映画はあまり意味を求めすぎない方がいいのかなと思います

例えば
夫婦のが育てることになる仔羊人間は一体どういう存在なのかとか
所々に垣間見える意味深な場面とか
意味がありそうだしたぶん意味はあると思う
神話や聖書などがベースにあることが伺えます

でも、そこを考えすぎると
この映画の本質的なものが見えてこないようにも思うんですよね

本作で重要なのは
裏に込められた意味深なものではなくて
この夫婦の行いとそれに伴う結果なんじゃないでしょうか

そこを中心にこの映画を観ると
かなりわかりやすい映画でもあります

簡単に言えば
自分の幸せのためにエゴを剥き出しにした人間が
最後にはそれ相応の報いを受ける話です

主人公のマリアは過去に娘を亡くし心にポッカリと穴が空いた状態
そんな時に半獣半人の異形の赤ん坊が現れます

普通なら異形の者に対する恐怖や戸惑いの気持ちが先に来るはずですけど
この精神状態の彼女からすればそんな異形の者ですら神からの恵みに思えてしまう

そこからマリアとイングヴァルの夫婦は仔羊人間を育てることになりますが
これが人間のエゴで愚かなところ

マリアは仔羊人間を自分の娘のように育てるけど
それは仔羊人間にかつての自分の娘を重ねているだけで
ただ心の穴を仔羊人間で埋めているだけなんですよね
実際の自分達の娘の名前を付けていることからもそれが伺える

仔羊人間を育てることでマリアは幸福感を感じているけれど
その幸せを得るために他者の子供を奪い
さらにはその母親を殺しているわけです

マリアは本当に身勝手な人間なんですよ


夫のイングヴァルにしたって
この状況が異様だとわかっているけど
目の前の幸せを手放したくないから見て見ぬふりをする
この状況が異様でないと自分に嘘をつき思い込んでいる
これもまた人間のエゴですよね


そんな身勝手な夫婦だからこそラストの展開は当然の報いで

自分達の幸せのためとは言え他者を蔑ろにしてしまえばこのような結末が訪れる
という教訓が込められているのは理解できます


最後の羊男の登場や
その羊男がライフルを使ったりとか
そこに引っかかる人もいるかもしれないけど

夫婦の行いに対する因果応報の物語と捉えれば
羊男がライフルを使うことには納得できるし

この羊男は
自分達のエゴのため自然の摂理を犯した夫婦へ
罰を与えにきた神のような存在だとも思える

改めて考えても
やはり本作は寓話なのかなと思わされます

 

そして本作は
教訓めいた寓話ってだけでなく
映画的にも面白いなと思わされます

特に面白いのは
極端に説明が少ないのに何故かいろいろと察することができる作り

言葉の説明なんてほぼ無いのに
この夫婦の境遇は理解できて
異形の仔羊人間を子供として受け入れてしまうことに納得できたりもする

バックボーンは詳しく語られないけど
会話や表情や空気感から
それぞれの人間関係が見えてきたり
過去に何があったのか想像できたり

映画としての見せ方がとても上手いなと思わされます

必要最低限の会話で成り立っているからこそ
とある夫婦の日常を覗き見しているようなリアリティを感じることもできる

 

そして、やはり幸福と不穏の表現がすごく良い
これがすごく気持ち悪いですよね

基本的にこの映画ってほのぼのしていて
幸福感に溢れているんでよ
観ていてほっこりするような場面も多いです

観客ははじめは異形な仔羊人間のアダに違和感を感じるけど
映画を観るにつれて段々と可愛く愛らしくすら思えてきます

そんな幸福感に溢れる日常が見せられるからこそ
所々に散りばめられている緊張感のある場面にゾクッとさせられる

そして、幸福感に溢れているから
異形の存在を育てている不自然さであったり
この幸せの先が見えない不透明さであったり
そんなところから不安な気持ちにさせられる

不自然さや先行きの見えない不安さによって
幸福でありながらも常に不穏な映画でもある
 
この空気がとても独特で
それが故にこの映画の世界にどんどんと引き込まれていきます


イングヴァルの弟の存在も効果的で
彼がいるから観客はこの世界に引き込まれつつもどこか客観的であれる

この弟の目線が観客の目線と同じで
アダを育てる夫婦がおかしいと思いつつも
アダが可愛い子供のようにも感じています

でも、弟にとってはアダに対する思い入れがさほどなく
客観的に夫婦の未来について言及できる存在だったりもする

彼がこの世界に存在することによって
過度に夫婦に感情移入することもなく
かと言ってこの夫婦を突き放すような気持ちにもなれなくて
観客を絶妙な立ち位置で保たせてくれるんですよね

だからこそ本作の結末から見えてくる教訓がすっと心に入ってくる

 

あとは、シュールな空気感に笑わされたりもしました

特に笑ったのは
夫婦が弟にアダを紹介する場面
この時の弟の反応が的確すぎて面白い

そりゃあんな感じになるよ
ツッコミどころが多すぎて何も言えないよね

 

それと、やはり演技もなかなかすごい

ラストのノオミ・ラパスの表情なんて
全てを失ってしまった絶望なのか
はたまた、この異様な状況から解放された安堵なのか

どうとも取れるこの絶妙な表情に気持ちを掻き乱されたような…
そして、ここからいろいろと考えを巡らされます

てか、全体的に演技で魅せる映画でもあって
絶妙な間とか絶妙な会話とか
出演者みんなが演技で引っ張っていたような映画ですね

犬、猫、羊など動物もちゃんと演技してましたしね
演技させられているという方が正しいかもしれないけど

演技にこだわっているのはめちゃくちゃ感じれて
演技によるリアリティも高いと思います
そこも本作の魅力の1つなのではないでしょうか

 

わかりやすくインパクトのある演出や
わかりやすく面白い展開などはなくて
ちょっと味が薄い映画の印象を持つかもしれません

でも、本作は噛めば噛むほど味が出てくる映画かと思う

何回も観ればまた印象が変わるかもしれない

静かだけど興味深い映画でした

 

 

映画「雨を告げる漂流団地」感想 地味で暗くて幸が薄い

どうもきいつです


アニメ映画「雨を告げる漂流団地」観ました

「ペンギン・ハイウェイ」などを手掛けたスタジオコロリドによる長編アニメ映画
小学生6人が不思議な現象に巻き込まれ
取り壊しの決まった団地で大海原を漂流するファンタジー作品
2022年9月から劇場公開と同時にNetflixでも配信が開始されました

監督は「ペンギン・ハイウェイ」でも監督を務めた石田祐康です

 

あらすじ
幼馴染の航祐と夏芽は
航祐の祖父が亡くなったことをきっかけに関係がギクシャクしていた
ある日、航祐は友達とともにお化け団地へ忍び込んだ
そこで偶然、夏芽に遭遇し謎の少年のっぽの存在について聞かされる
すると突然、周囲一面が大海原になり団地が漂流していた
そして、航祐たちは力を合わせてサバイバル生活を送ることになる

 

感想
なんか常に陰湿な空気が漂っていて
少年少女たちの冒険ものなのに全然ワクワクしない
みんなの関係性がギスギスしてるのも観ていてしんどい
最終的にあまり意味もわからないし
観終えたときの幸福感が全く無かった

 

以前観た「ペンギン・ハイウェイ」が面白かったので本作も観てみました
映画館ではなくNetflixでの鑑賞です

 

率直な感想は
面白くなかった

正直、映画館で観なくてよかったな
と思ってしまうほど


アニメ映像のクオリティに関してはレベルが高いと思います

細かい描写がとても美しいし
キャラクターの動きも滑らかでした
映画館の大画面でも耐えうるクオリティではあるのは間違いない

特に廃墟の描写がすごく良かった

たぶん、廃墟を描きたいというところからスタートしたんではないかと思います

廃墟が海を漂流する
というシュールなアイデアから企画が始まった作品なのではないでしょうか

そう思わされるほど
廃墟の描写にはこだわりを感じます
汚ならしさや朽ちていく様子はとてもリアルで
廃墟の描写だけでもそこそこ見応えはありました


ただ、本当にそれだけなんですよね

廃墟の描写以外には良いところが全く無かったかな…
廃墟が海を漂流するというアイデアだけで終わっていた映画でした

 

特につまらなく思わされたのは
毎回ワンパターンの展開

基本的に同じようなことを繰り返してるだけのストーリーで
段々と観ているのが苦痛になってきます

同じようなピンチを同じような方法で乗り越え
同じような悩みに何回も葛藤し
同じような原因で同じようなケンカを繰り返す

物語が進むにつれて
自分は何を見せられてるんだろう…
って気持ちにさせられてくる


それに唐突な展開も多かったです
特に終盤は前置きなく急に話が展開していく

嵐になった理由もよくわからんし
観覧車が流れてきて新キャラ登場もあまりに唐突で説明不足
のっぽ君を置いてけない助けたいってくだりも全然感情移入できませんでした

のっぽ君に関しては
序盤で仲良くなるだとか友情を築くだとか
何かしらエピソードを用意するべきでしたね

 

それと、やっぱり全体的に意味不明
あまりに説明が少ないと言うか…

のっぽ君の正体もね
なんとなくはわかるんですよ
てか、早い段階からそういうもんなんだろうなってのは予測がつく

ただ、明確に答えを示してなさすぎ
のっぽ君が団地の化身なのか妖精なのか
後天的に心が芽生えたのか
はじめからそういう存在なのか
結局はなんかよくわからん存在ですよね

そちらで考察してくださいってことなのかもしれないけど
それってさすがに手抜きじゃないですか?

のっぽ君のことだけでなく
本作は劇中で語るべきことを全然語れてないなと思います

キャラクターのバックボーンにしろ
団地が漂流していることにしろ
あの海がひたすら広がる世界にしろ
最後に行き着く場所にしろ

全て観ている側が察しろ考察しろってスタンスで
あまりにも投げっぱなしですよね


意味不明な作品でも認められているものはたくさんあって
考察ありきの難解な作品が悪いとは思ってないけど

本作に関しては
そもそも考察したいと思わされるほどの面白さがない

面白い作品なら意味不明であってもいろいろと考えたくなりますが
この映画の場合は
観終えたら
それ以上この映画に時間を費やしたくないなと思ってしまう

観ているときでさえ時間を無駄にしている気持ちになるのにね…

 


あと、僕が本作をなんか嫌だなと思うのは
ネガティブすぎるところ

基本的にすごく暗いんですよね
キャラクターの性格もそうだし起きる出来事もそうだし

観ていて全然楽しくない
むしろ、しんどくなってきます


観る前は
ワクワクする子供たちの冒険譚
ジュブナイルもののイメージでした

実際に観てみても
確かにそういうジャンルではあるけども

観ていて一向にワクワクしてこなくてノスタルジーな気持ちにもさせられない
なんかすごくジメジメしてるんですよ


特にヒロインの夏芽ちゃんが酷い
ずっとウジウジと悩んで
最後まで身勝手な行動で友達たちを振り回して

夏芽ちゃんがめっちゃ嫌なキャラになってました

主人公の航祐やのっぽ君なんかも
自分の気持ちをなかなか表に出さず終盤の方までウジウジしてる感じで
これも印象が悪かった

唯一、自分の気持ちをはっきり言葉にするレイナちゃんは
こっちはこっちでは毎回同じようなことでキレてケンカが始まり
仲間の関係性をギスギスさせてる嫌な子になってる

そして、他の子たちはほぼ空気
存在している意味がない


子供たちが冒険するって話なのに
終始、空気が悪くスゲーしんどい


ネガティブなところで言えば
ピンチの描写も嫌でしたね

起きていることは基本地味で
そして、すごく嫌なピンチなんですよ

この映画のピンチって
ケガをするというリアルで痛々しいものばかり

ガラスで膝を切るとか
落下して頭を打って生々しく血を流すとか
そういうのをめっちゃ繰り返すんですよ

で、そういうのがきっかけでケンカが始まったり…
それの繰り返し

これの何が面白いんですか…?

観ていると本当にひたすら気持ちが落ち込んでいく
観ているこっちもマイナスな気持ちになっていきます

この映画の意図がわからないんですよね
観客を嫌な気持ちにさせたいんですか?

子供向けアニメにしては楽しさやワクワクの欠片もなく
大人向けにしてもいまいち感情移入はできずさほど深いものも感じない


この映画は
航祐と夏芽のネガティブでギスギスした関係性で最後まで引っ張り
その上、のっぽ君のミステリアスな面でも最後まで引っ張っていて

最後までネガティブな印象しかなく
さらに意味不明という
観終えた後に全然すっきりしないんですよね

ハッピーエンドで終わってるのに
終わった時の幸福感が全く無い
すごく幸の薄い映画に感じさせられました

 

同じことの繰り返しだとか
登場人物が多い割に扱いきれてないだとか
意味深な世界観なのに説明不足だとか
やはり脚本が悪いですよね

もっと脚本を練るべきだったと思う
映像面やアイデアが良いだけにもったいない


設定やシュールな世界観にこだわってるのはわかるけど
それだけで終わってる
中身が伴っていないです

最近、そういうアニメ映画多いですね
同じNetflixで配信されてた「バブル」もそんな感じだったし

最近のアニメ映画の傾向のせいで
水浸しアニメ映画に対して警戒心が発動する体になってしまった

 


ペンギン・ハイウェイ Blu-ray スタンダードエディション

 

 

映画「シャーク 覚醒」感想 ベタだけど熱い

どうもきいつです


アクション映画「シャーク 覚醒」観ました

WEB漫画「シャーク」を実写映画化した韓国のアクション映画
壮絶ないじめを受けた主人公が
収監された少年院で心身ともに成長する姿が描かれます

監督を務めるのはチェ・ヨジュン
出演するのはキム・ミンソク、ウィ・ハジュンなどです

 

あらすじ
いじめに遭っていた高校生のウソルは
とある事件をきっかけに少年院に収容される
弱肉強食のその場所で
ウソルは総合格闘技の元チャンピオンのドヒョンと出会い
自分を変えるために彼に教えを乞うことになる
そして、ウソルは厳しい鍛練を続け成長していくのだった

 

感想
よくある内容
すごくベタな展開ではあるものの
やっぱりこういうの好き
想像通りだけど熱い気持ちにもさせられた
韓国映画らしいバイオレンスな描写も良かった

 

面白そうだったので観に行ってきました

あらすじは読んでいたので
観る前からなんとなく方向性はわかっていましたが

まさか、あらすじだけでほぼ全て語れてしまっているとは…

あまりにもシンプルでベタな映画でしたね

正直、ここまでシンプルな映画だと
人によってはつまらないと思ってしまうかも

展開は予想通りだし
結末も予想通り
なんの捻りもないです

とは言え、個人的にはこの映画が好きです

シンプルでベタではあるものの
わかりやすく熱い映画でもあるので

ちょっと感動させられたり
主人公を応援してしまったり
なんだかんだ最後まで楽しむことができました

 

まあ、言ってしまえば
この映画はほとんど「ベスト・キッド」です

いじめられっこが師匠の教えを基に修行して強くなって
最後には自分をいじめていた奴と戦います

そのまんまです


ただ、本作の舞台は現代の韓国…
と言うか韓国映画の世界って感じですかね
そこが面白い

いじめ描写の残酷さとか
少年院の中で強くなっていくとか
ケンカの容赦なさとか

いかにも韓国映画らしい
バイオレンスで刺激的な世界観になっています


そんな中で
いじめられっこの少年がメキメキと強くなり強敵を乗り越えていく姿には
心を熱くさせられます

めちゃくちゃ王道でありきたりなストーリーだけど
こういうのが好きなんですよね
観ていて気持ちいいですよ


全体的にテンポが良くて観やすいし
目的は強くなりたいというシンプルなものだし
師弟の絆がシンプルに描かれていたり

とにかく全てがわかりやすい
すっと頭に入ってきます


あとは登場人物も魅力的でしたね
みんな記憶に残る顔してる

主人公のウソルはやっぱり応援したくなるし
師匠のドヒョンはカッコいいし
ライバルのいじめっこは嫌な奴だし
少年院のみんなはなんか憎めないし

ウソルとドヒョンの関係性も良かった
師弟関係と言うよりも兄弟って感じで
2人の絆が深まるほどほっこりとさせられる

ラストの2人の何気ない会話とかも少し感動させられた

キャラクター描写にしても王道でシンプルでしたかね


ケンカのシーンなんかも格好よくて見ごたえがありました

これはやはり韓国映画って感じで
なかなか痛々しくて迫力のある場面に仕上がっていたと思います

ウソルの根性だけは人一倍という部分も
ここまで痛々しくてしているからこそ
より際立っていました

 

普通に面白いと思いましたが
あまりにありがちな映画だからこそ物足りなさを感じてしまうのは否めません
そこがもったいないですよね

全体的にあっさりしすぎかなと思う

特にそれを感じたのが
人間関係やドラマの浅さですかね
もっと深掘りしてもほしかった

少年院の仲間たちは存在感があるものの
いまいち痒いところに手が届かないと言うか…

帰って来た班長なんて意味が全然なかった
帰って来ただけで終わりだったので
なんか消化不良ですよね

ここから一悶着あるのかと思いきや
エピソードすらありませんでしたね


敵対するグループと和解してからは
あまりにあっさりなので残念

和解してから彼らがどう過ごしたのかももっと見たかったです


ライバルのいじめっこに関しても
主人公と対比する見せ方は悪くないけど
やっぱり浅かったですかね

主人公との因縁なんかも深掘りした方が
ラストの対峙はさらに盛り上がったと思う


基本的にあっさりした味付けの映画になっているので
もっと濃い味を求めてしまっていました


それと
やっぱりストーリーが強引かな…

ウソルやドヒョンの境遇はあまりに理不尽
いくらなんでも罪が重すぎるでしょ

この理不尽さで確かに可哀想とはなるけど
リアリティは損ねているような…

ご都合主義な展開も多かったし
ストーリーは少し雑なのかもしれない


あと、主人公が強くなるのはいいんですが
強くなった先を見せてくれなかった

強くなって終わりってのは
このタイプの映画としては浅はかに感じてしまいました

腕力でねじ伏せるということには
カタルシスを感じつつ虚しさもはらんでいて
そこに対する何かしらの答えは欲しかったかな…

敵を倒して終わりのウソルの未来には
正直言って明るいものは感じれなくて
戦い続けるという負のスパイラルに巻き込まれてしまったようにも見えてしまう

ある意味、韓国映画らしいっちゃらしいか


いじめに対抗するには力が必要なのはわかる

そういう意味では
暴力を振るち力でねじ伏せることの光の部分は見せてくれたんですけど

やはり闇の部分に向き合う姿も必要だったのではないでしょうか

そこまで描いてくれればもっと深い映画になっていたようにも思う

 

まあ、シンプルに楽しむエンタメとしては面白い作品だと思います
弱者が強者に勝つ姿にはカタルシスを感じれ気持ちがいい

「ベスト・キッド」的なやつが好きな人は
この映画も好きだと思います

 

 

映画「シーフォーミー」感想 主人公が最低すぎて最後まで好きになれない

どうもきいつです


スリラー映画「シーフォーミー」観ました

視覚障害者の少女が強盗に巻き込まれ
視覚障害サポートアプリを利用して強盗集団に立ち向かう新感覚スリラー
カナダの作品です

監督はランドール・オキタ
主演を務めるのは実際に視覚障害者でもあるスカイラー・ダベンポートです

 

あらすじ
目の不自由なソフィは視覚障害者であることを逆手に取り
ペットシッターのアルバイトで訪れた豪邸で盗みを働いていた
しかし、そこへ武装し強盗集団が侵入してきた
命の危険を感じたソフィは視覚障害サポートアプリ“シーフォーミー”を起動する
彼女はアプリを通じて元軍人のケリーの助言をもとに窮地を切り抜けていく

 

感想
とにかく主人公が最初から最後まで最低
全く好きになれませんでした
ハッピーエンドっぽくなってるのが納得できない
アイデアや設定は面白いけどいまいち上手く生かせてなかったようにも思う

 

設定が面白そうだったので観てきました

視覚障害者がアプリを使って強盗に立ち向かうって設定はなかなか面白いですよね
それだけですごく興味を惹かれました

視覚障害者を扱った作品と言えば「ドント・ブリーズ」や「見えない目撃者」とかがあります
本作もそれらと似た作風ではあるけど
少し地味かな
まあ、低予算でしょうしB級映画って感じです


ストーリーはとてもシンプルで
視覚障害者の女の子が侵入してきた強盗集団に立ち向かう
という内容

その中で
視覚障害のハンデであったり
サポートアプリを利用して逃げたり戦ったり
が描かれるわけです

特にサポートアプリの存在が
こういう映画では斬新だと思いました

本来ならこのアプリ
アプリの向こう側にいるサポーターが
視覚障害の目となり指示やアドバイスを出して補助するためのもの

本作でも視覚障害者がアプリによってサポートを受けますが
家に強盗が侵入してきたという状況

ここをどうサポートを受けて切り抜けていくのか
という面白さがありました

サポーターの女性が元軍人でFPSゲーム好きで
主人公を操作して強盗を倒すって展開は
なかなか面白い発想でしたね

ハンデがあるからこそハラハラドキドキする展開も多くて
スリラーとしては楽しんで観ることができたと思います

 

障害者を扱う作品としても
ただの弱者としての障害者を描くだけでなく
本作の場合は主人公を悪い人間として描いている

障害者だからってみんな善人ではないし
みんなが助けを求めてるわけでもない
本作は障害者を一人の人間として描いてるんですよね

そこには
障害者を腫れ物扱いする現状に一石投じたかったのかなと思わされた


それなりに楽しめるスリラー映画にはなっていましたが
本作にはすごく引っかかる部分があって

それは主人公があまりにも最低すぎる

そのせいで観終えた後はめっちゃモヤモヤしてしまいます


さっきも言いましたけど
本作は主人公をただのか弱い障害者として描くのではなく
強かでズルい人間として描かれています

これは意図してのことなのは理解できる

ただ、最後までこいつが全然成長しないし改心もしません
さらにこいつのせいで事態は最悪の方向にどんどんと転がっていく
挙げ句の果てには被害者面

正直、この主人公には全く好感を持てないし共感もできない

それならそれで
結末を後味の悪いバッドエンドにしたりすれば
そこに意味を感じる可能性はあります

しかし、本作のラストは
主人公のソフィが心を入れ換えて新たな人生のスタートを切る
みたいな終わりかたなんですよ

これが本当にスゲー嫌な終わりかたでしたよね

ソフィは全くお咎めなしで
いまいち改心したそぶりもなく
ただ窮地を切り抜けたというだけて
こいつ1人だけがすっきりして終わってる

この女、4人も人殺してるし
こいつのせいで警察官も死んでるし
盗みをしてたことは有耶無耶だし

最後にハッピーエンドっぽくなってるのがめっちゃくちゃ気持ち悪いです

新たなスタートを切るのなら
警察に捕まって檻の中からでも始めてくれなければ納得できないっすよ

 

それと倫理的にどうなのかと思う部分もあります

アプリのサポーターの人がソフィに指示を出し
強盗たちを銃で倒していく場面がありますが

ここはエンタメ的に面白いシーンにしたいのはわかるんです

でも、強盗たちが殺されて仕方ないほどの悪なのか?
と思ってしまいました

この強盗たちは確かに悪い人間ではあるけど
普通に話が通じるし
事態が悪くなれば最悪の事態は避けようとする

ソフィが強盗に立ち向かう場面では
強盗を殺すのが正当防衛みたいになってたけど

そもそも、ソフィが強盗に取り引きを持ちかけたのが事の発端だし
その後も状況が変わればコロコロと言動を変えて被害者面

強盗が人を殺してしまったり
ソフィの命を狙ったりするのも
ソフィが仕向けてるようなもんですからね
強盗たちの行動はソフィの自分勝手な言動に左右されてるんです

ある意味、強盗たちも追い込まれて選択肢が無くなってるわけですよ

強盗たちが不可抗力でそうするしかないのに
FPSゲームのように戦う場面を見せられてしまうと
単純に印象が悪い

話の通じない極悪人とか
問答無用で殺しにくる殺人鬼とかなら
そんな見せ方でも印象が悪くならなかったと思うけど

本作の場合は観ていて倫理観を疑ってしまう

 

あとは、もっと設定を生かした展開も見せてほしかったですかね

FPSっぽい戦いかたとかは
倫理的なことは置いといて
見せ方としては面白かったてす

でも、それ以外は
アプリを通して主人公が遠隔操作される
って設定が面白く機能してる場面は無かったかな

ソフィが取り引きを持ちかけてからは
アプリなんてそっちのけだし
終盤のではマホの充電が切れてから運だけで戦ってたし

サポートアプリを使ったギミックがもっとあってもよかったかも

スマホの充電が切れるのは予測できたけど
それでアプリが蚊帳の外になってしまうのがもったいないですよね

それと、目が見えないことでもっとピンチを作ったり展開を広げることもできたと思う

ただ逃げてるだけ
ただパニックになってるだけ
ってのが多くてちょっとつまらなかった

 

発想は面白かったけど
それを最大限に生かせてなかったですかね

それにしても主人公の描写にはもっとやりようがあったんじゃないでしょうか
いくらなんでも印象が悪すぎ

ここまで嫌いになれる主人公はなかなかいないと思います

 

 

映画「DC がんばれ!スーパーペット」感想 つまらなくはないけど印象が薄い

どうもきいつです


アニメ映画「DC がんばれ!スーパーペット」観ました

DCヒーローが活躍する世界で
驚異的なパワーを手に入れたペットたちの活躍を描いた長編アニメーション
とらわれたスーパーマンらヒーローを救うためペットたちが戦いを繰り広げます

監督は「レゴバットマン ザ・ムービー」の脚本を手掛けたジャレッド・スターン
声優を務めるのはドゥェイン・ジョンソン、ケビン・ハート、キアヌ・リーブスなどです

 

あらすじ
スーパーマンの愛犬クリプトは
スーパーマンと共に世界を守りながらも平凡な日常を過ごしていた
しかし、スーパーパワーを手に入れたモルモット軍団にスーパーマンが捕らわれてしまう
クリプトはスーパーマンを救うため
スーパーパワーを宿したペットたちと共に戦いに挑むのだった

 

感想
わかりやすいストーリーだしテンポも良かったのでそれなりに楽しめる映画でした
ただ、あまり印象には残らない
全体的にドラマが薄かったように思います

 

DCヒーローがもしもペットを飼っていたら
という面白そうな設定に惹かれて観てきました

本作はCGアニメということもあって対象年齢は低めかな
子供向けの映画ですね

DC特有の暗さもなくポップで明るい作品

イルミネーションの「ペット」の二番煎じ感は否めないものの
ほっこりほのぼのアニメではなく
DCなだけあり
しっかりアメコミヒーローものに仕上がっていました

単純明快でコミカルな内容なので子供は十分楽しめると思う

 

ストーリーはシンプルで
敵に捕まったスーパーマンを助けるため
ペットのクリプトが奮闘する
ただそれだけの物語

その中でペットと飼い主の絆を描いたり
動物同士の友情を描いたりしているわけです

テーマやメッセージもシンプルなので
すっと頭に入ってきますよね


DCの世界観なのも生かされていて
アメコミヒーローらしいアクションも満載です

ペットたちが特殊能力に目覚めてそれを駆使して戦うのは面白い
終盤は派手なシーンも多くて
これぞアメコミって感じ

あとはスーパーマンを筆頭にジャスティスリーグの面々も登場します
DC作品が好きな人ならば
これだけでも楽しめるんじゃないでしょうか

バットマンイジりは笑えましたね
「レゴバットマン ザ・ムービー」の脚本家が監督なだけあって
イジり方が手慣れてる


そんな感じで面白い要素は多かったし
全体的にそんな悪くはない映画だとは思います

しかし、正直言って記憶には残らない映画かな…
という印象

ペットを扱う作品としてはかなりありがちなプロットで
そういう点では他の作品と差別化出来ていないように思いますし

ペットと飼い主の関係性や動物同士の友情などを描いているけど
ちょっと描写不足と言うか
なんかドラマがすごく薄かったですね

いろいろと詰め込みすぎて
一つ一つの要素が弱くなっているようにも思いました


本作の物語の中心でもある
ペットと飼い主の関係性の描写なんですが

スーパーマンと恋人が仲良いからペットのクリプトが嫉妬する
ってところから始まり
最終的にはみんなで仲良く暮らすというところに落ち着きます

流れや設定がありがちな上に結末もありがち
ここが面白味に欠けますかね

それに、嫉妬から解決までの中身が薄すぎるので
あまり感情移入もできないんですよね

クリプトがスーパーマンを助けてなんとなく全部解決みたいな
強引にストーリーを持っていってるようにも思いますし


で、動物同士の友情の描写も薄くて
こっちはこっちであまり感情移入できない

クリプトと他4匹の動物たちが唐突に出会って唐突に友情を深めていきます
それぞれの成長も唐突だし

どれも過程がなくて結果だけ見せられている感じなんですよね

仲間との交流も
クリプトと犬のエースの友情だけで
他のキャラはほぼモブみたいなもん

せめて仲間のキャラは全員掘り下げてほしかったですかね

エース以外の3匹の目的や原動力は最後まで謎で
なんのため誰のために戦ってるのかよくわかりませんでした

てか、4匹の中で一番目立ってるエースですら
正直言ってなんのために戦ってるのかよくわからんかった


このドラマの薄さは
やはりペットだけでなくジャスティスリーグのヒーローたちにも見せ場を作らなければならないことの弊害かな

サービスとしてヒーローたちも活躍させたかったのかとは思う

でも、本作はあくまでもペットが主役なわけで
ジャスティスリーグはおまけ程度でよかったのでは?

本作はジャスティスリーグにペットが食われてしまってるのは否めません


それと、最後のヒーローたちがそれぞれの動物たちをパートナーにする
という結末もちょっと唐突で無理矢理かな

なんとなくこの結末は想像してたけど
あまりにも過程が無いと言うか…

ヒーローたちがペットを飼いたいと思っているような前フリがあれば納得できるけど

そんな前フリもなく
敵を倒した途端に急にペットたちがパートナーになる展開です
モルモット2匹なんてマジで唐突すぎますからね

これに関しても結局は描写不足で
ペットたちが誰かに飼われたい
ヒーローたちがパートナーを欲している
というものが全然描かれないまま
結果だけ見せられている

唯一、バットマンだけは
ここまでのギャグ扱いが前フリになっていて
ペット飼うことになった時には少しほっこりとさせられるんですけどね

それ以外は
ヒーローたちにしろペットたちにしろ
内面すらまともに描かれていなくて
全ての展開が唐突に感じてしまいました


ペットを主役にするのなら
もっとペットに焦点を当てて深く掘り下げるべきだったと思います

 

それなりに派手な場面があったり
コミカルにわちゃわちゃしてたりはするので
子供が観るには満足できる内容なのかな

そのわりに
ジャスティスリーグの知識ありきだったりするのは引っかかるけど…

DCだからってヒーローを活躍させすぎたのはマイナスだったように思います

ヒーローが飼っているペットが活躍する
ってアイデアは良かったけど
それ以外はあまり印象に残らない映画でした

 


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