何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ムタフカズ」感想 アニメクオリティはとても高い でも内容が分かりづらいし 無駄が多い

どうもきいつです




アニメ映画「ムタフカズ」観てきました

 

この映画、宣伝が全然されてないですね
僕も最近たまたま知っただけで、存在すら知りませんでした
公開している映画館も少ないようです


個人的な感想は、良い部分と悪い部分が極端に分かれてる作品だと感じました
最初は、この映画すごい良いじゃん
って思い、観進めていると
だんだん、観るのが辛くなってくる



この映画の良いところはアニメーションです
アニメ映画「鉄コン筋クリート」のスタッフがこの映画を手掛けています
「鉄コン筋クリート」は独特な世界観、色彩や、スピード感のあるアニメーションが魅力的な映画でした
この映画にも、それはしっかりと受け継がれています


この物語の舞台、ダーク・ミート・シティ
この街の表現は素晴らしかった
荒廃した街並み、ゴミ、汚らしい動物
これが細かく描かれていて、汚さや気持ち悪さが伝わってくるんです
ゴキブリが大量に集まってくるシーンなんか鳥肌立ちますよ
でも、不快感がありつつもこの世界観が絵としては美しくも見えます

アクションシーンは爽快で観ていて楽しい
縦横無尽に動き回るキャラクターはカッコいいですし
固定されずに動きのあるカットなんかも観ていて飽きないです
バイオレンスな描写が多くて、銃撃戦やグロい表現もありますが
スピード感も相まって、爽快感に繋がっていると思います


主人公アンジェリーノの声を演じた草彅剛さん
これは賛否分かれていますね
けっこう棒読みだったんで

でも、僕は草彅さんは良かったと思いました
ちょっと気怠い感じと棒読み感が主人公のキャラクターにマッチしてると思いました
ハマり役だったんじゃないですかね?

ただ、その他の登場人物も棒読みのキャラが多かったのは問題ですね
そのせいで、主人公の声が埋もれてしまってる
他のキャラの声がもっと生き生きと感情のある声だったら
草彅さん声がもっと魅力的に生きたんじゃないかと思います



僕が悪いと思った点はストーリーですね

この物語は結局何をやりたかったのかがわからない
主人公たちは逃げてばっかりで、何かの目的のために行動してたわけではないし
ヒロインは結局何を考えていたのか、いまいちわかりづらい
敵の組織も目的がよくわからない

なんか終始ふわふわした状態で、そのまま映画が終わってしまう

おそらく、この映画のメッセージは
生まれや環境は関係なく、本当の自分になる
みたいな事だとは思うんですが
なんかわかりづらいんです

いろいろ要素は詰め込んでいたんですが
無駄な要素も多かったように感じました

他の人間と姿が違う主人公が自分の正体を知っていく
というストーリーなんですが
主人公の仲間も普通じゃない容姿で、しかもそれが言及される事もないので
このストーリーが弱く感じてしまう

途中に出てくるプロレスラーも良く分からない

主人公そっちのけで、戦闘するサブキャラのシーンも長い気がする

最終的に特に何も成し遂げていない主人公、ってのもスッキリしない要因です



それでも、アニメーション表現としてはトップクラスだと思いますし
観て損はないと思います
少なくとも、短所の部分は長所でプラマイ0位だと






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