何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「メアリーの総て」感想 美しくも不幸な彼女の姿に つい見入ってしまう

 

どうもきいつです



イギリスの女性作家メアリー・シェリーの半生を
描いた映画「メアリーの総て」観てきました

 

ゴシック小説の古典作品「フランケンシュタイン」を
生み出した女性作家メアリーの
波乱に満ちた半生を
エル・ファニング主演で映画化した作品

 

監督のハイファ・アル=マンスールは
サウジアラビア出身の女性映画監督です

 


あらすじ
19世紀のイギリス
小説家を夢見る少女メアリーは
妻子ある詩人パーシーと出会う
2人は互いに惹かれ合い、情熱に身を任せ駆け落ちするが
メアリーは数々の悲劇に見舞われてしまう



感想
とても美しい映画だと感じました
選択と責任というテーマが
心に突き刺さる重さもある作品
そして、可愛さだけでなく強さも見せてくれる
主演エル・ファニングがとても良かった



この映画、全体的に美しい作品です

映像、景色、音楽
全て美しいです

まず、これだけで映画の中に
引き込ませる魅力があります

一見、静かで地味にも感じますが
クオリティーの高い映像と音楽に
魅せられます


そして、表面的には美しい世界なんですが

映画の内容は
人間の弱さ、愚かさ
絶望的な状況
など、ネガティブなものをメインに描いています


このギャップが
この作品の魅力じゃないかと感じました


基本的に
メアリーが「フランケンシュタイン」を生み出すに至るまでの
彼女が経験した辛い出来事を
描いている作品なので
結構、暗めの物語になっています

でも、最後には希望も見せてくれるので
観た後はそんなに重い気持ちにもならず

むしろ、自分も頑張ろう
って気持ちになれると思う



そして、本作のテーマとも思える
選択と責任
これが、とても考えさせられる

この映画は、いくつも選択を迫られる
というシーンが出てきます
メアリーはその選択の末に
不幸になっていくわけですが

彼女はそうなってしまったのが
仕方のないこと
誰かのせい
と思うのではなく

選択をしたのは自分だから
責任をとるのは自分
と考える強さを見せます

こんなの見せられたら
言い訳ばかりしながら生きている自分が
恥ずかしくなりますよね

でも、これをきっかけに
自分とも向き合えると思う



弱さゆえに愚かな登場人物たちも
とても魅力的です


主人公メアリーも
最終的には強い人間になるものの
最初は無知な少女だからこその
小さな過ちを繰り返し不幸になっていきます

そして、この人生経験があったからこそ
若くして「フランケンシュタイン」という名作を
生み出せたわけですよね


パーシーは
典型的なダメ男ですよ
こんな奴と付き合っちゃダメです

でも、自分にも他人にもとても素直な人
だからこそダメ人間なのかもしれない
そしてメアリーの事も大好きなんですよね
なんか憎めない人間です


他の登場人物たちも
やっぱり人間として欠落しているような
愚か者が多い

でも、それが人間らしくて愛おしく感じる

むしろ、現実の世界もみんなこんなもんですよね
自分も含めて



主演のエル・ファニングもすごく良かったですね

ビジュアルが可愛いというのもありますが
それだけじゃなくて
メアリーの強い部分もしっかり表現してましたし
カッコよくも見えました

あんなに濃い出来事を経験している女性を
20歳くらいの女の子が堂々と演じている
ってのもすごいと思います



観に行って良かったと思える作品でした
とても綺麗な映画
でも、中身もしっかり詰まった
いろいろ考えさせられる映画でもありました
そして、勇気も貰えた





フランケンシュタイン (新潮文庫)