サスペンス映画「ナイトクローラー」観ました
事件や事故現場に急行してとらえた映像を
テレビ局に売る報道パパラッチとなった
男を描いた2014年のクライムサスペンス
脚本家として「ボーン・レガシー」などを
手掛けてきたダン・ギルロイが
本作で監督に初挑戦しました
あらすじ
まともな仕事にありつけず
軽犯罪で日銭を稼ぐルイスは
たまたま事故現場に遭遇し
そこで衝撃的な映像を撮っては
マスコミに売るパパラッチの姿を目にする
ルイスも同じく事件、事故現場の映像を
撮影し
マスコミに売ろうと試みる
感想
ルイスのサイコパス感が
とにかく怖い
そしてこれは
現代社会の闇を描いた映画
この映画の見どころと言えば
ルイスというサイコパスな男
これだと思います
映画を観ればわかりますが
超ヤバい奴です
それもリアルな感じで
実際にもこんな人間がいるんだろうな
と感じるリアル感
しかも、普通の映画なら
こんな奴は最後にバチが当たるんですけど
この映画は全くそんなことなく
サイコパスのサクセスストーリーに
なっています
サイコパスがその特性を生かして
パパラッチの世界で成り上がる姿を
描いている映画です
なので、結構後味の悪い映画
主人公のルイスが
ホントに最初から最後まで
サイコパスを貫いています
冒頭のシーンから
全く罪の意思も感じずに
犯罪を犯しています
金網を盗むというケチな犯罪を犯した上に
襲った警備員の腕時計も
ちゃっかり奪ってる
このシーンだけでも
この男に人間の心はあるのかな？
と思わせられます
さらにサイコパスと言うだけでなく
このルイスが
ダサいし、イタいし、キモい
コイツの語る思想みたいなのが
痛々しいくて聞いてられない
口は達者だけど中身カラッポ
みたいな男なんですよ
しかも、妙に高圧的だったり
偉そうぶったりもする
あの真っ赤な車とかスゲェダセェ
とにかくすごく嫌な奴
絶対好きにならないタイプの人間です
そして、すごく怖い
しかし、この男すごく魅力的
とても引き付けられるし
興味が湧く人間なんです
まず、ルイス役のジェイク・ギレンホール
彼が素晴らしい
マジでヤバい奴の顔してます
何なんですかね
あの目
サイコパスってあんな目してるんだ
って思ってしまうほどです
喋り方とかもなんかキモい感じ出てますし
何考えてるかわからない表情
笑顔もなんか嘘っぽい
完璧だと思います
そして、ルイスは
サイコパスで
ダサくてイタくてキモい男なんですが
ものすごい情熱を持った男なんですよ
絶対成功する
クソな人生から抜け出して見せる
そういう気持ちが沸々と湧いて出ている
この情熱だけは本物なんですよね
この情熱がルイスの軸となっていて
全くぶれず
一本筋の通った人間に見えて
なんかカッコよくも思えるんですよ
ただ、やってる事は完全に
ゲス人間なんですけどね…
ここまで、ルイスをサイコパスと言って
悪者にしてきましたが
この映画はサイコパス男を
面白く描いている映画
というだけでなく
そんなヤバい人間が
最終的に成功する物語を
描くことによって
現実社会を風刺しているとも思えます
こんなヤバい人間が成功する社会を
作ってるのは
自分たちというわけなんです
自分たちというわけなんです
ルイスをサイコパスと罵る資格が
自分たちにあるのかということ
この映画で描かれている
マスコミの世界を見ても
テレビ局、パパラッチが
世間の注目を集めるために
より過激な映像を求め放送します
そして、みんな倫理を無視し
とにかく利益や名声の為だけに
動き出す
そんな中ルイスのサイコパスの特性が
この世界で花開き
成功を収めることになります
サイコパスだからこそルイスは
成功者に成り得たわけです
何故こんなことが
起きてしまうのかと言うと
結局は自分たちです
自分たちが過激なものを求めるから
ゲスいものが大好きだからです
こんな自分たちがルイスを
サイコパスと攻めれるのか？
そう思わされます
そして、これはマスコミだけの
話では無く
この社会全体の構造の事でもあると思う
現実の社会でも成り上がる人間は
誰かを騙したり、陥れたり
多少サイコパス気質の人間だと思う
社会全体がそういう構造に
なってきてしまっている部分も
大いにあると思います
この映画はそんな現代社会の闇を
風刺した作品でもあるんじゃないでしょうか
で、この作品は
そんな部分だけでなく
映画としてもとても面白かった
パパラッチが特ダネのために
街中を奔走する姿はとても面白いです
殺人現場の撮影シーンは
緊張感が張り詰めていて
とてもドキドキする
終盤の銃撃戦からのカーチェイスは
最高ですね
ものすごいスリルでめちゃくちゃ楽しい
その中で垣間見える
ルイスのサイコパスも素晴らしいです
全体的にスリルと緊張感がとてもあって
最後まで飽きずに観れました
あと、映像の色彩もとても美しい
夜の闇に街のカラフルな明かりが
とても映えます
暗めなストーリの内容と
映像の鮮やかさのバランスが秀逸だと思います
ルイスのサイコパスを堪能しつつ
社会の闇も感じさせてくれる
そして、スリルとサスペンスで
楽しめる作品
とても面白い映画です
テレビ局のニーナが何をごねたのか
ちょっと気になる…
