SFスリラー映画「アルカディア」観ました
ある兄弟が、かつて過ごしていた
カルト集団の村へ再び訪れ
謎の超常現象に挑む姿を描いた
2017年の作品
ジャステイン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッドの2人が監督、脚本、撮影、制作を手掛けダブル主演も務めています
あらすじ
カルト集団と言われる自給自足の村
アルカディアを10年前に
脱走した兄弟が
村から送られてきた
ビデオテープをきっかけに
再び村を訪れることを決意する
感想
独特な世界観と設定が
とても自分好みでした
不気味な雰囲気に引き込まれました
ただ意味は分からない
前から気になっていた映画で
独特な雰囲気が面白そうだな
と思っていました
これが、個人的には
かなり好みの内容で良かったです
低予算のB級映画って感じの作品だし
内容もいまいちはっきりと
理解しがたいので
好みは分かれる映画だと思います
しかも、面白いのかどうかと言えば
正直、そんなに面白くないかも
最後まで観ても
オチもなんかしっくりこなくて
モヤモヤしますし
結局、この映画はなんだったのか
と疑問がかなり多く残ります
これといって何かが解決する
わけでもないですし
まあ、それでも世界観や設定は
とても魅力的だと思います
本作の根源的なものは
おそらくクトゥルフ神話を
モチーフにしていて
そこへSF的なタイムリープを
組み入れたような世界観
個人的に大好物な2つが
同時に楽しめるのでワクワクします
クトゥルフ的な
不気味な空気感や
人知を超えた何かの存在
それに支配される人々
こういう要素がじわじわと
気持ち悪さを醸し出しています
村の人々は全然悪い人たちじゃないし
幸せそうに暮らしている
でも、だからこそ
なにか気味悪さも感じる
歳をとっていない村人たちや
ロープを引っ張る謎のイベントとか
こういう違和感のあるものが
とても気持ち悪い
人々が
死ぬことでループを永遠に続けている
というのも
なかなか変な設定だけど
より不気味さを際立たせていると思います
このループの時間は人によって
違うみたいで
何日も生きている人もいれば
秒単位で生き死にを繰り返している人もいる
秒単位でループしている人は
それだけで
無限の恐怖を表せていたし
このシーンは結構怖い
そんな風に
なかなか世界観は面白いんですよね
すごい不気味だし
カメラワークとかも
自然な感じだったし
この世界がリアルに感じられました
それに、村を支配している「何か」
これを最後まではっきり映さないのも
良かったと思います
これは身の丈に合った表現だと思う
下手にそれをCGなんかで表現してしまったら
低予算映画だし絶対にショボくなりますしね
映さないことで
得体の知れないものが存在する恐怖も
表現できていたと思います
ただ、ストーリーはとても薄いし
この世界が一体何だったのかも
説明されない
ラストまで観ても
主人公たちが
特に何かを達成したわけでもない
物語も淡々と進んでいるだけなので
面白さはないです
兄弟の絆みたいなのは
描かれていますけど
さすがにこれだけじゃ薄いかな
と思います
それ以外にはこれといった
物語もありませんし
ただこの不気味な村から
抜け出そうとするという話でしかなくて
いまいち乗れない
村の真相や村の人々の目的
この空間がなぜできたのか
主人公たちは本当に
抜け出せたのかどうか
そういったものは全然明確にならず
観る側に答えを委ねる
という感じで終わってしまいます
こういう終わり方も全然いいんですが
それにしても説明が少な過ぎかな
とは思います
もうちょっとヒントは欲しい
何もかもが謎のまま終わっているようで
あまり納得はできないです
それに設定がブレていたり
なぜ?と思うような事も多々あります
村の人たちは記憶を維持したまま
ループしているんですけど
村はずれでループしてる人は
死んだら記憶無くなってるような
感じになってたりします
それぞれのループの時間が違うのも
理由がわからないし
ループがどの時点から始まっているのかも
よくわからない
「何か」からのメッセージが
なぜ写真やビデオテープなのかも謎
ただ、写真やビデオテープは
この世界観を
彩っていたような気もしましたが
こういう腑に落ちない部分が
目立っていたので
それがノイズになっていました
謎が多すぎて不気味さが際立ってる
というのはあるかもしれませんけど
それでも、僕は好きでした
こういうオカルト的で不気味な世界は
ワクワクする
雰囲気だけの映画だとは思うので
こんなのが好きかどうかで
好みが分かれると思います