何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「スケア・キャンペーン」感想 なんかおしい… あと少しで名作になれた気がする

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どうもきいつです


ホラー映画「スケア・キャンペーン」観ました

人気ドッキリ番組の撮影現場で起こる悲劇を
描いた2016年のホラー映画
だまそうとした相手が本物の殺人鬼だったことから
ストーリーが展開していく

監督はコリン・ケアンズとキャメロン・ケアンズが
務めています

 

あらすじ
嘘の心霊現象で人を騙して
その様子を隠し撮りする人気テレビ番組
「スケア・キャンペーン」だったが
最近は人気が落ちてきたため
スタッフはより過激な撮影を企画しようとする
そして、廃病院にやってきた一般人に
新たなドッキリをしかけるが
その男は本物の殺人鬼だった

 

感想
スッキリとしていて
とても観やすいホラーでした
2転、3転とコロコロ変わる展開は
すごく面白かったです
ただ、後半がただのスプラッターホラーで
終わってしまったのは残念

 

以前からちょっと気になっていた映画
アイデアが面白そうだなと思っていました

そこは期待通りで
予想を裏切るような展開が2回、3回と
次々に展開していくのは
驚きもあるしとても楽しんで観ることができました

76分と短めの映画ですし
話の展開もスムーズでサクサク進んでいき
最後まで飽きずに観れると思います


どんでん返しがメインの映画でもあるので
詳しい情報なしで観れば
より楽しめる映画だと思う

なので、この映画を観ようと思うなら
とりあえず情報なしの状態で観るのが1番いいです


全く情報なしで観れば
冒頭の実はドッキリでした
ってところでも驚けるかも


とにかく
意外なストーリー展開や
ホラーならではの怖さやグロさを
前面に押し出したような作品で

物語の内容はとても薄く
人間ドラマなんかもほとんど描かれません
中身はカラッポな映画

でも、お化け屋敷的な楽しさは十分ありますし
そこは全然楽しめると思います

 

全体的な流れはかなりシンプルで
ドッキリ番組を撮影していたら
ハプニングが起きてしまう
ってだけの話なんですよ

どんでん返しの展開も
よく考えればかなりベタだと思うし
勘のいい人なら予測もできそうなんですが

基本的にテンポがすごく良くて
流れるように物語が進んで行きます

だから、あまり余計な事を考える前に
次の展開へと移っていくので
どんでん返しの展開にも結構驚かされる


正直、僕はかなりだまされていました
普通に主人公と同じ目線、同じ気持ちに
なっていたと思います

殺人鬼のオッサンに追われている時は
かなりハラハラしてましたし

実はこの人が騙されていました
ってところでも
マジか!!と単純に嘘に引っかかっていました
そして、スタッフたちにはマジで腹が立ったし


映像やホラー演出にちゃんと臨場感があったのが
良かったのかもしれません
そこが微妙だったら客観的な目線に
なってしまうと思うし

そこをしっかりとホラーとして見せていたので
映画を観ている側を主人公目線に
する事ができていたんだと思います

 

ただ、良かったのは前半部分だけで
後半になると
途端に悪くなっていきます

後半になるとただのスプラッターホラー
なんですよね

ここまでは、意表をついたどんでん返しや
スリルのあるホラー演出がとても良かったのに
後半はそれらが全く無くなってしまってる
テンポもちょっと悪く感じるし


中盤あたりでアッと驚く展開が
用意されていますが
それ以降がすごく弱いです

殺人集団が現れたりしますが
それ自体にはそんなに驚くことが無いですし
ラストのオチに関しても
最初からわかっていた展開で終わってしまうので
そこにも全然驚きが無い

後半部分にもっと大きな展開があれば
さらに盛り上がったと思うんですけど
尻すぼみで終わってしまいました


ホラー演出に関しても
後半になるとただグロいだけのシーンが
続くだけなので
なんか飽きてきます

ゾクゾクするような気持ちにもなりませんし
ビックリする驚きも無い
ひたすら気持ち悪いだけ

 

それに、終盤は主人公たちの目的も
ちょっと中途半端でいまいち乗れない

これまでは、ドッキリを成功させる
という明確な目的があったけど
終盤になると
命懸けで少女を助けるという
よくわからない方向性になってしまいます

そもそも、あの女の子を命懸けで助けようとする
動機が全く見えてこない上に
助けたところでどうなるの?
という疑問も生まれてしまう

だから、最後の究極の選択みたいなのも
無理やりに感じる
女の子を選ぶ前提の質問は
破綻してるようにも思いますよね

全部計画通りの賢い集団みたいな
終わり方にするには
この選択をさせるのはちょっと運任せすぎるし

 

それと、あの殺人集団は
現代のネットでの
承認欲求が暴走している若者などの
皮肉とか風刺が込められていると思うけど

なんか表面的すぎだし
あまり伝わってきませんでした

あの集団の存在もいまいち謎だし
目的もわかりづらい
結局あいつらが何をしたいのかが不明確で
そこからは何かを感じ取れないですよね

こういう部分に関しても中途半端だったと思う

 

つまるところ
後半がシンプルになり過ぎたのが
この映画の欠点だと思います

前半に仕掛けがいろいろと施されているのに
後半には仕掛けが無い
前半の流れからすると
後半はもっと複雑にするべきだと思う

観ている側が疑心暗鬼になるほど
もっと複雑で訳がわからなくなる展開になれば
名作になりえたかも


例えば
実は殺人集団も全部ドッキリでした
とかで終わっても良かったと思う

実はプロデューサーがだまされていて
主人公が仕掛け人だったとか

それとか、途中で本物の幽霊が出てくる
オカルト系のホラーに方向転換しても
面白かったかもしれない
最終的にそれもドッキリだったほうがいいと思う


結局は
謎の殺人集団がみんな殺して終わり
みたいなバッドエンドよりも
全部ドッキリでしたって終わり方のほうが
この映画としてはしっくりくると思うんですよ

実は全部ドッキリのオチだったとしても
ラストに意味深なものを見せるだけで
想像力を掻き立てられ
どこまでが本当でどこまでが嘘なのかと
疑心暗鬼な気持ちにもさせらそうですし

後半は多少意味わからないくらいの展開でも
よかったかもしれないですよね

 

前半が良かっただけに
後半のただのスプラッターホラーが
悪い意味で目立ってしまった
なんかバカっぽく見える

もう少し最後まで知的に進めていたら
この映画は名作だったかもしれませんね

長所が多いだけに
すごくもったいなく思う

 


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