何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「移動都市/モータル・エンジン」感想 ちょっと話がゴチャゴチャしすぎ 詰め込みすぎ感が否めない

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どうもきつです

SFファンタジー映画「移動都市/モータル・エンジン」観ました

イギリスの作家フィリップ・リーブの小説
「移動都市」を原作のSFファンタジー
人々が巨大な移動都市で暮らす未来の世界を舞台に
ある目的のために戦う少女を描いています

「ホビット」シリーズのピーター・ジャクソンが
製作を務め
監督はクリスチャン・リヴァーズが務めています

 

あらすじ
大規模な戦争から1700年が経過した地球
人々は大地を這うように進む巨大都市に
暮らしていた
そんな中、少女へスターは
復讐を目的に移動都市ロンドンに
潜入しトムという青年と出会う

 

感想
世界観や映像はとても好きだった
それだけでも観れる映画だけど
ちょっと話がゴチャゴチャで本筋がブレブレ
何をやってるかわからなくなってくる

 

世界観や映像の派手さに惹かれていたんですが
公開中には観に行けず
レンタルが始まっていたので借りて観てみました


期待通り世界観や映像はすごく僕好みで
それだけで楽しむ事はできましたが
ストーリーの内容がいまいちだった印象でした

つまらないとまでは言いませんが
ちょっと観てるのが疲れてくる
とても時間を長く感じてしまう

実際に2時間以上で長いことは事実ですが
それ以上の体感時間だったと思う

まあ、ちょっといろいろと詰め込みすぎだったと思う

 

まず良かったところは
世界観が個人的にすごく好き

現代の文明が滅びた遠い未来の世界
というのはとてもワクワクさせられる
現代の文明やテクノロジーが
遠い過去の遺産となっているのがまたいいですね

そして、この映画の目玉でもある移動都市
これがやっぱりすごかった
巨大な大都市が街ごと地を這うように
他の小さな移動都市を吸収しながら大迫力で進んでいきます

この映像だけでもかなりテンションが上がります

現実離れしたぶっ飛んだ世界観ですが
それを映像として美しく表現できていて
この映像だけでもかなりの満足感はある


移動都市のデザインや造形もとてもそそられます

未来のSFの話ですが
レトロ感があってスチームパンクな雰囲気がすごくカッコいです

正直言って
「ハウルの動く城」っぽさがあるのは否めないですけど…

影響受けてるんですかね?

それでも、この世界の映像は
細かいとこまで作り込まれていますし
そんな巨大な街が動いている姿は大迫力でした


映像だけでとても冒険心をくすぐられるような
魅力的な世界に仕上がっていたと思います

 

ただ、この映画は映像だけだったかもしれない
それ以外はあまり印象に残らない作品だった


ストーリーがいまいちなんですよね

ストーリーでやってることは
よくありがちな内容でひねりが無く
とてもシンプルだと思います

それだけならいいんですが
全体的に話がとっ散らかっていて
シンプルな割に何をやっているのかが
わからなくなってくるんですよね

いろいろと詰め込みすぎな気もするし
物語に一本筋が通っていないので
話がすごくブレる

結局、どの登場人物も
何がしたいのか目的がよくわからない
話がどこへ向かっているのか見えてきません


はじめは主人公へスターの復讐劇で話が進んでいくんですが
いつの間にか逃亡劇へ変わっていく
最終的には移動都市と静止都市との
戦いが始まって移動都市の攻撃をどう止めるのか
って話になっていく

主人公たちの行動が一貫していないから
最初の目的はどうなったの?
って感じで観ている側はついてけないですよ

一つの目的があって
いろんな展開が起きていくならわかるんですが
この映画の場合は
展開が変化するたびに目的もコロコロ変わって
結局なにがやりたいのかわからない

この映画が1番に何を見せたいのか
というのが不明なんです

 

ストーリー自体もよくわからないことになっているんですが
キャラクター単位でもそうなってるんですよね

主人公のへスターはもちろん何がしたいのかわからないキャラです
最初は復讐とか言っていたのに
途中からはそういうのが薄れてきますし

それ以外の目標を見つける話かと言うとそういうわけでもない

最終的に彼女は何も達成してないと思うんですよね

一応、彼女を中心にドラマも描かれていますけど
それを経てへスターが成長したようにもあまり思えない

ドラマもその場その場で完結して
それが後の展開に続いていかないんですよ


主人公もなかなか酷いんですが
他のキャラも負けず劣らずです


へスターと行動を共にするトムはかなり酷いと思う
はじめから最後まで
何をしたい奴なのかが全然わからない

ただ流れに身をまかせて
ヘスターついて来てるだけ

最終的にコイツは何だったのか?
と思ってしまうほど
存在に理由が無かったです

最後にトムが、世界を旅してまわりたい
みたいな事を言うけど意味が分からない

そこまでにトムが自分の目で世界を見てみたい
って話の流れがあったのならわかるけど

ラストで唐突にそんな事を言うから
なにそれ?
って感じですよね


ヘスターを追跡するシュライクもなんだったんでしょうね

最後までよくわからない奴でした

ただ映画を盛り上げるためだけの存在だったような…
扱いがちょっと可哀そうです

シュライクが死ぬときに
感動っぽい感じになるのも意味不明でした

感情移入なんてする前に死んでしまったし
そもそも、何したいのかわからないし


その他も
敵のサディアスや
途中から仲間になるアナ
アナの所属する組織
静止都市の人々

みんな何がしたいのかわからない
ただ、なんか戦ってるだけの人たちなんですよね


ストーリーの作り込みが甘すぎると思います
もうちょっと細かい部分までしっかりと作り込むべきですよ

 

そして、設定の作り込みも雑だったと思う
腑に落ちないことが多々あります


そもそも、なぜ移動都市が移動しているのか
ってことに疑問を感じてしまいます

巨大都市のロンドンは他に小さな移動都市を
吸収してそれからエネルギーを得て動いているみたいで
エネルギーが足りない問題も起きてきている

じゃあ止まればよくない?
たぶん動くのにものすごいエネルギーを
使ってますよ

なぜ移動都市が動いているのかという
説明が無いから
そんな風に思ってしまいます


過去のテクノロジーで
兵器を作ったりもしていますが
それもなんか雑ですよね

いかにもSFって感じのレーザー砲みたいなのを
撃ってましたけども
あれは何なんですかね?

別に存在しないSF超兵器でなくても
実際に存在する兵器とかでもよかったような気がする
むしろ、そのほうが
現代の文明を掘り起こして見つけた人間の過ち
って感じでメッセージ性も出せそうですし

それに、USBみたいなので兵器を簡単に
止めれてしまうのもちょっと都合が良すぎると思った

 

あと、移動都市っていうのを
あまり生かせていなかったですよね

移動都市の派手なシーンは
最初の10分、20分程度で
そこからは移動都市自体がほとんど登場しないし

もっと移動都市と移動都市がバトルする
みたいなのを想像していたのもあって
そこは拍子抜けでした

 

まあ、いろいろ言ってきましたけど
結論は
この映画はなにをしたかったのかがわからない

結局なにについての話だったのか
よくわからないまま終わるし
メッセージも伝わってこないです

映像はすごく魅力的なので
それだけを観て楽しむ映画だと思います

 


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