何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ダンスウィズミー」感想 面白いところもあるけど全体的には中途半端 三吉彩花はクソ可愛い

f:id:kiitsu01:20190821162450p:plain

どうもきいつです


ミュージカル映画「ダンスウィズミー」観ました

音楽を聞くと歌って踊らずにはいられない催眠を
かけられた女性が
行く先々で騒動を起こす姿を描いた
ミュージカルコメディー映画です

「ウォーターボーイズ」「ハッピーフライト」
などの矢口史靖が監督を務め
ヒロインはオーディションを勝ち抜いた三吉彩花が
演じています

 

あらすじ
一流商社に勤務する鈴木静香は
曲が流れると歌って踊れずにはいられなくなる
催眠を催眠術師によってかけられてしまった
街中に溢れる音楽に
反応していしまう体になった静香は
術を解いてもらうために催眠術師の行方を追う旅に出る

 

感想
部分的には面白い場面がたくさんあるけど
全体を通してみるととてもまとまりが悪く感じる
曲を聞くと歌って踊ってしまうという設定も
あまり生かされていない

 

 

前から予告などでよく目にしていたので
気になって観に行ってきました

矢口監督の作品はそれなりに観ていると思います
「ウォーターボーイズ」は子供の頃に好きでしたし

今となってはあまり矢口監督の作品には
興味をひかれなくなったんですが
今回の作品はミュージカルで楽しそうですし
結構期待して観てきました


部分的に面白いところがたくさんあったし
音楽も悪くなかったので
それなりに楽しめたんですが

いまいち乗りきれない映画でもありました

ミュージカルシーンやコミカルなシーン
メインのストーリーなど
それらがちょっとづつレベルが低い気がする

ミュージカルがすごく良いわけでもなく
ギャグがめちゃくちゃ面白いわけでもない
ストーリーは平凡すぎるしまとまりも悪い

部分的に見たらそれなりに面白いし
楽しめたりはしますけども
全体を総合的に見るとちょっとつまらない

 

まず、ミュージカルの話をすると
正直言ってちょっとショボいです

めちゃくちゃ悪いというわけではないんですが
海外のミュージカル映画を観なれてしまっていると
あまりにもチープに見えてしまう

ダンスがキレキレでもないですし
映像が豪華ってこともない
かと言ってそれを補う工夫もされていない

ミュージカルでの人の数はちょっと少なくて
画面の構図とか色調もチープです
映像の面白みも感じれません

ただミュージカルっぽいことをやってみました
ってだけのように見えてしまいます


それに、選曲に関してもなんだか微妙だと思う

昭和歌謡曲中心の選曲なんですが
それが何を意図しているのかがわかりません

1曲1曲は良い曲で聴き心地もいいんですが
なぜ昭和歌謡曲に限定したのか?

物語との関係性はありませんし
そこに深い意味も感じれない

ただ懐かしさだけのための選曲なんでしょうか
監督の趣味なんですかね?


この映画では
ただ懐かしい曲に合わせて歌って踊ってる
ってだけで
ミュージカルとしてはかなり薄っぺらくなってます

ミュージカルってただ歌って踊っていれば
いいんじゃなくて
その時の気持ちや状況を歌とダンスで
表現するものでもありますよね

本作のミュージカルとしてのレベルの低さは
否めないと思います

 

コメディーの場面に関しては
個人的には普通に笑えて面白いと思えました

静香がレストランで大暴れするシーンは
結構笑えましたし
探偵の渡辺の歌に反応してしまう静香も
面白かったです

ただ、そんなコミカルな場面が
ストーリーの邪魔になってるようにも思える

コミカルシーンが入るたびに
本筋のストーリーが
いちいち停滞してしまうんですよね


笑いのたびにストーリーが中断しての
繰り返しが最後までずっと続くので
かなりテンポが悪く感じます

上映時間はそんなに長くないのに
体感時間がすごく長く感じる

笑いもメインストーリーに絡めていけば
もっとスムーズに観れたと思います

 

そして、ストーリーなんですが

設定をあまり上手く生かせてないし
登場人物の描写も中途半端でした


スタートダッシュはとても良かったんですよ
大手企業で働いている順風満帆な主人公が
くだらない催眠術をきっかけに
全てが崩れていく様は面白い

急にミュージカルをやってしまう事で
生活にも支障をきたしてトラブルの基にも
なってしまいます


でも、それ以降のロードムービー的な流れに
なってからはテンポが悪くなるし
催眠術の効果がいまいち上手く活用されない

歌って踊てしまうことで不都合やトラブルが
生じることも無く
むしろ、それのおかげで上手く切り抜けていく

目的が催眠術を解くことなのに
催眠術のせいで悪いことが起きないから
話が進むにつれ目的がすごく薄れていくんですよ

一刻も早く催眠術を解かなくちゃならない
という緊張感が全然生まれない


さらに、旅の道中で
本来の目的以外のエピソードが
たくさん詰め込まれて
そういうことでも目的がブレてしまいます

田舎の不良みたいな奴らとの絡みや
弾き語り女との交流
車が盗まれるなど
本筋と全く関わりが無い上に
それらが後々機能してくるわけでもない

このエピソード必要なかったんじゃない?
と思えてきます

バラバラなエピソードを
ツギハギのように見せられて
見ている側も本来の目的が何だったのか
見失いそうになってしまうのではないでしょうか

 

主人公の描写に関してはあまりに中途半端

最後まで静香がどういう思いで行動しているのか
掴み所が無いです

この映画では
仕事に対しての思いや
本当に自分がやりたいこととは?
ということを静香を通して描かれているんですが

肝心の静香の描写が薄過ぎて
そういったメッセージがあまり伝わってこない


静香が今の仕事に対して
無理をしてたり嫌々やってたりする描写も
全然無いですし
むしろ、上手くやっているように見える

逆に静香のミュージカルに対する思いは
過去にやり切れなかった後悔の念でしかなく
それが彼女の未来への思いに
直接つながっているようには思えない

それなのに最終的には
自分のやりたいことを素直にやろう
という話に持っていくので
それがいまいち納得できませんでした


静香を中心としたドラマ的な深みも
もう少しあった方が良かったんじゃないかと
思いました

 

否定的な話が多くなりましたが
主演の三吉彩花はすごく良かったと思います

スラっとした綺麗な出で立ちで
あまり想像できないかもしれませんが
さくら学院というアイドルグループの
元メンバーだったりします

彼女がミュージカルシーンやそれ以外でも
すごく輝いていました

ミュージカルシーンでは彼女の長い手足が
とても映えていて綺麗に見えるし
そもそも顔がすごく可愛いので画面映えする

スカートヒラヒラさせながらのダンスは
最高だったと思います

ダンスが決まった時のドヤ顔も素晴らしい


演技はめっちゃ上手いというわけではないですが
逆にちょっと固い雰囲気がとても良かったりする

表情も良いですよね
特に不機嫌な顔や戸惑ってる時の顔が良い
静香というキャラクターにも
ハマっていたと思いますし

彼女が出ているというだけでも
この映画を観る価値があると思います

 


全体的にはいまいちでしたが
部分的には面白いですし
そんなに悪い映画ではないと思います

三吉彩花の可愛さでこの映画の価値は
グンと上がってる

 


ウォーターボーイズ [Blu-ray]