何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ヒックとドラゴン2」感想 やっぱり高いクオリティ でも、1作目と比べると…

f:id:kiitsu01:20191220201838p:plain

どうもきいつです


アニメ映画「ヒックとドラゴン2」観ました

ドリームワークスが人気児童文学を映像化した
少年とドラゴンとの友情が描かれたアニメ
「ヒックとドラゴン」の続編
前作から5年後を舞台に
ヒックとトゥースの新たな冒険と戦いを描いた
2014年のファンタジーアニメ作品です

前作では共同監督務めたディーン・デュボアが
監督、脚本を担当しています
第42回アニー賞で長編アニメーション部門
作品賞をはじめ6部門を受賞しています
にも関わらず日本では劇場公開されませんでした

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
ヒックとトゥースの出会いから5年
人間とドラゴンが共存するバーク島では
ドラゴンレースが開催され賑わっていた
しかし、ヒックとトゥースはレースには参加せず
新たな島を探すため大空を飛び回っていた
そして発見した島には
ドラゴンを操るドラゴ率いる悪者達の姿があった

 

感想
前作と同様にクオリティはとても高い
ただ、前作が名作だっただけに
それに比べるとちょっと微妙
今回はテンポの良さが裏目に出て
内容が少し薄っぺらくも感じます

 

「ヒックとドラゴン」の3作目が公開する
ということで
1作目を観た後に続けて
2作目の「ヒックとドラゴン2」も
久しぶりに観てみました


正直言うと
本作はかなり内容を忘れていました
こっちのほうが全然1作目より
最近に観ているはずなんですけどね

1作目が名作だっただけに
本作は勢いが落ちてしまった印象です

とは言っても
クオリティはやっぱり高いです
普通に下手なCGアニメ映画なんかよりは
出来の良い作品だと思います


映像は前作同様にとても美しい
全然クオリティは落ちていません

そして、本作はアクションシーンがパワーアップ
していると思います
ヒックとトゥースがはじめから
一心同体の状態というのもあり
飛行シーンがとても多い

他のバイキングたちもみんなドラゴンに
乗っていたりもするので
ドラゴンの飛行シーンがとても増えています

なので、最初のドラゴンレースから始まり
最後のボスドラゴンとの戦いまで
アクションシーンの連続なので
爽快感が前作以上

前作同様で
本作もやっぱり映画館の3D上映で観るのが
1番いい条件だと思います

テレビで観るより絶対迫力があるはず
3Dを意識した3D用の映像でもあると思うので
映画館で観たかった作品ですよね…

劇場公開されなかったのがもったいないです

 

ストーリーに関しても
前作同様でわかりやすい内容だと思う

特に捻った内容でもないですし
難しさも全然ない
子どもでもわかりやすく楽しめる作品に
なっていると思います

それに今回もテンポよくサクサク話が進んで
ストレスなく最後まで観れます

そういうのがあって
とても観やすい作品だと思う

 

ただ、今回はそのテンポの良さが仇となって
マイナスに働いている部分もあると
思うんですよ


前作のストーリーはかなりシンプルで
王道な物語でした
そして、とてもライトな内容

だから、テンポの良さと相性が
とてもよかったんです

テンポよくスピーディーに物語が進んでも
感情移入もできたし
違和感に思う部分もさほど無かった


でも、本作の場合はちょっち違って
話の内容が少し重たいんですよね

物語のメインはヒックがバイキングのリーダーに
どう成長していくかの物語なので
それ自体はシンプルでわかりやすい

しかし、その中で描かれるエピソードが
ちょっと重たくも感じるし暗さもあったりする

死んだと思っていた母親との再会
尊敬する父親の死
明確に意思を持っている敵の存在

それぞれのエピソードが
前作に比べると明らかに重たい

だからこそ、前作以上に
ヒックの心の葛藤とかも描かれで
深い部分に触れているとも思いますが

この少し重いストーリーが
テンポの良いスピーディーな作風と
あまり合っていないと思うんですよ


展開が速すぎてそれぞれのエピソードを
掘り下げれていないですし
キャラクターの感情の変化や切り替えが
あまりにも早くて感情移入もできない

エピソードは重たいのに
キャラクターの言動に軽さも感じてしまい
登場人物たちがバカにも見えてしまう


結局は短い時間に詰め込みすぎ
なんだと思います

全体的にはまとまりがあって
メインのストーリーがブレることなく
最後まで進むんですけど

個々のエピソード描写が薄すぎるんですよ


母親との再会にしたって
あっさり受け入れすぎな気がする

10年以上も離ればなれで
死んだとまで聞かされていた割には
受け入れるのが早すぎるんですよ

普通ならもうちょっといろいろとあるはず
こんなに気持ちの切り替えが早いわけないですよ


父親の死に関しても
こんなにすぐ立ち直れるか?
って思ってしまいます

しかも、ただ死んだだけじゃなく
殺したのは操られていたとは言えトゥースですよ

やっぱりここも展開が早すぎて
気持ちが追い付かないですよね

父親が死んでからはすぐにラストスパートの
アクションシーンの連続になってしまうし
扱いが軽すぎる気がしてしまいます

 

で、個人的に1番引っ掛かってしまったのは
敵のドラゴです
このキャラクターが雑すぎると思う

とりあえずヒックに立ちはだかる敵
くらいの薄い存在になってるし
ドラゴの扱い方もちょっと雑


ドラゴがただの悪いやつでただ倒されて終わり
というのが薄すぎますよね

それにただドラゴを倒して終わり
ってのがヒックの最初に抱いている意志を
ブレさせてしまってると思う

ヒックの優しさ故に
争いでなく話し合いで解決しようという
強い気持ちの部分があったにも関わらず

悪いやつ1人倒して解決
みたいな結末で終了してしまうので
少し暴力的にも感じてしまうんですよ

ボスドラゴンなんて操られているだけなのに
角まで折られて追い返されるし…

ここはヒックらしい解決法が見たかったです
ちょっとラストが安易すぎだと思いました


あと、ドラゴのキャラ設定も曖昧ですよね
過去に何があったのかもいまいちわからないし
ドラゴンを操れるのはなぜなのかも
明確にはなっていないので

性格なんかも
ただの悪そうな奴ってくらいの
薄い感じでしたし

もう少しちゃんと作ってあげればいいのに…

 

なんかすごく否定的な話になってしまいました

でも、これは前作が素晴らしかっただけに
厳しくなってしまいます

前作があんな名作なら
やっぱりそれと同じレベルか
それ以上のものを求めてしまいますし…

本作を観ると
もっとできただろ
って気持ちにもなってしまうと思う

それでも、一定以上の水準の作品だとは思います
普通にクオリティの高いアニメです
単純に楽しめるエンターテイメントではあるので
悪い作品ではないですよ

 


ヒックとドラゴン 1&2ブルーレイBOX(初回生産限定) [Blu-ray]