何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ハードエイト」感想 あまり面白くないけど格好よさは伝わった

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どうもきいつです


サスペンス映画「ハードエイト」観ました

とある青年と初老の男が出会いから始まる
カジノで活躍するギャンブラーの物語
日本ではDVDスルーとなった1996年の作品

監督は「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などの
鬼才ポール・トーマス・アンダーソンが務めています

 

あらすじ
ラスベガスのカジノで一文無しになり
ダイナーの外で座り込んでいたジョンの前に
シドニーという初老の男が現れ助言を差しのべる
それから2年後
プロのギャンブラーに成長したジョンとシドニーは再開するが
そこからジョンの人生に大きな波乱が巻き起こる

 

感想
何かが起きそうで
結局、大したことは起きなかった
かなり地味なストーリーで面白味があまり無い
でも、シドニーの渋さや格好よさは十分伝わった
それだけの映画かもしれない

 

友達から面白いと紹介されたので
観てみました

面白いと紹介されてちょっとハードルが上がってしまったのか
そこまで面白い映画だとは思えなかった

まあ、友達がこの映画をおすすめした理由は
わからんでもないです

格好いい映画だとは思いました
シドニーが渋くて格好いい
それをすごく感じることができる

それだけの雰囲気映画なのかもしれません

なので、その雰囲気にハマる人であれば
この映画を好きになれると思う
逆にハマらなければ微妙に思うのかな
って感じです


個人的には格好良さはわかるし
この映画にハマってる部分もある
でも、もうちょっと何か面白い要素があればなぁ…
と、物足りなさも感じてしまったのは否めない

 

まず、この映画のストーリーなんですが
すごく何かが起きそうな雰囲気を醸し出してるんですが
最後まで特に大きく物語は動かない
途中で物語が動き出す展開が起きますけど
そこもそこまで爆発的ではない

最後まで盛り上がりに欠ける内容だったと
思いました


はじめは謎の男と人生に絶望した青年の出会いから
物語が始まり
そこから、ジョンがギャンブラーとして
どう成り上がっていくのかや
どんな方法でギャンブルを行っていくのか
とかが描かれるのかと思いきや
その辺は全然描かれず

出会った次のシーンでは
もう年月が過ぎてジョンが成功した後の話になってしまいます

はじめのジョンとシドニーのダイナーでの会話的にも
ギャンブラーのサクセスストーリーが始まる雰囲気をバリバリ感じさせてるのに
そこはあっさりと飛ばしてしまって
ちょっと置いてけぼりをくらう


じゃあ、ここからどんなストーリーが始まるのかな
と思っている時に
ジョンの友人と言う胡散臭い男ジミーや
訳ありのウエイトレスのクレメンタインが登場し

ここから、カジノを舞台にしたクライムサスペンスや
ジョンとクレメンタインのラブストーリーが
展開されるのかと思わされるんですよね

で、ちょっとワクワクしながら観てるんですけども
結局そこも動きが無く
何かが起きそうな雰囲気だけで終わってしまいます

ジョンとクレメンタインは恋愛してますけど
いつの間にかカップルになってるし
中身は全然描かれない

カジノでギャンブルしている場面もほとんど無くて
ギャンブラーを主軸にした物語でもないんですよね

段々と
この映画は一体何をしたいのか?
何を見せたいのか?
って気持ちが湧き出てくる


そして、終盤になると
売春でクレメンタインがトラブルに巻き込まれ
そこにジョンが介入することで話しがこじれ
ジョンがシドニーに助けを求めるという展開で
ちょっとストーリーが動き出します

とは言え、ここもいまいち盛り上がりに欠けて
やってることは
ちょっとやらかしてしまったエピソード
って感じで
あまりハラハラドキドキはしない展開

グダグダともめた後
どうにかトラブルをやり過ごしてとりあえず解決
みたいな流れですんなり終わる


そこからシドニーの秘密と
それを知ったジミーとの駆け引きや対決が描かれる

そこもやっぱり盛り上がらない

シドニーの秘密の真相は
なぜ一文無しになったジョンに手を差し伸べたのかの理由だったりするんですけども
その真相にもそこまで驚かされないというか…

へー そうだったんですね
くらいの気持ちにしかなりませんでした

そもそも、シドニーがジョンに構う理由には全然引っかかっていなかったですし

だから、どんでん返しにもなってませんし
インパクトも弱かったですね

 

そんな感じでいろいろと文句も言いましたが

この映画って
たぶんオチがどうとかストーリーがどうとか言う映画ではないような気がしました

雰囲気を楽しむ映画なんでしょうね

なので、それぞれの会話のシーンなどは長めの会話劇で
しかも、それが意味のある会話なのかというと
そんな感じの会話でもない

その会話が後の展開に生きてくるわけでもなく
ただなんとなくいい感じの会話を
いい感じな雰囲気のキャラたちが繰り広げる

それだけの内容なんですよね

まあ、その会話は
特別ユーモアがあるわけでもなく
ドラマチックなわけでもない
淡々と会話が繰り広げられていくだけで
若干退屈かもしれません


そんな中でも
役者の力もあってか
登場人物たちはとても魅力的だと思う

サミュエル・L・ジャクソンが演じるジミーなんて
ほとんど登場しないけどすごく印象的だし
ジョン・C・ライリーやグウィネス・パルトローも
とてもいい存在感を放ってました

何よりも
フィリップ・ベイカー・ホールが演じるシドニーが
すごく渋くて格好いい
シドニーが存在するだけで
この映画を最後まで観る気にさせてくれます

ジョンやクレメンタインがアホで愚かなのに対し
それを怒りもせず優しく力になってあげるのは
懐のデカさを感じます

これはシドニーの負い目があっての行動かもしれないけど
だからこそ彼の存在には深みがあって
とても魅力的なんです

言葉では多くを語らないけれど
シドニーの存在や雰囲気で
彼の人生の深みが伝わってきます


この映画はシドニーの魅力を味わう
それだけの映画なのかもしれません
そして、それだけで満足させてしまう魅力があるのは間違いない


あと、タイトルのハードエイトですが
最後まで観ても全然内容と繋がってこなかった

タイトルまでもが雰囲気
なんかカッコよさ気なタイトルってだけで
つけられたタイトルだと思った

 

ちょっと退屈な映画かもしれないけど
雰囲気を味わうにはなかなかいい映画だと思います

全体的に格好いい雰囲気はすごく醸し出されてるし
タイトルも恰好いいし
あまり意味は無いけれど格好いい映画

シドニーはとても渋くて魅力的な男でした

 


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