何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ユージュアル・サスペクツ」感想 何も聞かずにとにかく観てほしい

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どうもきいつです


ミステリー映画「ユージュアル・サスペクツ」観ました

5人の悪党が集まり起こす計画犯罪の顛末を
巧妙な構成で描いた1995年のクライムミステリー

「X-MEN」シリーズや「ボヘミアン・ラプソディ」
などを手掛けたブライアン・シンガーが
監督を務めています
出演キャストのケヴィン・スペイシーは
本作でアカデミー助演男優賞を
受賞しています

 

あらすじ
船舶の炎上事故を調べていた捜査官クラインは
尋問をしていたヴァーバル・キントから
奇妙な話を聞かされる
6週間前に銃器強奪事件の
容疑者として集められた5人が
釈放後に協力して宝石強奪を決行
その後、新たなヤマを依頼されるが
トラブルに発展した
そんな中でカイザー・ソゼという
謎の男の名前が浮かび上がる

 

感想
完全に騙された
とりあえずこの映画は
何も知らずに観てほしい

 

ずいぶん前の映画で
とても有名な作品なんですが
初めて観ました


この映画を観たことない人は
本作に関する情報を頭に入れず
とにかく観てほしい
ここからの文章は読まないで
とにかく観てください

ここから先はある程度
ネタバレもあります

知識ゼロで観れば
この映画を100%楽しめると思います

そして、1回観た後に
もう一度この映画を観ると
また違った面白さを感じれます

てか、2回観たくなりますね
いろいろと確認したくなるんですよ


それはやっぱり
複雑で巧妙に練られたストーリーが
素晴らしいからです

細かく伏線が散りばめられて
最後にはそれが繋がってる

でも、ただ伏線を回収して
最後にすっきりするというわけではなくて
1回観ただけではそれが
伏線かどうかすらわからない

伏線の見せ方がさり気なく
正直、見逃してしまいます
そして2回目を観ると
それらのシーンの意味が分かり
おっ!となります

 

そしてなんと行っても
クライマックスの展開
ラストのどんでん返しが素晴らしい
これはなかなか予想できないし
完全に騙されてました

それに、このラストには
驚きややられたって感情よりも
すげーカッコいい!!
って思いが強かった
あの終わり方はカッコよすぎると思います

 

この映画って
半分以上は普通のクライムサスペンス
だったりします

たまたま出会った5人が
宝石強奪の計画を立てて実行する
その様子が淡々と語られる

なのでこの辺りは乗れない人も
いるんじゃないかと思う

主人公たちが自分の利益のために
悪いことに手を染めていますし
暴力的なシーンが多くて
こういうのが嫌いな人もいるかも

その犯罪シーンは
スリルのある見せ方と言うよりは
リアルで淡々としてるので
エンターテイメント的ではないかも

ちょっと退屈に思ってしまうかもしれない

それでも、役者の演技が魅力的だったり
それぞれの思惑なんかも垣間見れて
面白いドラマは生まれています


そして、カイザー・ソゼという存在が
表に現れたきてからは
カイザー・ソゼとは何者なのか?
一体正体は誰なのか?
ミステリー的な面白さが出てきて
一気に引き込まれていきます

終盤は全ての真相の答え合わせ
という感じで
事件の全容や黒幕の正体が
明らかになっていって
なるほどそういう事だったのか
と納得させられますが

ここまでは想定内だったりします
まあ、そうなるよね
って流れなんです

でも、実はそれで終わりでなくて
さらにそこから先の
すごい展開が待っています
このラストはホントにカッコいいですね
ヤバいですよ

このラストだけで絶対に観る価値がある

 

ただ、この映画は
どんでん返しがすごい
ってだけが面白さではないと思います

ラストが読めてしまったから
この映画は面白くない
って言う人もいるんじゃないでしょうか

確かにラストの展開は
この作品の魅力の1つですけど

でも、実はカイザー・ソゼの正体が誰かなんて
どうでもよくて

最後まで観終わった時に
どこからどこまでが本当で
どこからどこまでは嘘なのか
エンドロール中に頭が混乱してくる

この真実の曖昧さに
映画を観終えても
まだ映画の中に引き込まれてしまう
そして、もう一度見たいと思わされます


実際にカイザー・ソゼの正体が
明確に誰なのか実は見せていません

みんなたぶんアイツがカイザー・ソゼだと
思ってるでしょうけど
わかりませんから

そもそも存在自体もあやふや
カイザー・ソゼなんていなかったかもしれませんよ

警察の持っている情報は
真実だと思いますけど
キントの話していた回想は
どこからどこまでが真実なのか
見当もつかない

全てが嘘だったのか
真実の中に少しだけ嘘を混ぜているのか

ラストで全部解決したように
見せかけて
実は謎だらけだったりする

この謎だらけでとても曖昧な
世界観や空気感が
この映画の魅力にもなっていると思いました

 

それもこれも
物語の中心でもある
キント役のケヴィン・スペイシーの
功績も大きいですね
さすが受賞しただけのことはある

彼の演技で完全に観てる側は
ダマされてしまっています

良く考えたら
はじめの方でキントは詐欺師だってことが
紹介されてるんですよ
それに唯一の生き残りだったり

明らかに一番怪しい奴のはずなのに
最後の最後まで彼の言うことを
なんか信じさせられてしまいました

すごく良い奴そうだし
気が弱そうだし
仲間思いで優しそうだし

完璧にそういう人間に見せている

なぜかキントを疑っていないんです
コイツ詐欺師ですよ?
でも、そう思わせない演技がすごかったです

だからこそラストのギャップが
とてつもなくカッコいいんですよね
あの表情を見せての
左手で煙草に火をつける
シビれますよ

 

脚本だけでなく
役者の演技も光っていて
見どころ満載の映画でした

このラストは絶対に観る価値あると
思いますし
観終えた後の混乱も
この映画の魅力だったりします

2回目も楽しめる映画だと思います

 


ユージュアル・サスペクツ [Blu-ray]

 

 

ゲーム「バイオハザード7 レジデントイービル」感想 ホラー映画の世界へ入ってみたいという夢が叶う

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どうもきいつです


PS4のアクションゲーム「バイオハザード7 レジデントイービル」プレイしました

2017年の発売された
アクションアドベンチャーゲーム
バイオハザードシリーズの
ナンバリング作品7作目です

主人公のイーサンが妻のミアから
受け取ったメッセージをきっかけに
とある家に潜入しミアの救出と
そこからの脱出までを描いたストーリー

18才以上のみ対象の
グロテスクバージョンも発売されています

 

感想
ホラー好きなら絶対楽しい
お化け屋敷のような面白さでした
ゲーム難易度もちょうどいいと思う

 

今さらですがバイオハザード7
オススメされたのでやってみました

僕はバイオハザード自体
3以降はやっていなくて
かなり久しぶりにバイオハザードを
プレイしました

とは言え
弟がバイオハザード大好きで
弟のプレイを
横から見てたりしてました

だから、やってない作品も
なんとなくどんな感じかというのは
知っていました

本作もそんな弟に借りてのプレイです

 

とにかく、めっちゃ面白いし
めっちゃ怖かった

すごく楽しめたゲームでした


このゲームはVR用に
作られてるゲームでもあって
かなりVRを意識した作りになってました

でも、僕はテレビ画面でプレイしたんですが
それでも全然楽しめると思います


VR用に作ったゲームということもあって
かなり臨場感重視の演出や操作性です

今までのシリーズと違い
一人称視点になっていて
それを最大限に生かせていたと思う

まず、一人称視点なので
ゲームへの没入感がハンパないです
テレビでもこれですから
VRでやったらヤバいでしょうね

画面上にはステータス表示などの
余計なものが全く無く
映像はかなりリアルに作り込まれている

だから余計にこの世界に
入り込んだような感覚になり
不気味な世界観に恐怖することができます

目線が一点だけなので
必然的に死角が多くなります
真横、後ろは全く見えませんし
物陰などの死角も多い
暗くて見えにくいところもたくさんあるし

どこから何が来るかわからない恐怖で
終始ビクビクですよ

それに、BGMがほぼ無いというのも
かなり良いですね

音楽が無いからよりリアルに没頭できます
無音の緊張感がすごいですし
ちょっとした物音にビックリしたり
逆に音で危険を察知したりもできます

 

そして、スケール感がとても狭くなった
ってのもかなり恐怖感を煽る要素に
なっていると思います

これまでのシリーズは
良くも悪くも世界観のスケールが
大きくなり過ぎていましたよね

ところが本作は原点回帰と謳われてるように
1作目のような圧迫感のある
閉鎖的な場所を舞台に
かなりスケールの小さい話になっています

舞台はとある一家の住む一軒家
敵の数や種類も少ないですし
敵との戦闘よりも散策重視で
アドベンチャー要素が強いです

この狭くて暗い気持ち悪い屋敷の中を
探索し、時には謎を解いて
脱出を目指す

その途中に敵も現れますが
頻繁に現れるわけじゃない
だから耐性ができないから
毎回ビビってしまう

場所が狭いから大きく立ち回れず
逃げても追い込まれたりするから
常に緊張感がビンビンでした

 

さらに恐怖のバラエティーに富んでいる
いろんなパターンの恐怖を味わえます

どこから何が来るかわからない
じわじわと襲ってくる
シチュエーション的な怖さもありますし
デカい音、急に現れる敵など
ビックリする怖さもある

敵から隠れつつ屋敷内を探索したりするのは
緊張感が張り詰めてゾクゾクする

僕はグロテスクバージョンをプレイしたんですが
痛々しいグロい演出
ビジュアル的に鮮烈だったりして
インパクトがなかなかありあます

不快さもすごく表現されていて
家の中の不潔さや
全体的にジメジメした雰囲気
生理的にかなり気持ち悪い

その中でも虫ですよ!!
これが1番きつかったかもしれない
鳥肌立ちますよ

鍋のふたを開けたらゴキブリ
謎のデカい羽虫
ムカデだらけの細い通路の通り抜け
ババアの口から大量の虫

無駄にリアルですし
虫が無理な人はかなりきついです
僕は虫が嫌いなんで
この要素はヤバかった…

 

ゲームのバランスはどうだったかと言うと
個人的には丁度いい

僕はアクションゲームが
そんなに得意ではないですが
難易度ノーマルでなんとかクリアできました

序盤はプレイヤーが慣れていなかったり
道具や武器が少なく銃の弾もあまり無い
なので結構難しいんですが
だからこそ恐怖感がとても煽られます
序盤は存分にホラーを味わえる

終盤はプレイヤーも慣れてきて
武器も出揃い強くなっています
そして、敵の数も増えてきて
いつものバイオハザードのようになってくる
銃をぶっ放して敵を倒しまくる
みたいな

終盤は怖さは薄れますけど
その代わりにアクションゲームの
楽しさが生まれてくる


序盤から終盤への変化が
ゲームとしてのメリハリにもなっていて
最後まで楽しくプレイできます

その変化も急激ではなく徐々に
スムーズに変わっていくから
違和感なくゲームに没入できる


ストーリーや演出も
わかりやすいしスムーズに進むから
最後まで滞らず進める事ができました

ストーリーは前作との直接的な繋がりは無く
単体の作品として成り立っているので
シリーズを初めてプレイする人でも
全然ついていける内容です

クリアしたらストーリーの全貌が
ちゃんと掴めてモヤモヤや謎も
あまり残らずすっきり納得できる


演出面では
会話やイベントムービーなどは
かなり少なくて
ゲームをやっている感覚から
離れることが無く
とてもスムーズにゲームを進める事ができて
ストレスをあまり感じないですね

それでも、話の内容はちゃんと理解できるし
ストーリーもしっかり楽しむことができました


総合的に
なかなか完成度の高いゲームだと思います

 

そして
僕が1番最高だと思ったのは
ホラー映画の中に入る
という夢を叶えてくれたということ

誰もが夢見ますよね
もしあのホラー映画の中に入れたなら…と
自分ならこの世界でどう立ち回るのかと
妄想すると思います

このゲームではそれが叶います

まず、この世界観が
完全に「悪魔のいけにえ」のオマージュです
主人公が潜入するベイカー一家が
すごくレザーフェイス一家っぽいです

目覚めた時の食卓の場面なんかは
もろにそれっぽいですし
というかそのまま

ベイカー一家のイカレ具合も
すごくそれっぽい

そんなイカレた家族から
逃れるために必死に足掻く

最高ですよね


他にも仕掛け部屋から抜け出すところは
「ソウ」とか「キューブ」っぽさを
感じます

武器を持って襲ってくるジャックは
「シャイニング」を連想させられるし
所々で出てくるビデオは
様々なPOV映画を思い起こされる

たぶん細かいところで言ったら
もっといろんなオマージュが
隠されてると思います

これなんか見たことある
みたいなのがたくさんあります


そういうのを探すのも楽しいと思いますし
そんな中に自分が入っている
という満足感がある

そして、自分が実際ホラー映画の中に入ったら
1番最初に死ぬんだと思い知らされる…

全然上手く立ち回れず
すぐに殺される
ただ恐怖に怯えて死んでいく
それが現実なんですね…
ゲームで良かった

 

あと最後に
おまけ要素やDLCも
とても面白かったです

同じ世界観で違った
ミニゲームを楽しめる

ただ時間内に敵を倒して生き残る
戦闘重視のゲームや
命懸けのブラックジャック
戦闘無しの脱出ゲームなど

それぞれが違った面白さがあるし
他にも本編ストーリーに関わるゲーム
なんかもあります


個人的には
オッサンが素手で敵を殴り倒していく
エピソードがかなり好き

ストーリーは真面目ですけど
バカバカしくて笑ってしまいました

 

全体的にかなり面白いゲームでした

難点があるとすれば
画面酔いしてしまうのと
ラスボスが弱すぎる
ってことぐらいですかね

でも、そんなの大した問題じゃなくて
最高に楽しかったです
ホラーが好きなら
是非プレイしてほしいゲーム

 


バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション グロテスクバージョン 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

 

 

映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」感想  スベり倒しの107分

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どうもきいつです


コメディー映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」観ました

ドーピングで声を作っている
カリスマロックスターと
声が小さいストリートミュージシャンの
出会いと成長を描いた
2018年のコメディー映画

「インスタント沼」などの三木聡が
監督を務めています

 

あらすじ
大人気ロックスターのシンは
驚異的な歌声でファンを魅了していた
しかし、彼の声は声帯ドーピングで
作り上げられた声だったのだ
そして彼の喉はドーピングの副作用で
限界に近付いていた
そんな中、シンは声が小さすぎる
ミュージシャンのふうかと出会う

 

感想
はじめから最後まで
ほぼスベりっぱなしギャグの
オンパレードでした
余計な演出やシーンも多く感じた
その割に一番見たい歌のシーンは
かなり少ない

 

公開当時に観ようと思っていた作品
だったんですけど
結局観れずじまいで
ようやく今さらですが観てみました


コメディーというのは知っていたので
笑うつもり満々だったんですが

全然笑えなかった

笑いのツボなんて人それぞれかもしれません
でも、この映画は
多くの人が笑えないと思う

正直、やることなすこと
全てがスベってると思いました

しかも笑わす気満々でスベってるから
かなり痛いですよね


なぜこんなに笑えないのかなと
考えてみると

基本的にノリと勢いだけで
笑わせようとしてるだけだから
なのかもしれません

全体的に面白そうな雰囲気で
この映画はギャグですよ
と物語はめちゃくちゃに進んで行き
キャラクターたちの風貌や発言も
なんか面白げな感じなんですが

でも、そのギャグたちが
いまいちガツンとこない
どれもちょっとセンスが無いと言うか…


冒頭からキャラの発言の下ネタ部分に
放送禁止用語に対するピー音が入るって
演出があって
その時点でかなり不安になりました
今からこのレベルのギャグが最後まで続くか…と

実際にこんなギャグがずっと続いて
全然笑えない

笑いの中心は基本
阿部サダヲのセリフ回しと勢い
なんですけど

そのパターンが
デカい声でめちゃくちゃな事を言うか
めちゃくちゃな行動をする
たまに微妙に面白くない事を言う
それだけ

物語の中で笑いを作り出しているというより
ただ単に一発ギャグを詰め込んでいるだけの
笑いの作り方なので
物語の邪魔にも感じるし
単に笑いのレベルも低いです


他には映像の見た目で
笑わそうともしてますが
それらも本当にしょうもない

キャラクターの風貌なんかもそうです
正直めっちゃスベってますよ

麻生久美子、田中哲司、バイキング小峠など
完全に衣装で笑わそうとしてるけど
全然面白くない

韓国での場面で
裸のオッサンがいちいち映るのも
逆に冷めてしまいますよね
あんなの子供しか笑わないですよ


この映画って
かなりボケてるんですよ
細かいところまでボケ要素が詰め込まれてる

しかも、わかりやすく
今ボケました ここ笑うところですよ
って感じで笑い所が明確だったりします

だからこそ、スベってんなぁ
というのもわかってしまうんですよね

 

そして、この大量のギャグが
ストーリーにも支障をきたしてる

ギャグばかりなので登場人物の心情が
わかりづらく
物語の進行も何が起きてるのか
なんかよくわからない
今なにやってたんだっけ?
と観てる側が目的を見失ってしまいます


全てがギャグ優先で
ふうかとシンの関係性や成長も
かなり雑だし深く描かれることも無い

この2人の会話などで笑いをとればいいのに
そういったものはあまり無かったりします

正反対の2人が反発や反応し合って
成長していく姿だけでも
笑いを作る事もできると思うし
人間ドラマももっと描けたんじゃないかとも
思います
バディものとしての面白さも生まれたはず

 

そんな感じで
ギャグ優先、ドラマ性無視で
進んできたのに
終盤になって急に湿っぽくなる
泣かせようみたいな魂胆が見え見えなんですよね

それがちょっと気持ち悪い

シンが韓国で警察に捕まるあたりからです
ここからはギャグは全く無く
ただただ泣かせようとしてくる

ここでふうかとシンの
めっちゃ長いキスシーンがあるんですが
これが全然意味わかりません
どういう感情で見ればいいのか

今まで恋愛描写が全然無かったし
2人がそういう関係になるような予兆も
全く描いていないから
急にこんなシーン見せられても
気持ち悪い以外の感情は生まれないですよ


これまでバカみたいにギャグばかりだったら
最後までそれで突き抜けろよって思う
最後には良い話にしようとしてるのが
すごく守りに入った感じで
余計にこの映画の印象が悪くなった

 

あと、この映画
すごく余計なものが多いな
とも思いました

今までさんざん言ってきたギャグも
隙間を埋めるように詰め込まれていて
くどすぎるっていうのもありますが

カメラワークもすごく気になったんですよね

カメラワークが無駄に動きすぎというか
観ていてすごくしんどいんですよ
そしてすごく見づらくもある


はじめの方のふうかがタクシーから降りて
持っていたギターを車に轢かれるシーンは
カメラが動きすぎて何が起きてるかわからない

ふうかの下宿先に追手がやってきて
シンと一緒に逃げる場面も
カメラワークがグラグラして
すごく見づらいんですよ

他にもカメラの視点がいろいろな場所に
切り替わったり
会話シーンで人物の周りをグルグル回ったり


何か意味があってやってるのかは
わかりませんが
そこからは何も伝わってこないし
ただ酔いそうになるだけです

 

そして最も無駄だと思ったのが
韓国ですよね

終盤にふうかとシンが韓国に行くんですが
ここからは無駄な場面のオンパレードですよ
テンポもすごく悪いし
観てるのが苦痛に思うほどです

そもそも韓国の必要性が無いですもん
このストーリーって
別に日本国内だけでも成立できるはずですよ


これは対馬から釜山に国境を超えて
声を届ける
ってのをやりたかっただけなんでしょうね
これありきで物語を作ったのかもしれません

でも、そのせいで終盤は
話運びがすごく強引ですよ
このラストに合わせての辻褄合わせが
無理やりですもんね

スケールをデカくして
感動の涙を誘いたいのかもしれませんけど
全然効果的じゃないと思う

もっとこじんまりとした中で
粋な見せ方したほうが泣けると思いますけど

 

あと、とても不満なのは
歌の扱い方です

歌はこの映画の核の部分でもあると思います

主題歌の作詞作曲はあいみょんだったり
主演の吉岡里帆や阿部サダヲが
実際に歌っていますし

この映画で1番期待していた
要素でもありました


でも、思ったほどがっつりと
歌のシーンが無いんですよね

特に最後のふうかのライブシーンには
がっかりしました
短すぎる

この映画って
全てがこのライブシーンのために
動いていたんじゃないんですか?

ここに全てが集約されると思うんですよ

なんでこんな短いの?

ここは歌をフルでやってもいいくらいだと思う

ここまではめちゃくちゃな内容で
進めてきたくせに
なぜここにきて普通に終わるのか

歌をフルで見せるくらいの
攻めた事をやってみせろよ

時間を無駄に使ってるようなシーンが
たくさんあるのに
そこを削って歌のシーンに回せばいいでしょ

これじゃあ
あいみょんの無駄使いですよ

 

最後に一つだけ
吉岡里帆は良かったと思う

僕は今まで吉岡里帆に
魅力を感じたことが無いんですけど
この映画では
とても魅力的に思いました

なんかすごく可愛かったですね
表情豊かだし動きも面白いし

彼女って真面目な役より
コミカルな役の方が合ってますね

こういう吉岡里帆なら
また見たいなと思いました

 

最初から最後まで
ずっとスベってるので
コメディーとしては致命的でした
もうちょっと知的な笑いも欲しかった
歌ももっと見たかった

この映画に求めていたものが
全て無かったです

 


音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ! ! Blu-ray通常版

 

 

映画「WE ARE LITTLE ZOMBIES」感想 全て斜に構えた超エモい映画 大嫌い

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どうもきいつです


超エモい映画「WE ARE LITTLE ZOMBIES」観ました

感情を失くした子供たちが
音楽を通して成長していく物語を
独特の映像表現やセリフ回しで描いた
ジュブナイル映画

CMプランナーとしても活躍する
長久充の長編映画の監督デビュー作

 

あらすじ
火葬場で出会った
ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコは
両親を亡くしても泣けなかった
彼らは自分たちの心を取り戻すため
冒険に出る
やがて、たどり着いたゴミ捨て場で
LITTLE ZOMBIESというバンドを結成する

 

感想
この映画には感情が感じれない
登場人物に感情が無いだけでなく
監督にも感情が無いのかと思ってしまう
ただ表面的なだけのアート表現からも
感じるものは何も無いです
エモいを履き違えた映画

 

テレビで本作のCMを見て
とてもインパクトがあって気になり
映画館まで観に行ってきました

実際に観てみると
こういう系の映画ね…
と正直がっかりです

ヴィレヴァン大好きな大学生が
エモい、シュール、オシャレ
と大絶賛してそうな内容

エモい映画を撮ろうとしてるのは
伝わってきます
でも、エモいってどういう事なのか
考え直してほしいですよね

そもそもエモいって言葉が独り歩きして
今やただの便利な言葉に成り下がってますし

エモいってちゃんとした意味で
使ってる人もいますけど

たいていの人はこの言葉を
なんて褒めればいいかわからないから
とりあえず言っとく言葉
くらいの軽さだと思います

褒め言葉でも
ネガティブな印象の強い褒め言葉です
異性を紹介する時の
やさしいと同じ感じですね

僕は今回エモいを嫌味としてしか使いませんが

 

で、この映画なんですが
全体的に映像、演出、セリフ回しなどを
かなりこだわって
独特な世界観を生み出しているんですが

正直言って全然良いと思えない
全然面白くない
全然笑えない
全然心に刺さらない

僕が一番嫌いな
センスの押し売り系の映画でした


センスの押し売り系の作品に
よくあるのが

とにかく奇抜でとにかくカラフル
シュールな世界観に独特なセリフ回し
意味があるのか無いのかわからないストーリー
社会風刺やキャラクターの重い過去
斜に構えた目線

でも、その中には思想や感情は
込められていなくて
表面的にオシャレなものにしかこだわっていない
見てくれだけ着飾ってる


まさしくこの映画がそれで

この映画からは

この発想すごいだろ?
こんなシュールな演出笑えるだろ?
こんな映画深いだろ?
褒めてくれ!!

ということしか伝わってこない


結局、パッと見のインパクトは
とても強いし惹きつけられるけど
それ以上のものは何もない

それは監督がCMを作ってきた人だから
かもしれませんね
CMはたった数十秒で人を
惹きつけなくてはなりません
でも、映画の場合は惹きつけた後も大事です

そして、本作は2時間の間
ひたすらCM、PV、MVを見せ続けられてる感覚
さすがにしんどいです


そんな感じで監督のセンスを
押し付けてくる割には
斬新さがあるわけでもないんですよね

いろんな人がやってきた
サブカルでオシャレな事を
いろいろ詰め込んでみた
ってだけの演出に思える

攻めてるようでそんなに
新しくない


本作でも前面に押し出されてる
ファミコン風のピコピコ音楽や
ドット絵などは
別に悪くはないけど

正直、ちょっと遅くない?
って思ってしまいました

10年前くらいならすごく斬新な演出
だったかもしれませんけど
今となってはレトロゲームとかも
流行ってたりするし
こういう音楽もよく使われてる


LITTLE ZOMBIESの歌のシーンに関しても
このMV風の場面は面白いと思いますが
やっぱり既視感ありますよね

長回しワンカットのMVって
ちょっと前に流行ってたし
そういうのって今では普通ですしね


その他でも
チープでシュールな演出だったり
早口で理屈クサくて感情のこもっていない
セリフ回しだったり
カラフルでオシャレな衣装だったり

こんなのなんか知ってるし
それにカッコいいわけでもなく
別に笑えるわけでもないんですよね


アート的な表現を前面に出してる映画だけど
そのアートの中には
何を表現したいのか、何を伝えたいのか
どういう感情を込めたいのか
そんな芸術性が全く感じれない

ただのファッションアートで終わってます

中身の無いアート作品には
芸術としての魅力が全く無いと思います


アート的に中身が無いだけでなく
映画的にも中身が無い
というのもこの作品の悪いところです

ストーリーはほぼ無いですけど
少年たちが冒険するジュブナイルものだと思います

ただ、その中にはドラマ性も無いし
キャラクターの成長もほぼ無い

この映画ってただ映像を見せられているだけで
そこから何を受け取っていいのか
わからないんですよ

主人公たちの過去なんかも見せられたり
重いものを背負ってる風には見せるんですけど
そこから先を描かないので

で、何が言いたいの?
という感覚にしかなりません

社会風刺みたいなのも描かれますが
それも取って付けたように
その要素を見せつけられるだけで
その事についてどう伝えたいのか
というのが抜け落ちている


で、登場人物たちは結局
最初から最後まで斜に構えたまま

社会の闇みたいなのものを
ただちらつかせるだけで

それに向き合うことも無く
何か答えを出そうともしない

死、家族、人生、社会
そこから生まれる理不尽なことに
斜に構えて受け流して
現実逃避しているだけの物語です

こういう事ってしっかりと受け止めて
向き合わなければならない事だと
思います

全てを悟ったように
カッコよくオシャレに受け流す
というのはなんか違うと思う


全編通してみてみると
この映画には温度が全然無いですね
熱みたいなものを感じられない

むしろ、必死になってる奴はダサい
みたいなのを感じる

僕は無様でもがむしゃらに
足掻いている人間の方が
カッコいいと思いますが


このストーリーやキャラクターも
監督にとっては
ただの面白要素でしかなく
それを通して何かを伝えたい
ということが無かったんじゃないですかね

表面的な見栄えの事ばかりで
本質的なところには
全く踏み込んでいませんでした


結局はアートわかってる風の奴らが
エモいエモいと絶賛し
ただ消費されていくだけで
消えてしまいそうな映画です

 

そんな中でも
メインの4人はとても良かったです
これが唯一の救いかも

みんな可愛らしさがあって
魅力も十分ありました
この4人は将来有望じゃないでしょうかね

歌の場面でもこの4人に
惹きつけられるものがありましたし

この4人のおかげで
最後まで映画を観れたと言っても
過言じゃないです

 

僕はこの映画が大嫌いです
見た目ばかりを気にした
中身からっぽの
とても冷たい映画だと思いました

でも、こういうのが好きな人は
最高なんじゃないですかね
めっちゃエモいし

 

 

映画「メン・イン・ブラック:インターナショナル」感想 MIBは3で限界だったよ

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どうもきいつです


SFアクション映画「メン・イン・ブラック:インターナショナル」観ました

地球に潜む宇宙人たちを監視する
エージェントたちの活躍を描いた
「メン・イン・ブラック」シリーズの第4弾
主役を新たに新しい物語が展開されます

監督は「ワイルド・スピード ICE BREAK」
などのF・ゲイリー・グレイが務めています

 

あらすじ
地球に生息するエイリアンの監視を
任務とする最高機密機関「MIB」の
エリート新人のエージェントMと
かつて世界を救ったエージェントHが
世界中を舞台に
MIB内に潜むスパイと宇宙人から
地球を守るミッションに挑む

 

感想
軽く観るなら楽しめるけど
正直、微妙過ぎる
予告だけ見れば満足できるかも
それ以上のものは無いと思う

 

MIBシリーズは子供の頃から
観てきたシリーズなので
今回も当然のごとく観てきました

世界観や設定
武器や宇宙人の造形など
このシリーズはとても好きなんですが
本作はマジで微妙でした

それなりに楽しめる映画だとは
思うんですけど
たぶん観たことすら
忘れてしまいそうなほど
記憶に残らない映画だと思います

本作から主役を一新して
新しいシリーズを
始めようとしたのかもしれませんが
大失敗だったんじゃないですかね


特別ここがめちゃくちゃ悪かった
みたいな部分は無かったんですけど
平均的に中の下
みたいな出来の映画になっていました

ストーリーは先読みできるくらいの
ありがちな展開ですし
アクションは単にCG使っただけの
ありがちな派手さ
キャラクターはあまり印象に残らない
世界観やデザインは今までと
大差ないのでマンネリ気味

そもそも、そんなに期待は
してなかったんですが
それでもちょっとだけ期待を
下まわってきました


いろいろと微妙な要素はあるんですが
特にキャラクターの扱い方が
もったいなかったです

主役の2人MとHは
基盤となる特性は
とてもいいと思うんですよ

Mは頭の良さと20年間も
MIBを探し見つける程の執着心
Hは過去に世界を救った英雄にも
かかわらずとてもチャラくて
テキトーな男

デコボココンビ感もあるし
バディものとして
面白くなりそうなんですが

いまいちキャラを上手く扱いきれてない
それぞれの特性を
物語の中で生かし切れてないんですよね

危機を乗り越える時も
Mの頭の良さやあきらめの悪さで
切り抜けたりはせず
運任せで解決することがほとんどだし

Hはいざという時にカッコいい姿を
見せてくれるのかと思いきや
ずっとやられっぱなしで
結局最後まで見せ場無し

2人の良いところを全然見せてくれません
ギャップのカッコよさや
特技を生かした見せ場など
やろうと思えばできると思うんですけど

なんかふわっとした感じで
終始進んでいくんですよ


その上、2人の関係性も
緩急が無くて最初から最後まで
一定の距離を保ったままなので
バディ的な面白みもあまり無い

性格が全然違う2人なのに
はじめからそれなりに仲良くやってるし
最後はそんなに深く絆が深まる
話になるわけでもない

途中でケンカをするとか
信頼関係にひびが入ったりもない

もうちょっと2人の関係性を波風立てて
面白く見せてほしかったです

 

そして、ストーリー展開は
マンネリにならないように
今まで違った展開に
しようとしているのはわかります

今回はMIB内に裏切者のスパイがいて
それが誰なのか
というストーリーなんですが

MIBとしては
新しい切り口かもしれませんけど
こういうのやりつくされてますから

しかも、その内容にはあまりひねりが無く
次の展開が容易に予測できてしまいます
黒幕の正体はかなりわかりやすいし
ミスリードはバレバレ
危機からどういう風に切り抜けるのかも
すぐわかってしまいます

作品自体のノリが軽いのと
先が読めすぎてしまうことが相まって
緊張感が全く無くハラハラできない


MとHも人間ドラマも
ありそうでなかったし

キャラクターを
深掘りすることも無いから
ドラマ性もないし
物語に深みも出てないですよね

ストーリーも全て中途半端で
微妙過ぎる出来でした

 

設定やデザインは
いつもと同じって感じで
全然新しさがないし
この部分では何も感じませんでしたね

銀色ビカビカの銃をぶっ放す
CG全開のド派手アクションに関しても
もう見飽きてる感は否めない

MIB本部の内装だったり
いろんな見た目の宇宙人たち
変形する車や電車
全て新鮮味が無い

全体的に今までやってきたことの
繰り返しになってるだけ


この映画を観て思ったのは
MIBは3で限界だったんだなって

まあ、3は面白かったんですけど
ギリギリ面白かったって感じですかね

宇宙だけじゃスケールが広がらないから
タイムトラベル要素を入れたり
人間ドラマもやりつくしたから
登場人物を記憶喪失にしたり

この時点で強引ではあったんですよ
でも、結果的に面白くなってた
ただ、これはMIBの限界だったんだとも
思います

実際に今回は世界中を舞台にしてますけど
やっぱりスケール感が無いな
と思ってしまいます

これ以上、MIBの世界観や設定で
新しいものを見せるのは
難しいんじゃないでしょうかね

 

あと、今回エイリアンとの絡み
少なくないですかね?

エイリアンがただいるだけ
って感じであまり満足できない

それに見た目のキモさが
あまり無かったりするし
敵キャラに魅力も感じなかった

エイリアンの魅力や個性は
MIBシリーズの売りでもあると
思うんですが
そういうのもかなり薄かった印象ですね

 

MIBシリーズは3で終わりにしとけば
良かったんじゃないでしょうか
これも結局は過去の遺産にすがって
金儲けする考えで作られたんでしょう

せめて、どうせ作るなら
もうちょっとクオリティを
高くしてほしいもんですね

 


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映画「ゲティ家の身代金」感想 ドケチな金持ちジジイにイライラする

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どうもきいつです


実際の事件を基にしたサスペンス映画「ゲティ家の身代金」観ました

1973年に起こったアメリカの大富豪
ジャン・ポール・ゲティの孫が
誘拐された事件を映画化した
2017年のサスペンス映画です

監督は「エイリアン」「ブレードランナー」
などのリドリー・スコットが務めています

 

あらすじ
石油王として巨大な富を手に入れた
実業家ジャン・ポール・ゲティの
17歳の孫ポールがイタリアで誘拐され
母親ゲイルのもとに1700万ドルの
身代金を要求する電話がかかってくる
ゲイルは身代金の支払いを拒否する
ゲティと対立しながら
誘拐犯とも対峙することとなる

 

感想
大金持なのにケチすぎるジジイに
腹が立ちながらも
なぜ金持ちの金持ちたる所以が
少しわかったような気がした
サスペンスよりも人間ドラマが
面白い映画でもありました


実際の事件を基にした映画なんですが
僕は無知なもので
この事件は全く知りませんでした
というかゲティさんを知らなかったです

超大富豪のゲティの孫の誘拐を中心に
物語が進んでいくんですが
意外とサスペンスよりも
人間ドラマ重視な映画です

むしろサスペンスはオマケ程度かもしれない

息子を誘拐されたゲイルは
身代金を要求する犯人と
身代金なんて絶対に支払わないと言う
ゲティとの板挟みにあい
そんな彼女の苦悩や葛藤、不安が描かれます

そして、ゲティの金に対する執着や
家族への愛情なんかも描かれる

誘拐されたポールにもスポットが
当たっていて
誘拐犯とポールとの
妙な絆も見せてくれます


全体的にちょっと荒んだ世界を
見せられてる様な感覚でした

孫を誘拐されてるのに
一銭も金を支払う気の無い大富豪

犯罪を犯して大金を手に入れようとする
誘拐犯たち

この事件に馬鹿みたいに
群がってくるマスコミ

こういうのを見せられると
すごく嫌な世界だな
と思わされます

そんな中でも
息子を救いたい一心で
最悪の状況の中戦い続けるゲイルの姿や
そのゲイルをサポートする
チェイスの姿は
こんな世界に差し込む希望の光に見えたし

ポールと誘拐グループの1人チンクアンタ
の間に生まれる情は
この世界がただ絶望的なだけじゃない
と思わされる

 

そして、1番印象に残るのは
やっぱり超ドケチ大富豪のクソジジイ
ゲティですよね

彼がはじめに身代金を払っていれば
全てが丸く収まる話です

それをこのクソジジイは
金を出す気は全くないわけです
これを払ってしまうと14人いる孫が
また誘拐されてしまうかもしれない
という理由はわからんでもないですけど

そのくせ、身代金は払うのは渋るくせに
美術品や骨董品には
湯水のようにお金をつぎ込む

このジジイには人間の心は無いのかと
かなりイライラして胸糞悪いんですよね


ただ、だからこそ金持ちになれたのかと
納得もできます

はじめのほうの
孫たちの親権をどうするかという話し合いで
お金は全くいらないから子供たちの親権は貰う
と言うゲイルの言葉に
彼は納得して受け入れます

ここでもわかる通り
彼はお金と家族を天秤にかけて
お金を選ぶ人間なんですよ

しかし、彼は家族を愛していないわけではない
愛している家族とお金を比べて
お金を選んでる

それほど彼はお金に執着してる人間なんです
この普通ではないほどの
お金への執着心があるからこそ
あそこまでの大富豪になれたのだと思います


ゲティの過去については
ほとんど描かれていませんが

人ではなく永遠に変わる事の無い
美術品や骨董品にお金をつぎ込んでいるのは

金持ちになったが故に
彼の周りの人間が
お金のことしか見てない人や
彼を騙そうとする人が増えたから
人ではなく物だけを信じるようになったのかな
と思えたり

ただお金を稼ぐことだけが目的になってしまい
心に穴が開いてしまったような姿も垣間見れて
人間らしさも感じれます

最終的にお金に囚われすぎるあまりに
お金で買えないものを手に入れる手段を
見いだせないまま人生が終わっていく姿は
切なくもありました

全く共感できない人物ではありますが
この愚かな姿がとても人間臭くて
魅力的な人物にも感じれました

 

そんな感じで
人間ドラマとして見応えはあるんですが
ちょっと退屈な映画だったとも思いました

全体的に淡々と話が進むので
正直、ちょっと眠くなります

話にあまり緩急もないし
やってることは
ゲイルとゲティの身代金を払うか払わないか
のやり取りと
ゲイルと誘拐犯の身代金を払え払えない
のやり取りの繰り返しが
ひたすら続くだけなので
さすがに飽きてきます

このやり取りの中でも
もうちょっとサスペンス的な
仕掛けとかがあっても
良かったんじゃないでしょうか


確かに実話ベースの物語なので
話が広げづらいというのはわかりますが

それにしてもちょっと退屈すぎるかな
と思います

ポールの耳が切り落とされる場面だったり
所々ハッとするシーンなんかは
あったりしますが

でも、それくらいじゃ
やっぱり推進力は生まれないし
ちょっと目が覚める
くらいの要素でしかなかったです


それだけでは心もとないというのも
わかっていたのか

ちょくちょくポールが誘拐犯から逃げる
逃走劇が入ってくるんですが
それがちょっと取って付けたようで
少し違和感がありました

この逃走劇の部分だけ
なんか雰囲気も変わるし
話の流れ的にも
ちょっと違うようにも感じて
あまり乗れませんでしたね

特に終盤の解放されてからの逃走劇は
無理やり感がすごく
解決したのにもう一悶着起きてしまうので
ちょっとくどすぎると思いました


2時間越えの映画なんですけど
時間の割には内容が
そんなに詰まっているわけでもなく

もうちょっと短くして
すっきりとスムーズに見せた方が
観やすい映画になってたんじゃないかな
と思います

 

実話を基にした映画なので
実際にこういう事件が
起きたということを知り
いろいろ考えることもできて
そういう点では面白い映画でした

ただ、もうちょっとサスペンス的な
面白さがあっても良かったんじゃないか
とは思いました

 


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映画「モンスター・ホテル2」感想 前作とやってることがほぼ同じ 新鮮さが無い

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どうもきいつです


アニメ映画「モンスター・ホテル2」観ました

2012年のアニメ映画
「モンスター・ホテル」の続編
モンスターたちが集うホテルを舞台に
人間とモンスターたちの交流を描いた
2015年のファンタジー映画
前作から7年後、メイヴィスとジョニーの
子供デニスを中心にした物語です

監督は前作と同じく
ゲンディ・タルタコフスキーが務めています

 

あらすじ
モンスターホテルで運命の恋に落ちた
ドラキュラの娘メイヴィスと人間のジョニーは
結婚を果たし
2人の間には息子のデニスが誕生した
しかしデニスに吸血鬼としての素質が現れず
メイヴィスはデニスをカリフォルニアで
育てようと考え始めるが
ドラキュラはそれを快く思わなかった

 

感想
面白かったけど
前作とやってることがほぼ同じで
新鮮味がなくマンネリだと思った

 

前作はとても好きで面白かったんですが
続編がある事をすっかりと忘れていて
今さら鑑賞しました


率直な感想は
悪くはないけど
あまり記憶に残らない映画でした

それはやっぱり
前作と同じようなことを
またやっているだけの内容だったから
だと思います

前作はメイヴィスとジョニーの恋を中心に
人間嫌いのドラキュラが
人間の存在を受け入れるまでを描いた
物語でした

モンスターと人間の対立から
モンスターと人間が繋がるまでを
コミカルに楽しく見せてくれた
映画でした


そして、本作は
メイヴィスとジョニーの息子を中心に
モンスターと人間のハーフであるデニスを
どう育てるかでもめる話

ドラキュラはデニスを吸血鬼にしたい
メイヴィスは人間として育てようとする

またモンスターと人間との
対立の話になってるんですよね


この時点でちょっと萎えてしまいます
前作で解決したはずの
モンスターと人間のわだかまりを
本作でまたぶり返してる

しかも、今回もこの問題のしこりになるのは
頭の固いドラキュラなんです

前作で成長したと思っていたドラキュラが
結局、考え方はあまり
変わっていなかったんだな
と少しがっかりしてしまいました


それだけでなく
話の展開やギャグも
前作と変わり映えが無く
いまいちパッとしない印象です

ギャグに関しては
安定と言えばそうなんですが

もともと単純すぎる笑いだし
めちゃくちゃ面白いと言うより
ちょっとクスッとしてしまう程度

ストーリーに絡んでくるような
笑いも無いし
1作目ならそれでも満足できましたけど
2作目となると
それだけではやっぱり物足りないですね


話の展開に関しても
キャラクターたちが暴走して
ドタバタ劇を繰り広げる
という作りなんですが

前作はジョニーが人間だとばれなように
周りの目を欺いて
ときにはトラブルが起こったり
みたいな展開で

本作はドラキュラがデニスを
メイヴィスにばれないように連れ出して
いろいろトラブルが起きる
という感じです

やってることがほぼ同じなんですよね

どうせ続編をやるなら
前作をふまえた上で
別の切り口から見せてほしかったです


登場人物も
目立った新キャラと言えばデニスくらい
それ以外はほぼ同じメンツだったし

本作ではドラキュラの父親も登場しますが
これも前作のドラキュラと同じような考えで
しかも、大したきっかけが
あるわけでもないのに
簡単に和解してしまって

こんなキャラ必要だったのか?
と思うほどの薄すぎるキャラでした

 

それと、ジョニーがあまりにも
子供に無関心すぎるのが
とても気になりました

この映画は親子関係をテーマにしてる
作品だと思います
大人が子供に自分の理想を押し付けるのは
どうなのか?
という事が描かれている

そんなテーマの中で
メイヴィスやドラキュラの描き方は
全然良いと思ったんですが

父親であるジョニーが
ちょっと何も考えて無さすぎだと思う

デニスを吸血鬼にしようとする
ドラキュラの作戦にもあっけなく手を貸してるし
メイヴィスとの会話では
子供のことについての話もほぼしてないし

てか、子供を心配している様子も
全然無いですしね

テーマに対して
父親であるジョニーの見せ方が
少しおかしいんじゃないかと思いました

完全に子供に無関心な父親にしか
見えないので
とても印象が悪かったです

 

あと、物語の落ちどころが
とても曖昧になっていたのも
あまり良くなかったように思いまいた

吸血鬼になれないデニスを
どう育てるのかという問題が
結局デニスが吸血鬼になれたので
めでたしめでたし
になってしまったのが
ちょっと安易過ぎじゃないのかな
と思いました

終盤は勢いだけで
全てを丸く収めてしまったのが
ちょっともったいなくも感じました

 

とは言いましたが
子供が観るなら
全然楽しめる映画だとも思います


全体的にテンポがとても良くて
スピーディーに話が進んで
最後まで飽きませんし

登場するキャラクターや世界観は
可愛く面白いので観ていて飽きないと思う

ストーリーも単純でわかりやすい

ギャグも子供なら笑えそうなところが
たくさんありますしね

 

ファミリー映画としては
ちょうど良い映画なのかもしれません
軽い気持ちで観るなら
楽しめると思います
ただ、やっぱり記憶には残りづらい
作品だったとは思います

 


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