何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「町田くんの世界」感想 町田くんは現代社会に必要な希望

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どうもきいつです


青春恋愛映画「町田くんの世界」観ました

安藤ゆきによる少女漫画を実写化した作品
誰にも優しい男子高校生の日常を描いた
青春ラブストーリー

主演の2人は1000人の中から
オーディションで選ばれた
細田佳央太と関水渚
監督は「舟を編む」などの石井裕也が
務めています

 

あらすじ
町田君は運動や勉強が不得意で
目立つことのない高校生だが
困っている人を見過ごせない優しい性格
接する人たちの世界を変える
不思議な人間だった
そんな町田くんがクラスメイトの猪原さん
との出会いをきっかけに世界が一変する

 

感想
町田くんは人類の希望
優しさを分け与えられたような
そんな感情になりました
それにしても変な映画だった

 

この映画を知るまでは
原作の事は全く知らなかったんですが
この映画は前からとても気になっていた
ので観てきました


青春ラブストーリーなのかな
くらいには予想していたんですが
これがすごく変な映画で
なかなか面白かったです

映画の作り自体もなんか変だし
町田くんという存在もすごく変

全体的にちょっとクレイジーで
クセの強い作品だったと思います

でも、優しさに溢れた
暖かい映画でもあります

僕はこの作品がすごく好きな映画になりました


ただ、なんか変な映画なので
賛否は分かれると思います
否が多めかもしれない

特に最後の展開は
かなりぶっ飛んでいて
正直、意味わかりませんもんね

あそこでこの映画が嫌いになる人も
絶対にいるでしょうね

 

この映画で注目すべきは
やはり町田くんです

彼は自分の事なんかは後回しで
困ってる人を全力で助けようとする人で

老人がいればバスの座席は譲りますし
子供の持っていた風船が飛ばされれば
それを取に行きます
失恋した女の子にはそっとミルクティーを
差し入れて慰めてあげる
思いやりの塊のような人間

でもそれは何かの見返りのために
やっているわけではなく
町田くんがそういう人間だから
ただ人間が好きだからやっていること

言ってしまえば聖人君子のような存在です


こういうのって
人によっては偽善とかキレイごととか
ただの理想論だとか言って
気持ちわるがる人もいると思う

実際にこんな人間がいるのかと言えば
たぶんいないと思う
いたとしても周りの人間に
奇人だ変人だ言われて淘汰されしまうでしょう

でも、その考えや常識が
普通になってきてる社会が
荒んでいるんだと思う
正直者や優しい人間は損をする
って考えが普通の世界は
荒んでいますよ

僕自身も一方的な思想や偏った正義
みたいなキレイごとってのは嫌いですが
人を思いやることというのは
キレイごとではなく絶対に人間に必要なもの
だと思います
この気持ちが無くなったら本当に
人類は終わってしまいますよ


この映画はそんな荒んだ世界に
光を差し込めてくれた作品

町田くんという希望を見せてくれました

映画の中では
町田くんの優しさに触れた人たちは
優しさが伝染したかのように
みんな優しくなっていきます

そして、映画を観ていた人たちも
同じく優しい気持ちになれる人は
少なからずいるはず

電車で困っている人がいたら席を譲ろう
道端に落ちていたゴミを拾おう
みたいに
誰かを思いやる気持ちが
芽生えると思う

それだけでもこの映画には
意味があるんじゃないかと思いました

 

と、ちょっと堅い話になりましたけど
映画自体は全然固くない
コミカルなラブコメ映画です

町田くんを中心にコミカルなキャラたちが
繰り広げるドタバタ劇が面白い

町田くんと猪原さんの恋模様が
甘酸っぱくも面白くすれ違っていき
観ていて微笑ましくもあります

序盤は
人間が好きな町田くんと人間が嫌いな猪原さん
途中からは
全ての人を愛する町田くんと
1人として愛されたい猪原さん
と最初から最後まで真逆の2人
だからこそすれ違い
だからこそ惹かれ合ってるんです

その中でも深いものも見せてくれます

誰かに優しくするという事は
誰かを傷つけているという事
という言葉を突きつけられた町田くんは
全てを愛するか1人を愛するかの
選択を迫られ苦悩する

そして、好きという事は一体何なのか?
という問いに対しての答えが
わからない
ということ

わからないから好きになる
わからないから興味を抱き
わからないから知りたいと思う

わからないの重要さにあらためて気づけました
わからないという事が
人間の原動力なのかもしれない

 

で、映画としては
かなり変なんですよね

そもそも主人公の町田くんが
変なキャラクターなんですけど


演出も変だしキャスティングも変
世界観も変、映像も変
全てがちょっとづつ変なんですよ

めちゃくちゃ変ってわけじゃない
ちょっと変なんです

大体の人がラストの展開を
リアリティーが無くておかしい
って言うと思うんですけど

実はそこに至るまでも
なんかおかしい


まずキャスティングですよね

この映画のメインである
町田くんと猪原さんは
オーディションで選ばれた全くの無名
年齢的にも役と同じくらいと思いますが

他の同級生役のキャストが
20代後半だったりします
当然見た目的にも違和感ありますよ

この時点でリアリティーに欠けるんです


他にも演出も変な撮り方してるな
って思う部分が多々ある

河川敷で町田くんが猪原さんを
追いかけ回してるシーンとか
変に長いし謎のテンポだし

町田くんが料理中に考え事をして
鍋に調味料ぶち込んでる場面は
この後の出来事へのフリと思ったら
ほったらかしで別のカットに移るし

でもこれって明らかにわざとやってるし
あえてこの映画のリアリティーを
崩していってるのかなと思えます

主役2人の演技に関しても
すごく大げさなんです
この点でもリアリティーが薄くて
なんか変でした

そして、最後のぶっ飛んだ展開がありますし
よくよく考えたら
物語自体も結構ぐちゃぐちゃだと思うし


でも、最終的には
なんだかんだまとまってるようにも思う
この世界が1つの独立した世界というか

町田くんという変な人の目を通して見た
変な世界なのかなと納得できてしまいました

キャストも今思えば
なんかみんなハマってるんですよね
前田敦子とか完全にハマり役だと思う

 

最後まで観て
この映画を観ている人間は
試されてるんじゃないのか?
と感じました

町田くんというありえない善人を
ありえない世界を通して見せることで
この映画に対してどう思うか


こんな善人いるわけない
リアリティーが無いからつまらない
と吐き捨てるのか

作り物の世界の中にある
真実を見つけるのか

作り物だからこそ見せることのできる
理想的な世界ですけども
そこから生まれる真実もあると
僕は思います

 

最後に
心に残ったシーン、面白かったシーンを
挙げていきます


まずは、走る町田くん
これはズルいです

走ってるだけで面白い
町田くんが走る場面は何回も出てきますが
毎回笑っていました

走るだけであんなに面白くなるんですね


貧乏ゆすりをする猪原さん
これも面白かった
貧乏ゆすりのレベルを超えてましたもん
ちょっとした足ふみです

このときのヒステリックな様子も
とても可愛い

猪原さんは基本的にどのシーンも
可愛かったと思います


終盤のみんなが町田くんを助ける場面
これはとても熱かった
この映画でも1番重要な場面だと思う

自分の事より他人のためを思っていた
町田くんですが
最後には自分に善意が返ってきます
フィクション中での理想ですが
この理想が現実世界にも必要なんです

 

そして、前田敦子演じる栄りら

このキャラはすごく印象に残りました
登場頻度はそんなに多くないし
本筋にもそんなに絡んでないんですが
存在感がとてもありました

高校生なのにババアっぽい雰囲気に
前田敦子が完全にハマっていました
(前田敦子をババアと言っているわけじゃない)

 

普通の青春映画と思いきや
とてもぶっ飛んだ映画でした

面白いかどうかは意見が割れそうですし
人によって見方が変わる作品でも
あると思います

僕はとても好きな映画です

 


町田くんの世界 コミック 全7巻セット

 

 

映画「フェリシーと夢のトウシューズ」感想 夢さえ持っていれば全て上手くいくのか?

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どうもきいつです

 

アニメ映画「フェリシーと夢のトウシューズ」観ました

バレリーナを夢見る少女が
パリへ行き夢をかなえるために
奮闘する姿を描いた2016年の
フランス、カナダ合作のアニメーション映画

「カンフー・パンダ」などに携わった
アニメーションディレクターが
本作も手がけています

 

あらすじ
踊ることが大好きなフェリシーは
バレリーナを夢見ていた
施設に暮らしていた彼女は
親友のヴィクターと共に施設を抜け出し
憧れのパリを目指す
そして、フェリシーは掃除婦のオデットと
出会い、夢に向かい努力を重ねていく

 

感想
完全に女の子向けのサクセスストーリー
なので自分に合わなかった
それは置いといても
ちょっとベタ過ぎるかなとも
思いました
そしてちょっと教育に悪い気もする

 

特にこの映画が
観たかったわけではないんですが
暇だったんでちょっと観てみました


これは完全に女の子向けのアニメですね

昔からよくあるような
女の子向けスポ根って感じですね
アタックNo.1とかエースをねらえ!とか
そういうのに近いと思います

内容が少女漫画的な要素が多いですし
小学生以下の女の子が喜びそうな映画

なので
大人、ましてや男はあまり楽しめないと思う

でも、子供向けなら
それはそれでいいと思いますし
それなら子供が楽しめればいいんですよ

ただ、悪い意味で頭がお花畑な映画だとも
感じてしまい
正直、子供にもあまり見せたくない映画かも

 

ストーリーは至ってシンプルで

環境に恵まれていない女の子が
バレリーナを目指し
夢と希望をもって努力をし
最終的に夢を掴むサクセスストーリー

これだけ聞けば良い話なんですけども


でも、描き方があまり良くないと思う


主人公のフェリシーは
夢と希望を持った天真爛漫な女の子
なんでけど

一途に夢を叶えたいと思う気持ちがあるだけで
全てが許されてしまったり
何もかもが上手くいってしまうのが
とても引っかかるんですよね


基本的にフェリシーに全然好感を持てない
むしろちょっと嫌いなくらいです

フェリシーの行動は
全てが自分本位でわがままだと思うし
そこが改善されることも無く

物語自体もフェリシーの夢が叶うかどうか
という部分しか描かれなくて
結局この映画自体にも
好感が持てないんですよね


でも、フェリシーは
別に性格が悪いわけではないんですよ
子供らしく純粋で可愛らしいキャラクター
ではあります

自分の気持ちに素直であるが故に
過ちを犯し道を踏み外したりもする

そういうのは普通のことだし
それ自体には不快感も何もない

むしろストーリーの原動力にもなるし
必要な要素だと思うんです


しかし、それらの処理の仕方が
悪いんですよ
雑というか、テキトーというか

フェリシーの障害の乗り越え方や
失敗から立ち直りだったりが
ただ気持ちが強いからとか
周りの大人がフェリシーに甘いから
ってだけで解決してしまってる

気持ちの大切さを描いている割には
フェリシー以外の人間の気持ちは
蔑ろにされてたりもします

大人たちがフェリシーに甘くて
彼女の過ちを簡単に許してしまうから
フェリシーの心が成長しているようにも見えず
反省してるのかどうかもわかりません

なんか、夢さえ持っていれば
何もかもが上手くいって幸せになれるよ
って言っている
馬鹿な映画にしか見えないです


この映画って
周りの人間が異常なほどフェリシーに
優しくて協力的だから成立してますけど

現実世界に当てはめると
無条件にこんな優しくしてくれる人間なんて
絶対にいるわけないし
気持ちだけで解決できることばかりじゃないです

 

フェリシー目線でこの映画を観れば
幸せなサクセスストーリーにも見えますけど
視点を変えればなかなか酷いことに気づきます

例えばフェリシーと共に
レッスンを受けている生徒たちから見ると

急に現れた全くのド素人が
たった数日のうちに
自分の上に行ってしまうんですよ
たまったもんじゃないです

その理由も
夢を持つ気持ちが強いからとか
必死に努力したからとか言う理由

バレエのクラスを落とされていった子たちも
フェリシーより前から練習してただろうし
夢も持ってるでしょう
この子たちの気持ちが蔑ろにされているのが
あまり納得できないです


そして、フェリシーのライバルのカミーユと
カミーユの母親
この2人の目線から見ると
やっぱりこの物語に納得できない

この2人は嫌な奴らではあるんです
典型的な性格悪い金持ち親子
って感じのキャラクター

でも冷静に見ると
完全にこの親子って被害者ですよね

カミーユに届くはずの
バレエ学校からの手紙を
フェリシーに盗まれて
その上、フェリシーが自分と偽って
代わりにバレエ学校に入学してるんですよ

挙句の果てに感情論だけで
くるみ割り人形への出演権を
奪われてしまうんですから

そりゃ母親もブチギレますわ

それにカミーユの母親の描写が
ディズニーの悪役ばりに
悪の権化の様に描かれてるのが
ちょっと気持ち悪い

この母親って
確かに自分の価値観を
子供に押し付けてる節はありますし
良い母親ではないかもしれませんが
この描き方はちょっと偏り過ぎだと思う

それに、母親が悪者だから
フェリシーがした行為が許されてるようにも見える

悪い人間になら悪いことをしてもいい
みたいな歪んだ考え方に感じてしまう

実際にフェリシーがやったことに対しての
反省なんかも描かれていませんし

 

それもこれも
結局はフェリシーの心の成長が
描かれていないのがダメなのかな
と思います

悪いことをしたら謝って反省する
道を踏み外したら後悔して
前に進むための糧にする
夢とは何か、大切なものとは何か
という事にしっかりと向き合う

そういう描写があまりにも薄過ぎて
全く成長を感じない

はじめの人生を舐め腐った考え方のままで
最後まで行ってしまうので
最終的には気持ち悪さだけ残ってしまいます

フェリシーの成長をもっとしっかりと
描いていれば
ちょっとくらい強引に都合よく物語が進んでも
たぶん納得できたと思います

感情論で解決
というのにも説得力が出たと思う

 

子供向け映画に細かいことばかり言って
大人げないな
と思われるかもしれませんが

子供向けだからこそ
倫理的な部分はしっかり作ってほしい


この映画を観て
夢のために努力しよう
と思う子供もいると思いますが

夢さえ持ってれば幸せになれる
と頭がお花畑な考え方を
持ってしまう可能性もあると思う

子供に見せるからこそ
人生の厳しさや残酷な部分も
必要だと思います

ただ夢さえ信じて努力すれば
幸せになれる
と美しい部分だけ見せるのは
教育にも良くないんじゃないですかね?

 

アニメのクオリティは
高かったと思いますし
登場人物のキャラも悪くなかったです

だからこそもうちょっと
しっかりした内容にしてほしかった

表面的には楽しめるかもしれませんが
深い部分を見ると良い映画とは思えない

 


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映画「響-HIBIKI-」感想 これは平手友梨奈に惚れる

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どうもきいつです


欅坂46の平手友梨奈主演映画「響-HIBIKI-」観ました

マンガ大賞2017で大賞に輝いた
柳本光晴による漫画作品
「響~小説家になる方法~」を
欅坂46の平手友梨奈を主演に
実写映画化した2018年の作品

文芸の世界を舞台に15歳の
天才女子高生小説家を主人公に
描いた物語です

「君の膵臓を食べたい」「となりの怪物くん」
などの月川翔が監督を務めています

 

あらすじ
突如として文芸界に現れた
鮎喰響という15歳の少女
彼女から作品を送られた出版社の
花井ふみは彼女の作品を
世に出そうと奔走する
やがて響の作品や言動が
文芸界に大きなうねりを起こしていく

 

感想
アイドル映画として
平手友梨奈のプロモーションが
完璧だと思う
それほど平手友梨奈の魅力が
溢れ出ている作品
映画としても好きな作品

 

僕は原作未読で
欅坂46の曲は好きですが
平手友梨奈にはあまり興味が無く
この映画は完全にスルーしてました

そんな感じで今になって
観てみたんですが

これがまたすごく変な映画

面白いのかどうかわからん
なんかバランスもおかしい気がするし
良い映画なのかどうかもわかりません

ただ個人的には好きな映画
とても楽しめました

 

この映画って観る人によって
評価が分かれそうですよね


正直、ストーリーは良くある
天才のサクセスストーリーで
やりつくされた感があるような話だし

物語に抑揚が大してない
ヤマが無いしオチも弱い気がする

登場人物の扱い方も
あまりうまくない
小栗旬の役とか必要性あったのか?

天才の主人公が
とにかくすごくて無双する
スゲー主人公の活躍を描いた映画です

チートキャラが無双する
ラノベみたいな話


普通に観ると
面白くなさそうな内容なんですけど
僕はなんか面白かったんですよね


この映画って一見
とても真面目な人間ドラマのように
思うんですけど
全然そうじゃないと思うんですよ

僕はこれをギャグ映画だと思って
観ていました


てか、この映画を真面目に観てしまうと

全てが響の才能という言葉で片付けられ
丸く収まってしまうのが
ただのご都合主義で納得できないと思うし

響の暴力的な姿が不快に
思ってしまうかもしれない

そもそもストーリーや設定自体が
無理やり過ぎるし
なんかよくわからないと思うんです

コミカルな描写も
なんかスベってる感じです

 

でも、この映画をギャグ映画として観ると

それらが全部ボケになる

この映画自体がコントみたいな
話なんですよ

何考えてるかわからない天才が
気に入らない人間に暴力を振るい
天才だから許される
って設定のコント

特に響の暴力シーンは笑えますよ
初対面の人間の小指を
いきなり折るんですから

顔面に蹴り入れたり
パイプ椅子でどつきまわしたり

この響の暴力は
基本的に笑い所だと思います

他にも変なシーンや響の奇行は
笑うところだと思う

最後のギリギリで電車が止まる場面も
ありえないし都合が良すぎるけど
そういうボケです

 

そして、スベっていたと思ていた
コミカルな描写が
実は笑わすためのもの
じゃなかった事に気づく

あれは平手友梨奈を可愛く見せる
ためのものです

砂浜で砂に埋もれたまま本を読んでたり
新人賞をとった時に変なコスプレで
現れたり

これは可愛さを見せるためのシーン
そして、実際に可愛いですし


真面目に観たら
駄作にも思えそうなんですけど
見方を変えると
すごく魅力を感じる映画です

 

それもこれも
響を演じる平手友梨奈が魅力的だから
成り立ってるとも言えます

響というキャラに平手友梨奈が
完全にハマってると思う

てか、彼女以外に演じる事ができるのか
と思うほど唯一無二だと思いました

そもそも、平手友梨奈という存在自体が
響のような雰囲気を醸し出していますし
上手くフィットしたんでしょうね

これが、映画としての原動力にもなってるし
平手友梨奈の魅力を伝えるのにも
成功してると思います


響の天才が故の奇人さ変人さも
とてもリアルに感じるし
ヤバい奴だなっていうのが伝わってくる

それに、ただヤバい奴に見えるだけでなく
ちゃんと信念を持った
一本筋の通っている人間
というのも雰囲気から感じ取れます

これは演技が上手いとかどうとかではなく
空気感ですよね
雰囲気だけでどういう人間かが伝わってきます

だから、ありえない設定のキャラだけど
生きている人間のように
リアルなものを感じれるんです


そして、1番評価したいのは
平手友梨奈がめちゃめちゃ可愛い
というところです

響がただの天才でカッコいい存在
で終わっていなくて
可愛さもすごく出してくるんですよ

いつもは仏頂面で可愛げのない感じですが
友達とのやり取りでは
女子高生らしさを見せたり
部屋に動物のぬいぐるみがたくさんあったり
ギャップの可愛さを見せてくる

それの最高潮が動物園の場面です
友達と楽しく過ごしながら
動物とも戯れる
最高ですよ

これは僕の持論ですが
アイドルと動物が戯れる姿は
宇宙一かわいい


他にも
好きな作家がいたら
握手を求めに行く姿とか
すごく可愛くないですか?
あれめちゃめちゃ可愛いですよね
あのシーンだけずっと見てたいですもん

殴った相手に素直に謝ったりもするし
担当のふみや友達のリカたちは信頼して
心を開いていたりしますし

響がヤバいサイコパスな女ではなくて
笑う時は笑うとても可愛い女の子としても
描かれてるから
好感的なキャラクターに
なってるんですよね

これが平手友梨奈の魅力にも繋がってるし
この映画での響というキャラとしても
すごく魅力的に映る


もう平手友梨奈が好きになりました

彼女のプロモーションとしても
完璧な映画だったと思います


あと、リカ役のアヤカ・ウィルソンも
とても可愛かった
「パコと魔法の絵本」に出てた
女の子だったんですね

響とリカがビンタし合うシーンは
この映画の中でも1番好きかもしれない
真面目な場面なのになんか面白い

 

普通の真面目な映画として観ると
微妙な映画かもしれないですけど
アイドル映画、ギャグ映画
として観たらすごく面白いと思う

平手友梨奈というアイドル
響というキャラクターが
とても好きになる映画でした
そして、この映画の事も好きになる

 


響 -HIBIKI- Blu-ray豪華版

 

 

映画「アラジン」(2019)感想 ジャスミン出しゃばり過ぎウザい

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どうもきいつです


ディズニーのファンタジー映画「アラジン」観ました

アラビアンナイトの物語をベースに
不思議なランプを手に入れた若者が
繰り広げる冒険を描いた
1992年のディズニーアニメ映画「アラジン」を
実写化リメイクした作品

「シャーロック・ホームズ」「コードネームU.N.C.L.E」などの
ガイ・リッチーが監督を務めています

 

あらすじ
生きるために盗みを働きながらも
まっすぐな心を持つ青年アラジンは
自由に憧れる王女ジャスミンに出会い
恋に落ちる
そんな中、アラジンは国の大臣ジャファーの
誘いに乗り魔法の洞窟へランプを探しに行く

 

感想
悪くはないと思うけど
やっぱりアニメと比べてしまう
リメイクの必要性も感じれないし
金のにおいがするだけに
あまり好感も持てない

 

「アラジン」はディズニーアニメの中でも
個人的にかなり好きな作品で
今回のリメイクに関しては
期待しつつ不安もかなりありました

本作の監督ガイ・リッチーの作品は
好きなのが多くて
その点では期待できるのかな
とも思ったんですが

やっぱり最高と思えるような
映画ではありませんでしたね
なんか普通です

本作で良いと思える部分も
オリジナルのアニメが名作だったから
というだけで
本作だからこその良い部分が特に無い

むしろリメイクされるにあたって
追加された要素が邪魔だったりします
特にジャスミン…

 

とは言え
別につまらない映画ではないです
オリジナルを知らなければ
比べる対象も無いですし
普通に楽しめるんじゃないですかね

ミュージカルの曲は
オリジナルをちょっとアレンジしただけで
そんなに変りないし

アクションシーンもところどころ
スリルがあって
CG技術もすごいので
派手な映像になっていました

ストーリーのテンポもそんなに悪くないし
物語の内容もオリジナルとそんなに変わらず
シンプルでわかりやすい

家族で観に行ったり
デートで観に行くには
ちょうど良い映画かもしれませんね


でも、普通な映画なんで
なんか物足りないです
それにオリジナルが好きな人には
不満に思っている人もいるでしょう

 

そもそも、ガイ・リッチーと「アラジン」が
あまり相性が良いように思えない
世界観が違うというか…

お互いに良い所を潰し合ってるよう
な気がするんですけど

オリジナルの「アラジン」って
とても可愛い映画だと思うんですよ
登場人物や世界観に愛嬌があります
これは他のディズニーアニメも同じですけど


ただ本作はその可愛さが削ぎ落とされてる

登場人物はみんな真面目で普通の人
動物たちはリアルで可愛げが無い
ユーモアのセンスもなんかずれてる


オリジナルの「アラジン」って
みんな愛嬌があって好感が持てるんですよね
これが魅力だとも思います

でも、今回の実写版では
みんな抜けてるところが無く
真面目すぎるんです

アニメでは国王とか
すごい可愛いキャラだったんですけど
本作ではただ真面目なだけの王様

ジャスミンなんかも全然可愛げが無いんですよ
このことはまた後で言いますけど

敵のジャファーだって
敵ですけどなんか愛嬌があって
面白いキャラだったと思うんですが
本作では全然魅力が無いですよね
ただの悪い奴ってだけで終わってる


それとですね
これは実写でリアルになったことによる
弊害だとも思いますけど

動物たちが可愛くないんですよ

アニメではデフォルメされて
人間味すら感じる動物たちなんですが

リアルになることで
ただの動物になってしまってる

ジャスミンのペットの虎は
気に入らない人間を襲うんですが
アニメなら可愛いシーンに見えるけど
実写でリアルになるとシャレにならん
なんか怖いですもん

猿のアブーもただのサルでしかないし
オウムのイアーゴもただちょっと喋る鳥に
なってしまってますもんね

アニメでは表情豊かな動物ですけど
リアルなら表情の変化もあまり出せないし
何を考えてるかわからない動物にしか
見えなくて
アニメの時のようなユーモアさが無いんですよね

こんなの見せられたら
「ライオン・キング」の実写が
めちゃくちゃ不安になるんですけど


こんなリアル路線の中
唯一ジーニーだけがお笑い担当で
コメディー要素を全て背負っていて
荷が重すぎる
ウィル・スミスがかわいそうですよ

この映画の中では
ジーニーがちょっと浮いてるんです
1人だけ世界が違い過ぎて違和感がある

ウィル・スミスは頑張っていて
ジーニーのいる場面は面白かったんですけど
やっぱり変ですよね


それにコメディーのユーモアセンスが
面白いけど「アラジン」っぽくないんです
ここも監督と作品の相性の悪さだと思う

アラジンとジーニーの会話のやり取りとか
すごく面白いんですよ
なんか漫才を見てるみたいで

これはガイ・リッチーらしい
デコボココンビの漫才みたいなやり取りで
個人的には好きなんですけど
「アラジン」ではないんですよね

思い切ってガイ・リッチーらしさが
全面に出た「アラジン」だったら
よかったかもしれませんが
結局はディズニーのアラジンを
損なってはいけないので中途半端になってる


こういうのを観てると
実写化する必要あるのかな
と思っていしまいますよね

オリジナルを損なってはいけない
という縛りがあっては
絶対にアニメの実写化は
基のアニメに勝てるわけがないですよ

 

そして、実写化に伴って
追加された要素がマジで邪魔なんです

これが無ければ
まだこの映画に対する印象は
そんなに悪くなかったと思う

大きく変わっているのが
ジーニーと侍女との恋愛描写と
ジャスミンの思い
なんですけど
これが気持ち悪さすら感じます


まずジーニーの恋愛ですが
こんなのいらんでしょ

描き方もテキトーだし
取って付けたような雑さ
なぜこんな要素が追加されたのかが謎です

侍女もアニメではいないキャラですし
このキャラの必要性も感じれません

これは無駄な要素でしたね


そして、ジャスミンですよ
これがこの映画の最大の欠点です

そもそも、アニメでは
ジャスミンの気持ちって
そんなに描かれてないんです

ただ窮屈な城での生活に
嫌気がさしているって程度
すごく薄いです

でもそれでいいんですよ
この作品はアラジンの成長の物語なので


でも、本作ではジャスミンが
めちゃくちゃ主張するんですよね

女性の権利を訴える強い女の象徴
みたいなキャラクターになってます

べつに女性の権利の主張っていうのは
悪いなんて思ってないし良いと思うんですよ

でも、「アラジン」でする必要ある?

ジャスミンが出しゃばってくるから
ストーリーの本質がぶれるし
ジャスミンの可愛らしさも薄れてる

アニメでは愛嬌があって可愛いキャラなのに
本作ではただの気が強いだけの美人に
なってしまってる
その強い主張に深みがあれば
そういうキャラとして成立しますが
そこにあまり深みもないし

そもそもアラジンの物語なので
この作品でそういう主張の必要性が
全くないと思うんです

 

この映画だけじゃなくて
最近こういうの多くないですか?
「アベンジャーズ エンドゲーム」でも
ありましたよね
女性ヒーロー大集合みたいなシーン

ちょっと主張に偏りを感じるんです

もともとそういう主張を込められた作品なら
違和感が無いし普通に観れますけど
全然関係ないところに
無理やりぶち込んでくる上に
かなり一方的な考え方なので
正直、気持ち悪さすら感じてしまう

ジャファーに国を乗っ取られた後の
ジャスミンの歌とか
マジで気持ち悪かった


その割にディズニーは「美女と野獣」みたいな
頭がお花畑な映画も作ってたりするし

総合してディズニーがちょっと
気持ち悪い方向に進んでますよね


それに最近のディズニーは
とりあえず過去の名作をリメイクすりゃ
客は入るし儲かるだろ
って感じが否めないので
よけいに好感が持てないですよね

でも、ディズニー映画は好きだし
今でも面白い作品は作られるので
期待はしてるんですけど

 

それでも最近のディズニー実写化では
まだましだったとも思えます
楽しめる所もありましたし
オリジナルの良い部分も
ある程度残せてたと思います

ここから先もディズニー映画が
リメイク、続編ばかりで
ちょっと不安ですね

 


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映画「パラレルワールド・ラブストーリ」感想 ややこしいだけで中身はつまらない

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どうもきいつです

 

ミステリー映画「パラレルワールド・ラブストーリー」観ました

人気作家の東野圭吾による小説を
実写映画化したミステリー

主人公と恋人が幸せな日々をおくる世界と
恋人が主人公の親友と交際している世界が並行する物語を描いています

「宇宙兄弟」などの森義隆が監督を務めています

 

あらすじ
最先端の研究を行う会社に勤務する敦賀崇史と幼馴染の三輪智彦
ある日、智彦に恋人の麻由子紹介され
崇史は彼女が学生時代に密かに思い続けていた女性だったことに驚く
そしてある朝、崇史が目覚めると
麻由子が恋人として朝食を作っていた
そんな2つの世界に崇史は翻弄されていく

 

感想
ややこしいだけで大した内容じゃなかった
この映画を最後まで観ても特に何も感じない
結局、何を伝えたかったのか?

 

みんな大好き東野圭吾作品の実写化映画

僕は東野圭吾の小説を1冊も読んだことが無いし
映画化作品も大して観たことないです
ガリレオをちょっと観てたくらい

でも、本作は前からちょっと気になっていたので
観に行ってきました

原作を読んでないので
原作がどういうものかも知らないですし
比べることはできないので
映画を観ただけの感想になりますが

正直、全然面白いと思えませんでした


ミステリーとしては
大して面白い仕掛けがあるわけでもなく
ただ伏線を回収してるだけのように思えましたし

ラブストーリーとしても
いまいち大きいドラマも無く
全く感情を揺さぶられない

なんかとても中途半端な映画に思えました

で、結局のところ
この映画のメインは何なのか?

ミステリーを見せたいのか?
ラブストーリーを見せたいのか?

いまいちパッとしないんですよね

というか両方とも上手く見せれてない

 

まず、ミステリーですが

主人公がヒロインと恋人同士の物語と
ヒロインが主人公の友達と恋人同士になっている物語が交互に描かれて
その真実は一体何なのか?
という謎を紐解いていくストーリーです

はじめはこの2つの世界を交互に織り交ぜて見せられるので

観てる側も主人公と同じく
混乱して何が現実だかわからないような感覚に陥って
この世界の真相を知りたい
という気持ちにさせられます

このへんは結構面白いと思いますし
頭フル回転でもなかなか追いつけない


ただ、最後まで観た人ならわかりますけど

これってすごく単純で一本道な物語を
時系列をぐちゃぐちゃにして
ややこしくしてるだけなんですよね

オチに向けての大きな仕掛けがあるわけでもなく
最後にどんでん返しがあるわけでもない

途中で謎がなんとなくわかってきたら
結局その通りに話が進んでいきます

僕はどんでん返し的なものを期待してましたし
大きいどんでん返しがあるものだと
思っていたのもあって

え?これで終わり?
みたいに思ってしまいました


そして、謎が明らかになるまでの過程も
ただ伏線張って回収するの繰り返しで全然面白みがない

ひたすら作業的にこの作品の設定を
説明されてるだけのような感覚です

その中には深い人間ドラマも無いし
印象的な映像も無い
面白いものが全くないんですよね

だから、すごく退屈なんです

でも、ラストにすごいものを見せてくれるんじゃないか
って気持ちで我慢してましたけど
ラストも弱すぎるし…


ミステリーってややこしく難解であればいい
ってもんでもないと思うんですけど

観る側もヒントを見つけて
主人公と一緒に謎を解く
という楽しみもあるし

予想に反したどんでん返しに
ダマされて驚かされる
という楽しみもあると思います

しかし、本作はそういうのが無くて
ただ単にややこしいだけ
単純なものを難しく見せてるだけなんです


時系列を仕掛けにしたミステリー映画では
「メメント」とかがありますけど
これはめっちゃ面白いですよね

この映画はややこしいけど
ちゃんとわかりやすく見せてます

はじめはめちゃくちゃに見えるけど
最後まで観るとルールに従って描いているのが理解できるし
謎が一つに繋がる気持ち良さもあります


本作は時系列をぐちゃぐちゃにして
わかりにくくしてるだけ
って感じでした

「メメント」に比べたら
足元にもおよばないんじゃないですかね


あと、最後まで観ると
パラレルワールドじゃないじゃん
ってなります

これって
実はパラレルワールドじゃないってことを
タイトルを使ってミスリードしてる
ってことですか?

わからないですけど
もしそうだとしても上手くはないですよね

 

そしてラブストーリーですが
こっちもなかなか酷いです

はじめは恋愛があまり重要な作品ではないのかな
と思っていたんですけど

かなり恋愛が重要な要素になっていました

特に主人公の崇史と恋人の麻由子
この2人の感情がとても重要だと思います


でもですね
この2人の感情が全く見えない
というかなり酷い欠点があります

ラストの展開からして
この2人の恋愛感情はかなり重要なはずなのに
全体的に感情描写が薄すぎる
何を考えているのかがわからない

あえて隠してるのかもしれませんけど
隠し過ぎじゃないですかね?

表面的な部分では
伏線張ったりとかしてますけど
登場人物の言動や感情表現では
全然伏線を張ってない

後々に効いてくるセリフなんかも
ほとんど無いですし

崇史の「俺の方が先に好きだった」
ってすごく痛いセリフも
後から生きてくるのかな
と思ってましたけど全然生きてこなかったですね

これじゃあ崇史がただの痛い奴ですよ


麻由子に関しては本当に
最後まで何を考えてるのかがわからな過ぎる
もうちょっと何かしらで
表現するべきだと思いますよ

麻由子の感情が謎過ぎて
崇史が単にストーカーにしか見えないし
崇史が無理やり部屋に押し入る場面では
嫌がってるけど結局は快楽に負けた女
みたいな嫌な見え方になってる

これも、麻由子の気持ちがもうちょっと
わかりやすかったら辻褄が合うんですけどね


ただこれは演出だけではなく
演技的なものもあったのかな
とも思えます

主演の玉森裕太とヒロインの吉岡里帆

決して下手ではないと思うんですけど
なんか感情が感じられないんですよね

濡れ場とかもあって
ジャニーズと売れっ子女優を使って
攻めてるとは思うんですけど

演技が全体的に無難というか
普通に演じてるだけって感じで
そこから先の表現が無い

だから細かな感情が伝わってきません
今はこういう気持ちで喋ってるんだな
と察することができないんですよ


崇史なんかは
実はヤバい奴ってキャラなのに
そこまでヤバい奴に見えない

セリフではヤバそうなこと言ってるのに
結局はただのイケメンでしかない

なんかキャラクターに
深みを感じないんですよね


この2人に比べると
染谷将太は格が違うなと思わされる
キャラクターに深みを感じれます
そこに人間がいると思わされる演技です

普段はあまり演技とかは気にせず観てますけど
やっぱり演技も重要なんだなと思わされました

 

東野圭吾が原作で人気俳優を使っときゃ
とりあえず客が入るだろ
くらいの気持ちで作られた映画なんですかね?

正直、最初から最後まで
退屈な映画でした

出演キャストのファンか
東野圭吾であればなんでもいい
って人くらいしか楽しめないと思う

 


パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

 

 

映画「アイ・フランケンシュタイン」感想 フランケンシュタインである意味が感じられない

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どうもきいつです


ファンタジーアクション映画「アイ・フランケンシュタイン」観ました

ホラー映画のクラシックキャラクターとして
有名なフランケンシュタインの怪物が
現代まで生き残り
ガーゴイルと悪魔の全面戦争に巻き込まれる
物語を描いた作品

「アンダーワールド」のスタッフが手掛けた
2014年のアクション大作です

 

あらすじ
フランケンシュタインの怪物が生まれて200年後
彼は現代まで孤独に生き長らえてきた
そして、世界征服をもくろむ悪魔と
それを阻止しようとするガーゴイルとの
全面戦争が巻き起こり
彼も戦いの中に身を投じていく

 

感想
この映画に
フランケンシュタインの怪物の
必要性が感じれない
何をしたかったのか謎な
映画でした

 

なんとなく目に留まったので観てみた
だけだったんですが
かなり微妙な映画でした


世界設定は
有名な「フランケンシュタイン」の物語の
200年後という設定
フランケンシュタインの怪物が
現代まで生きのびていたら
という話

その世界で
フランケンシュタインの怪物ことアダムが
激しいアクションを繰り広げる
ファンタジー映画になっています


今思えば
その設定だけでヤバそうな雰囲気は
醸し出してるんですけどね…
つい観てしまいました

 

そもそも、設定がなんか微妙ですね

「フランケンシュタイン」の話から
発想を広げたような設定なのに
それが全然上手くない

物語の中心が
ガーゴイルと悪魔の争いで
アダムはたまたまそれに巻き込まれた
って感じなんです

ガーゴイルVS悪魔
ってのがまず意味わからないし
フランケンシュタインが全然関係ないんですよ

フランケンシュタインの怪物を
ダークヒーロー的に描きたかった
というのは伝わりますけど

フランケンシュタインの
もともとの設定よりも
この映画だけの新しい設定が中心になってて
これ「フランケンシュタイン」じゃなくても
いいじゃん
って思ってしまう

はじめの数分で
「フランケンシュタイン」のオリジナルの
物語をさらっとおさらいして
それが終わると途端に
悪魔だガーゴイルだが出てきて
そいつらの抗争が話のメインになる

その中でのアダムの立ち位置は
ただ巻き込まれただけの人
なんですよね

 

それでも面白けりゃ全然いいんですが
あまり面白くない

まず、すごく既視感があるんです
ストーリーも映像も
なんかどっかで見たことあるような

そんな単純でマンネリ気味の作風の割に
いまいち掴み所が無くて
何をやってるのかがわからない


ストーリはすごく簡単に説明できる

人間の味方であるガーゴイルが
人間を脅かす悪い悪魔に
好き勝手させないようにやっつける
その戦いの中でアダムは
自分のアイデンティティを探しながら
戦いに身を投じる

それだけの話で
一見単純でわかりやすいんですけど

その中身があまりにもテキトーで
観てる側は
目的を見失うし感情移入できないし
結局何がしたい映画なのか
全然ついていけないんですよ


主人公のアダムは
自分が人に作られた化物という事もあり
自分探しが目的だと思います
アイデンティティを求めて行動してます

ただ、この解釈自体も曖昧で
僕がなんとなくそうかなと思ってるくらい
正直、そういう描写もほとんどないし
アダムの目的や気持ちはよくわかりません

でも百歩譲って
自分探しが目的だとしておきます


そうだったとしても

アダムが200年の間に
悪魔と戦い続けていた理由が
特に無くて謎ですし

ガーゴイルたちとの関係性も
深いものがあるわけでもない
人間に対してどう思っているのかも
よくわからない

そんな中で戦ってるんですが
行動原理が理解できないんですよね

つまるところアダムが何をしたいのかが
全然伝わってこない

 

そして、ガーゴイルと悪魔
この2つの種族も
すごく曖昧に描かれてる

この映画ではガーゴイルが
人間を守る正義の味方
として存在するんですが

なぜ人間の味方なのかというのが
全く説明されずに
ただ何となく良い存在
としてしか描かれていない


逆に悪魔は
人間にとってどう影響を及ぼすかが
全く説明されずに
悪魔だから悪い
って感じなんですよ


ガーゴイルという種族は善
悪魔という種族は悪
という風にかなり単純に分けられている

最終的には
善が悪を一方的にぶちのめす
という話になっていて

この描写の構図が
1つの種族が1つの種族を
考えの違いで一方的に
迫害しているように見えて
ちょっと気持ち悪さすら感じてしまいました

これがまだ、個人単位で描かれていれば
そんなに気にならなかったと思いますけど

この映画では
細かな説明もなく
ガーゴイル全部が正義
悪魔は全部悪
となっていたのがかなり印象悪いです

 

それだけじゃなくて
単純にコイツらが何をしたいのかも
全然わからないんですよ

コイツらに関しても目的が無い

ガーゴイルが人間を守った先には
何があるのか?
悪魔は人間を脅かしてるけど
その後の目的は何なのか?

メインでもあるコイツらの抗争も
すごくテキトーで
何を見せたいのかよくわかりません

 

さらに脅かされたり守られたりしてる
人間ですが
これもかなりテキトー

人間が蚊帳の外すぎる

そもそも、ほとんど人間が登場しないし
人間はガーゴイルにも悪魔にも
全く気付いていないバカです

人類が危ないって話なのに
人間が全然がかわってこないって
どういうこと?

人知れず危険が迫ってて
人知れず世界が救われた
って話にしたかったんですかね?

それにしても面白いとは思えない

結局、勝手にアイツらが戦ってた
だけにしか見えないです

 

それ以外でも
映像やデザインもなんか微妙

CGはそんなに悪くはないと思いますが
他の映画と比べると
ちょっとショボいです

アクションシーンなんかは
激しさや勢いはありますが
動きが単一だし毎回やってることが同じで
あまり面白みが無かったですね

背景はほとんどが
ガーゴイルの本拠地と
悪魔の拠点でもある研究所を
行ったり来たりしてるだけで
世界がすごく狭く感じます

話は人類の存亡みたいな内容なのに
舞台がこじんまりし過ぎで
スケール感を感じれない


キャラデザインや武器のデザインも
既視感があって面白くない

アダムの見た目が全然怪物っぽくない
ってのもどうかと思います
ただ傷だらけのイケメンマッチョですからね

悪魔はかぶりものをかぶってるだけにしか
見えないし
ガーゴイルは味方なのに
すごく敵っぽい見た目

武器も全然カッコいいと思えない


ビジュアル面に関しては
弱すぎますね
全然良いところが見つかりませんでした

 

総合的にもかなり酷かった
良い部分が見つからないんです

最終的にこの映画は何がしたかったのか?
という疑問しか残りませんでした

この映画を観るなら
もっといい映画がたくさんあるんで
別の映画を観た方が有意義ですね

 


アイ・フランケンシュタイン Blu-ray

 

 

映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」感想 ゴジラ愛を感じる すごい映画

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どうもきいつです


怪獣映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」観ました

日本が生んだ怪獣映画「ゴジラ」を
ハリウッドが映画化した2014年の
「GODZILLA ゴジラ」の続編
前作から5年後の世界を舞台に
モスラ、ラドン、キングギドラなど
続々と復活する怪獣たちとゴジラが
世界の覇権をかけて戦いを繰り広げます

監督は「X-MEN:アポカリプス」の原案などを
手掛けたマイケル・ドハティが務めます

 

あらすじ
神話の時代に生息していた怪獣
モスラ、ラドン、キングギドラが復活する
そしてゴジラも動き出した
巨大な怪獣たちの動きを食い止め
世界の破滅を防ぐため
未確認生物特務機関モナークが動き出す

 

感想
とにかくやり過ぎなほどの
大怪獣バトルが超最高
ゴジラが好きなら楽しめるはず

 

僕はゴジラの大ファン
というわけではなく
観ていない作品もありますし
大人になってからは
ゴジラにはあまり触れてこなかったです

それでも、普通の人よりはゴジラが
好きだと思いますし
子供の頃はゴジラに登場する怪獣の
名前はほとんど知ってた
怪獣の絵をめっちゃ描いていた記憶もあります

なので思い入れはそこそこあるほう
じゃないでしょうかね


ハリウッドリメイクのゴジラに関しては
前作も観てましたし
同シリーズの「キングコング 髑髏島の巨神」も
観ています


そんなライトなゴジラファンの
僕が観てもこの映画は
最高に楽しめました


作品自体にもゴジラ愛を感じますし
ファンが見たいものも
しっかり見せてくれる内容でした

ただ、この映画って
観る人が何を求めるかによって
評価が変わってくるんじゃないかな
と思える作品でもあります


僕の場合は
とにかく怪獣の激しいバトルが見たい
ハリウッドだからこその
めちゃくちゃお金がかかったゴジラが見たい
という気持ちが強かったので

その気持ちを満たしてくれるほどの
出来の作品でした


でも、ゴジラに愛着が無く
普通に面白い映画を見たい人にとっては
いろいろと偏り過ぎてる映画なんで
あまり面白くないかもしれないです


ゴジラファンだったとしても
ゴジラに求めてるものが違ってるでしょうし

1作目のゴジラのような
恐怖の象徴のようなゴジラを求めてる人もいれば
VSシリーズのような怪獣プロレスが
好きな人もいるでしょうし
「シン・ゴジラ」みたいな方向性が
好みの人もいるはず

深いメッセージ性や
魅力的な物語なんかを
求めてる人もいると思う


本作はその全てを満たしてくれる
わけではないですが
それでもやっぱりゴジラが好きなら
楽しめる映画です


そもそも、全てを満たせるようなものを
作れるわけないですしね

でも、だからこそこの映画は
最高なのかもしれません


例えば、ゴジラに興味が無くても
面白く観れる万人ウケの映画を作ろうと
思えば作れると思う

いろんなファンの声を聞いて
ファンのみんなが喜べるような映画も
頑張れば作れると思うんですよ


でも、本作はそうじゃなくて

ゴジラオタクの監督が
俺が見たい最高のゴジラを
本気で作ってみた

って感じなんですよ


だからこの映画自体のパワーもすごい
監督の情熱と勢いが
溢れ出てるような映画なんです

この監督の気持ちにハマれば
もちろん最高の映画ですし

興味が無い人でも
引き込まれてしまうほどの
パワーを感じる映画なんですよ

 

特に怪獣同士の激しいバトルが
ものすごい迫力です
ちょっとやり過ぎなんじゃない?
と思うほど

でもここまでやるからこそ
すごい映像になってるし
怪獣たちのヤバさも伝わってくる

やっぱり監督も
怪獣が街をぶっ壊しながら戦う
ってのを一番やりたかったのかな
と思いました

怪獣バトルのシーンに
こだわりを感じるわけです


怪獣の巨大さや圧倒的な強さを
見せたいというのも感じます

人間目線での動きを中心に
怪獣の姿が見えたり
怪獣による攻撃や被害に見舞われたりするのは
映像的には見づらさがありますけど

怪獣の圧倒的な巨大さを感じれますし
人間では絶対にかなわない
絶望的なほどの存在感を味わえます
人間なんてカスだなと思ってしまう

怪獣バトルの最中での人間目線の場面は
ちょっとしたアトラクションのようです

 

怪獣たちのバトルは
めちゃくちゃにやってくれるのが
最高でしたね

この先の世界がどうなるとか全く考えずに
とにかく街をぶっ壊しながら戦わせてます
怪獣の動きがおさまったところで
この状況じゃどうにもならんだろ
ってくらい崩壊しますから

こんなめちゃくちゃやるバトルが
ゴジラ観てるなって気持ちにさせてくれる

しかも超お金がかかってるだけあって
日本のゴジラでは見れないような
ものすごい迫力とリアルさ

こういう日本の映画ではできないような
すごいシーンを見せてくれると
ハリウッド化されて良かったな
とも思わされますね

 

しかも、この映画は
日本のゴジラへのリスペクトも
すごく感じます
オマージュ的なものもたくさんある


モスラ、ラドン、キングギドラがメイン
というのは
「三大怪獣 地球最大の決戦」が
基になってると思いますし

オキシジェン・デストロイヤーや
芹沢博士の自爆は
1954年の第1作目「ゴジラ」の
オマージュですよね

他にも
モスラを見守るチェンが双子だったり
終盤の赤く光るゴジラは
「ゴジラVSデストロイア」を
思い起こさせられます
ゴジラのテーマ曲やモスラの歌などが
劇中の音楽として使われたりもしてます


怪獣たちの立ち位置も
日本のゴジラに近いです

ゴジラは人間の見方にも敵にも
なり得るような存在
キングギドラは宇宙から来た怪獣で
完全なヒール役
モスラは人間に友好的で神々しさもある
ラドンは良くも悪くもラドンらしい
ちょっと小物感があるのも
ラドンらしかったりします

こういった部分でも
ゴジラらしさを感じれるし
監督のゴジラ愛も同時に感じられます

 

冷静に考えれば

ストーリーが薄過ぎで
家族ドラマも
取って付けた話のようでしたし

モナークが無能すぎだったり
全ての元凶のエマが
結局何をしたかったのかよくわからなかったり
マディソンがあんな過酷な状況を
生き残るのは都合が良すぎるし

ツッコミどころはかなり多いと思う
てか、物語の内容は
結構、酷かったかもしれません

言ってしまえば
ただ怪獣が戦ってるだけの映画
ですもんね


でも、そんなのが気にならないくらい
ものすごい勢いと派手さを見せてくれるので
観てる間は完全に映画に引き込まれていました

これもやっぱり監督が
自分が作りたいゴジラを
ブレずに最後まで描き切ったからだと思う


これは「ドラゴンボール超 ブロリー」を
観たときに感じたものと似てる

あの映画も映画としては
めちゃくちゃな出来だったけど
ドラゴンボールというのをブレずに
最後まで貫き通したから
すごい作品になったんだと思う


ストーリーや演出、映像など
全ての完成度が高い作品も
素晴らしくて良いんですけど

ちょっと粗もあるけど
情熱や愛がとてもこもった
パワーのすごくある作品
というのも個人的にはかなり好きです

むしろそういう作品の方が
好感的だしめっちゃ好きな作品になることが多い

やっぱり
作る人間の思想、哲学、趣味嗜好など
ブレない一本筋の通った何かがあれば
すごい作品が生まれるのかもしれません

 

この作品は
観る人によれば好きになれない
かもしれないですけど
すごい映画だと思う

ゴジラが好きなら楽しめるはずだし
ゴジラを知らなくても
この映画のすごさは感じれると思います

僕はこの映画が大好きです

 


GODZILLA ゴジラ[2014] Blu-ray2枚組