何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ヘルボーイ」(2004年)感想 キャラクター、世界観はかなり好き ストーリーはちょっと雑

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どうもきいつです


アクション映画「ヘルボーイ」観ました

アメリカのコミック「ヘルボーイ」を映画化した
2004年のファンタジーアクション映画
地獄から召喚された異形のヘルボーイが
仲間たちとともに敵の野望を阻止するために
戦いを挑んでいきます

監督は「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」などで有名な
ギレルモ・デル・トロが務めています

 

あらすじ
超常現象学者ブルームは異界から召喚された
ヘルボーイを息子同様に育てる
成長したヘルボーイは超常現象調査防衛局の
エージェントとして超常的な存在と戦い続けてきた
そんな中、かつてヘルボーイを召喚した
ラスプーチンが過去の計画を実行するために
復活する

 

感想
監督らしさが出ている作品で
そこはとても楽しめます
デザイン面や世界観はすごく好き
ただ、ストーリーはなんか雑な気がする
無駄に長くてテンポが悪い

 

「ヘルボーイ」のリブート作品が公開されたので
久しぶりに本作を観てみました

この作品を観たのはかなり前だったので
内容は結構忘れてましたね
てか、ほとんど忘れていました

こんな話だったっけな?
と観返してもあまりピンと
こないところがあったりと
ほぼ初見状態でした

なんとなく好きな映画だったな
くらいの記憶はありましたが


あらためて観てみると
いろいろ気付くこともありました
好きな部分もあれば
微妙な部分もある

それなりに楽しめる内容でしたし
結果的には好きな部類の作品だったと思います

 

そんな中でも
特に好きだったのはデザイン面です

これはやっぱりギレルモ監督らしさが
出ていたと思いますし
面白い造形のものが多いですね

主人公ヘルボーイも良いんですが

相棒のエイブがかなり好き
半魚人的なキャラクターなんですけど
なかなかキモくて良かったです

半魚人みたいなキャラですが
鱗があるわけではなく
ちょっとぬめっとした肌感で
そういうのがキモい

ただ、キモいだけでなく
愛嬌のある顔だちだったりするので
憎めない存在でもあります

後の作品「シェイプ・オブ・ウォーター」にも
似たような半魚人が登場しますが
こちらよりは全然キャラクター的で
可愛らしさのある存在になっています


それに、敵やクリーチャーなどの
デザインもすごく良かった

ラスプーチンの部下である
ナチス随一の殺し屋カール・ルプレクト・クロエネン
コイツはマジで好きですね
めっちゃ中二的なキャラで最高でした

常に防毒マスクをつけていて
服装もナチスって感じでカッコいい

戦闘スタイルも良かったですしね


クリーチャーなどは
クトゥルフ神話オマージュで
これも個人的にかなり好み

地獄の存在は
基本タコみたいな触手のデザインが
入っています

地獄の様相がもうクトゥルフでしたよね
世界観がそんな感じになっています

原作ではクトゥルフ的な要素は無いようなので
監督の趣味が炸裂したんでしょう


他にもキャラクターだけでなくて
背景や舞台のデザインも良いんですよ

オカルトとSFを混ぜたような世界観は
かなり好きです
機械や近代的な武器を使いながらも
きっちりとオカルト的な要素も含まれている

現代の街を舞台に
異形の者同士が戦っているという
絵面もとても面白かったですしね

 

さらに、登場人物も魅力的ですよね

主人公のヘルボーイは
あんないかつい見た目なのに
すごく可愛いです
恋愛観なんて少年のよう

ヘルボーイとリズの関係性が
中学生の恋愛を見ているようで微笑ましい

好きな子が別の男とデートするからって
後をつけるんですからね
そこで自分なんてダメだ
みたいに自虐的な事を言い出したりするし

そういうところが可愛いです


他の登場人物たちも
みんなキャラが立っていて
会話のやり取りなんかとても楽しめました

ヘルボーイとエイブは
とても息があっていますし
FBI局長とのやり取りも面白いです

キャラクターがみんな生き生きしていましたね

 

そんな感じで
良い部分もたくさんあるんですが
ストーリーがちょっといまいちな気がします

全てにおいて
深く描かれていないように思う

ヘルボーイの成長や存在についてもそうですし
敵の目的なども
周りの人間たちとの関係性なんかも薄い

映画の長さの割に
内容はかなり薄かったと思う


ヘルボーイと父親代わりのブルームとの関係性は
最終的にはすごくあっさりと終わってしまいます

この映画の中では
結構重要な要素だと思うんですが

予期せぬブルームの死で
ヘルボーイは父親と別れてしまう事になります
そこから、どう父親の死から立ち直るのかが
描かれると思ったんですけど

思った以上にヘルボーイは
あっさりとそれを受け入れて
敵を倒すという話にすぐに流れて行く

もう少しそこでヘルボーイの心の葛藤とかが
あっても良かったんじゃないかと思う


ヘルボーイの恋愛に関しても同じで
あまり何かを乗り越えて成長したようには
見えません

なんとなく最後は上手くいった
って感じで終わってしまう

終盤の世界とリズどちらかを
選択しなければならない
という場面もフワッと全部上手く
解決してしまいますしね

 

そして、新入捜査官として登場するジョンが
全然上手く機能していませんでしたね

はじめはヘルボーイとジョンが主軸で
物語が進んでいくのかと思いきや
ジョンは最後まで空気でした

ヘルボーイとジョンがお互いに影響し合って
最終的には絆が生まれ2人とも成長する話なのかと
思うじゃないですか

でも、実際は
ジョンがいてもいなくても
何も変わらないような話になってました

むしろ、ジョンの存在が物語上で
邪魔な気もしてきます

ただジョンがヘルボーイの恋敵的な
立ち位置になっていただけで
そこも良かったのかというと
そんなに良くない

続編ではジョンの存在は
無かったかのようになってましたし
それでも全然気にならないというね

 

さらに、敵との戦いも薄いです

アクション的には派手なシーンはありますが
内容はやっぱり薄いです

ヘルボーイと敵組織との因縁も
多少はあるはずなんですけど
あまり描かれていないし

敵がやろうとしていることに対して
ヘルボーイたちがなぜ止めようとしているのか
という部分が弱く感じる

そもそも、敵の目的もフワッとしていて
ちょっと曖昧でもありますし


だから、最後の戦いも
あまり盛り上がらないんですよね

特にラスボスなんかあっけなすぎですよ

大して見せ場も無くサラッと
倒されてしまう

かなり強大な存在のはずなんですけどね

それにヘルボーイからすれば
かなり因縁の深い存在でもあるはずなんですけど
そんなのも軽く流してしまってます

終盤は駆け足すぎる展開です

かと言って
そこまではテンポが悪かったりするし
時間配分のバランスがおかしい


とにかく物語の内容が薄い映画でした
2時間以上あるのに
その長さの割に合っていない

こんなに時間があれば
もっと深く描くこともできそうですよね

 

ストーリーに関しては
かなり薄いんですけど

映像、デザイン、世界観などは
ギレルモ監督のセンスが光っていて
見応えはあったと思います

個人的には結構好き
クセの強い世界観でもあるので
万人ウケはしないかもしれませんが

 


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映画「スキャナーズ」感想 好きな要素は多いけど そんなに面白くなかったかな…

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どうもきいつです


SF映画「スキャナーズ」観ました

世界支配をもくろむ超能力者に
戦いを挑む1人の超能力者を描いた
1981年カナダのSF映画

監督は「ザ・フライ」などの
デヴィッド・クローネンバーグが務めています

 

あらすじ
超能力をビジネスに利用している
警備会社コンセックの科学者により
ベイルは自らの超能力スキャナーを見出される
そんなベイルはもう1人のスキャナーのレボックを
追跡する任務を任されることになった
しかし、驚異的な力を持つレボックは
野望に逆らうスキャナーたちを惨殺し始めた

 

感想
超能力者同士のバトルや
ちょっとグロテスクな映像表現など
個人的に好きな要素はたくさんありました
でも、ストーリーに盛り上がりも少なく
思ってたよりは面白くなかったかも…

 

頭が爆発するシーンがとても有名な本作
今まで観たことがなかったので観てみました

確かにあの顔面爆発シーンは
かなりのインパクトでしたね
衝撃の場面です

ただ、この映画のピークが
あれで終わりだったような気がする


序盤の場面であのシーンがあるんですよ

だから、あのインパクトのあるシーンで
一気にこの映画に引き込まれる

この後の展開にもすごく期待してしまいます
ここからどうな話が広がっていくのか
もっとすごい映像が見れるのか
最終的にどんな終わり方をするのかと
この映画に対する期待がものすごく高まる

でも、実際は
物語に大きな盛り上がりはあまり無く
ちょっと地味なストーリーが淡々と続いて
若干退屈だったりするし

映像に関しても
所々には派手なシーンも多少ありますが
基本地味で物足りなさを感じてしまう
顔面爆発よりインパクトのあるシーンは
無かったです

はじめのあのシーンでハードルが
上がり過ぎたんですかね?

観終えたときに
すごく物足りなさを感じてしまいました

そんなに悪い内容ではない気もしますが
なんかあまり面白くなかった
って気持ちになってましたね

 

ストーリーは
世界を脅かすようなヤバい超能力者の存在がいて
それを同じ超能力者が阻止しようとする
って設定は個人的にもかなり好みで
すごくワクワクするんですが

やってることはなんか内輪もめ
みたいな内容なんですよね
スケールが大きい話と思いきや
結構スケールが小さかったりします

会社の中での裏切りや陰謀
実験によって生まれた超能力者など
結局、狭い範囲の中でケンカをしているようで
そういった点でも地味に感じてしまう


それに、主人公など登場人物に
あまり感情移入できないので
物語が2転、3転と変化する展開にも
いまいち乗れない

例えばコンテック社の内部に
レボックと繋がっている裏切者がいる
という展開は

もともとこの会社が胡散臭すぎて
そんなこともあるだろうな
と思えてしまって全然驚きが無い

ベイルがこの会社を信頼しているとかなら
多少ショックは感じると思いますけど
ベイルがコンテック社に対して
どんな思いを持っているのかは描かれていないし


実はスキャナーを生み出したのはルース博士で
ベイルとレボックの父親だった
という展開も同じで

ベイルと博士の関係性がそんなに描かれてないし
ベイルが博士をどんなに信頼してるのか
なぜ信頼しているのか
という部分がよくわからないので

その事実が発覚した時も
そんなに衝撃が無いんですよ

あの博士ならそんなことやってそうな気がするし
ベイルの立場になってみたとしても
そんなに驚かないんじゃないかと思ってしまう

この2人にそんなに信頼関係があったようには
見えなかったので


そもそも、ベイルがなぜ
そこまでしてスキャナー同士の戦いに
身を投じていくのか
そのへんがあまり理解できないんですよね

博士が最悪な人生から救ってくれた
とか言ってますけど
ただちょっと超能力の使い方を
教えてくれただけで
そこまで信頼してしまうエピソードには思えない

そんな薄い関係なのに
博士の指示に命懸けで従っているのには
少し違和感をおぼえる


レボックに対しても
こちらから手を出さなければ
危害は加えられないだろうし
そこまで執着して追っているのが
いまいち理解できないですよね

最後の直接対決でも
共闘を持ちかけられベイルは拒否しますが
なぜ拒否したのかという
明確な理由はなかったりします

ただ敵だから拒否しているようにしか見えない


最終的に思うのは
ベイルは何がしたかったのか?

ベイルに意思が感じられないんですよ

ただ周りに流されて動いているだけで
なぜ指示に従っているのか
なぜレボックを倒そうとしているのか
そういうのがベイルの中に無いように思う

ストーリーの流れに乗って
主人公が動かされている
って感じなんです

だから、ベイルが
全然生き生きしていないんですよね
人間としての深みが感じれません

 

否定的な話ばかりになりましたが
良かった部分もあります

やっぱり特殊メイクを使った映像は
面白いと思う

今ではCGが当たり前ですが
この当時にはそんなのはないわけで
そこを工夫していろんな表現をしているのは
楽しんで観ることができます

最初の顔面爆発シーンもすごいですが

ラストのベイルとレボックの超能力対決も
なかなか面白いと思います

派手にやり合うのではなくて
睨みあっっているだけの地味な場面ですけど
皮膚の中で血管がブクブクと
膨れ上がっていく表現は良かったです

そこからは血が出たり皮膚がめくれたりと
ちょっとグロいシーンが続きますが
センスありますよね


それと、超能力を使う時の顔芸が
面白いです

超能力を使う時に毎回その対象を
睨みつけるんですけど
その顔が素晴らしいです

ラストの対決なんか本当に良かった

顔面の力だけで超能力を感じさせるのは
すごいですよね
スキャナーたちの目力はヤバかったです


最後のオチも良いと思います
ああいう終わり方は個人的にかなり好きです

最後に
えっ!?
って思わせて終わるのは良いですよね

いろいろ想像も膨らみますし

 

全体的にセンスを感じる映画であはりました
特に顔面爆発シーンは
いろんな作品にも影響を与えていますし

僕自身はあまりストーリーを楽しむ事が
できませんでしたが
観て損したようには思わなかったです

とにかく、顔面爆発が全部持って行ってしまう
映画でしたね

 


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映画「呪怨」(オリジナルビデオ版)感想 怖いだけじゃなくて気持ち悪い 伽椰子は超キモいやつ

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どうもきいつです


日本のホラー映画「呪怨」観ました

一軒の呪われた家をめぐる惨劇を描いた
オカルトホラー作品
1999年のVシネマです
本作が劇場版「呪怨」の基となっています

監督は劇場版と同じく清水崇が務め
本作が初の監督作品です

 

あらすじ
小学校の教師をしている小林は
担当クラスで欠席が続いている佐伯俊雄の家へ
家庭訪問に訪れる
そこで小林は恐怖体験に見舞われ
それが呪いの始まりだった

 

感想
チープさは感じるけど
怖くて気持ち悪い
それに、意外と物語が作り込まれていて
面白い作品でした
続編ありきのラストは
ちょっと消化不良かもしれない

 

劇場版「呪怨」は観たことあったんですが
怖いと評判なビデオ版は今回初めて観ました

劇場版を観たのも10年以上前でかなりうろ覚え

だから、劇場版との比較はあまりできないし
本作と劇場版の繋がりなんかもよくわかりません

そもそも、繋がっているのか
ビデオ版と劇場版は別物なのか
そのへんもあまりわかっていない


まあ、本作が呪怨の原点でもありますし
そのへんは気にしなくても問題ありませんでしたが


20年前の作品だけあって
かなり古さは感じますけども

それでも普通に怖かったですし
ストーリーもなかなか面白かった

霊的な怖さだけでなくて
人間の気持ち悪さなんかも描かれていて
いろんな意味で怖い作品に
仕上がっていたと思います

 

本作はオムニバス形式の作品なんですが
舞台は呪われた家ですし
ストーリーも一本の線で繋がっているので
1つの作品として観れるような
作りになっています


それぞれのエピソードの繋げ方も
面白かったです

何気ないシーンで
それぞれのエピソードが
繋がっているのがわかるような演出があったり
伏線になるようなものが描かれていたりと

ただ怖さだけを見せるのではなく
物語自体も面白く見れるように作られていて
最後まで作品に引き込まれていました


瑞穂と村上家の母との電話のやり取りなんか
とても良かったですよね

瑞穂のエピソードでの電話のやり取りでは
相手の声は聞こえないので
誰と何を話しているのかは明確にわからない

でも、瑞穂の言葉から
なんとなく彼氏の家に電話しているのはわかる
で、その会話でなんとなく噛み合っていないような
ちょっとした違和感も残るんです

そんなのが次のエピソードで
しっかりと解消されます

さっきの電話の向こう側では
こんなことが起きていたのか
と納得させられる


由紀のエピソードで伽椰子が初登場した場所も
実は伽椰子が殺されていた場所だったり
小林とその妻との電話での会話が
後に剛雄が小林の家に訪れたことの
伏線になっていたりと

細かい部分まで作り込まれていました

そんな細かい部分の伏線や
各エピソードとの繋がりが描かれているので

物語自体にも興味を惹かれて
ストーリーに引き込まれていきます

 

それと、ストーリーだけでなく
キャラクターが素晴らしいですね

今ではお馴染みの伽椰子と俊雄は
ネタキャラ扱いもされていますが

やっぱり怖いです

それに、本作ではビジュアル的な怖さだけでなく
存在そのものが怖く感じさせられます

ただ急に怖い顔が出てきて
驚かすのではなく

佐伯一家という存在が
怖いし気持ち悪いし不気味な存在として
描かれています


伽椰子なんかビジュアルはもちろん怖いですが
単純にヤバい人ですもんね

小林のことを綴っているノートとか
怖すぎますよ
ストーカーとしても
レベルの高いストーカーですよね

相手に危害は加えてないものの
その想いが強すぎるというか

息子の名前の一文字にその人の名前の一文字を
入れているんですから

そんなところに伽椰子の気持ち悪さを
とても感じる事ができて
オバケの怖さと言うより
人間として気味悪く思える


そんな伽椰子を殺してしまう剛雄も
相当ヤバいやつで
そんな狂気が溢れ出ている

伽椰子殺すだけでなく
小林の妻までも殺してしまうんですから

そこも、小林を殺すんじゃなくて
その妻とお腹の中の子供を殺すという発想に
至ってしまうところが異常

狂った人間だと思えます


てか、この夫婦ヤバすぎですよね
こんな2人が出会って結婚したということが
奇跡ですよ


あと、俊雄の見せ方も怖いですね
瑞穂のエピソードでのオバケ的な俊雄よりも
普通の状態の俊雄のほうが怖かった

子供ならではの気味悪さが
表現できていたと思います

子供のちょっと何考えているのか
わからないような雰囲気や
予測できない行動なんか
そういうのにとても気持ち悪さを感じる

1人でめっちゃ喋ってるシーンは
だいぶ怖かったですね

それと、俊雄が猫の鳴き声を発するのは
今ではお約束ですけど
あらためて見ると結構怖いです

あの映像と音との違和感が
すごく気持ち悪くて不安な気持ちになります

 

それだけでなく
ビジュアル面もやっぱり怖かったです

階段から降りてくる伽椰子は
もちろんめっちゃ怖いですけど

血まみれの剛雄もかなり怖いし
なんと言っても
アゴの無い女の子はなかなかのインパクト

今見ればチープさはありますが
衝撃的な映像ですね
子供の頃にあんなの見たらトラウマです

 

ホラーとして
面白いし怖かったので
とても良かったんですが

不満があるとすれば最後のエピソードですね
あれがかなり消化不良

完全に続編のための繋ぎのエピソードに
なっていて
一本の作品としてはちょっとキレが悪い終わり方に
なっていました

小林が伽椰子に襲われるシーンで
かなり盛り上がったのに
その後にダラダラと
中途半端なエピソードが続くので
観終えた後あまりスッキリしない

そのエピソードの中にも
怖いシーンや盛り上がる場面があれば
まだいいんですけど
そういうのもほとんどないし

次の作品への伏線なんかを
散りばめてるだけのように見えて
せっかく盛り上がった気持ちを
冷めさせてるだけのエピソードになってましたね

終わり方も
後味の悪い終わり方と言うより
まだ話は続きますよ
って終わり方でしたし

まあ、続きを見たい
って気持ちにはなりましたけど

 

昔の作品で低予算というのもあり
かなりチープさは目立ちますが
あの「呪怨」の原点というだけあり
なかなかクオリティの高いホラーだったと思います

この話はビデオ版「呪怨2」に続くみたいなので
続編も観ようと思います

 


呪怨 [DVD]

 

 

映画「新・13日の金曜日」感想 求めてるのはこういうのじゃない

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どうもきいつです


ホラー映画「新・13日の金曜日」観ました

人気ホラーシリーズ「13日の金曜日」の第5作目で
1985年の作品です
前作の「13日の金曜日 完結編」でジェイソンを
倒した少年トミーが成長し
またしても連続殺人に巻き込まれる

監督はダニー・スタインマンです

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
かつて3度もの連続殺人事件は
トミー少年がジェイソンを葬ったことで
幕が下ろされた
しかし、そんな事件に巻き込まれたトミーは
18歳になってもその悪夢から逃れられずにいた
そんな中、森の中の精神病院で
暮らすことになったトミーの前に
死んだはずのジェイソンの犯行と思われる
殺人事件が発生する

 

感想
なんかちょっと違う…
ジェイソンが巻き起こすホラー
ではなくて
誰がジェイソンなのか?
のサスペンス映画になっていました
しかも、その内容が面白いわけでもない

 

このシリーズは4作目の完結編までは観てましたが
前作が完結編と言いながら
まだまだ続くシリーズなので
続編の本作も観てみました

前作までは
完全にマンネリ気味で
やっていることがほぼ同じ

正直、3作目と4作目はごっちゃになって
ちゃんと思い出せない

その点で言えば
本作はマンネリから脱却はできていましたね
やりかたはどうであれ…

 

一応、前作で完結
本作からは新シリーズって感じですが
前作と直接的に繋がった作品です

主人公が前作での生き残りの少年なので
かなり繋がってると思います

とは言え
前作を見ていなかっても
さほど問題はないでしょうね


本作はマンネリからの脱却を
意識しているのかどうかはわかりませんが
今までとは違った作風です

1作目は違いますが
今まではジェイソンという怪物的な存在から
どう逃げるのか、どう戦うのかが
描かれていた作品だったんですが

本作はジェイソンのふりをして
殺人を行っている犯人は誰なのか
という話になっています


長いシリーズですし
たまにはこんな切り口で物語を展開するのも
良いとは思うんですが
いまいち上手くいっていないように思いました


そもそも、このシリーズが好きな人は
そんなのは求めていないでしょうし
なんか違うってなってしまいそうです

そして、それを置いといたとしても
内容がそんなに面白くない


今までになかった
ミステリー要素が本作にはありますが
すごく雑なんですよ

誰が犯人なのか予想できるような要素は
全く無いですし
真犯人への伏線なんかも全然無い

唯一ミスリードはありますが
それしかないので
最後に真犯人がわかったときも
さほど驚きなんてないし

とりあえず登場人物をたくさん出しとけば
犯人がわからないだろ
くらいのノリで作られているから
全然ミステリーとしての面白さがありませんでした


そして、それが本作の1番の欠点でもあります
登場人物が多すぎるんですよ
多くてもそれなりに記憶に残るキャラが
数人いればまだいいんですが

この映画は
とにかく誰が誰だかわからなくなる

主人公以外のキャラにスポットが当たることが
ほぼ無く全員印象が薄いです

黒人の少年はまだ活躍してましたが
それくらいですね

だから、真犯人が発覚した時も
こいつ誰?って状態になります

印象が薄い登場人物の中でも
特に印象が薄いやつでしたから

こんなのが犯人だったところで
何の驚きも無いわけです


ミスリードに関しては
良かったように思いますが
結局、その他が駄目なんで
ミスリードが上手く生きていませんよね

トミーがジェイソンだと思わせておいて
実は犯人が誰だかわからないやつ
では全然面白くならないと思う

それなら
そのままトミーがジェイソンだったほうが
面白かったかもしれません


それに、このミスリードのために
トミーが全然活躍できていなかったりも
しましたしね

主人公なのにジェイソンとほとんど
対峙していないです

 

そもそも、このシリーズで
犯人は誰か?のミステリーをやるのが
ちょっと違っていたのかも

ジェイソンって普通の人間ではないじゃないですか

だから、前作で死んだと言われても
ジェイソンなら生きてるかも
と観ている人たちは思うわけで

本作を観ている場合でも
もしかしたらジェイソンが復活したのかも
と思っているんですよ

そこを、変にジェイソンの模倣犯がいる
という見せ方にしているので
すごく視点がブレるんですよね

これはジェイソンが生きていたホラーなのか?
ジェイソンの模倣犯のミステリーなのか?
どっちつかずでどう観ればいいのか戸惑う

実際に普通の人間である犯人が
ジェイソン並みの生命力があったりと
ブレまくりですし


そんなことなら
トミーが犯人と思わせるような
ミスリードは無くして

本物のジェイソンが蘇ったと思わせての
犯人は普通の人間でした
のほうが驚きもあると思うし
一本取られたなって気持ちになりそうですけどね

 

それと、今回の殺しの描写は
バリエーションが少なかったように思います

登場人物が多いだけあって
今回はかなり人が殺されるんですが
基本的に鉈でぶっ刺すって殺し方がほとんどで
あまり面白みが無い

殺人場面の演出も淡々としていて
あまり恐怖も煽られませんし
テンポが良すぎて怖くないんですよね

やっぱり殺しの場面は怖くあってほしい
ゾクゾクするようなものが見たいんですよ

スプラッター描写もなんか控えめだったし
物足りなさを感じました

 


あと、ラストのアレは
前作とやってること同じじゃない?
と思ってしまった

さすがにこれはちょっとくどい

同じキャラを使って
同じようなオチにするのは
どうなんですかね?

てか、ここで前作のオチは本作で
全然生きていないことに気付きましたよ

前作あれは何だったのかと思ってしまう

しかも、本作で全く生きていなかったオチと
同じようなオチを今回もやるって
なんか意味が分からない

最後の最後まで
あまり納得がいく作品ではなかったです

 

マンネリからは脱却できていたと思いますが
その結果、中途半端な作品に
仕上がっていましたね

ミステリーにするにしても
もうちょっとやり方があったんじゃないかと思う

ただ、シリーズはまだ続くので
次はどうなっているのか楽しみです

 


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映画「トロール・ハンター」感想 バカバカしいけどなんか面白い

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どうもきいつです


モキュメンタリー映画「トロール・ハンター」観ました

北欧に住む伝説の妖精トロールの実態に迫った
2010年ノルウェーのモキュメンタリー映画です
取材中にノルウェーでトロール・ハンターと
出会った学生たちが
ハンターと行動を共にし誰も知らなかった
トロールの生態を暴き出していきます

監督は「ジェーン・ドウの解剖」などの
アンドレ・ウーブレダルが務めています

 

あらすじ
ノルウェーの田舎町で問題になっている
熊の密猟事件の取材にやってきた大学生3人
彼らが怪しい男ハンスを尾行していると
そこへ伝説の生き物トロールが現れる
ハンスが政府に雇われているトロール・ハンターと
知った3人は、ハンスと共に行動し
トロールの生態をカメラに収めていく

 

感想
いかにもB級でチープな作品
でも、発想が面白くて最後まで観てしまう
映像はリアルさよりも
衝撃、派手さ重視に突き抜けていて
逆に面白くなっていました

 

前からなんとなく気になっていた作品
タイトルにすごく興味を惹かれました


内容は実録ドキュメンタリー風で
撮影者たちが異常な状況に巻き込まれていく
というモキュメンタリーではありがちなやつです

ただ、本作は
モキュメンタリーでよくある心霊系ではなくて
想像上の生き物トロールを題材にしています

トロールって日本では馴染みがなくて
あまりピンときませんが
北欧の国などの伝承に
よく登場する妖精みたいです

日本で言う鬼みたいなものでしょうか

日本でもテレビゲームの敵キャラとかに
トロールが出てきたりしますし
まあまあ知名度はあると思います

個人的には子供の頃に読んだ絵本
「三びきのやぎのがらがらどん」にも
トロールが登場していていましたし
それがとても印象に残っていて
結構なじみ深かったりします

本作ではその絵本にちなんだシーンなんかも
ありましたね


本作ではそんなトロールが実在していて
それを狩っている強いおっさんがいる
というなかなかぶっ飛んだモキュメンタリーです

その設定の時点で
興味津々だしワクワクしてきます

 

正直言って
あまりに設定がぶっ飛んでいる上に
CGのクオリティなんかもあまり高くのないので
リアリティーは全然無いと思います

トロールの風貌は完全にCGだと
わかってしまうほどです

その、クオリティの低さに
リアリティーがないから酷い映画
と言う人もいるでしょうが

個人的にはそこはそんなに気になりませんでした

むしろ、CGがショボいけど
トロールを出し惜しみせず
ガンガンと出しまくっていたのには好感が持てます

派手なシーンも多かったし
映像的な見応えはとてもあったと思う

 

モキュメンタリーなどの実録風のフィクションって
いかに本当の出来事のようにリアルな映像にするか
という作品も多いと思います
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「パラノーマル・アクティビティ」など
日本の心霊映像なんかもそうですよね

そんなリアル路線も面白いんですが

僕はどちらかと言うと
現実味が薄い作品の方が好きだったりします
「クローバーフィールド/HAKASISHA」「グレイヴ・エンカウンターズ」とか
ほとんどギャグみたいなのが好きです

本作もギャグみたいな作品だと思いますよ
やっていることはバカバカしいです


でも、そんなギャグみたいにありえない映像を
ドキュメンタリーのような本物っぽい世界観の中で
見せられるとすごいワクワクするんですよね

こんなことありえないだろう
と笑いながら観ている反面
これが本物だったらすごいだろうな
と思ったりもしてしまいます

普通の映画を観ている時とは
また違った感覚を味わえるんですよ

 

そして、そんなバカバカしくてギャグみたいな作品
なんですけど
意外とちゃんと作っていったりもする

トロールの設定、人間ドラマ、映像の臨場感など
そんなのはなかなか良い出来だったと思います


トロールの設定は
伝承をもとにしつつも
現実味のある理由付けがされていたりする

日の光を浴びると石化してしまうというのにも
一応科学的な理由をつけていましたしね


トロールの見た目の違いなんかも
面白かったと思います

実際のトロールは伝説上の存在なので
伝承や地域によって伝わっている風貌や特徴が
違うんだと思います

そこを、この映画ではあえてトロールには
いろんな種類があるという設定にして
さまざまなトロールを見せています

頭が3つあるやつだったり
ずんぐりむっくりで毛むくじゃらだったり
めちゃくちゃ巨大な奴だったり

いろんなトロールが出てくるので
映像的にも最後まで飽きないと思う

トロールの種類によって
いろんなシチュエーションが生み出せていましたし
展開が広がるきっかけにもなっていたと思う

 

人間ドラマはそんなに深くはないけども
それなりに面白くなっていました

学生の取材クルーとハンターのおっさんとの
絆が深まっていくロードムービー的な
物語になっていて
そこはとても良かったです

はじめはおっさんに邪険に扱われていた学生たちですが
ともに旅し苦難を乗り越えることで
徐々におっさんのほうも心を開いてくれて
ハンターやトロールの実状を教えてくれたりする

学生たちも政府に隠されている真実を
目の当たりにして
真実を暴き出そうと本気になっていきます

そんな物語を経ての
ラストはとても熱い展開になっていたと思う

 

映像面に関しては
CGがショボいと言いましたが
臨場感のある映像にはなっていたと思います

特にノルウェーの大自然が素晴らしかった

あの荘厳な大自然の景色が
トロールの信憑性を高めてる
あんな巨大な自然の中ならトロールがいるかも
と思わされる


そんな広大な自然の中に現れるトロールは
CGのショボさもちょっと薄らいでいると
思うんですよ

終盤に現れる雪原での巨大なトロールは
もうショボいとか思っていませんでした


森の奥から木をなぎ倒して
トロールが初登場する場面もすごかったです

あそこはワクワクするし
派手な登場の仕方に気持ちを持っていかれました

出てきたトロールも
頭が3つでめっちゃデカい
何じゃこれ
と思ってからの光を当てての石化

こんなめちゃくちゃな世界観を見せられて
心は鷲掴みでした

 

他には環境問題なんかも取り扱っていたり
意外と真面目な一面もありましたね

人里へ下りてくるトロールが
日本でもよくある
町にイノシシやクマなどが下りてくる
問題とも被って見える

狂暴な生き物が人里に現れて騒ぎになっているけど
元凶は人間にある
というのを描いている映画にも見えます

 

かなりチープな映画だとは思うんですが
B級と割り切って観れば全然楽しめる作品です

ツッコミどころも多いですけど
軽い気持ちで観れば気にならない
僕は結構好きな映画でした

 


トロール・ハンター Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

 

 

映画「アド・アストラ」感想 宇宙の映像すごい 眠くなるけど

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どうもきいつです


SF映画「アド・アストラ」観ました

広大な宇宙を舞台に
太陽系の彼方に消えてしまった父の謎を追い
宇宙を旅いする男を描いたSF作品

監督は「エヴァの告白」などの
ジェームズ・グレイが務め
主演はブラッド・ピットです

 

あらすじ
宇宙で活躍する父を見て育ったロイは
自身も宇宙飛行士の道へ進んだ
しかし、父は地球外生命体の探索に旅立ってから
16年後、地球からはるか離れた太陽家の彼方で
行方不明になってしまう
ある時、ロイは父は生きていると告げられ
尊敬する父が太陽系を滅ぼしかねない計画に
関わっていると知り
父を探すためロイも宇宙へ旅立つ

 

感想
リアル路線のSFの世界観や
宇宙の表現、映像などはとても好み
でも、ストーリーが全然ハマらなかった
正直、めっちゃ眠い映画でした

 

以前からすごく注目していたSF映画
SFは結構好きなジャンルなので期待していました

期待し過ぎていたのもあったのか
実際に観てみるとちょっといまいち

予告の時点でも
激しさの無いSFって印象だったんですけど
想像以上に地味な作品でしたね

かなり睡魔に襲われました

自分が観に行った回では
いびきをかいて寝てた人もいたり…

僕以外にも眠かった人は
多かったんじゃないかと思う

 

なぜ眠くなったかを考えてみると

ストーリーが平坦すぎるし暗い内容
だったというのと
主人公や登場人物に感情移入ができなかった
というのが大きいです


ストーリーの主軸は
行方不明になった父を探しに行くという
かなりシンプルな内容

そんな中で、トラブルが発生したり
父への思いが描かれたりします


個人的には
このメインのストーリーがつまらなく思った

特にひねりがあるわけでもなく
淡々と父親を目指して旅をしているだけ

その先に大きな展開が待っているのかというと
そんなわけでもなく
すごくこじんまりとした終わり方です


ストーリーがシンプルだったとしても
それを補うようなものがあれば
面白く見れるとも思うんですが

本作はその部分もちょっと微妙だと思う


所々に派手なシーンなんかもあったりして
その場面ではとても引き込まれるんですよ

月でのカーチェイス的なシーンや
猿が出てくるシーン
ロイが無理やりロケットに乗り込むシーンなど

こういう場面では目が覚めます

映像のクオリティーも高く
そんな中での派手なシーンは
めっちゃテンションが上がる

でも、これらのシーンは一過性なんですよね
この瞬間は引き込まれるけど
終わってしまえばまた眠くなる


これらの場面は各々独立してしまってる
ように思います
そんなにメインのストーリーと
絡んでいないんです

特に月でヤバい奴らに追われたり
宇宙船内で猿が暴れている場面は
全然ストーリーと関係なく
ただ映画のアクセントとして入れられている
だけのように思います


世界観の設定としては
それらもつながりはあるんですけども
結局、これらの要素が無駄に世界観を
広げてしまって散漫になってしまってます

メインストーリー自体がこじんまりとした
小さい世界の話なのに
世界観だけはスケールが
やたらデカくなってしまって
なんか集中できないんですよね

 

そして、主人公のロイとその父親
この2人が物語のメインで重要人物なんですが

全然、感情移入ができません

この2人は
結局、何がしたかったのかな?
と思ってしまう


父親に強い執着のあるロイ
地球外生命体の発見に異常に固執する父親

この部分には具体性が無さすぎて
全く気持ちが入っていきません


特にロイの自問自答、悩み告白みたいなのが
すごく多いんですが
その根本は見せてくれない

なぜ父親をそんなに尊敬しているのか?
父親に対する執着は何なのか?
みたいなものはほとんど描かれません

だから、ロイの精神面や心の成長を
見せている作品なのに
その部分に共感もできなければ
感動もできない

そもそも、ロイは何を求めているのかも
伝わってきません


父親に会う事ができれば
どういう変化が起こると思っていたのか
ただ漠然と父親に会えば
何か変化があると思っていたのか

そのへんも曖昧で
結局、何を伝えたい映画だったのか
いまいち伝わってきませんでした


父親に関しても同じで
彼をそうさせてしまったのは何か
という部分は全く描かれないので
この人がただのサイコパスにしか思えない

具体的なエピソードも無く
何を捨てでも地球外生命体を見つけたい
って言っているだけのヤバいジジイでしかない

だから、彼の最後の行動には理解できないし
この場面で何かが生まれたようにも思えません


最終的には
この親子すごい迷惑だな
という気持ちにしかならない

この2人のせいで結構人が死んでたりするし

こんなにもいろんな人を巻き込んでいるのに
最終的に親子間のこじんまりした精神的な物語に
持っていかれても
なにそれ?
としか思えないですよ


哲学、宗教観、精神面を描いた作品
なのかもしれませんが
その割に世界観を広げ過ぎて
親子2人の問題に収まらず
多くのものを巻き込んでしまっているので

ロイが父親と対峙して
自分の気持ちが晴れてめでたしめでたし
で終わっても
あまり納得はできないですよね


まあ、アート映画なのかもしれませんが
その割には映画的な面白さを
出そうとしていましたし
どっちつかずな気もしてしまいます

面白くなくても何か伝わるものがあれば
良い映画だとは思えるんですが
本作はあまりそういうのも伝わってきませんでした

 

否定ばかりしましたが
良い部分もありましたよ


宇宙の表現や映像は素晴らしかったです

宇宙の怖さみたいなのも伝わってきますし
壮大さ、荘厳さも感じる事ができる

宇宙での孤独の恐怖の表現は
とても良かったし
でも、時折見えてくる宇宙の美しさには
いろんな感情を呼び起こされる

ロケットであったり、月での車であったり
SFだけどやり過ぎていないリアルなデザインも
ちょうど良くて個人的には好きでした


冒頭の落下のシーンは最高ですね
あのシーンで気持ちが鷲掴みにされました

あのめっちゃ高い塔もワクワクしますし
あそこからの落下の恐怖もとても伝わってきました

 

あと、ブラッド・ピットの演技も良かったと思う
ほとんど彼の一人芝居のような映画で
ブラピを堪能できますよ

やっぱりブラピは顔の演技が素晴らしいですね

ブラピが観れるというだけで
価値はあるのかもしれません

この映画は
ブラピが好きなら満足できそうです

 

深いメッセージが込められた作品
なのかもしれないですけど
個人的には全然伝わってきませんでした

SFだからって派手である必要はないと思うので
作風自体は悪くないと思いますが

この映画の途中で
いびきをかいて寝てしまう気持ちは
わからんでもないです

 


エヴァの告白 [Blu-ray]

 

 

映画「見えない目撃者」感想 最初から最後までハラハラドキドキ 楽しめるエンターテイメント

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どうもきいつです


ミステリー映画「見えない目撃者」観ました

2011年の韓国映画「ブラインド」を
日本でリメイクした作品
視力を失った主人公が
誘拐事件の解決に挑むミステリー映画

監督は「重力ピエロ」などの
森淳一が務めています
盲目の主人公を演じるのは吉岡里帆です

 

あらすじ
浜中なつめは警察学校を卒業した夜
自動車事故で弟を亡くし
自分も視力を失ってしまう
それから3年がたったある日
車の接触事故に遭遇したなつめは
車中から助けを求める少女の声を聞き
誘拐事件の可能性を訴える
しかし、十分に捜査をしてもらえず
なつめは自ら捜査に動き出す

 

感想
最初から最後まで面白かった
謎解きがありスリルがあり
なかなか面白いエンターテイメントでした
バイオレンスな描写もとても良かった

 

オリジナルの韓国映画は観たことがなく
存在も知らないくらい

でも、予告の時点で
少し気になっていた作品だったので
観に行ってきました


正直、リメイクで邦画ってことだけで
ちょっとナメてかかってたんですが
想像以上に面白かったですね

最初から最後まで楽しめる映画でした

強引なところがあったり
現実離れしていたり
ツッコミどころはあるんですけども
そんなに気にならなかったです


R15指定の映画なので
若干グロかったり
バイオレンスな描写が目立つ作品
でも、そこがこの映画の面白さにも繋がっていて
とても良かった

グロいのが苦手な人は
目を覆いたくなるなるようなものも
映し出されると思うので
そこは気を付けたほうがいいと思う

 

本作は
基本的には犯人を捜す謎解きミステリーですが
サスペンス要素があったりホラー要素があったりと
結構いろんな要素が詰め込まれています

そういうのもあってか
2時間以上の少し長めの作品ですが
最後まで全然飽きずに観ることができました
むしろ、どんどん引き込まれていくような内容です


この映画の主軸でもあるミステリーは
犯人が誰なのか?
ということよりも
犯人に近づいていくまでの過程が
面白く描かれています

盲目の主人公なつめが事件に遭遇し
その数少ない手がかりから
盲目だからこその長所を生かしつつ
犯人に迫っていく
ってのはなかなか面白いですよね

元警察という能力を生かし
盲目故に聴力、嗅覚が鋭く
それを駆使して普通の人では気付かない
ことにも気付いていきます

少しなつめが超人的過ぎるような気もしますが
そこはフィクションですから
大目に見ましょう


基本は王道なミステリーの流れです

手がかりをたどって
次から次へと真相に近づいていく
ていうかなりベタな展開

でも、そんなベタな中で
捜査が行き詰ってしまったり
意外なところから手がかりが見つかったり
犯人に襲われたりと
主人公側と犯人との駆け引きなども垣間見え

緩急が生まれてくるので
最後まで興味の持続が続くんです

次はどうなるんだろう?
と先の展開が気になりワクワクしてくる


さらに、狂気じみた犯行を生々しく見せられる事で
事件の真相や犯人の正体を
もっと知りたくなってきます

被害者の遺体が発見された場面なんか
とてもゾクゾクしますよね

一体この事件は何なのかと
興味津々になりますよ

 

犯人の正体がわかってからも
結構長く続く作品なんですが

そこも最後までダレずに見せてくれる

犯人がわかってからは
謎解き要素はほとんどないんですが

サスペンスやホラーのような展開に
シフトチェンジしていきます

犯人からの逃走劇や
犯人の拠点への潜入など

今までは動きの少ない展開でしたが
ここからは動きが多くなってきますし
怖さを煽る演出なんかも盛り込まれていて
なかなか楽しめます

お化け屋敷的な面白さもあったりしました


ここでは、盲目という制限された状態を
上手く見せるような展開が面白いですね

においと音で犯人から切り抜けたり
テレビ電話を使ってナビしてもらいながら
逃げるとか
目が見えないからこそ
目の前に犯人がいても気付かなかったりもする

盲目という設定が
スリルを生み出すためにも上手く機能していました


終盤の犯人の拠点でのシーン
これはホラーって感じですね

ここはハラハラドキドキで
結構怖さもありました

やってることはベタだけど
スリルはありましたし
家の中も気持ち悪さを演出できていて
とても良かったと思う

重要な人物たちが容赦なく殺されてしまうのも
ホラーっぽかったですね

 

全体的にとても面白くて楽しめる作品でしたが
犯人についてちょっと言いたいこともあります

残虐非道な犯人が
主人公を殺さないように動いてしまってるのは
やっぱり気になっていしまいますよね

駅構内で犯人から逃げているシーンでは
犯人がずっと歩いてる

お約束ではあるんですが
絶対に殺そうとしてるはずの犯人が
走らないで追いかけるのは
ありえないと思ってしまいます

このときの駅に人が少なすぎるのも
気になりましたが

他にも
殺せる状況なのに
そこからベラベラ喋り出すのもね…

あるあるですけど
まあチープに見えてしまいます


あと、犯人がただ人を殺すのが好きなヤツ
で終わってしまってたのがもったいない

やっていることは狂気じみているんですが
実際に犯人が現れてからは
そんなに奇人のようには見えない
犯人の発想がスプラッター大好き中学生
みたいで怖さもあまり無いんですよ

ただ中二病こじらせて大人になったヤツ
以上のものは見せてくれない

これが、本当にヤバい奴だったなら
さらに盛り上がったと思うんですけどね

役者の演技もあるかもしれませんが
もっと犯人の狂気を見せることも
できたんじゃないでしょうか


それと、なつめと犯人の対峙の場面
決着のつけ方がちょっとあっさりしすぎだと思う

物理的に殺して終わりなので物足りなかったです

やっぱり精神的にも打ちのめしてほしかったですね

盲目だからこそ
なつめには見えるものがあるだろうし
そこを犯人と対比して見せてほしかった

音に反応して銃を撃つってのも
ちょっと単純すぎに思いましたし

 

犯人をもっと怖くして決着に工夫があれば
さらに面白くなったような気がします

でも、全体的にはすごく面白かったし
楽しめる作品でした

人間ドラマはちょっと薄いですが
成長物語も描かれているし
エンターテイメントとしては良い出来だと思う

吉岡里帆も可愛くてとても良かったですよ

 


見えない目撃者 (小学館文庫)