何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」感想 エヴァにけじめをつけた作品 止まった時間が動き出す

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どうもきいつです


アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」観ました

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの完結編
大ヒットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を再構築し
4部作で描かれた劇場版の第4作目です
3作目「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」から8年ぶりの新作
汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオンに搭乗する碇シンジたちの戦いが描かれます

「エヴァンゲリオン」シリーズを手掛けてきた庵野秀明が総監督を務めています

 

あらすじ
ミサト率いるヴィレは
大破したエヴァンゲリオン2号機、8号機のパーツを入手するため
赤く染まるパリの街で戦闘を繰り広げる
その一方で
シンジ、アスカ、レイの3人は
ニアサードインパクト後の崩壊した世界を放浪していた

 

感想
エヴァらしくありエヴァらしくない作品
庵野秀明の思いが強く込められた作品だと思います
難解と言われているエヴァだけど
今回は意外とわかりやすい
エヴァンゲリオンの最終章として納得の映画でした

 

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの最終章
ということでとても楽しみに観に行ってきました

僕は世代的にも
テレビアニメのエヴァを観てきましたし
新劇場版はリアルタイムで追ってきました

めっちゃ詳しいとかめっちゃ考察しまくってる
みたいなコアなファンって訳ではないけど
それなりに思い入れの強い作品ではあります

この映画について詳しく解説したり考察している人はたくさんいると思うので
僕はこの映画を観て感じたことを中心に書いていきたいと思います


まず、エヴァと言えば
難解で考察ありきの作品というイメージも強いですけど

本作はそんなの抜きでも普通に面白く観ることができると思います

てか、本作だけでなく
これは今までの作品全てに言えることでもありますが

映像的にもシンプルに魅力的だと思えるシーンがとても多くて
観客の気持ちを上げる見せ方も上手いです

これがエヴァの魅力でもあって
何も考えずに観てもカッコいいアニメなんです

みんな考察とか深読みに行きがちですけど
実はそんなに深く考えなくても楽しめる作品

それは本作でも健在で
冒頭のパリでの戦闘シーンから
めちゃくちゃカッコいいシーンの連続

やっぱりアクションはこのシリーズの目玉でもあって
巨大なエヴァンゲリオンが派手に街をブッ壊しながら戦う姿は
とにかくテンションがブチ上がる

巨大な戦いはウルトラマンやゴジラなどの特撮の影響でしょうけど
そんな特撮のよさを残しつつ
アニメだからこその
いろんな角度からの見せ方やありえない動きなど
戦闘シーンにはかなりのこだわりを感じます

で、激しく戦ってる映像をただ派手に見せてるだけではなく
どこかデザイン的で見映えもすごくカッコいいんです
一時停止で動きを止めて場面を切り取っても
それだけでカッコいい画になると思う

こんなアクションシーンさえ見せてくれればまず満足ですよね

アクションだけに限らず
こだわりの強さは庵野秀明の趣味の色が大きく出ています

設定やテーマを深く考察するのもいいですが
造形や背景のデザイン的なこだわりや
古今東西様々な作品のオマージュなども豊富なので
そこを楽しむのもいいと思います

 

そして、やはりエヴァはそれだけでは終わらず
深く考えさせられるアニメでもあります
本作もいろいろと考えさせられました

細かい考察とかは多くあると思いますけど
そういうのは抜きにして

僕がこの映画で1番強く感じたのは
先へ進むこととけじめ
これが重要なテーマだと思うんです


本作は今までのエヴァ作品以上に
かなりストレートにテーマやメッセージが描かれています

そこがちょっとエヴァらしくなく少し驚いたくらい

TV版や旧劇場版なんかは特に
遠回しにそれっぽいことをにおわすような作風で
だからこそ難解でみんな考察していたわけです

ただ、今回の作品は
何を伝えたいのかがわかりやすく伝わってくる
そして、この作品を通して何をしたいのかもなんとなくわかる

何よりも
エヴァンゲリオンという作品はどういった作品だったのか
それが理解できて府に落ちた


本作をラストまで観ると感じるのが

エヴァンゲリオンという作品は庵野秀明そのものだったんだな
ということ

監督がこの作品に自己投影している部分は大いにあるし
監督が作品に向き合う姿勢
監督の趣味嗜好が多く詰め込まれてもいる

そして、この映画を作ることでけじめをつけたんだと思うんですよね

本編の中でも“けじめ”という言葉が何回か発せられます
これは登場人物の決意の気持ちでありながら
監督の作品に対する気持ちでもあると思う

1995年にテレビ版の放送が始まり26年の時が経ちますが
長い時間の中で
作品が大ヒットして旧劇場版が公開され
新劇場版も順番に公開されてきました

その長い歴史に幕を閉じるという強い気持ちが
本作から強く伝わってくる
自分の手でエヴァンゲリオンという作品に
終止符を打たなければと使命感があったのかもしれない


そして、エヴァンゲリオンを終わらせる本作で
主人公のシンジが先へ進む姿を描いたんじゃないでしょうか


今回のシンジは
今までの作品以上に明確に大きく成長します

これまで描かれていなかった父親との対峙や
他者へ救いの手を差しのべる姿
ずっと後ろ向きだったシンジが未来だけを見つめ決意し行動する

明らかに今までのエヴァと違う方向へ物語が進んでいくんです


特に
シンジと父親ゲンドウとの対峙の場面では
2人の対比とシンジの出す答えが
先へ進むこと
エヴァンゲリオンを終わらせること
それを浮き彫りにしていると思う

本作のラスボスでもあるゲンドウは
失った人を取り戻し
自分の心地良い世界での永遠を求める

それに対しシンジは
失った人や今生きている人たちの想いを受け継ぎ
さらにその想いを誰かに託すことを選ぶ

シンジは未来へ進むことを選択するんです

最終的には
全ての人を救いエヴァンゲリオンの無い世界に旅立つ


この結末を観て
本作がエヴァンゲリオンの卒業式のようにも思えました

登場人物たちはエヴァンゲリオンの世界から旅立ち

庵野秀明はこの作品を締めくくり次のステージへ上がっていったのかも

そして、観客である自分たちは
この映画を観てそろそろエヴァンゲリオンを卒業しろよ
と言われているような気がした


長年エヴァを観ていろいろと難しく考察してきたファンたちは
この映画で言うゲンドウと同じ立ち位置なのかもしれない

大人になれない大人たちがエヴァの世界に留まっているところを
いつの間にか大人になっていたシンジに
そろそろ未来を見て先に進もうよ
大人になれよ
と諭されたような…


ただ
大人なんだからアニメなんて観るな!!
みたいなキツイ言い方でもないんですよね

本作の終盤は実写の映像が使われたり
撮影のセットの中で戦ったりと
現実の世界を感じさす演出があります

この実写の手法って
旧劇場版版でも使われていたんですが
今回はその時とちょっと意味合いが違うように思います

旧劇場版はそれこそ
アニメなんて観てないで現実見ろよ!!
って感じだったんですけど

本作の場合は
どこかアニメと現実の境界線が曖昧でもあって
アニメと現実の世界が地続きのように感じれる

これって
エヴァの世界から旅立ってもその世界は確実にあって無ではない
今までの時間も良い思い出でで
それを糧にこの先も生きて行こう
みたいなことのように思えた


これは庵野秀明自身のことでもあるだろうし
作品を観てきた自分たちのことでもあると思う

たとえ作り物のフィクションであろうと
現実を生きて行くための救いになる存在

物語の存在意義を感じることができました

 

本作もこれまでのエヴァと同じく
意味深なシーンがあったり
伏線を回収していない部分があったり
全部を説明しているわけではないです

そういうこともあり、いろいろと考察したくもなりますが

実はエヴァンゲリオンって作品は
もともと考察することなんて重要じゃなくて

本質は
エヴァンゲリオンという作品は庵野秀明そのものということ

そこがこのシリーズの面白い1番の要因なんですよ

1人の人間の歴史を観ているような作品なんです

だから今回の最終章は感動できる

エヴァンゲリオンの歴史
庵野秀明の歴史
それがあるからこそ描けた映画で
唯一無二の作品なんです

こんな素晴らしい最終章を観れたんだから
いままでエヴァを追ってきて良かったと思えました

 


ここまでいろいろと御託を並べましたけど
結局はアニメ作品としてシンプルに面白い

正直、万人ウケのアニメではないです
ストーリーがどうとか伏線がどうとか
そこにこだわる人には微妙かも…

でも、今までエヴァを観てきて好きだった人は大満足の作品だと思います

僕はこの映画を最高の作品だと思う

 


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]

 

 

映画「ボス・ベイビー」感想 それなりに面白いけど なんか微妙

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どうもきいつです


アニメ映画「ボス・ベイビー」観ました

「怪盗グルー」シリーズなどのユニバーサルスタジオと
「シュレック」シリーズなどのドリームワークス・アニメーションが
初タッグを組んだ2017年の作品です
絵本「赤ちゃん社長がやってきた」を基に作られています
大人の知能を持った赤ちゃんが大騒動を巻き起こす物語

監督は「マダガスカル」シリーズなどのトム・マクグラス
日本語吹き替え版ではムロツヨシ、芳根京子などが演じています

 

あらすじ
両親と幸せに暮らす7歳の少年ティムのもとに
ある日突然、黒いスーツに黒いネクタイを締めた赤ちゃんがやってきた
そんな赤ちゃんにティムの両親は言いなり
その上、赤ちゃんは大人のように話すこともできるのだった
そんな赤ちゃんを不審に思うティムだったが
実は赤ちゃんには重要な任務があったのだ

 

感想
それなりに楽しめる内容だと思います
子どもはこういうのは好きかも
ただ、面白いアイデアだけで終わっていて
それだけかな…って印象
いろいろ雑な部分も多かったし
飛び抜けて面白い作品ってわけじゃない

 

前から気にはなっていましたが観ていなく
アマプラで配信されていたので観てみました


ドリームワークスのアニメ作品は「カンフー・パンダ」「ヒックとドラゴン」など
好きな作品が多いので本作も期待していました

ユニバーサルスタジオとタッグという事で
「怪盗グルー」シリーズなどの
イルミネーションのアニメ作品に対抗した作品を目指してるのなという印象で

実際に観てみても
子どもウケを重視して作られた作品なのかなと感じました


内容はそれなりに楽しめるアニメって感じで
別につまらない作品ではないと思います
子どもなら普通に楽しめるかなってアニメ

ただ、子ども騙しな気もして
大人ならちょっと微妙に思うかもしれません

正直、僕はかなり微妙でした
結構、雑な印象も強くて
詰めが甘い作品だとも思います

 

とは言え
いいところもあるので
まずは良かったと思ったところから

設定のアイデアはとても面白いと思います
見た目は赤ちゃん
中身はおっさん
このギャップは観ていて面白いです

それだけでこの作品はインパクトがある
実際に続編が作られているし
それなりに評判もよかったんだと思います

何より
スーツを着た赤ちゃん
このビジュアルだけで少し観たくなってしまう
面白そうな雰囲気はとても出ています

 

設定だけでなく内容もそれなりに楽しめます

ストーリーは少年の成長物語とわかりやすく
主人公のティムとボス・ベイビーとのバディものとしても楽しめる
2人のやり取りがコミカルで楽しいです

それに、基本的に動きのあるシーンが多いので
その点でも観ていて楽しい映画になっている
アクションシーンなんかも多くありますしね

面白く観れるポイントは押さえている作品なので
つまらない映画にはなっていないと思います
特に子どもなら楽しめるんじゃないかと思う

 

ただ、やっぱりアイデアだけで終わってる作品というのは否めなくて
そんなに捻ったストーリでもなく
かなり予定調和で面白味の無いストーリーだったりする

それを置いておいたとしても
ちょっと雑な部分が多すぎるかなって映画です

突っ込みどころは多すぎると思うし
メッセージやテーマもブレている気がします

なんとなく言いたいことは理解できるけど
話がそこへ繋がっていかないというか…

 

ツッコミどころは
いろいろと説明不足が多かったり
矛盾が多かったりと
観ていて引っかかる部分が多いですね
それがノイズになって集中できない

まず、ボス・ベイビーが働いてる会社なんですけど
何をやってるとこなのか全然わからん

ボス・ベイビーが来た理由はわかります
犬が可愛がられることにより赤ちゃんが可愛がられなくなることを阻止するミッション

でも、これは今回の件であって
今までは何してきたんだよ
これからは何をするんだよ
と全然想像ができない

会社で働くために選ばれた赤ちゃんは大人並みの頭脳を持ってるみたいですけど
ボス・ベイビーの部下たちはスゲー馬鹿なのも引っかかる

この部下たちは子どもみたいなんですよ
でも、赤ちゃんではないんです
このどっち付かずが中途半端なので設定がよくわからなくなってくる

敵のおっさんもよくわからなくて
結局、目的はなんなの?って感じです
子犬を大人気にして赤ちゃんの人気を落とすことを復讐として掲げてるけど
これの何が復讐なんだよと思ってしまう

そもそも、このおっさんの動機がよくわからんのですよね
クビにされたことに怒ってるのか
ちやほやされなくなったことにキレてるのか
説明はされるけどなんかよくわからん

赤ちゃんだけど歳をとってしまうからクビにされたとか言ってるけど
最後は赤ちゃんに戻ってたりするし
そこもよくわからん

こいつの計画もボス・ベイビーがやって来ること前提だったりするし
なんで来るの知ってるんだよって思ってしまった
この計画、都合よすぎるだろ

敵のおっさんに関しては設定がガバガバすぎると思うんですよね

こいつが登場してからはマジでわけがわからなくなります


他にもいろいろ強引なところはとても多くて
基本的に全部無理やりで都合がよすぎる印象

味方の行動にしろ敵の行動にしろ
リアリティが無さすぎると思いました

 

そして、主人公ティムの成長物語なんですが
これもなんかブレていて
ティムが何をもって成長したのか
どの部分の成長なのか
そのへんがとてもわかりづらい

甘えん坊のティムが少し大人になったのか?
兄として成長したのか?
冒険をして強くなったのか?

何がメインの物語なのかよくわからん
このどれでもであるようで
どれでもないような…

最後まで観てもちょっとモヤモヤしてしまいます

あと、ティムが空想しがちという設定も
いまいち生きていないという…

ティムがすごく空想する少年ということが
はじめから全面に押されているので
これが後の伏線なのか
メッセージとして意味があるのか
と思っていたんですけど

最後まで観てもあまりこれの意味がわからない

この要素が全然ストーリーと関わってないと思うんですけど

それに
ティムのありえない空想の世界を見せてるのに
現実の世界もありえないことが起きているので
この映画がとてもややこしくなってます

普通こういうのって
空想と現実のギャップでメリハリを見せるものだと思うけど
本作の場合は両方ありえないので
何が現実で何が空想なのかわからなくなります

これだとボス・ベイビーの存在自体がティムの妄想だと思ってしまう

ティムが妄想の世界から現実に向き合っていく話なのかと
変に深読みしてしまって無駄に頭を使わされてしまいました

結局はシンプルに子ども向けのファンタジーアニメなので
じゃあティムの妄想なんていらないですよね

子どもって想像力豊かで妄想しがちだよね
ってあるあるを見せたかったんでしょうが
無理やりブッ込んでるから邪魔でしかない

 

そして、本作ですごく気になったのは
子ども向けなのに
ちょっと暴力的だったり悪ノリがすぎるところ

これのせいで
子どもにはあまり見せたくないなと思わされた

笑いのためのブラックなコメディーシーンも多少ありますが
それが下品だったり暴力的だったり
しかも、それがユーモアというより
倫理的に嫌に感じてしまう…

お金でなんでも解決みたいなシーンとかもかなり嫌ですし
その時にお金を投げてお札がヒラヒラ
ってのも下品だなと思った

犬の扱いも酷くて
敵の会社だからといってもあまりに俗悪な印象が強すぎる

ティムたちを監視する敵の部下も気持ち悪すぎるかなと思います


さらっと観れば
ギャグ描写としてすまされそうな気もするけど
僕はそこにすごく引っ掛かってしまい悪い印象を感じてしまいました

 

最終的には上手くまとまってるようには見えますけど
細かいところで引っかかる箇所は多く
全体的にまとまりが悪いと思う

子ども向けアニメですが
それにしては子どもに見せたくないようなシーンが多々あって
ちょっと印象の悪いアニメ映画

本作より質の良いアニメはたくさんあるし
わざわざこの作品を観る必要は無いかも

 


ボス・ベイビー [Blu-ray]

 

 

特撮「魔進戦隊キラメイジャー」感想 シンプルでベタだけど面白い

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どうもきいつです


特撮ドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」観ました

202年3月から2021年2月まで
テレビ朝日系列で毎週日曜日に放送されていた特撮ドラマ
スーパー戦隊シリーズ第44作目となる作品です
モチーフは宝石と乗り物
宝石の王国クリスタリアの姫マブシーナに選ばれた個性豊かな5人が
地球侵略を目論む闇の帝国ヨドンヘイムに立ち向かいます

 

あらすじ
美しい宝石の国クリスタリアを滅ぼした闇の帝国ヨドンヘイムは
次の侵略のターゲットとして地球へやって来た
不思議な宝石キラメイストーンに選ばれた
為朝、瀬奈、時雨、小夜の4人は
キラメイジャーに変身しヨドン軍に立ち向かう
そして、高校生の充瑠の前にクリスタリアの姫マブシーナが現れ
キラメイジャーの最後の1人として充瑠を勧誘する

 

感想
いつものスーパー戦隊以上にかなりベタで王道な内容
ポップで明るい雰囲気の作風に最後まで楽しんで観ることができました
シリアスさやストーリーの捻りはほぼ無いけど
キャラクターがとても魅力的で
最後まで飽きずに見続けることができました

 

「魔進戦隊キラメイジャー」の放送が終了したので感想を書きたいと思います

スーパー戦隊はここ最近は欠かさず毎年観ていて
今回のキラメイジャーも当然のごとく最後まで観ました

前作のリュウソウジャーは
ここ最近のスーパー戦隊と比べると王道なスーパー戦隊ではありましたが

とは言え
かなりストーリー重視であったり
全体の雰囲気がシリアスで若干暗め
完全な王道ではないかなって作品

それもあってか
とても地味な印象がある作品でもありました

 

そして、今回のキラメイジャーなんですが
より王道路線のスーパー戦隊です

基本的に1話完結でわかりやすい内容で
全体のストーリーもかなりシンプル
敵の地球侵略から地球を守る
ただそれだけが一貫して描かれます

複雑な人間関係とかも全然なくて味方と敵がはっきり分かれているし
味方が裏切る敵が仲間になる
みたいなこともありません

そして、すごくコミカルな作風で
リュウソウジャーみたいなシリアスさや暗さは全くなく
お気楽な作風でもあります

なので、本作はかなり子ども向けだと思います
子どもが楽しめるスーパー戦隊を意識してるのかもしれません


そして、本作は原点回帰な作品でもあって
かなりゴレンジャーを意識してると思う

まず、5人の色分けが
赤、青、黄、緑、ピンクとゴレンジャーと同じ
それに、個性的でバラバラの5人がそれぞれの特徴を生かしてチームとして戦う
というのもゴレンジャーっぽさがあります


あと、敵のデザインは明らかにゴレンジャーのオマージュです
頭に何かを乗っけてるというコミカルな出で立ち

ラグビーボールだったりマシュマロだったりもぐら叩きだったり
面白くてダサい見た目の敵が多かったです


そんな、ちょっと昭和っぽいダサさもあって
どこか懐かしさも感じれる
でも、古くさいとかマンネリとかではなくて
安定感のあるベタさって感じなんですよ

それに
ただベタで王道ってだけではなくて
ちゃんと毎週面白く観れるストーリーだったり
キャラクターみんなが個性的で魅力があったり
ベタだけど今っぽさも表現されていたりもする

原点回帰だけどそれだけで終わっていなくて
新しさや面白さもしっかりとある
そこがキラメイジャーの最大の魅力だと思うわけです


その中でも
キャラクターは本当に魅力的で
毎週このキャラクターたちを見たくて
欠かさずキラメイジャーを観ていたと思う

キラメイジャーの6人はもちろん
サブキャラクターや敵のヨドン軍
みんな個性豊かで観ていて楽しくなります

キラメイジャーのメンバーは
それぞれの能力もバラバラでみんな違った特技を持っています
それを生かして敵と戦う

リーダーの充瑠は戦士としては少し頼りないですが
イメージ力が飛び抜けていて突拍子もないことを思い付く
黄色の為朝はチームをまとめあげる頭脳
緑の瀬奈はスピードキャラ
青の時雨は剣士で強くてクール
ピンクの小夜は冷静で分析役
シルバーの宝路はパワー系

それぞれ役割が与えられていて
それがアクションにも生かされているので
戦闘シーンもとても面白くてなっています


それに、能力に違いがあるだけでなく
性格もバラバラで
それが良くも悪くも個性的なんです

それぞれの個性が長所であり短所でもある
個性的でなメンバーがお互いに作用したり
個人が壁にぶち当たり成長したり

そういうものが毎週のエピソードで描かれて
みんなそれぞれの個性を磨いていきます

個性を磨いて輝いていく多様性
というメッセージは現代だからこそものだし
そこには新しさも感じるんですよ

そして、その個性を磨いて輝くというテーマが
本作のモチーフである宝石ともマッチしている

最初は自信のない充瑠も
回を重ねるごとに自分の能力に気付き
それを磨き続けることで最後には世界を救ってしまうわけです

本作は
長所であっても短所であっても
それは両方その人の個性で
短所でもそれを受け入れて磨いていくことによって
魅力的な人間に成長していく
という姿が描かれているんです


特にエピソード37のキラメイグリーンこと瀬奈が5人に分身するエピソードはとてもよかった

この話は個性というテーマをかなりわかりやすく描いてるし
マイナスだと思っている性格も
それがあるから本来の力を発揮できるという
とてもいいメッセージが込められています

こういうエピソードは
本当に子どもに見せたいなと思わされます

 

そして、本作の戦闘シーンなんですけども
これもかなりシンプルなんですよね

武器は剣と銃だけだったりするし
最近のお約束でもある戦闘用のアイテムなんかは全然出てこない
個人専用の武器も追加戦士のシルバーが持ってるくらい

最近のスーパー戦隊にしろ仮面ライダーにしろ
戦闘アイテムを増やしてアクションのバリエーションを増やしていたりするわけですが
本作はその逆を行ってる

でも、そんなシンプルな戦闘ではあるけど
最終回まで全然飽きずに観れるんですよ

それはなぜなのかと考えると
さっきも言ったキャラの個性を生かした戦いというのもあるんですが

毎週、個性的な敵に合わせて工夫して戦っている
というのが大きいと思います

敵の能力や弱点に合わせて
キラメイジャーたちが工夫して敵に挑みます
そこが戦闘を面白く観れるポイントだと思う


同じ特撮の仮面ライダーと比べると
そこが大きく違いますよね
最近の仮面ライダーはただ戦ってるだけで戦闘に面白味が全然無いですし

僕の中ではそこに大きい差ができていて
最近は仮面ライダーよりもスーパー戦隊のほうが全然面白く観れています


アクションに関しては
スーパー戦隊は毎年面白く観れる工夫が凝らされていて
子どもだけでなく大人も楽しんで観れるシリーズになっていると思います

 

あと、個人的にはキラメイグリーンの瀬奈と敵幹部のヨドンナがすごく可愛くて好き
それだけで毎週キラメイジャーを観たくなってた
週末の癒しでした

 

シリアスが好きな人ならちょっとポップすぎて
好みに合わないかもしれません
でも、一見お気楽な作品に見えるけど完成度は高いと思います

わかりやすい作風だけど
込められたメッセージは今の子どもたちに是非見せたいと思わされる

毎週観たくなる楽しさもあるし
ここ最近のスーパー戦隊の中でもかなり好きな作品でした

 


スーパー戦隊シリーズ 魔進戦隊キラメイジャー Blu-ray COLLECTION 1

 

 

映画「哀愁しんでれら」感想 なかなか気持ち悪い もはやホラー

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どうもきいつです


サスペンス映画「哀愁しんでれら」観ました

TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILM2016でグランプリを獲得した企画を映画化した作品
幸せを追い求める女性が不幸のどん底から結婚をきっかけに幸せをつかむが
思わぬ事態へ陥っていく物語

「かしこい狗は、吠えずに笑う」などの渡部亮平が監督、脚本を手掛け
主演は土屋太鳳が務めています

 

あらすじ
平穏な日々を送っていた小春は
ある日、不幸に見舞われ全てを失ってしまった
そんなどん底の中、小春は開業医の大悟と出会う
彼の娘ヒカリとも打ち解け
大悟からプロポーズされた小春は結婚し
幸せを掴み取ることに成功するが…

 

感想
前半のシンデレラストーリーはテンポよくて楽しく観れる
そして、後半の気持ち悪さはほとんどホラーです
この気持ち悪さが個人的には好き
ラストの展開も賛否は分かれそうだけど
好きなラストでした

 

予告を見て面白そうだったので観に行ってきました

なんとなく
シンデレラストーリーからの転落
みたいなストーリーを想像してたんですが

その予想をちょっと上回るくらいの
なかなか怖くて気持ち悪い映画でした

特にラストの展開なんて賛否両論だろうなと思います

気楽にこの映画を観てしまうと
ぶん殴られたような気持ちにさせられるかも

本作が終わったときには
劇場内がなかなか絶妙な空気になってました


まず、僕が感心したのは
こんなタイプの映画のわりに
前半部分もちゃんと面白く観れます

ベタでテンプレなストーリーからのどんでん返し
みたいな作品って
結構、前半部分のベタな部分がつまらないことが多いんですよね

ギャップを生むためによりチープでわかりやすくやってるから
だとは思うんですけど
どんでん返しまでが退屈な作品はとても多い


ただ、本作は前半部分も普通に面白く観れます
ハートフルなラブストーリーとして楽しめました

基本的にテンポがとてもよくて
次々と物語が展開していきます
スピード感があるから飽きずに観れるんです

それに物語の内容は
主人公の小春がどん底に落ちてからの
幸せをつかむまでのサクセスストーリーにもなっています

ベタだけど
そんなポジティブな流れのストーリーが
観ていて気持ちよくもあります

小春と大悟の恋愛や
大悟の娘ヒカリとの交流
小春とその家族とのやり取りなど
そういうドラマがコミカルに描かれていて
ちょっと笑えたりもしました

それに、2人が結ばれたときにはちょっと感動すらしてしまった

そんなベタだけど面白く観れる前半部分が
この映画の狙いにもぴったりハマってるんですよね

後半に嫌なことが起きるのはなんとなくわかってるので
結婚して終わりでいいじゃん
って思っちゃいました

 

そして、後半部分
こっちは幸せが崩れていく様が描かれます

本作のテーマはシンデレラストーリーの裏側
だと思うんですが
後半はその裏側の部分がこれでもかと気持ち悪く描かれている

この部分は
簡単に言ってしまえば
結婚してみると相手の本性が見えてきた
ってシンプルなもの

でも、その表現が怖いし気持ち悪いし
ちょっとしたホラーみたいな雰囲気になっています

夫の大悟のヤバさもなかなかですけど
娘のヒカリは怖すぎるなと思った

はじめは人懐っこくて可愛らしい女の子だと思ってたけど
実際に暮らしていくと闇の部分が見えてきます


幸せ一杯の前半部分と
ほぼホラーな後半とのギャップで
この映画が嫌いと思う人もいるかもしれない

僕はこのギャップもホラーみたいな気持ち悪さもとても好きです
嫌な気持ちになる反面
何とも言えないゾクゾクとした気持ちが
たまらなくもある

こんな体験が映画を観る醍醐味だとも思いました

 

で、この映画って
衝撃的なラストの展開や夫や娘の気持ち悪い見せ方
シンデレラストーリーへのアンチテーゼ的な作風なんかが
注目されがちだと思いますけど

僕は“家族ごっこ”の危うさ
みたいなものをとても感じさせられました


単純にこの映画を観れば
どんなにいい人でも本性はヤバイ人かもしれない
ってメッセージが込められた映画に思える

そんなヤバい人たちに蝕まれていく主人公を
描いた作品のように感じれます


ただ、僕は
家族のあり方ということが
この映画の重要なポイントだと思いました

大悟やヒカリは異常でヤバい人間のように表現されているけど
冷静に考えれば普通にどこにでもいそうに思える

主人公の小春は幸せを望む普通の女性で
そんな良い人がヤバい人たちに蝕まれているように表現されているけど
実は小春も最初からそっち側の人間だったんじゃないかと思わされる

最終的に衝撃的な結末をむかえますが
過剰に表現されているだけで
どこかこの夫婦にはリアルさを感じてしまいました


娘のヒカリは
平気で嘘はつくしわがまま言いたい放題だし
かなり厄介な女の子です
本作ではそれをとても怖く気持ち悪く見えるように表現してますが

よく考えれば
子どもって結構こんな感じだったりする

何を考えてるかわからないし
善悪の違いもわかってないし

怖く描かれてはいますけど
ヒカリってかなり純粋で普通な子どもだと思うんですよ

じゃあ、なんでこの家族が歪んでるかと言うと
結局は親の2人がちゃんと親をしていないから
だと思うんです


小春にしろ大悟にしろ
この2人は理想の家族や理想の幸せを思い描いて
それを実現しようとしてます

でも、全然子どもには向き合っていない
と感じさせられます

表面的には
娘を異常なほど愛している大悟
実の母親ではないけど母親になろうと努力している小春
なんですけども

これは理想を手に入れるために
ただ親を演じているだけの“家族ごっこ”
なんですよ

それが完全に現れてしまうのがラストの展開で

娘が人を殺してしまったかもしれないとなったときに
この2人はヒカリを信じれなかったんです

娘のため、娘を愛している
と言っていた2人もこれがきっかけでボロが出る

だからこそのあのラスト

胸くそ悪いだけのラストにも思えるけど
あのラストには意味を感じれる

理想を追い求めるが故の“家族ごっこ”の危うさが
あのラストで示されてると思うんです

実際にもこんな“家族ごっこ”をやってしまってる家庭は少なくないと思います


前半の幸せで楽しいストーリーと
後半のサイコでホラーなストーリーは
かなりギャップがありますが
実はどっちも“家族ごっこ”で
ただ上手くいってるかいっていないかだけの違い

小春は母親になると口では言うけれども
実際は最後までヒカリを他人の子どもとしてしか扱ってない

本当なら娘の間違いを正して修正しなければならないけど
全くそれをしないです

むしろ、今の幸せを離したくないから
ヒカリの過ちを見て見ぬふりしてしまいます


大悟も必要以上に娘を愛しているポーズをとっているけど
どこか娘に無関心だったりもするんですよね


それに、この映画はなかなか意地悪な作風でもあって
ヒカリが同級生を殺したかどうかはかなり曖昧にされてます
ただ、こいつ絶対に殺してるだろって見せ方もしている

ここがなかなか面白いなと思いました

やってるかやってないかはわからないけど
すごくやってそうに見せることで
映画を観てる人たちも
小春や大悟と同じ立ち位置になってます

ここでヒカリを信じるのかどうかを試されてるわけです

本当の親ならば何があろうと子ども信じるべき場面だけど
小春と大悟はそれをしなかったんですよね…

ラストで
本当にヒカリはやってないんじゃないか?
と思わすことでよりモヤモヤさせられる

賛否は別れるかもしれないけど
このラストはとても面白いと思わされました


伏線のようで放ったらかされてるものもすごく多いけど
あえて残すことでモヤモヤさせる
という狙いなのかもしれません

 

ありない物語で
サイコホラーみたいな映画ではありましたが
どこか普遍的なものも感じれるリアルさもありました

ここまで過剰ではなくても
本作のように“家族ごっこ”をやっている家庭もあると思いますし

理想の幸せを思い描いて
それに縛られてしまっている人も多いのかな
なんてことも考えさせられました

家族に完璧な形なんてないと思う

この映画はいろいろな刺激を与えてくれる
とても面白い映画だと思います

 


かしこい狗は、吠えずに笑う [DVD]

 

 

映画「スカイライン-逆襲-」感想 映画なんてこんなんでいいよ!

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どうもきいつです


SF映画「スカイライン—逆襲」観ました

人類とエイリアンとの戦いを描いた「スカイライン」シリーズの3作目
人類が一度駆逐したエイリアンと再び激しい戦いを繰り広げます

監督は前作と同じくリアム・オドネルが務め
前作にも出演したリンゼイ・モーガンが本作では主人公を演じます

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
15年前地球を襲ったエイリアン“ハーベスター”の目的は
人類を人類を資源として利用することだった
ハーベスターが放つ青い光により特殊なDNAを持つローズは
ハーベスターと戦い一度は撃退する
そして、5年後
反撃を開始しようとするハーベスターの計画を阻止するため
ローズは仲間たちとともに敵の拠点へ向かう

 

感想
勢い任せで既視感だらけのアホ映画
でも、こんなんでいい!!
しょうもないけど楽しめます
この映画を作ってる人たちも楽しんで作ってるんだと思う
B級映画が好きなら満足できる

 

あの「スカイライン-奪還-」の続編ということで
絶対に観なければと思い観てきました

想像通りというか期待通りというか
とにかく
“スカイライン”って映画でしたね

やってることはホントに変わらない

既視感だらけでありがちな内容

悪い言い方をすれば
パクリ

何かのパクリの寄せ集めみたいな映画です

1作目からそれは一貫してる
全然ブレない

ストーリー、設定、デザインなど
見たことあるようなものばかりで新鮮さなんて全くないです

最初から最後まで“っぽい”映画だと思う

だから、この映画をつまらないという人もたくさんいると思います
実際にアホだしくだらないしクソみたいな映画だけど
それがこの映画の良さでもあって

個人的には大満足

テンション上がるし楽しいし
所詮、映画なんてこんなもんでいいんだよ
って思わされます


基本的に本作は無茶苦茶なので
ストーリーはチープで全然面白いものでもありません

攻撃を開始しようとする敵エイリアンの星に攻め混んで
なんだかんだ戦ってると味方に裏切り者がいて
なんだかんだで全部やっつけちゃう
みたいななんか知ってるようなストーリー

仲間の裏切りなんて全然驚かねーし

そんなショボいストーリーだけど
わかりやすいし映画っぽいし
普通に面白く観れています

てか、なにも考えなくても楽しめる
ボーッと観てても理解できるので変に頭を使わなくてもいいですし

アホでも観れる映画ですよね
教養なんてなくても楽しめる最高の映画です

で、最後には
また大風呂敷を広げて終わっていくという…
アホですよね
まだ続ける気?

是非、続けてほしい

 

そして、前作同様にアクションも派手で楽しめます

エイリアンと戦うからと言って
強力な武器や兵器だけで戦うんじゃなくて
素手でぶん殴るようなアクションです

オーバーテクノロジーな敵に対して
肉弾戦でも渡り合える人間たち
この世界の人間は強すぎる
この大味なアクションがたまりません

前作と同じく
何故か人間VS人間のマーシャルアーツ的なアクションシーンもあるし

主人公のローズは
マーベルヒーロー並の超人的な戦いを繰り広げます
もうローズの強さがチート過ぎて
こいつ1人いれば余裕で勝てるじゃん
ってほど飛び抜けてる

他にも
明らかに普通の人間が普通の銃で
多勢に無勢の中で強そうな敵に善戦したり
星がぶっ壊れるほどの大爆発があったり
「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」みたいなシーンがあったりと

前作以上に派手なシーンも多くて
映像的にはかなりテンションを上げられました

強引過ぎるほどにいろいろとブチ込んだアクションシーンは最高ですよね
マジでアホみたいな映画です

 

キャラクターに関しても
やっぱり“っぽい”キャラクターが満載
仲間の設定や風貌も既視感がすごくて
もはやテンションが上がります

味方を裏切るキャラなんて最初から裏切りそうな顔してるし

前作では敵だった人間の脳を移植されたパイロットたちは
今回は仲間に加わり活躍します

このパイロットがなんかすごくいいです

見た目はグロくていかついんですが
愛嬌があって可愛い
ローズの相棒なんか
最後にはめっちゃ大好きになってます

あと、前作で体をもがれたアイツが
なぜか生きてて大活躍する大味な展開も素晴らしい


キャラクターも見たことあるようなのばかりだけど
みんないいキャラしていて魅力的
みんな生き生きしてる

 

デザインもいつも通り“っぽい”です

こんなの知ってるよ…
ってデザインばかり
新鮮さはなくなんの捻りもない

パクリと言われても文句は言えません

でも、それを含めてスカイラインの魅力になっちゃってますよね
ここまでやればこの映画の勝ち

1作目からパクリを貫く潔さに感服です

 

最後のNG集も楽しそうでいいですね

これがあるせいでチープ感に拍車がかかって
よりくだらなさが増してますけど
それがいいです

 

結局、この映画がなんでこんなに魅力的なのかって言うと
作ってる人たちが楽しんでるからだと思うんです

こんなくだらないパクリ映画だけど
これを作ってるみんなは映画が大好きだろうし
しょうもないことを本気でやってる

だから、この映画は最高だし
とても好きになれる

くだらないことに本気を出す人たちって
本当に魅力的だと思います

B級映画の良さってそこだと思う
この映画であらためてそう思わされました

 

こんな映画はわざわざ映画館で観る必要はないかも
つまらないと思う人はつまらないと思う映画だし名作映画って訳でもない

ただ、そんな映画を高い金を払って映画館で観るという
大人の嗜み

 


スカイライン-奪還- [Blu-ray]

 

 

映画「スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021」感想 少し地味だけどそれぞれが楽しく観れる

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どうもきいつです


特撮映画「スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021」観ました

「魔進戦隊キラメイジャーTHE MOVIE ビー・バップ・ドリーム」
「騎士竜戦隊リュウソウジャー特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ」
「機界戦隊ゼンカイジャーTHE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!」
の3本立て
それぞれのスーパー戦隊の激しい戦いが繰り広げられます

 

あらすじ
夢を操る魔女ミンジョと夢の世界で戦うキラメイジャー
ナダと過ごした知られざる日々が描かれるリュウソウジャー
突如現れたスーパー戦隊歴代怪人に
スーパー戦隊の歴代レッドたちとともに挑むゼンカイジャー
それぞれの激しいバトルが繰り広げられる

 

感想
コロナの影響でいつもとは違う形態の劇場版になってはいますが
それぞれが楽しめる作品になっています
若干地味であっさりした内容だけど
それぞれのスーパー戦隊が好きなら楽しめるし
新作ゼンカイジャーには期待を抱かされる


最近のスーパー戦隊劇場版は毎回映画館に観に行ってますし
本作も映画館まで観に行ってきました

2020~2021年に放送された「魔進戦隊キラメイジャー」はとても好きで毎週観てますし
2019~2020年の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」もそれなりに好きな作品
それぞれがどんな内容なのか楽しみでした


ただ、今回の劇場版はいつもと違い
単体の作品が3本立てという形式です

いつもなら
その年の戦隊と昨年の戦隊が一堂に会し
◯◯レンジャーVS◯◯レンジャーって形なんですけど

昨年からのコロナの影響もあり
いつもとは違う形での公開となってしまいました

正直、やっぱりキラメイジャーとリュウソウジャーの共演を見たかったというのは本音で
残念な気持ちもかなりある

それぞれが単体の作品というのもあり
いつもより地味な劇場版になってるのは否めないです

とは言え
キラメイジャー、リュウソウジャーが好きだった人は
楽しく観ることができる作品だと思いますし
これから放送されるゼンカイジャーも楽しみになるような作品です


ここからは
それぞれの作品1つづつの感想を言っていきます

 


「魔進戦隊キラメイジャーTHE MOVIE ビー・バップ・ドリーム」


これはは本作のメインです

本来なら仮面ライダーの夏映画と同時上映されるはずだったものだと思いますが

コロナの影響で仮面ライダーは単体で上映され
本作はこの時期まで延期されてしまった
って感じですかね

なので
いつもの冬のスーパー戦隊劇場版に比べると
かなり軽い内容になってます
テレビのスペシャル版みたいな感じ

その上、公開されてる時期は
キラメイジャーの終盤から最終回を迎える時期
この映画の内容には若干のズレを感じてしまいます

もっと強い武器やロボットあるだろとか
あのキャラは登場しないの?とか

まあ、でもそれは仕方ないですよね
撮影されたのもずいぶん前だと思いますし

ただ、内容は結構面白くて
とても楽しい作品になっていました

ストーリーは
夢の中に閉じ込められてそこから脱出を図る
ってよくある内容で
かなりシンプル
わかりやすくて気軽に観れます

それに夢の世界が舞台ということで
ちょっとカオスでそこが面白かったりもする
ギャグ多めのコメディーな作風です

夢の世界だからこその
変な衣装やコスプレがあったのもいいですね

特にキラメイグリーンこと瀬奈お嬢様は
浴衣ありウエディングドレスありと
かなり優遇されてて最高でした


それぞれのキャラも面白く描かれていて

キラメイブルーこと時雨はいつも通りギャグ要因で面白いですし
オラディン王のご乱心もめっちゃ面白かった

キラメイレッドの充瑠は
いつものふんわり感を保ちつつ
リーダーとしてもちゃんと活躍してるのがよかったです

夢というカオスな世界観を使ってキャラをしっかり生かせていて
とても魅力的な作品になってると思います

そして、アクションシーンも多めで
それぞれの見せ場もちゃんとあって
そこも満足できる内容です

バトルの中でもそれぞれの個性をちゃんと見せてくれました


あと、ゲスト出演の壇蜜は
演技が下手すぎて逆にそんなキャラっぽくなってて面白い

すごく棒読みで
怒ってるはずなのにセリフに感情がこもってなかったり
めっちゃ変ですけどこれはこれでありかな
と思えました


全体的にとてもライトでユルい内容でしたけど
なんかキラメイジャーらしくて
とても楽しんで観ることができました

 


「騎士竜戦隊リュウソウジャー特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ」


これは本当におまけって感じですね
上映時間もかなり短い

なので内容は薄いし物足りなさは感じると思います

でも、そんな短い作品を
サブキャラクターのナダをメインにしたのは面白いです

テレビ本編ではサブながら重要な役割を担っていたナダで
そのナダが中心の物語にはグッとくるものがある

とは言え
そんなに深いものがこの映画で描かれるわけではなく
かなりあっさりとしたストーリー
細かい描写なんかもありません

ただ、リュウソウジャーが好きならば
これだけでもちょっと感動するかもしれない


かなり短い作品なので
アクションシーンも少なくて変身するのもリュウソウレッドだけ
そこはちょっと寂しかったですかね…

撮影期間は短かっただろうし
これは仕方ないのかなとは思います

その中でも
変身無しでのアクションは見せてくれたし
そこは良かったです


おまけみたいな作品ではありましたが
久しぶりにリュウソウジャーが全員揃うのを見れて
それだけでも満足できました

 


「機界戦隊ゼンカイジャーTHE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!」


まだ放送されてないゼンカイジャーの劇場版ですが
この作品はゼンカイジャーのPVとスーパー戦隊祭りをプラスしたって感じです

ストーリーなんてほぼなくて
急に現れた敵と急に現れたゼンカイジャーが戦うってだけの内容

その中で
細かい説明はないものの
ゼンカイジャーってこんな感じだよ
ってのを見せてくれます

ゼンカイジャーのそれぞれのキャラクターは少し見えてくる

そして、後半は歴代レッドが大集合で敵をぶっ倒す
それで終わりです


歴代レッドが集結するのは
そのシーンを見るだけでシンプルにテンションが上がって興奮するし
概ね満足かなって感じですかね

それと、歴代の敵キャラがゲスト出演するのも良かった

初代レッドであるゴレンジャーのアカレンジャー役の誠直也が出演してるのも
スペシャル感があって最高だと思います


ゼンカイジャーに興味が引かれましたし
今後のテレビ放送にも期待させられました

 


3作品ともそれぞれ良いところがあって
楽しめる作品だったと思います

キラメイジャーとリュウソウジャーが好きなら
満足できる内容ですし
今後のゼンカイジャーには興味を引かれる

キラメイジャーVSリュウソウジャーはVシネマで制作されてるようですし
そちらにも期待です

 


スーパー戦隊シリーズ 魔進戦隊キラメイジャー Blu-ray COLLECTION 1

 

 

映画「魔女の宅急便」(2014年)感想 世界観がブレすぎてる

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どうもきいつです


ファンタジー映画「魔女の宅急便」観ました

宮崎駿によってアニメ映画かもされた
角野栄子による児童文学「魔女の宅急便」を実写映画化した作品
一人前の魔女になるため
知らない町で生活することとなった少女キキの姿を描いた
2014年のファンタジー作品です

監督は「呪怨」シリーズなどを手掛ける清水崇
主人公のキキを演じるのはオーディションで選ばれた小芝風花です

 

あらすじ
魔女の血を引く少女キキは13歳になり
魔女になるため修行の旅に出る
そしてキキは黒猫ジジとともに見知らぬ町で1年間生活することになる
その町でパン屋のおソノの家で居候し宅急便屋を開業するキキは
空を飛ぶことを夢見る少年とんぼと出会う

 

感想
世界観がブレブレ
現代なのか昔なのか
ファンタジーなのか日本なのか
なんかよくわからない世界
それに、終始暗い雰囲気で観ていて楽しくない
CGのショボさはなかなかひどい
小芝風花は可愛かったかな

 

小芝風花が好きなんですが
本作はまだ観たことなくて観てみました


まず、勘違いしてる人がたまにいるんですが
本作はあの有名なスタジオジブリのアニメ映画「魔女の宅急便」の実写リメイクではありません

原作の児童文学「魔女の宅急便」の実写映画化作品です

なのでジブリのと全然違うのは当たり前で
ジブリと全然違うだろ!って批判はナンセンスだと思う

とは言え、比べてしまうのは仕方ありませんが…


で、ジブリと比べてどうとかは無しにして
この映画を一つの作品として純粋に観たところ
正直、ちょっと微妙だなって映画

なかなかクオリティは低いと思う

いろいろとツッコミどころがありますが

一番気になるのは
世界観があまりにもブレているところ

なんかすごく中途半端で
この映画の舞台は一体どこなのか?
そこがよくわからないです

空想の世界なのか現実的な世界なのか
現代の話なのか昔の話なのか
本作の映像を見るだけでは掴み所がない

キキの故郷はCGを使ってたりもするので
とてもファンタジーな雰囲気が漂っています

登場人物の名前も
どこの国というわけでもなく
どこか空想的な名前が多いですし

この映画の世界は空想なのは間違いないんです
完全にファンタジーな世界ではあるんですが

単純に詰めが甘いんですよね…

ファンタジーっぽく見せるために工夫してるのは十分伝わってきます
ただ、所々に現実の世界が見えてしまう詰めの甘さが目立ってる

キキが住むことになる島も
遠目に見える島の全貌はたぶんCGも使ってるでしょうし
栄えた島の街って感じに見えるんですよ

でも、ちょっと近づくだけで
普通の日本の小さい島の村って感じになります
港町なんて普通に田舎の漁村ですから

CGを使ってない実写のみの町並みは
いろいろと工夫してそれっぽくしようとはしてるけど
やっぱり現代の日本がにじみ出てしまってる

町に住む人たちや町の装飾なんかは
ちょっとレトロでオシャレな雰囲気のものが多くて
オシャレな昭和みたいな雰囲気を出そうとしていて
それ自体はとてもいいと思うんですけど

結局、徹底していないから
時代が現代なのか昔なのかよくわからない変な感じになってしまってます

動物園なんかは完全に現代の動物園にしか見えないし
学校なんて室外機は見えてるわ横の道にはガードレールが見えてるわで
世界観を崩しまくってるんですよね…


部屋の中などのセットで作ってるようなものは
それなりにファンタジーで悪くないんですが
外の風景になると
途端に現実的なものがたくさん見えてきて
それがホントにノイズで邪魔になる

それと、町を都会っぽくしようとしてるわりには
自然の景色があまりにも大自然すぎて
それも悪いギャップになっていたと思います

いろいろとブレすぎているので
この島が一体どんな島なのか全貌が全然見えてこない

ファンタジーをやるなら
とことん徹底したファンタジーな世界観を見せてほしかった

 

そして、ストーリーなんですが
これもちょっと微妙…

この作品って子ども向けに作られてるだろうと思いますが
なんか見ていて楽しくないストーリーです

基本的にネガティブで暗い雰囲気が最後まで続く上に
主人公キキの扱いが酷い

単純に最後までキキが可哀想だなって
暗い気持ちにさせられるストーリーなんですよね

キキの成長物語として
彼女に様々な試練を与えてるのはわかります

それを乗り越えることで
キキの成長を描こうとしている作品で
なんか最後は成長した感じにはなってます

でも、この映画の中でキキが直面する苦難って
ほとんどいじめみたいなもので
よくわからない魔女という存在だから
町の人間たちに迫害されてる感じ

そこを和解してお互いに認め合う話なのかと思いきや
結果的にキキが役に立つから島の人間たちが認めてくれる
という、すごく嫌な話なんですよ…

この映画が
こんな嫌な見えかたをしてしまうのは
キキが直面する問題が全く解決しないまま
解決した風で終わってしまうからだと思うんです

例えば
歌手の女性の家にパンを届けるエピソードだって
ただ邪険に扱われて
そこから先は全く話が進まない

呪いの手紙を届けさせられるエピソードも
モヤモヤしたものが残るだけで
解決しないまま終わってしまう

細かいエピソードが何も解決しないまま
最後のカバを届けるエピソードで
何故かそれまで険悪だった人たちが
途端に心を入れ換えてキキを応援し出すんですよ

風呂敷を広げたわりに
何も回収しないまま終盤まで進んで
最後に無理やりいい話に持っていこうとするのがちょっと気持ち悪い


結局、根本の部分でキキと町の人たちの繋がりが描かれてないから
キキが町のために頑張ってるのなら認めてやるよ
みたいな見えかたにしか見えない

この映画って
ホントにただいじめを見せられているようで
全然明るい気持ちで観ることができない

動物園の人とかまじで怖いですから

ひたすらキキが可哀想なだけのストーリーでした

あと、メインキャラであるとんぼがかなり空気な存在になってましたね
とんぼは何のためにいたんだろう…
って感じです

 

あと、CGはマジでショボいですね…
結構前の映画ではあるけど
言っても2014年

さすがにこのクオリティは…

猫のジジとか明らかに映像の中で浮いていて
すごく気持ち悪かったし
カバの子どももなかなかな酷さ

せめて猫は本物使うとかアニマトロニクスを使って
それにちょっとCGをプラスする
ってやり方のほうがいいような気がしますけど

空を飛んでるときの合成感も半端ないですね
「ネバー・エンディング・ストーリー」レベルの合成っぽさかもしれない…

まだ風景などの止まってるもののCGは さほど気になりませんでしたけども

CGのレベルは低すぎるかな
って印象です

 

いいところがあるとすれば
小芝風花は魅力的だったと思います

この時はまだ15歳くらいだと思いますけど
そんなに演技が下手にも思わなかったし
愛嬌があって可愛らしい
キキの役にハマってたんじゃないかと思います

あと、とんぼ役もハマってた気がする
せっかくハマってたのに
とんぼの存在感が薄いのがもったいないですよね

 

子ども向けのファンタジーだろうけど
子ども向けにしては暗すぎて楽しくないし
かなり微妙でした

世界観やCGもショボいし
見どころは小芝風花だけかも

 


魔女の宅急便 [Blu-ray]