何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「レミニセンス」感想 女々しい男の哀愁

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どうもきいつです


SF映画「レミニセンス」観ました

海に水没寸前の近未来の世界を舞台に
記憶に潜入するエージェントの活躍を描いたSFサスペンス
主人公がとある事件の真相を握る女性の行方を追っていきます

「ダークナイト」などの脚本を担当してきたジョナサン・ノーランが製作を手掛け
監督を務めるのはリサ・ジョイ
主演は「グレイテスト・ショーマン」などのヒュー・ジャックマンです

 

あらすじ
多くの都市が水没し水に覆われてしまった世界
ニックは記憶を呼び起こす装置を使い
顧客に思い出の追体験を提供していた
ある日、彼の前にメイという謎の女性が現れ
やがてニックとメイの関係は恋愛へと発展する
しかし、突然メイが姿を消し
ニックは彼女との思い出に入り浸ってしまう
そんな時に検察から記憶潜入の依頼が舞い込むのだった

 

感想
思った以上に地味な映画
予告と本編のギャップは大きい
この映画はSF大作というより湿っぽい恋愛映画
そこにハマれば好きになれるかも

 

前から気になっていたので
観に行ってきました


この映画
予告とのギャップをすごく感じました

予告では「インセプション」みたいな壮大なSF大作
って感じの雰囲気を醸し出してるけど

実際に本編を観ると
なかなか地味だし
恋愛メインのストーリーだし
思ってるのとちょっと違った

予告では記憶の中に潜入するとか言ってるけど
本当は記憶に潜入ではなくて
記憶を見ると言うほうが正しいかも

そんな予告とのギャップを受け入れられない人もいるだろうし

実際に観ると
求めていたものが見れなかった
という人は多かったと思います

そういうのもあって
本作の評判はちょっと悪いのかな…

客引きのためとは言え
宣伝のやり方が悪いですね
これは予告詐欺と言われても文句は言えない…

 

ただ、個人的には面白い映画だと思いました

予告のような派手なSF大作ではなかったけど
主人公や世界観がとても魅力的で
僕のツボにハマる作品でもあった


まず、サスペンスの部分ですが
これはちょっと微妙なのは否めない

少しずつ謎を解き明かしていくタイプの映画だけど
前フリが悪いのか
真相が明かされた時のカタルシスがあまりない

最終的にニックとメイの恋愛は本物だった
というところにカタルシスを生み出そうとしてるのはわかるけど
そこにそこに至るまでに
メイがニックを騙していた悪い女
という風に見えていないのが問題ですよね

メイにも事情があってそんな行動を起こしているのは見え透いています

利用されているのか苦肉の策なのかは明白ではないけど
なんとなくメイは悪い人ではないのは
途中から見えてしまってます

殺人の真相にしたって
でしょうね…という結末で驚きはない


とは言え
様々な人の記憶を見ることで真相に迫っていく
という過程はなかなか面白くて
設定も上手く生かせていました

なので退屈な映画なわけではなかったです

意外なところからヒントが現れたり
いろんな人の記憶が繋がって真相が見えてきたり
そういうところは本当に面白くて
どんどんとストーリーに引き込まれたのは間違いない

終盤のメイがニックに残したメッセージも
記憶の装置を上手く使った感動的な演出になっていました

正直言えば
粗を探せばツッコミどころは多いし
世界観にしたって
そんな舞台設定必要なのかな?
と首を傾げてしまうけど

設定は上手く使いこなせていたんじゃないかと思います

 

サスペンスとしては少し弱い映画だとは思うけど
主人公のニックと
彼が歩んでいくストーリーはとても魅力的で
そこにこの映画の良さを感じます

本作は愛する女性を追い続けるニックを中心としたラブストーリー
しかも、からっとした幸せなラブストーリーではなくて
湿っぽくてジメジメとした暗いラブストーリーです

結末なんかも
本当にこれ幸せなのか?
と思ってしまうなんとも言えないラスト

その点でも好き嫌いが分かれそうなのが映画ですね


ニックの性格に関してもとにかく湿っぽくて
あまりにも女々しく未練タラタラな男です

あの強い男ヒュー・ジャックマンがめちゃくちゃ弱々しく見えてしまう
体はムキムキなのに全然強さを感じません


自分の前から姿を消した女性をひたすら追い求める
というストーリーで
その時点で女々しい物語ですが

ニックの頭の中が彼女のことばかりで
言動がかなり身勝手
周りの制止も押しきって
やたらと突っ走っていきます

その上、身勝手に突き進む行動力があるわりに
強い意志で彼女を信じているってこともなく
どこか彼女を信じ切れてなかったり
メイに対する気持ちが疑心暗鬼でフワフワとしてるんですよね

それにやることなすこと全然上手くいかず
基本やられっぱなしの男
自分勝手に進んでいくけど周りの優しさに助けられらことが多い
特に相棒には心配かけっぱなしだし

でも、そんな相棒の優しさも無下にして
さらに身勝手に突き進んでいく

身勝手だし弱々しいし頼りないし
最低な男ではあるけれど
一人の女性に固執する女々しさに哀愁すら感じれて
なんかこの男を嫌いにはなれない
むしろ、この愚かな男が好きなんですよね


このニックのキャラクターやストーリーと
記憶を追体験するという設定もリンクしていて
よりニックの後ろ向きで女々しい姿が強調されます

この装置自体が過去を追体験して幸せに浸るという後ろ向きな装置だし

ニック自身も何度も彼女との思い出を追体験して
最終的には記憶の世界に閉じ籠ってしまうわけですから
めちゃくちゃ過去に執着してる

でも、それが究極の愛にも思えて
その行為に納得させられてしまいます

すごく愚かな男だし愚かな選択をしてるようにも思うけど
恋愛なんて所詮愚かなもので
突き詰めれば突き詰めるほど愚かなんですよ

それ故にニックの愛には真実があって
もはや格好いいんです

 

そして、本作の世界観もすごく良く
この映画がより魅力的になっていると思う

映像的にも
水の中から伸びるビル群や水浸しの街並みが
美しくあり見映えも良い
映像のクオリティもかなり高いです

それだけでも満足ですけど
物語ともリンクしていて
この映画の魅力をより引き立てています

正直、サスペンスとしては
この世界観があまり機能していないし
必要性もあまり感じれないけど

女々しい主人公とストーリーには完璧にマッチしてるんですよね

ジメジメとした水浸しの街並みが
後ろ向きで未練たらしい物語にはピッタリで
この映画の哀愁を際立たせています

たまに見せる美しい風景と
陰湿で暗い雰囲気の風景が
恋愛の美しさと愚かさの両面を象徴してるようにも感じれる

映像の相乗効果で作品の質も上がっていると思います

 

まあ、予告とのギャップはマイナスすぎる

この映画はSFサスペンス大作ではありませんでした
でも、恋愛映画として観れば
哀愁漂うなかなか面白い映画です

女々しい主人公は魅力的で
僕はこの映画が結構好きです

 


インセプション [Blu-ray]

 

 

映画「レイク・マンゴー ~アリス・パーマの最期の3日間~」感想 じわじわと恐ろしい

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どうもきいつです


ホラー映画「レイク・マンゴー ~アリス・パーマの最期の3日間」観ました

とある少女の死の真相に迫る様子を描いた
2008年オーストラリアのフェイクドキュメンタリー映画
インタビューを主軸にアリス・パーマの死に隠された真実が明かされていきます

監督を務めるのはジョエル・アンダーソンです

 

あらすじ
16歳の女子高生アリス・パーマが行方不明になり溺死体で発見される
家族や友人たちはその死を悼むが
それから不可解な現象が起き始める
彼女が亡くなってから撮影されたビデオや写真に彼女の姿が写っているのだった
その真相に迫っていくと彼女の生前の素性が明らかになっていく

 

感想
激しい恐怖演出は全く無くかなり地味な映画
ただ、じわじわと恐怖を感じさせられる
筋のない支離滅裂な物語の上に
オチも無いけど
だからこそ現実的に感じれたのかも
静かな恐怖を味わえます

 

すごく怖い映画
という噂を聞いたので観てみました

これはちょっと賛否が分かれそうな映画ですね

わかりやすく怖いホラーや
全ての真相が明かされるミステリー
みたいなのを期待すると肩透かしをくらうと思う

エンタメ的な面白さは皆無で
かなり地味な印象の強い作品です

僕もはじめは少し掴み所のない作風に戸惑って
どんな心持ちで観ればいいのかな…って感じでしたけど

なんとなく作品の意図が掴めてくると
なかなか怖さも感じれましたし
とても興味を惹かれる内容に引き込まれた

結構、この映画は好きかもしれません

 

基本的にこの映画の作りは
死んだアリス・パーマの家族の姿を追ったドキュメンタリー
って体のフェイクドキュメンタリー

その中で怪奇現象が発生したり
アリスの秘密が明かされたり
アリスの死の真相に迫ったり
そんなものが描かれていきます

そして、怖い描写なんかもあるわけですが
驚かすとかグロいとか
そんなわかりやすい描写は全く無くて

本作でのホラー描写は
なんか不気味でなんか気持ち悪い
という雰囲気だけの怖さなんですよね

特にアリスが写り込んでいる映像や写真がめちゃくちゃ怖くて
精神的にじわじわと恐怖に呑まれていく感覚

アリスが怖い顔で写ってるとか
急に出て来て驚かすとか
これぞホラーな見せ方はせずに

はじめからそこに写っている違和感や
映像の荒らさで明確には見えない不気味さ
そんな絶妙な気持ち悪さをとても上手く表現しています

この映像や写真を見ると
なんかゾワッとするんですよ
ずっと見てたくないな…みたいな

 

そして、本作の面白いところは
真相に迫れば迫るほど
より真実が遠ざかっていくというところ

見ようによってはオチのない映画とも言えますが
本作の場合は
真実が見えてこないからこそ
そこに得たいの知れない恐怖を感じれます

とにかく、この映画は何も明かされないので
すっきりしたい人はやはりハマれないかなとは思う
でも、この映画の不気味な余韻に浸れるのなら
本作を好きになれるはず

 


で、特に賛否が分かれそうなのが
この映画の支離滅裂なところ

心霊だと思ったら実は心霊ではなくて
アリスの秘密が見えてくるミステリーになっていく
しかし、その謎も結局は謎のままで
さらにオカルトな方向へ話は進む
最終的にはやっぱり心霊

いろんな要素がいろんな方向から伏線もなしに急に飛び出してくるので
そこを受け入れられない人も多そうです

ただ、この支離滅裂なストーリーや伏線のなさは
意図してのことだろうと思う

本作の狙いはおそらく
リアルなフェイクドキュメンタリーとそこにある恐怖

現実の世界って
伏線なんかなく唐突に何かが起きるし
1つの答えに向かう一本のストーリーなんてものもないですよね

この映画はそれをフェイクドキュメンタリーを使って表現してると思うんです

はじめはアリスの幽霊が現れるところから物語は始まるけど
その真相に迫っていくと別の何かが露になる
意外な角度から意外な真実が見えてくる
でも、結局全てが明らかになるわけもなくて
真実は全く見えてこない

それってすごく現実的で
この映画が現実世界と地続きに存在する本当のドキュメンタリーのようにも思えてきます

これ本当のことなんじゃないか?
と思えてしまうことで
より恐怖も倍増すると言うか

この事件そのものが不気味で
ゾワッとした気持ちにさせられるんですよ


登場人物のリアルさも素晴らしくて
この家族や周囲の人々が本当にいそうで現実味があります

演技に関してもすごくナチュラルで
本当にインタビューを受けてるように見える

演技をしてるようには全然見えないんですよね

そんなキャストたちの能力も相まって
この映画がより本物のドキュメンタリーのように思えるんです


それと、映像の見せ方も良かったですね

ドキュメンタリー番組風に作られているので
そんな番組を見ているような感覚に陥る

だだ現実的な映像を繋げてるだけじゃなくて
ドキュメンタリー番組的な演出をしてるんですよ

インタビューに合わせて部屋の映像を差し込んだり
ドキュメンタリー番組特有の演出過多な感じが
この映画に関してはより現実的に見える効果を生んでる

現実で起きた事件を扱ったドキュメンタリー番組をテレビで見てるような気持ちになって
この作品の本物っぽさに怖さを感じる


いろんなホラー映画を観てきましたけど
本作のような怖さはあまり感じたことがないかもしれません

偽物とわかっていても本物のように感じて恐怖する
なかなか興味深い映画でした

 

正直言って
映画として面白いのかと言うと
ちょっと首を傾げてしまいますけど

フェイクドキュメンタリーとしてはかなりクオリティの高い作品じゃないでしょうか

激しめの過剰なホラーに飽きた人は
この映画を観てみるといいかもしれません

 

 

映画「好きにならずにいられない」感想 切ないような… でも、優しい映画

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どうもきいつです


ドラマ映画「好きにならずにいられない」観ました

43歳独身で女性経験なしの内気な大男の恋の行方を描いた
2015年アイスランドの映画
自分の世界に引きこもり生活する主人公が
心に傷を負った女性に出会うことで
新たな人生に踏み出します

監督を務めるのはダーグル・カウリ
主演はグンナル・ヨンソンです

 

あらすじ
空港の荷物係として働くフーシは
人付き合いが苦手で女性経験もなく
43歳にしていまだに独身だった
彼の楽しみは戦車や兵士のフィギュアを集めてジオラマを作ること
そんな息子を見かねた母親とその恋人は
フーシにダンススクールに行くことを進め
嫌々出向くことになった彼だが
そこで偶然出会ったシヴェンに恋心を抱くのだった

 

感想
フーシの姿に心が洗われ癒される
可哀想な人にも見えるけど
彼ほど心優しく大きな器の人間はいない
最後にはフーシが殻を破って一歩踏み出したように思えて希望を感じれました

 

前から気になっていたので
アマプラで配信されているのを観てみました

 

なかなか独特な雰囲気の映画で
この映画が面白いのかと聞かれると
なんとも言えないな
というのが正直な気持ち

誰かにおすすめできるような映画でもないかなと思います
人によったら本作を不快に思う可能性もある


でも、僕はこの映画がかなり好きです
この映画を観ることで心を癒されたし
人生についていろいろと考えさせられました


本作は恋愛映画という位置付けですが
実際は恋愛よりも
1人の男の新たな人生が始まるまでを描いた作品です
そのきっかけが恋愛だったというだけ

フーシという男の哀愁と優しさが溢れる映画で
それが心に沁みます


フーシは同じ日々を繰り返し
そこにあるのは仕事と自分の趣味
外に出掛けたり新しいことに挑戦したりはせず
自分の殻に閉じこもっています

でも、心優しく大きな器を持った人でもあって
全然悪い人間ではない
むしろ、できた人間なんですよね
くすぶってるけど実はそこそこ能力の高い人でもある

その能力を発揮できないのは
やはり外に一歩踏み出さないというところにあります

そんな閉じた性格があるから
近所や職場など周りの人からは変人扱いもされている
職場では軽くいじめにあってたりもする

この映画では
そんなフーシが少しのきっかけで
少し人生に変化が起きる様子が描かれていきます

とは言え
その変化は決してプラスというわけではなく
かなり踏んだり蹴ったりで先行きが不安になる内容で

良い流れになってきたと思えば
やっぱり悪い方向に進んでいくことが多い

ラストもあまり良い結末とは言えず
少しモヤモヤが残ります
この映画を胸くそ悪いと思う人はいるはず

特にフーシとシヴェンの恋愛に関しては
フーシがあまりに可哀想ですし…


淡々と地味に進むストーリーと
悲しさや寂しさを感じさせる映像が相まって
とてもネガティブな印象を受ける映画です

フーシの境遇は辛いものが多く
最後まで上手くいかず
結果的にバッドエンドに思えてしまう


この映画の出来事だけを見ていけば
とにかくフーシが周りの人間に振り回され
彼のついてない人生の描写には冷たさを感じてしまいますが

フーシの心や成長に焦点を当ててこの映画を観ると
とても暖かさを感じるし
結末もハッピーエンドに思えます

僕がこの映画が好きな理由は
そこなんですよね

こんなマイナスな境遇だからこそ
フーシの人間としての素晴らしさが輝いてくるんです

辛い出来事に見舞われても
彼の優しさは全くブレずに広い心を保ち続ける
周りの人に振り回され理不尽な扱いを受けても
彼は大きな器で全てを受け止めます

誰かが悪いなんて一言も言わないで
気にしていないの一言ですます人なんですよね

そんなフーシの姿には暖かさを感じれます
こんな状況だからこそ
より暖かさが際立つ


シヴェンとの関係性なんて

どう考えてもこんな女やめとけよ
と思うほど気まぐれな女だけど
フーシは広い心で受け止めている

終始シヴェンに振り回されっぱなしで
普通ならぶちギレて見限ってもおかしくない
しかし、フーシは一番に彼女のことを考えて行動するんですよ

途中から上手くいって2人で暮らすところまでいきます
でも、最終的にはやはり彼女の気まぐれで関係性は終わってしまう

そんな状況になっても
フーシは彼女のために行動を起こす

こんなの聖人ですよ
だからこそシヴェンに胸くそ悪さを感じてしまったり…


ただ、この経験は
最低な恋愛かもしれないけど
フーシにとってはかけがえのないもので
これがあるからフーシに人生に変化が訪れたとも言える

今まで殻に閉じこもり全く変化を望まなかったけど
シヴェンとの出会いと恋により
フーシは少しずつ成長していきます

シヴェンとの恋愛は決して幸せとは言えないし
ハッピーエンドとも言えないけど
この経験があったからこそ
フーシは最後に外へ一歩踏み出せる人間になれたわけなんです

そんなフーシの姿を見ると
自分自身も少し勇気づけれました

 


そして、本作が優れているのは
説明が極端に少ないのに
とても深さのある映画になっています

登場人物のバックボーンが説明されないどころか
登場人物の気持ちすらわかりづらい
セリフもかなり少ないです

でも、役者の表情や映像の空気感などで
なんとなく理解できる
詳しくわかるわけではないけど
察することができるんですよね

それが成立しているのは
やはり役者の能力の高さや映像へのこだわりが強いからだと思う

とても自然な映画だけど
細かな一つ一つに意味を感じれるんです

説明がめちゃくちゃ少ないのに
意味のわからない映画になってないのは
考えて作られているということですよね

 

ちょっと地味な映画ではありますが
僕はとても好きな映画でした
フーシの姿には心打たれます

優しさと希望を与えてくれる映画だったと思います

 


好きにならずにいられない [DVD]

 

 

映画「エクストリーム・ジョブ」感想 小気味良い笑いの応酬が楽しい

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どうもきいつです


コメディー映画「エクストリーム・ジョブ」観ました

麻薬捜査班の奮闘を描いたアクションコメディー
2019年の韓国映画
捜査官たちが捜査のためにフライドチキン店を装い開店すると
まさか大繁盛してしまいます

監督は「二十歳」のイ・ビョンホンが務めています

 

あらすじ
コ班長が束ねる麻薬捜査チームは全く実績を残せずにいた
解散の危機にあったチームだが
国際犯罪組織による国内麻薬密搬入の情報を入手し
起死回生を狙い潜入捜査に打って出る
チームの5人は組織のアジトの前にあるフライドチキン店を買い取り
営業しながら監視を行うが
店が大人気となり客が殺到してしまうのだった

 

感想
全体的にバカバカしくてリアリティのない映画だけど
テンポの良いギャグ描写にはつい笑ってしまう
終盤のカタルシスも気持ちがいい
もう少しアクションには力を入れてほしかったかも


Netflixで配信されていたので観てみました
良い評判をよく聞くし
前から気になっていた作品です

 

韓国映画ってシリアスなイメージがあるので
本作もシリアスな映画のイメージでしたけど
想像以上にコメディーでした

終始バカバカしい内容で
最後までかなりライトな作風

韓国映画らしい重さも無くて
かなりエンタメに振り切った映画でしたね


細かいギャグ描写が多いだけでなく
ストーリー全体もギャグみたいなもので
リアリティが無く突拍子もないストーリー

潜入捜査のために店を買い取るってのはおかしな話だし
その上、その店が大人気になり大繁盛してしまうのもブッ飛んでます

現実味のない話だけどコメディーだから許される感じですかね

基本的に登場人物もみんなふざけていて
こんな映画は真面目に観たら負けです
アホな奴らがアホなことをしてるアホな映画
くらいに観るのがちょうどいい

冒頭からふざけきってるので
そんな映画なんだなと
早く理解はできると思います

 

本作はあり得ない話である上に
かなりご都合主義な展開も多い
ほとんど運だけで物事が運ばれていきます

そもそも、お店を買い取る経緯にしたって
たまたま麻薬組織のアジト前にある店が
たまたま閉店する直前だったってだけ

店が繁盛するのも理由なくたまたまだし
麻薬組織がお店にコンタクトを取ってくるのもたまたま

全部がたまたまで成り立ってるストーリーなわけです

普通ならこんなご都合主義どうなんだ
と思ってしまう映画だけど

この映画が面白いのは
せっかく運良く事が運んでいるのに
主人公たちがあまりに無能すぎて
全部ぶち壊してしまうところなんですよね

店が繁盛し出すと
捜査はそっちのけで店に力いれ出すし
そのせいでチャンスを逃したり

店のチェーン展開をあっさり受け入れ
知らずに麻薬流通に加担
それに気付いて反撃開始と思いきや
その頃には仲間が1人誘拐されてしまう始末

客を減らそうと値段を法外にしたりするけど
裏目に出て何故か客足が減らないのも面白い

主人公たち捜査チームがとにかく無能で
そこが笑えもするし
めちゃくちゃご都合主義なストーリーだけど
主人公たちがそれをぶち壊してくれるので
プラマイゼロなんですよ

そこのバランスが良くて
さらに笑いが生まれているので
むしろプラスになっている


細かいギャグ描写に関しては
正直、つまらないことも結構やってたりするんですけど

手数が多いぶん
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで
そこそこ笑いもヒットしてる

テンポ良く次々とギャグを連発していくので
多少スベっても流れてしまいます
なので、面白くなくてもあまり気にならなかったりもします


コメディーではキャラクターの個性も大事ですが
本作は登場人物がみんな個性的でそれぞれ印象に残りました

主人公はもちろん仲間たちはみんな変な奴ら
敵も変な奴だし
基本、この映画に出てくる人は変な奴です

変な奴らが変なことをしてるから面白い
それだけです


で、変な主人公たちが
ことごとく無能を晒すことで
終盤のカタルシスに繋がってきます
この持って行きかたは上手いですよね

無能のダメダメチームが実は最強のチームだった
ってのはベタだけどやっぱり気持ちがいい

それがあるので
終盤はすごく盛り上がります

くだらないギャグだけで終わっていないのは
韓国映画のクオリティの高さかもしれません

 

面白いコメディー映画ではあったけど
ちょっと物足りないのはアクションですね

アクションも多い映画ではあるんですけど
アクションがいまいちかなと思う

基本的に少し地味ですし
特別カッコいいアクションもあまりない
強そうなキャラもいるけど
あまり強さが伝わってこないですしね

もっと派手で迫力のあるシーンや
キレキレバトルは見たかったです

そうすればコメディーとアクションのギャップでメリハリも生まれたと思います

 

あと、やっぱりストーリーが支離滅裂すぎるのは否めなくて
コメディーと言えど
もう少し真面目にまとめてほしかったですかね

敵との駆け引きなんかもさほど無く
ストーリーに知的さが皆無なのはさすがに気になる

フライドチキン店の人気が出るのも
笑いとしては活用されているけど
ストーリー上ではあまり意味を成してきません

ラストスパートの展開も強引で雑だと思いますし
もっと上手く持っていってほしかったですかね

コメディーとアクションがメインだし
ストーリーに深さなんて求めてないけど
さすがに薄っぺら過ぎるかな
とは思いました

 

重苦しいイメージの韓国映画とは真逆ですが
これはこれでライトに楽しめるエンタメで面白く観れました

絶賛するほどではないけれど
暇なときに軽い気持ちで観るならちょうどいい

韓国映画はこんなタイプの作品も
そこそこクオリティ高く作れるんだなと思わされました

 


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映画「白ゆき姫殺人事件」感想 曖昧な情報に踊らされる人々の滑稽さ

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どうもきいつです


サスペンス映画「白ゆき姫殺人事件」観ました

「告白」などの湊かなえによる同名小説を映画化した作品
美人OLが殺害された事件をきっかけに
人々の悪意が浮き彫りになっていくサスペンス
SNSでの中傷やマスコミの暴走など社会の闇が描かれます

監督は「ゴールデンスランバー」などの中村義洋
出演するのは井上真央、綾野剛などです

 

あらすじ
とある山中で何度も刺された上に焼かれた死体が発見される
殺害されたのは三木典子で
容疑をかけられたのは典子の同僚である城野美姫だった
テレビディレクターの赤星は美姫の関係者に取材し
あたかも美姫が犯人かのような報道が行われる

 

感想
憶測、想像、思い込み、嘘にまみれた情報
その情報を都合よく編集するマスコミ
そんな報道を鵜呑みにして好き勝手言う人々
全てが滑稽に思える
この映画を観ることで客観的に物事を見るきっかけになるかも
映画の作りとしては微妙な気がする

 

前から気になっていたので観てみました

数年前の映画ではありますが
この映画で描かれているテーマやメッセージは
むしろ、今のほうがより重く感じれるんじゃないでしょうか

SNSやマスコミの問題は拍車をかけて悪い方向に進んでいるので
本作で起きていることはすごく現実的で
もはやこんなことは日常茶飯事になってますよね
てか、この映画以上に現実では酷いことが起きてます

本作はSNSやマスコミの負の部分を客観的に描いていて
そこはとても興味深い

この映画を観ることで気づけることは多いと思います


タイトルに殺人事件とついてるし
この映画が犯人探しのミステリーのように思ってしまいがちだけど

実はそこはそんなに重要じゃなくて
この映画の本質は
発信されている情報の曖昧さと
そんな情報に踊らされている人々の滑稽さ
そこが最大のテーマです

本作では人間の愚かさをこれでもかと見せつけられ
若干、胸くそ悪さも感じてしまいますが

だからこそ
客観的に自分や社会の現状に向き合うきっかけになると思う

この映画が反面教師的な役割を担ってるんですよね


特に前半はすごく良くて
ディレクターの赤星が番組を作る中で
情報の曖昧さをとても上手く表現できています

本作では様々な人の証言を見せられますが
それが人によって言ってることがまちまち

噂や憶測を真実のように語る人
自分の都合やプライドを守るために嘘をつく人
思い出を美化して語る人
印象や思い込みで決めつけて話す人

そんな話を聞いていると
何が真実なのか全く見えなくなってきます
疑心暗鬼になる


さらに、そんな情報を面白おかしく切り貼りして報道するワイドショー

そして、曖昧な報道を鵜呑みにして
誹謗中傷したり正義感を振りかざしたりするSNSの人たち

この一連の流れが本当に馬鹿馬鹿しくて
人間って愚かだなと思わされます
そんな滑稽な人々を見て
自分は気を付けなければとも思えます

そういう点では
この映画を観て損はないです

テレビの報道やネットニュースだけでなく
人間の言葉は
善悪がなくても真実がねじ曲げられてしまうことが多くある
ということを知ることができます


そんな感じで
テーマやメッセージは興味深くて納得できる内容ではありますが
映画としてちょっと微妙な作品になってしまってるのは否めないですね

やりようによっては
さらに深い映画にもなっただろうけど
いまいち浅いところで終わっている映画で
テーマが良いだけにもったいない

特に思ったのは
ミステリーやサスペンスとして面白くない
ここはやっぱり気になってしまう

さっきこの部分はそんなに重要ではないと言いましたけど
面白いに越したことはないですよね

面白くない要因はやはり
はじめから城野美姫が犯人ではないことがわかるからです

ミステリーの醍醐味と言えば
謎の真相を知りたいという興味の持続や
観ている自分も一緒に推理していく
という部分です

でも、本作は最初から結末がある程度読めてしまうので
あまりその部分の面白さはありません

良い人と悪い人を白黒はっきり分けてしまっている構図もマイナスです

これがあるから
この人の言ってることは真実
この人の言ってることは嘘
というのが簡単にわかってしまう

美姫や美姫を擁護する人の言葉は基本真実で
美姫に不利な発言をする人やマスコミは悪で嘘つき
みたいになってしまってるのはすごく気になってしまいます

これのせいで
美姫が犯人ではないのがわかってしまうだけでなく
テーマとの矛盾も少し感じてしまう

何が本当かわからない情報の曖昧さをテーマに描いているのに
真実と嘘をはっきり分けてしまうのは
さすがに浅はかかな…

 

このテーマでミステリーとしても面白くするなら
観ている側にも美姫が犯人だと思わすくらい
意地悪な作りのほうが絶対にいいと思うんですよ

美姫を犯人だと思い込ませて最後に真実が明らかになれば
驚きもあるだろうし
より本作のテーマに深みも出たと思います


それに美姫の言葉が絶対的な真実になっているのも問題で
そこに独善的なものも感じてしまう

こういう構図にすることで
勝手な憶測や噂の餌食になってしまう善良な市民
というのを簡単に描けるんですけど

でも、結果的にこの映画のやってることって
情報を操作してマスコミやSNSを悪に仕立てあげてることなんですよね

これって立場が違うだけでやってることは変わらないと言うか…


真実をはっきりさせれば
観終えた後にモヤモヤは残らないだろうけど

やはり、この映画は真実をはっきりさせるのではなくて
真実ですら曖昧にしてしまうべきだったと思う

美姫が語る真実ですら
所詮は美姫のフィルターを通した真実
って表現にするだけでも全然違ったはずです

もしかしたら本当は美姫が犯人だったんじゃないか?
と思わすぐらい嫌な結末でも良かったかもしれません

そうすればもっとテーマやメッセージが重くなったんじゃないでしょうか

この映画を観た観客を疑心暗鬼にしてしまうくらい真実を曖昧にすれば
この映画で描いていたテーマがより現実的になると思うんです

 

あと、見せ方が下手な映画でしたね
そういう面ではちょっとクオリティは低いと思います


ワイドショーのシーンとかマジで無駄です
あんなの断片的に見せればいいのに
ワイドショーの1コーナーまるまる見せられます
それが2回くらいありましたしね

ワイドショーの内容が今までの繰り返しで
同じものを何回も見せられるくどさが不快でした

てか、架空の事件のワイドショーをダラダラと見せられても…

ワイドショーの再現度に自信があったんですかね…
正直、どうでもいい
そんなの求めてないんですよ

 

はじめは赤星目線で進む物語が
真相が明かされるパートになった途端に美姫目線に変わってしまうのも
あまり上手くないですよね

これが唐突すぎで全然スムーズじゃないし
これをやられてしまうと
ここまでの赤星の存在意義がなくなってしまう
前半がなんか無駄に思えてしまうんですよね

最後まで赤星が事件の真相に迫っていく話でよかったと思う

 

それと、酷かったのが
真犯人が見つかってからの回想

ここでちょくちょくワイドショーのナレーションが入るんですけど
これ本当にやめてほしかった…

これのせいで重要な場面が
世界仰天ニュースの再現VTRみたいに見えてしまいます
急激にチープになりますよね…

もっといい見せ方あっただろ


基本的に同じようなシーンを何回も見せられる映画だったりもするので
もう少しスマートに見せる工夫は必要だったんじゃないかと思います

 


この映画で描かれているものは
今の時代に目をそらしてはいけないものです
本作を観て考えさせられることは多い

でも、せっかく良いテーマなんだから
そこを深く重く描いてほしかったのは本音です

あと、映画として面白くする工夫もしてほしかった

悪くはない映画だけど
すごく良い映画というわけでもないかな

 


白ゆき姫殺人事件 Blu-ray

 

 

映画「スピーシーズ 種の起源」感想 エロ、グロ、美女の最高映画

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どうもきいつです


SFホラー映画「スピーシーズ 種の起源」観ました

DNA操作実験により生まれた新たな種の恐怖を描いた1995年のSFホラー
宇宙からの情報を基に作り出された生命体と人類との壮絶な戦いが繰り広げられます

監督を務めるのはロジャー・ドナルドソン
人類を襲う怪物を演じるのはモデルのナターシャ・ヘンストリッジ

 

あらすじ
宇宙に向けて送られた信号に未知の存在からの返信が届いた
そこには未知のDNA情報が記されており
研究機関はそれを人類のDNAと結合させ新たな生命を誕生させようとする
しかし、少女の姿へと成長したその生命体は研究施設から逃走してしまうのだった

 

感想
美女エイリアンが魅力的
途中からエイリアンを応援してしまっている自分がいました
エイリアンの造形も良かったし
この時代のB級SFホラーな感じが観ていて楽しい
ちょっと人間たちが無能すぎる

 

昔に観たことあるような気はするけど
全く覚えていないので観てみました

テレビでも放送してましたし
観たことあるのかもしれない

てか、昔はこんな映画でも地上波で放送されていたんだから
いい時代だったんだな…とかも思ったり

 

なんとなくエイリアンと戦うSFホラーって印象でしたけど
実際に観てもそんな内容

ただ、方向性は結構斬新ですよね

エイリアンが美女で男を惑わしていく
というのはなかなか面白い
エイリアンの目的は生殖で
それを阻止するために人間たちが戦います

エイリアンを追跡する過程も面白く観れたし
シンプルな内容ではあるけど
最後まで退屈せずに観れました

スリルのあるシーンが多いので
常にハラハラさせられる映画でホラー的な楽しみがありつつ
得体の知れない未知の生物との戦いはワクワクもする

この時代のSFホラーな雰囲気に懐かしさも感じて
個人的には大満足

 

そして、やはりこの映画の魅力と言えば
美女エイリアンことシル
彼女がとても美しい

シルの美しさが
この映画の説得力になってますよね
男がみんな虜になるけど彼女なら納得できる

彼女が映っているだけで映像が映えます

それにエロいシーンも多いので単純に最高な映画ですよね
おっぱいも普通にいっぱい見せてくれますし

シルほとんど裸なんじゃないかってほど
裸のシーンが多い


そんな美しさと同時に
やはり人間ではない異質な存在でもあるので
そこに恐怖も感じます

感情はなく邪魔物は容赦なく殺してしまう
彼女の行動原理は生殖のみで
セックスした相手でも普通に殺す

そんな怪物的な一面も妖艶に見えて
彼女の魅力になっていると思います


そして、クリーチャー状態もめっちゃいいですね
造形が素晴らしい
この時代らしいクリーチャーって感じで
キモさがありつつ格好良さもあって好きです

最初のサナギ状態もなかなかキモいし
最終形態は如何にも化け物じみていて強そう
おっぱい触手は最高でした

CGはこの時代だし予算の問題もあるだろうしでチープなのは仕方ないけど
動きはなかなか良い雰囲気が出てたと思う

そこそこグロいシーンも多くて
それも相まって造形が素晴らしく魅力的でした

 

で、このシルがとても魅力的なのと
物語がシル目線で進んでいったりもするので
いつの間にか人類の敵であるシルを応援してしまってます

シル自身は何を考えているかわからないエイリアンであることは間違いないので
感情移入はさほどできないけど
何も知らない子供が必死に頑張ってる感じがあるので
なんか頑張れー!!って気持ちで応援してしまいます

シルが勝ってしまえば人類滅亡なわけだけど
それを阻止しようと邪魔する人間たちが
正直ちょっとウザくも思う

 

てか、この映画
味方である人間たちをあまり好きになれないと言うか…
あまり魅力がないですよね

その1番の理由は
人間たちが無能すぎるところじゃないでしょうか

集められたスペシャリスト4人にしたって
すごい人集めてる感を醸し出してるわりに
全然能力発揮してないですから

唯一、霊能力者が活躍して役に立ってたけど
それ以外の奴らはなにやってるんだよと…

殺し屋の男とか
すごそうな雰囲気と活躍しそうな雰囲気をめっちゃ出してたけど
最後まで雰囲気だけ

最終決戦の時とか途中で消えてたし
こいつカッコつけてただけでした

せめて戦闘要員としてくらいは活躍しろよ


あと、人間たちがシルとの頭脳戦に負けてるのもダサい
あんな単純な偽装工作に騙されるなよ
髪の毛染めただけで気付かないとかどんだけ目が節穴なのか

最終的にはシルを追うメンバーの1人がシルとセックスしてしまう始末…
もはやギャグです

そもそも、謎のDNAを試しに人類と掛け合わせて化け物を生み出したあげく
簡単に逃げられてしまってますから
最初から無能な人間たちです

こんな馬鹿人類は新生命体に淘汰されしまっても文句は言えない


全く魅力のない馬鹿で無能な人間たちと
健気に努力し種を残そうと奮闘する美しきエイリアン
ある意味バランスが取れてる

この映画はエイリアンが主役と言っても過言ではないです
そして、それが成功してると思う
意図してのことなのかはわからない

 

綺麗な女性の裸を見たいのなら本作がおすすめ
美女の裸をずっと見れます
エロいシーンも満載

王道なSFホラーとしてもしっかりと楽しめたし
クオリティの高いB級映画だと思う

気楽に観るにちょうどいい映画です

 


スピーシーズ 種の起源 [Blu-ray]

 

 

映画「テリファー」感想 キャラの魅力だけで最後まで観れる

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どうもきいつです


ホラー映画「テリファー」観ました

謎のピエロが猟奇的な殺人を繰り返す
2016年のスラッシャーホラー
何の罪もない人々が次々と惨殺されていきます

監督を務めるのはダミアン・レオーネです

 

あらすじ
ハロウィンパーティーの帰り
タラとドーンは街の暗闇の中で謎のピエロメイクの男と出会う
ピエロをすぐに見失った2人だが
立ち寄ったダイナーで再び出会うことに
タラは気味悪がったが危害を加えられることなくダイナーを後にする
しかし、そこからピエロの殺戮が始まるのだった

 

感想
ただ殺しを見せられるだけの中身の無い映画
でも、ピエロが魅力的すぎて
面白いし最後まで見せられてしまう
かなりグロい映画なので注意

 

ピエロの顔に惹かれて観てみました
アマプラで配信されています


82分という短さもあり
本当にシンプルなスラッシャーホラーでした

ストーリーなんて全く無くて
とにかく人が殺されていくだけの映画
グロ、ゴア描写満載で
常に画面は血で真っ赤っか
苦手な人は気持ち悪くなりそうな映画ですね

やってることはかなり王道で
謎の殺人ピエロが無差別に人を殺しまくります
特にひねった要素もなく
マンネリな映画と言っても過言ではない

よくあるスラッシャーホラーで
それ以上でもそれ以下でもない
新しいものなんてこの映画にはありません

 

普通に考えて
この映画が特別面白いとは思えないんですが
観てたら普通に面白いんですよね
むしろ、この映画が好きなくらい
とても魅力のある映画だと思いました

 

やっぱり、この映画の殺人ピエロがめちゃくちゃいいんですよ
キャラが立ってるし魅力的です


そもそも、顔面が素晴らしい
笑顔がステキです
この顔だけで目に焼き付いてしまうし
すごく印象的なんですよ

ピエロと言ってもただ白塗りしてるだけでかなりシンプル
印象的なメイクでもなくて
顔面の力だけでここまでの魅力です

顔面と表情だけで不気味さを作り出していて
表情の変化だけで
こっちの気持ちゾクゾクと不安にさせられます

初登場の時点で完全にヤバい奴ってわかりますからね
別になにもしてないのに


ダイナーでのやり取りも
特別怖い演出とかもないのに
なんか不気味で気持ち悪い雰囲気が溢れ出ていて
まだ何も起きていいのに不穏な空気が充満してくる

 

殺戮が始まってからもピエロはずっと魅力的で
ますます映画に引き込まれていきます

とにかくピエロがすごく魅力的で
それだけでこの映画を最後まで観させられてしまうんです


このピエロ
何がここまで魅力的にさせているのかを考えてみると

得体の知れなさが半端ないからじゃないかと思うんです

スラッシャーホラーと言えばこれってキャラクターはたくさんいます
レザーフェイスとかジェイソンとか

こういうキャラたちも得体が知れなくてすごく不気味です
猟奇的だったりサイコパスだったり
常識を逸脱しています

でも、こいつらって
なんだかんだ行動が予測できたり
自分のこだわりに忠実に動いてたりするわけです
そこにルールみたいなものを感じたりもする


で、本作のピエロなんですが
そんなキャラたちに比べても
掴み所の無さが群を抜いてる

何者なのかわからないのはもちろんのこと
目的も不明だし
喜怒哀楽は謎だし

あまりの掴み所の無さに
全然行動の予測がつかないんですよ

ホラー映画のお約束はあるものの
ピエロの行動のルールが最後まで掴めなくて
常人の思考の域を超えてるような…

猟奇的な殺しかたを楽しんでるかと思えば
急に銃で普通に殺してしまったりする
このタイプの殺人鬼が銃を使うのが予想外ですよね


感情にしたって
楽しんでるのか怒ってるのか…

反撃されてキレたのかなと思っても
そんなに感情をむき出しにしてるわけでもなく
絶妙によくわからん感情

一気に殺しにかかることもあれば
じわじわといたぶったり
行動に一貫性がなかったりもするんです

人形の赤ちゃんを大切にするおばさんとピエロとの交流
ここで何かドラマが生まれる空気になるけど
そんなわけない
やっぱり殺します


このピエロは自分の考えが及ばない存在で
そこが恐怖であり魅力でもあります

どんどんとその異常な世界に引き込まれる
もっとピエロを見たくなってしまいます

 

ピエロの魅力だけでなく
この映画は怖がらせかたがすごく上手かったです

雰囲気を作るのも上手いし
ビビらすタイミングもめっちゃ良い
このタイミングは驚かんわけないだろ
ってところをしっかりと押さえてる

結構ビクビクしながら最後まで見ていました


襲われる人たちもただやられてるだけでなく
反撃する場面も多いです

そういうシーンではやはりスリルが生まれて
攻防戦にハラハラさせられる
ピエロのタフさに驚かされますけど
襲われる人たちもなかなかタフ

戦いの場面が多いのも
この映画を面白くするエッセンスになっていたと思います

 

あと、やっぱりゴア描写
これもなかなかめちゃくちゃやってて
すごいものを見せてくれます
基本的に顔面ぐちゃぐちゃが多いけど

中でも印象に残るのはやはり
逆さ釣り全裸美女縦真っ二つですよね
これはすごいものを見せられた…

こんな殺しかたあるんかい
と新しい世界が開けました

衝撃的でした
頭おかしい映画です

 

他に印象に残ったシーンと言えば
ピエロが楽しそうに三輪車を乗り回すところ
可愛いです

ピエロの女装とかもインパクトありましたね

怖いだけでなく
微笑ましく笑えるシーンもありました

 

シンプルなスラッシャーホラーではあるけども
キャラクターの魅力が光りまくってる
今までいろんな殺人鬼キャラを見てきましたが
本作のピエロはめちゃくちゃ好きなキャラかも

かなりグロいけど
こんなタイプの映画が好きならぜひ観てほしい作品です

 


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