何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。」感想 完全に笑わせにきてる これはホラーアトラクションムービー

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どうもきいつです


ホラー映画「IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。」観ました

スティーブン・キングの小説「IT」を映画化し
世界で大ヒットを飛ばした「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編にして完結編
前作から27年後の大人になった
ルーザーズ・クラブの面々が
再び“それ”と戦う姿を描いています

監督は前作同様に
「MAMA」などのアンディ・ムスキエティが務め
ペニーワイズを演じるのも
前作同様ビル・スカルスガルド
ルーザーズ・クラブのメンバーには
ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステインなどが
顔を揃えています

 

あらすじ
デリーという田舎町で
正体不明のピエロ、ペニーワイズを
ルーザーズ・クラブのメンバーたちが
倒してから27年後
デリーで再び不可解な連続失踪事件が起き始める
そして、クラブのメンバーたちにデリーへ
帰ってくるようメッセージが届き
ビルたちはデリーに集結して再びペニーワイズと
対峙することになる

 

感想
ホラーなのに完全に笑わせにきてる
ホラー演出がいちいちギャグです
怖さはあまり無いかもしれないけど
アトラクションのように楽しい映画
最後まで楽しんで観れました

 

前作「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編ということで
とても楽しみにしていた作品

前作がとても楽しめた作品だったので
本作の期待値もとても高かったです


この映画はホラー映画に
ジャンル分けされているけど
たぶんそんなに怖くないです

ホラーが苦手な人が観れば
多少怖いかもしれないかもしれませんが
ホラーが好きな人だったら全然怖くないと思う

だから、怖いホラー映画を求めてしまったら
なんか違うな
ってなると思います
怖くないからこの映画はつまらない
と感じる人もいるんじゃないでしょうか


でも、この映画は怖がらすホラーではなくて
楽しむホラーだと思うんですよね
遊園地のお化け屋敷のようなアトラクション
そんな感じがしました

しかも、本作はそんなホラー演出の場面を
完全にギャグっぽく表現しています
明らかに笑わそうとしている

これも好き嫌いがとても分かれそう
怖いシーンでふざけるなよ
と思う人もたぶんいますよね


個人的にはそんなギャグっぽいホラーシーンは
とてもハマりました
このアホなホラーシーンが
怖くはないけどとても楽しい

それに、ちょっとやり過ぎているような演出に
センスやユーモアを感じて
すごく映像に引き込まれていきます

観ているうちに
ペニーワイズ早く出て来い
って気持ちになってくるんですよ

早く次のホラー展開を観たいと
いつの間にかホラーを求めてしまっている


その中でも好きなのは

最初の中華料理店でのクリーチャーみたいなのが
いっぱい湧いてくる場面や
べバリーが元実家で会うおばあさん
エディが薬局で出会うゾンビみたいなヤツ
頭突きでガラスを割るペニーワイズなど

映像的にインパクトがあるし
どこかバカバカしくもありコミカル

他にも面白いシーンはたくさんありました
基本テンションが高いようなホラーシーンが
多くて退屈せず最後まで楽しい時間が続きます

かと言って
結構グロいシーンや気持ち悪しシーン
痛々しいシーンなど
ちゃんと不快なシーンも入れ込んである

そんな緩急のつけ方もとても良くて
より魅力的な映像になっていたと思います

全体的にバランスが良かったですね
不快だから見たくない
でも見たくなる
みたいな絶妙なバランス

 

あと、すごく長い映画ですけども
それなりにテンポが良くて
そこまで気になりませんでした

基本的に細かいホラーエピソードを
次々に見せて行くような演出で
ダラダラと物語も進まないし
長い時間が苦痛にはなりませんでした

さすがに169分は内容の割に
長すぎるような気もするけど
許容の範囲内かなと思います

所々でインパクトのあるシーンが挟まれていて
眠くもなりませんし

長い時間を飽きさせないようにする工夫は
考えられていたんだと思います

 

全体的に楽しめて
好きな映画ではあるんですけども

前作に比べてちょっと
ストーリーの内容が薄すぎるかな
とも思いました

前作は少年たちの成長物語としても
面白く描かれていましたし
ペニーワイズの存在や町の一連の出来事が
とても謎めいていてミステリーとしても
面白かった

いろいろ考察がはかどるような意味深な場面や
全ての謎を明かさないような作風で
観終えあた後も友達と考察し合って
楽しめる映画でもありました


ただ、本作は前作に比べると
あまり深みの無い作品になっていたと思う

全体的に人間ドラマが薄くて
登場人物たちの成長なんかも
あまり感じれないです

それぞれいろいろと問題を抱えている
みたいな描写は序盤に描かれているけど

いまいちはっきりと解決できていなかったり
そこを深く掘り下げていなかったりと
なんか中途半端

登場人物たちがペニーワイズとの戦いの中で
それぞれが自分の闇や過去
現在抱えている問題などを乗り越える話なのかと
思うと

成長しているキャラもいれば
いまいちパッとしないキャラもいる

伏線とかも散りばめたりしているけど
そこまで綺麗に回収されていなかったりもします

ドラマ部分がとても雑な印象です

詰め込んでいる割には
収拾がつかなくなって着地に失敗しているように
思えました


人間関係の描写もちょっと雑で
要点的にはいろんな人間関係を見せられるけど
大体が表面的な部分だけで終わっていて
あまり入り込めない

恋愛や友情とかが
取って付けたように見えて
なんか薄っぺらいだけの表現に
なってしなってましたね

この辺も
もっと掘り下げれたんじゃないのかと思いました

 

そして、ペニーワイズの存在も
あまりミステリアスでは無くなってる

ペニーワイズが超常的な何か
で納得してしまってるような内容なので

前作のような
アイツ一体何者なんだろう?
というワクワク感は全く無いです

なんかすごい存在のペニーワイズを
なんかすごい儀式で倒そうとする
ってだけの話になったしまってるので

そこに関してはあまりテンションが上がらない


それに得体が知れないからこそ
不気味で怖かったペニーワイズですが

この得体の知れなさも
今回は薄くなってますよね

序盤からペニーワイズを倒せそう
ってなってる時点で
ペニーワイズの怖さは薄れてしまってます


前作のような謎めいたミステリーな作品でなく
ただのアトラクションみたいな作品で
終わってましたね

なので、あまり考察しようとも思えないし
考察できるほど深い内容にもなっていない

前作がとても謎めいた作品だっただけに
それを期待して観た本作には
少し拍子抜けしてしまったのは否めないです

もう少し深い作品を求めていました

 

少しストーリーは薄かったですけど
それが気にならないほどに
楽しいホラーアトラクションな映画に
なっていたと思います
エンターテイメントとしては
とても楽しめるホラー映画だったです

ユーモアセンスに富んだ面白い作風で
個人的にもとても好きな作品でした

 


IT/イット “それ"が見えたら、終わり。 [Blu-ray]

 

 

映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」感想 で、何が言いたいの? ひたすら眠いんですけど

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どうもきいつです


伝記映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」観ました

18世紀オランダのポスト印象派の画家
フィンセント・ファン・ゴッホの
生涯を描いた伝記映画

監督は「潜水服は蝶の夢を見る」などの
ジュリアン・シュナーベルが務め
ゴッホを演じるのはウィレム・デフォーです

 

あらすじ
画家としてパリで全く評価されないゴッホは
出会ったばかりのゴーギャンの助言で
南仏のアルルにやってくる
しかし、地元の人々との間にはトラブルが生じ
孤独な日々が続く
アルルを訪れたゴーギャンとの共同生活も破綻するが
それでもゴッホは絵を描き続けた

 

感想
何を伝えたいのか不明
ゴッホはこういう人だ
という紹介だけで終わってる映画
かと言って史実に忠実なわけでもない
雰囲気だけのアート映画って感じでした
マジで眠くなります

 

世界的に有名な画家ゴッホを
主題にしている映画ということで
とても楽しみにしていた作品

個人的にゴッホの作品はとても好きで
ゴッホ自体もとても好きです

そんなゴッホの生涯を描いた作品なので
すごく期待していたんですけど…

正直言って
すごく退屈な映画だった

マジで眠い映画です


別にエンターテイメントを求めていた
わけではないですよ

ただ、ゴッホという人物を
どう面白く描いてくれるのかと
期待していただけです

 

で、この映画では
あまりゴッホを魅力的に描けていなかったと
思いました

この映画を観て
ゴッホをどう思うかと言うと
ただのメンヘラおじさん

確かにね
ゴッホにはそういう一面は大いにありますよ
精神的になかなか不安定な人です

でも、本作ではゴッホのそのメンヘラな一面を
ちょっと過剰に誇張しすぎなように思う
芸術家=精神を病んでる人
みたいな固定概念のもとに
作られた作品のようにも思えてしまいます

ゴッホの魅力って
メンヘラな病んでるエピソードが多い苦悩の人
みたいなのが人気の要因かもしれないですが

でも、そんなことよりも
やっぱり絵ですよ

ゴッホの絵は素晴らしい
それが一番のゴッホの魅力のはず

ゴッホという人物を描くなら
ゴッホと絵の関係性を
見せなければならないと思うんです


しかし、この映画は
ひたすらゴッホってこんな人ですよ
って感じのゴッホの紹介映画なんです

そこで描かれるのは
ゴッホがいかにメンヘラか
いかに苦悩しているか
そんなことばかり

肝心のゴッホがどう美術と向き合っているのか
という部分はかなりの薄いです


でも、別にゴッホを紹介するような
内容の作品が悪いとも思わない

ただ、この作品は
史実を忠実に再現したゴッホの紹介映画ではなく
監督のフィルターを通した
監督が思い描くゴッホの紹介映画なんですよ

なんじゃそれ
って感じです

過剰にメンヘラなゴッホ像
それをひたすら見せられるんですよね


淡々とゴッホの生涯を見せて
彼がどんな人生を歩んだか
どんな人間なのか
それだけを見せるのならば
史実に忠実な作品にするべきだと
僕は思うんです


監督の思い描くゴッホを見せたいのなら
この描きかたじゃないはず

そうするのなら
ゴッホを通して監督が何を表現したいのか
何を伝えたいのか
ゴッホをどう思っているのか

そういうものを見せなければならないと
思います


でも、この映画には
そういったものがなにも感じれない

観終えたときに
結局何が言いたかったの?
と疑問が残るだけの作品なんですよ

 

さらに、これ以上に不満に思うのは
ゴッホにとっての絵とは何か?
をほとんど描いていないこと

ひたすらメンヘラなゴッホを見せるだけで
ゴッホの何があっても絵を描き続けることの意味
という部分には全然触れません

むしろ、オマケくらいの扱いですよね
メンヘラおじさんが
たまたま絵が好きだった
くらいのノリですよ

監督はゴッホのことを
ただのメンヘラおじさんとしか
思っていないんですかね?


芸術、絵がこの作品にとっても
ゴッホにとっても
とても重要な要素のはずだと思うんですけど…


なのにこの映画はそんな事は二の次で
可哀想なゴッホ
苦悩するゴッホ
それだけを描いて
それだけの物語で終わってしまってます


やはり、ゴッホはなぜ絵を描き続けるのか
そこを掘り下げてほしかったですね

その部分を中心に
ゴッホがどういう人物なのか
どういう人間関係があったのか
そんなドラマを描いてほしかった

画家であるゴッホというものを中心に
もっと深く観たかったです

 

そして、この映画は
演出や映像の見せ方に関しても
ちょっと何がしたいのかがわからない

無駄に長いシーンや
意味のわからない手ブレやぼかし

そういうのが正直すごく邪魔

観てるのに疲れてきます
だから眠くなる


特に退屈に思う原因でもあるのは
なんとなく美しい景色を
無意味にダラダラと流すシーン

これは本当にしんどいです

しかも、そんなシーンがすごく多い

そんな見せ方に何か意味が込められているのなら
別にいいと思いますが
この長い景色のシーンには特に意味を感じれない

この景色キレイでしょ
って言っているだけのようにしか思えませんよね

ただ綺麗なだけの景色の中を歩くゴッホ
そこから何を伝えたいのか?


他にも
何の意味も無いしょうもない会話を
ダラダラと聞かせられたり
インタビューのようなつまらない会話シーンなど

そんな何を伝えたいのかわからない会話を
見せられるのもなかなか苦痛です

そこから何か感じろと言われても
感じることなんてできない
おそらく何も込められていないと思います

込められていたとしても
伝わらなかったら意味ないですし

 

で、映像の見せ方もよくわかりません

やたらぶれるグラグラ揺れる映像
下半分がボケている謎のピンボケ映像

マジで観ていて疲れる

これらの意図も
やっぱり全然ピンと来ない
観ていてしんどくなるだけの映像です


ゴッホの不安定な気持ちを表しているのか?
ゴッホの見る世界を表しているのか?
たぶんそんなところだろうと思うけど

なんかちょっとズレた表現のように思う

美しい自然の景色ってのも
ゴッホ目線の世界の表現なのかもしれませんが

それはちょっと違うんじゃないか?


ゴッホの見ている世界は
ゴッホが描いた絵画だと思うんですけどね

あの名作たちがゴッホのフィルターを通した
世界の表現のはずです

じゃあ、ゴッホの見る世界を表現するには
殺風景な大自然の景色でもないし
ブレブレの手ブレ映像でもないはず

ゴッホの描いた絵画とリンクするような
映像表現にしなければならないと思うんです

ゴッホの色彩感覚や画風なんかは
映像の中にも表現できるはずなのに
この映画ではそういうものは一切ない

美術というのは美しい、なんとなく奇抜な表現
それくらいの浅くて表面的なものしか
この映像からは感じれませんでしたね

 

ただ、表面的には
アート映画風にはなっています
なんかすごい映画のようには見える
音楽もそれっぽいですし


この映画をなんとなく褒めていれば
アートわかってる風のサブカル知識人みたいな人にはなれそうです

でも、深く見てみれば
ゴッホの作品にリスペクトがあるようには思えず
アート表現もズレてる気がする

雰囲気はアートっぽいけど
中身はカラッポの作品じゃないかと思う

芸術家を題材にしているのに
芸術面が稚拙なのはいただけない

もっと芸術、美術というものを
掘り下げるべき作品ですよ


なんかアートっぽい映画なので
サブカル好きにはウケるかもしれない

でも、本質的にはアートに迫れていないです
ゴッホの人生のドラマ、芸術観などにも
全く迫れていない映画

ゴッホを描いている作品で期待していただけに
これは残念な出来でした

 


ゴッホ展完全ガイドブック (AERAムック)

 

 

映画「ターミネーター ニュー・フェイト」感想 面白い!! でも、また無かったことになりそう!!

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どうもきいつです


SFアクション映画「ターミネーター ニュー・フェイト」観ました

人気SFアクション「ターミネーター」シリーズの第6作目
本作は名作として人気の高い「ターミネーター2」の正当な続編になっています
未来のためにターミネーターに立ち向かう者たちの運命を描いたSFアクション

ジェームズ・キャメロンがプロデューサーとして
「ターミネーター2」以来にシリーズの制作に復帰
監督は「デッドプール」などのティム・ミラーが務めています
サラ・コナーを28年ぶりにリンダ・ハミルトンが演じ
シリーズの顔でもあるアーノルド・シュワルツェネガーも出演しています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
人類滅亡の審判の日は回避されたが
まだ危機は去っていなかった
未来から来たターミネーターREV-9が
メキシコシティの自自動車工場で働く女性ダニーに襲い掛かる
ダニーは強化型兵士のグレースに救われ
REV-9の追跡から逃走する
そんな彼女たちの前にサラ・コナーが現れる

 

感想
単純に面白くて楽しめる映画
熱いシーンも多くとても盛り上がる
ただ、続編としてはどうなのか?
って内容で結局いつもと同じ感じで…
これって「ターミネーター2」の続きは作れないってことなんじゃないのかと思う

 

「ターミネーター2」は子供の頃から好きで
その正当な続編と謳われている本作は
とても楽しみにしていました

3作目以降は毎回無かったことにされて
新作が作られていく本シリーズ

今回こそはジェームズ・キャメロンが
製作するということもあって
とても期待できるんじゃないかと思っていました


そして、実際にとても面白くて楽しめる
エンターテイメントな作品に仕上がっていました

それもちゃんとターミネーターを観ている気分に
させてくれます

「ターミネーター4」は面白いかどうかは
置いといてターミネーターっぽく
なかったですからね
「ターミネーター 新起動/ジェニシス」も
なんかずれた内容でしたし

それに比べると
今回はちゃんとターミネーターって感じで
ターミネーターを楽しめる映画

 

本作は続編と言いつつも
原点回帰を兼ねている作品だとも思います

やっていることは1作目、2作目と同じで
未来から来たターミネーターからの逃走劇

それを、新キャラたちに担わしています

これは、ターミネーターの新シリーズの
始まりも意識して作られてるのかもしれませんね


そんなターミネーターからの逃走劇を
ド派手で激しいアクションシーンで彩っている作品
とにかくアクションが楽しい映画だと思います


ストーリーは正直言って
かなり薄いです
大した内容じゃない

ストーリーも1作目、2作目とほとんど同じ
未来で人類の希望となる人間を殺すために
ターミネータが送り込まれてきて
それを阻止するために人間側の強い人が守りに来る
という毎回お約束のパターン

でも、それが見たいというのもあるし
それがターミネーターなんだと思う

むしろ、そうじゃなかった前作たちが
評判悪くて無かったことになってますしね

そう思えば、本作は
ファンからしても嬉しい新作なんじゃ
ないでしょうかね


そして、今回は重要キャラでもあるサラ・コナーを
1作目、2作目でも演じていたリンダ・ハミルトンが
演じています

28年ぶりということで
完全におばあちゃんになっていますが
なかなか渋くってカッコいいババアになっています

T-800でお馴染みのシュワちゃんも
当然登場しています
こっちはこっちで完全におじいちゃん
でも、渋くてカッコいいジジイ

この2人がちゃんと登場してるだけでも
ファンは嬉しいんじゃないかと思います


いろいろ御託を並べましたが
結局、この映画の何が良かったって

とにかくアクションシーンが楽しい
アクションシーンが派手で
それだけで満足できる映画です

頭カラッポで観る映画だと思いますよ


で、このアクションシーンも
原点回帰って感じがします

めちゃくちゃなカーチェイス
バカみたいに爆発しまくる
アホみたいに銃を撃ちまくる

そんなのの連続で最高にテンション上がります


それ以外にも
肉弾戦のアクションも観ていてとても気持ちいい
強い奴同士の戦いは
めちゃくちゃ派手になりますし
カッコいいシーンの連続です


様々なシチュエーションを生かした
アクションも素晴らしいです

カーチェイス中の戦闘
水の中、飛行機の落下中など

そういうのもあり
アクションのバリエーションも
とても豊富で
最後までアクションに飽きずに楽しめました


アクション以外にも
熱い展開、燃える場面など
盛り上がるシーンも多くありましたし

基本的にテンションが上がる映画でしたね

娯楽エンターテイメントとして
かなり質の高い作品だったと思います

 

ここまではすごく褒めちぎりましたが
問題があるとすれば
「ターミネーター2」の続編としてはどうなのか?
ってところだと思います

特にシリーズのファンからすれば
そこはかなり重要

で、本作はと言うと
3作目以降とそんなに変わらないかな
って印象でした

3作目以降の中では間違いなく
1番面白い作品にはなっていますけど
続編として見てみるとそんな大差ない


3作目以降の作品に全部言えますけど
「ターミネーター2」でやったことが
毎回、全部台無しになってるんですよね

2で世界を救ったはずなのに
それが無かったことになってしまっている

本作も同じで
序盤でジョン・コナーが殺されてしまったり
審判の日を避ける事はできたけど
別の機械軍団が未来では現れて
結局、未来は変わっていなかったりと

2であんなに必死で戦っていたのに
続編でこんな展開になってしまって
2での出来事がなんかバカバカしく
思えてしまいます


ただ、そこまでは仕方ないと思うんです
「ターミネーター2」で話は完全に完結している
続編を作るなら無理やりになってしまいますよ

しかし、本作はあまりにも
つながりが無くなってしまってる
もう、全く別物ですからね


だから、せっかく
リンダ・ハミルトンや
アーノルド・シュワルツェネガーを
出しているのに
そこにあまり意味を感じれない

サラ・コナーやT-800が
このストーリーに因果関係が全く無く
この2人、全然関係ないじゃん
ってストーリーなんですよ

特にT-800なんて
見た目はシュワちゃんですけど
シリーズ初登場のT-800ですからね

確かに未来が変わって敵も全く別なわけで
この2人に関係が無いのはわかるんですが

もうちょっとつながりがあっても
良かったんじゃないのか?
って思います

その逆で
本作からの新キャラのダニーとグレース
この2人も前作から何かつながりのあるキャラに
できたんじゃないのか?
とも思うわけです


この映画は盛り上がるシーンが
多いとも言いましたが

前作とのつながりが強いほうが
それらのシーンももっと盛り上がったと
思いますし


サラ・コナーの登場シーンや
T-800との再会
それぞれが絆を深めていく過程など

そういった場面がもっと深くなると思います


特に最終決戦の場面
ここはすごく盛り上がる

最後の4人がREV-9に立ち向かうところは
あの4人が立っている姿が
めっちゃカッコいいシーンです

ここで、サラやT-800に何か戦う意味や
因果関係があったり
4人の関係性が深まるようなエピソードが
描かれていたなら
ハンパなく盛り上がったような気がするんですよね

ただ、やっぱりそのへんがすごく薄くて
もったいないですよね

せっかくかつての重要キャラを
再登場させているのに
そこを生かしきれていなかった

 

それも結局は「ターミネーター2」が
あまりにもちゃんと終わっていたからなんですよね
めちゃくちゃ綺麗な終わり方なんですもん
だからこその名作なんだと思う

続編を作るということ自体が
野暮なのかもしれないです

でも、本作は面白かったし
もしかしたら本作の続編も作られるかもしれない

まあ、続いたとしても
ファンからはこんなの続編じゃない
と言われる可能性は高いと思いますが


今までシリーズを全部観てきましたが
「ターミネーター2」の続編として
1番成立しているのは
USJのターミネーターのアトラクションじゃない
ですかね

あれが1番続編っぽいですよね

監督はジェームズ・キャメロンらしいですし
キャストもみんな揃ってるし
そう考えれば完璧じゃないですか

USJのやつが「ターミネーター2」の
正統続編で決まりです
これで全てが丸く収まりました

 

続編としては微妙な気もしましたが
普通に面白い映画です
続編として微妙ですけど
ターミネーターとしては素晴らしい

本作の続編が作られるなら
観てみたいと思うくらいの面白さがありました

「ターミネーター2」の続編を観たければ
大阪のUSJに行きましょう

 


ターミネーター2 4Kレストア版 [Blu-ray]

 

 

映画「ジョーカー」感想 その2 あらためて観ることで見え方が変わってきた 結局、大好きな映画なった

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どうもきいつです


アメコミの人気ヴィランを描いた映画「ジョーカー」また観ました

「バットマン」の悪役として有名なジョーカーを
主役に映画化した作品
ピエロのメイクを施し、恐るべき狂気で
人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが
どのようにして誕生したのかを
原作コミックにはない映画独自のストーリーで
語られます

監督は「ハングオーバー」シリーズなどを
手掛けてきたトッド・フィリップス
主役のジョーカーを演じるのは
ホアキン・フェニックスです

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
孤独で心の優しいアーサーは
コメディアンを目指しながら
母とともに暮らしていた
ピエロのメイクをして大道芸で稼ぎ
母を助ける彼だが
世間の理不尽さに直面し
やがて狂気溢れる悪へと変貌していく

 

感想
あらためて観ることで本作の見え方が変わってきた
アメコミのヴィランとして観るのではなく
サイコパスの物語として観ると
この映画は最高の映画
そして、この映画はセカイ系

 

以前も「ジョーカー」感想を書いたのですが
あれから、この映画のことをさらに考え
再び観ることで
はじめとは違った印象になってきました

なので、もう一度感想を書きたくなりました


そもそも、以前の一度目を観たときは
あまりにもみんなが大絶賛していて
正直言うと、かなり斜に構えてしまっていた

ひねくれ者であまのじゃくな性格の僕なので
世間の評判に反発していました
面倒くさい性格です

あれから冷静になって
いろいろと考えてみたら
やっぱりこの映画すごいわ
って思いました

むしろ、僕の好きなタイプの映画
完全に大好きな作品なんですよ

そして、もう一回観てみたら
それを確信しました


前の感想で言ったことを
否定するわけではないですが
もう一度観ることで
見えかたや感じかたが変わってきました


前の感想ではあまり面白くない
とか言いましたが
2回目に観たときは
普通に面白いと感じれた

まあ、エンターテイメント的に
面白いかと言えば
微妙な感じもしますが

それでも、それなりには楽しめる


これは、僕が最近
むやみやたらと公開されてる新作映画を
観まくっていたからかもしれないですね

ここ最近で公開された映画の中でも
「ジョーカー」はダントツで出来のいい作品ですよ

クソみたいな映画もいくつか観ましたが
そんなのに比べたら
この映画は格が違うと思えます

 

で、以前は
この物語をジョーカーでする必要は
ないんじゃないのか
とかも言っていたんですけど

むしろ、今のアメコミヒーロー飽和時代
だからこそ
ジョーカーを主役にこの描きかたは
間違ってなかったんじゃないのか
と、ちょっと考えが変わってきました

今の時代アベンジャーズなどのMCU作品が
大ヒットして
他にもアメコミ原作の映画が山のように作られ
完全にアメコミ飽和状態なんですよ

正直言って
どの作品も似たようなのばかりだし
マンネリで食傷気味です


そんな中で「ジョーカー」が大ヒットしたり
海外ドラマの「ザ・ボーイズ」が人気だったりと

たぶん、世間もよくあるアメコミヒーロー
の王道ストーリーに嫌気がさしてきてるんじゃ
ないかと思うんですよ

またアメコミヒーローかよ
みたいな

なので、アメコミキャラを
こんな形で描くことには
大きな意味があったんじゃないでしょうか

 

だからこそ
この映画を人気ヴィランの誕生物語として
見るのではなく
1人の人間の物語として観ることで
本質が見えてくる

ジョーカーの誕生物語として見てしまったら
やっぱり、こんなのジョーカーじゃない
って思ってしまいます

でも、アーサーという男が解放される
物語として見れば
この映画はすごくカタルシスがあるし
最高に気持ちが上がる

1人のサイコパスが世界に解き放たれる
最高の映画なんですよ

 

そう思って観れば
細かいシーンの面白さにも気づけてきます


特に階段の場面が素晴らしいですよね

序盤では重苦しい雰囲気の中
アーサーが重々しく階段を上っていく
シーンがとても印象的

それから、アーサーが完全に吹っ切れてからの
階段の場面はすごく軽快です
躍りながら軽々と階段を降りていく
ここでは画面も鮮やかでとても明るい

この階段での対比が
ものすごく気持ちいいですよね


階段だけでなく
アーサーのサイコパスが解き放たれる
前と後では全然世界の見せ方を変えてます

明らかにアーサーが変わったな
ってのがわかる

はじめはめちゃくちゃ暗い映像が続きますけど
アーサーが解放されてからは
すごく映像が明るくなりますし

映像の色彩の変化だけで
アーサーの気持ちの変化が伝わってくる

 

そして、この映画を観た人で
アーサーが可哀想だとか
不幸だと言う人もいますけど

僕は全然そうは思わなかった

むしろ、幸せですよ
最高の人生です


だって彼は本当の自分に気づけて
自分を解放することができたんですから

それって幸せでしょ


僕もこんな人生を歩みたい

アーサーは辛い環境や境遇で
強いたげられて生きてきたからこそ
人生の本質に気づくことができた

この映画は善とか悪ではなく
生きるとは何か
を描いている

最終的にアーサーは
人を殺してしまいます
しかも、母親までも殺してしまうんです

常識的に考えるとアーサーは犯罪者で悪人

でも、アーサーからすればそんな事は
関係なくて
自分らしく生きることに意味がある

社会なんか関係なく
自分を解放することに意味があるんです


だからこの映画には
すごくカタルシスを感じることができる

そう思えば
共感もできるし感情移入もできる

アーサーがすごく好きになれるんですよ

 

他には、前の感想で
アーサーにカリスマ性が無いから
最後に暴徒たちから称えられるのはおかしいとか
テレビで迫真の演説するのが変とか
言ったんですけど

この作品をセカイ系として見れば
納得できる


と言うか
この映画は完全にセカイ系です

主人公の精神や心の変化が
世界に大きな影響を与えている

有名なところで言えば
「新世紀エヴァンゲリオン」とかそういうヤツ


「ジョーカー」もまさしくそれです


アーサーの心の変化や成長が
直接的に世界に影響を与えている

アーサーが暗ければ世界は暗く
明るければ世界は明るく

そして、アーサーの狂暴性、サイコパスが
解き放たれれば
世界も混沌に陥っていく


そう思ってこの映画を観ると
意味深なシーンや難解なところも
いろいろ繋がって見えてきます

この作品自体がアーサーの精神面を
描いている作品なんだと思う


個人的にはセカイ系は好きだし
この作品はセカイ系としても
とてもクオリティが高いです

ちゃんとキャラクターの精神を細かく描き
映像としてそれを伝えている
それが観客にも理解できるように
作られています


観れば観るほど
面白さにも気づけてくる映画かもしれませんね


はじめは否定的で
批判っぽい事を言っていた僕でしたが
浅く大絶賛していた人たちより
よっぽど僕のほうが「ジョーカー」のことを
考えていたと思いますよ

なにしろ2回も感想書いてるんですから

考えすぎて好きになりましたからね

 

この1ヶ月でかなりの新作映画を観ましたが
たくさんの作品の中で
結局はこの「ジョーカー」のことを
1番考えていたと思います

はじめは否定的な考えでしたけど
考えれば考えるほど
この映画を好きになっていた

最終的に2回目を観たときには
大好きになってました

それくらい興味深い映画だったと思います

 


ダークナイト(2枚組) [Blu-ray]

 

 

映画「ブラック校則」感想 これはただのアイドル映画ではない

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どうもきいつです


青春映画「ブラック校則」観ました


とある高校を舞台に
生徒たちを理不尽に縛り付けるブラック校則に
立ち向かう高校生の
恋と友情を描いた青春ドラマ

テレビドラマ「野ブタ。をプロデュース」の
河野英裕プロデュースのもと
「セトウツミ」で知られる漫画家の此元和津也が
オリジナル脚本を手掛け
「いちごの唄」の菅原伸太郎が監督を務めています
Sexy Zoneの佐藤勝利、King & Princeの高橋海人の
人気ジャニーズアイドルの2人が共演しています

 

あらすじ
髪型、服装、行動に至るまで厳しい規則
ブラック校則が定められている光津高校を舞台に
その高校に通う小野田創楽は
ある朝、町田希央という1人の女子生徒に
心を奪われる
希央は生まれつきの栗色の髪を黒く染めるよう
強要され不登校になり退学寸前の危機に
創楽は彼女を救うため親友の中弥とともに
ブラック校則を打ち破ろうと立ち上がる

 

感想
中高生向けに作られている作品だと思うけど
ブラックなルールに縛られた多くの大人にこそ
心に刺さる映画かも
自分の環境に疑問を抱くきっかけになる
作品だと思う

 

予告を見てから気になっていた作品で
観に行ってきました


この作品はちょっと特殊な展開のしかたを
しています

現在テレビドラマも放送されているんですが
それと平行して映画も公開されている

僕は関西に住んでいるので
テレビドラマは最近始まったばかりで
まだ第1話しか観ていなく
なんとも言えないですが

おそらくドラマも映画も内容は大体同じです

映画単体で観てもドラマ単体で観ても
楽しめるようには作られてるみたいですね

で、内容の違いはと言うと
設定やストーリーはほぼ同じ

ただ見せ方が全然違います

映画版はより映画的に作られていて
テレビドラマ版はテレビドラマ的に作られている

そこはなかなか考えられているんでしょうね


テレビ版はとてもライトでコメディー風
脚本が此元和津也ということもあってか
すごく「セトウツミ」っぽい

主人公2人の会話のやり取り中心に
ドラマが描かれていく作りです


そして、映画版は
テレビ版とは違いかなり映画的に作られている
内容もちょっと重く感じるし
テンポは早く感じます

それに2人の会話劇というより
青春群像劇のような構成になっている


今のところ個人的には映画版の方が
好きですね

と言うか、こういう映画は大好物です

 

で、この映画がどうだったかと言うと
なかなか面白い青春映画だと思いました

若手のジャニーズアイドルが主演で
彼らの宣伝のためだけの映画かと思うと
以外とそうではなく
それだけでは終わっていない映画

もちろん若手のジャニーズ主演なので
若い女の子は多く観にに来ていました

てか、ほとんどが中高生
小学生くらいの子もいました
しかもみんな女子

そんな中に1人だけおっさんがぽつんと…
さすがにちょっと居心地が悪かった…


高校が舞台の青春物語なわけで
ターゲット層は同世代の子たちだと思います

実際に映画の登場人物たちと同年代の子たちが
この映画を観れば共感や感情移入が
できるでしょう
普通に楽しめる作品だと思う


ただ、僕はこの映画を観て
中高生よりも大人のほうが
この映画が重く突き刺さるんじゃないのか
と思いました

むしろ、大人のほうが
この映画に感じるものが大きいかも
共感や感情移入もできるかもしれない

中高生くらいの子供が観れば
ただのあるある映画で
終わってしまうかもしれないけど

大人が観れば
自分や自分自身の環境の問題点が
浮き彫りになって
自分は何かと戦わなければならないんじゃ
ないのか?
って気持ちにさせられるような気がする


学校は社会の縮図なんてよく言いますが
この映画はまさにそれだと思います

高校生の青春を描きながら
社会や大衆の問題点
それに抗うことの意味を描いている


理不尽なブラック校則に縛られている
生徒たちを見てると
まるで自分たちのようですよ

強いたげられてただ我慢している
ってだけでなく
それを当たり前だと思って
抵抗する気持ちすら持っていない

まさに現代社会の人々を見ているよう


この高校や生徒、先生たちを見ることで
客観的に自分や社会を見れる

自分の置かれている環境や立場が
おかしいんじゃないのかと
疑問を持つことができるんです

 

それに、主人公が普通の男子高校生の創楽
ということにも意味を感じる

創楽はすごく普通の高校生です
ちょっと気が弱くて存在感は薄いですが
仲の良い友達とそれなりに
楽しく日々を過ごしている

そして、彼もブラック校則にさほど疑問を抱かずに
受け入れて生きているわけです

そんな創楽が町田希央をきっかけに
校則を変えようと奮闘する物語なんですが

これがとても熱い気持ちにさせられる
勇気付けられるんですよね

創楽が自分たちと同じように
苦悩し上手くいかず弱々しい
本当に普通の人間

これがあるからすごく感情移入してしまう


そんな普通な創楽が
どうにかして校則を変えようと
戦っている姿には応援したくもなるし
いつの間にか自分の気持ちが揺さぶられていく
ことに気付きます


最後には創楽が理屈なんかじゃなく
感情だけで世界を変えてしまうのは
すごくカタルシスを感じる

本当の自由とは何か
を教えらえたような気になりました

この映画はルールを変えるために戦う姿が
描かれていますが
結果的に戦いに勝つかどうかよりも
戦いへ立ち上がって挑むことの大切さ
立ち向かうことの意味というのを
感じることができました

実際に立ち向かうことで
創楽の世界が大きく変わりますしね

 

そして、この映画は
それだけでなくて青春エンターテイメント
としても面白い作品だと思います

登場人物たちのキャラクターは
魅力的ですし
ストーリーも練られていて面白い
コメディー要素もそれなりに笑えますし

単純な気持ちで観ても面白いと思う


シンプルに面白いから
ターゲット層の中高生にも
ウケがいいと思いますよ


ストーリーの流れで言うと

最初は若干地味な感じで始まりますが
徐々にじわじわと盛り上がっていって
最後にドカーンと盛り上がるので
普通に観ていて気持ちがいいですね

その中で、いろんなキャラにスポットが当たる
群像劇のような見せ方ですけど
テーマは一貫しているので
最後までぶれずにまっすぐストーリーが
進んでいき
とても観やすい映画でもあると思います

途中で変な寄り道をしたり
無駄なシーンがあったりもしないので
最後まで集中できますよね

それに、それぞれの視点から
同じテーマを描いているから
よりテーマの深みも増しています


それと、伏線回収なんかも
小難しくなくシンプルでわかりやすい

それに、ただ回収するだけでなく
ちゃんと盛り上がる場面で丁寧に回収していくから
これも観ていて気持ちいですよね


エンターテイメント的には
シンプルでわかりやすく楽しめる
だからターゲット層の中高生に
ウケる映画になってる

でも、テーマ性やメッセージ性は
大人の心に重く刺さるようなものが
描かれているので
その点では大人のウケもいいんじゃないかと
思います

なかなか最強の布陣の映画なんじゃないでしょうかね


あと、キャストがすごく良かったですね

主演の2人もすごく良かったですけど
脇を固める人たちの存在感がすごい

アイドル映画だと思うんですが
主演以外のキャストがなんかクセ強いですよね
主役を食ってしまうほど

普通アイドル映画って
主演以外のキャストは無難になりがちですけど


ヒロイン役のモトーラ世理奈なんて
風貌だけで存在感がすごい
只者じゃない感がめっちゃ漂ってます

もうこの子が主役だろ
って思ってしまうほどの存在感でした

他にも若手の俳優たちが多数出ていたり
ベテラン勢も出ていたりするんですが


それ以外の本業が俳優じゃない人たちの
存在感が大きい映画でもありました

パワハラ教師役のほっしゃんや
担任役のトリプルファイヤーの吉田
吃音の生徒役の達磨など

この人たちはすごく印象に残った

達磨なんて
本当に吃音症で本当にラッパー
彼の役自体が彼そのもので
なかなかすごい役どころですよね

だからこそインパクトがあったし
記憶に残る存在になったんだと思う


で、そんなクセの強い中にいるからこそ
良い意味で普通なジャニーズの2人が
目立ったんだと思う

特に創楽の普通さは
佐藤勝利だからこそ輝けたんじゃないでしょうか

メインのアイドルが目立っているという点では
アイドル映画としても成功していた
とも言えますよね

 

これはなかなか面白い邦画だと思います
バランスが絶妙でした

ただのアイドル映画では終わっていなくて
エンターテイメントとしても楽しめるし
といろいろ考えさせられる映画でもある
そして、ちゃんとアイドル映画にもなっている

個人的にもかなり好きな作品になりました

 


セトウツミ コミック 全8巻セット

 

 

映画「ジェミニマン」感想 映像はすごいけどストーリーは…

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どうもきいつです


アクション映画「ジェミニマン」観ました

若い頃の自分のクローンに命を狙われる
凄腕の暗殺者が大きな陰謀に巻き込まれていく
近未来アクション映画

監督は「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」などの
アン・リーが務め
主演はウィル・スミスです

 

あらすじ
腕利きのスナイパーとしてその名を
とどろかせるヘンリーは
政府からのミッションの途中で
正体不明の人物から命を狙われる
自分の動きをすべて把握する
神出鬼没な謎の襲撃者の正体は
秘密裏に作られたヘンリーのクローンだった

 

感想
設定は面白いけど
内容は普通のアクション映画
いまいち設定も生かせてなかったし
ちょっと期待はずれだった

 

設定が面白そうで
前から注目していた作品

まあ。期待もしていましたが
普通な映画のような気もしてました

そして、実際に観てみると
普通のアクション映画って感じ
特別すごいと思える映画ではなかったですね

これは想定内でした

だから別にそんなにガッカリもしてません


アクション映画としては
普通に楽しめると思いますし
ストーリーもシンプルでわかりやすい

軽い気持ちで観るには
ちょうどいい映画なんじゃないでしょうか

最後はハートフルな感じで終わって
ウィル・スミスらしい映画とも言える


それと、この映画の見所と言えば
やっぱり映像だと思います

今のウィル・スミスVS若い頃のウィル・スミス
これがすごいですよね

クローンである
若い頃のウィル・スミスは
完全なフルCGらしいです

マジですごいですよね
本物の人間にしか見えない

この映像技術を目の当たりにできるだけでも
この映画を観る価値があるかも


あと、この映画は
3D+IN HFR(3Dプラス イン ハイ・フレーム・レート)
ってやつで公開されてるんですが
それがすごいらしいです

僕は普通の2D上映で観たからわかりませんが…


それだけ映像に力を入れている映画
ってことです

アクションシーンもすごく派手で
迫力ありましたし
このすごい映像を3D上映で観れば
もっとすごいじゃないでしょうか


映像には力を入れているだけあって
それだけで観る価値のある映画に
なっていると思いますよ

 

ただ、映像は頑張ってるけど
ストーリーが微妙なんですよね…

めちゃくちゃ悪いわけではないてすが
ちょっといまいちなストーリー

なんか見飽きたような
普通の物語で終わってしまう

せっかく面白そうな設定も
あまり生かされていないし
派手なアクションシーンは
ストーリーと噛み合っていない


なので、全体的にすごく印象の薄い映画に
なってしまっていたと思う

別に映画館で観なくていいや
って思ってしまう内容

映画館で観てこその映像にこだわっているのに
そう思わせてしまう内容なので
すごくもったいないですよね


まず、この映画の目玉でもある
ウィル・スミスVSウィル・スミスが
思っていたより盛り上がらない

ただ強いヤツ同士の戦いで
終わってしまっているんですよ

オリジナルとクローンの戦いの醍醐味が
あまり感じれない

同じ人間だからこその
互いに考えや気持ちを読み取って戦う
駆け引きみたいなのは全然無いし

自分自身と戦うことで生まれる
心の葛藤などの哲学的なものも
描かれていない

単純に派手な戦闘が繰り広げられるだけの
アクション映画で
せっかくの設定が生きていないです


それに
ウィル・スミスVSウィル・スミスと
謳っている本作ですが
そこまで対立してるわけでもない

はじめは戦いますが
結構あっさりと和解してしまいます

そこが拍子抜け

オリジナルとクローンの
壮絶な戦いを期待してたのに
思っていたより戦わない

オリジナルとはなにか
クローンとはなにか
2人の信念がぶつかり合うような
激しいバトルを想像していただけに

かなり期待はずれ


本作は
ただ可哀想なクローンを
優しいオリジナルが助けてあげる
ハートフルでありがちなストーリーでした

ハートフルと言っても
そんなに感動もできませんけど

中身は結構薄っぺらいので

 

そして、物語の流れも
かなり普通でよくあるハリウッド映画
って感じ
普通すぎてあまり面白くない


それにキャラクターにも魅力がない

主人公のヘンリーでさえ
そんなに好きにはなれません

別に嫌なヤツというわけではないけど
普通すぎて面白味がない
ただの優しい人ですからね

ウィル・スミスらしいと言えば
らしいんですけどね

でも、もうちょいクセが欲しかった
このキャラは印象に残らないですよ


他のキャラもみんないまいち
ヒロインも微妙だし
敵のボスも微妙

みんな印象に残らないです


この魅力の無さは
登場人物たちが何をやりたいのかが
フワッとして曖昧だから
というのもあるかもしれない


凄腕スナイパーのヘンリーは
暗殺やめたいとか言ってるけど
そこから先どうなりたいのかが
あまりはっきりしてないし
悩みとか葛藤もそんなに感じれない

他のキャラも
ストーリーを進めるだけの存在でしかないし

敵の行動も
結構意味不明だったりする


そんなのがあるから
感情移入もできなかったのかも

 


あと、アクションシーンなんですが
派手で迫力があって
それなりに楽しめるんですけど

もっと設定を生かした戦いかたを
見せて欲しかったです

さっきも言ったけど
オリジナルとクローンが戦う
っていうのは全然生かせてないし

ヘンリーのが凄腕のスナイパーなのに
それを生かした戦いとかも
ほとんど見せてくれない

クローンのジュニアも同じで
戦闘するために育てられたって設定なのに
戦いかたがすごく雑だったりする


アクションシーンが全部
大味なんですよ

とりあえず派手だからいいじゃん
ってアクションばかり

バイクでのアクションシーンも
派手でテンションが上がるシーンだけど
あの戦い方に意味は無いですからね

全体的にアクションはそんなのばかりで
最後のほうはちょっと飽きてくる

派手なだけじゃ
やっぱりつまらなくなってきます

派手なアクションだけでなく
工夫のあるアクションなんかも
見たかったですよね


とは言え
映像を観るだけでも
この映画を観る価値があるかと思います
アクションも迫力あるし

だからこそストーリーの弱さが
もったいなく感じてしまいます

惜しい映画でしたね

 


ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(3枚組)[4K ULTRA HD + 3D + Blu-ray]

 

 

映画「記憶にございません!」感想 やっぱり三谷幸喜は自分に合わない…

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どうもきいつです


コメディー映画「記憶にございません!」観ました

国民から全く支持されていない総理大臣が
記憶喪失になってしまうことから始まる
大騒動を描いた日本のコメディー映画

「ザ・マジックアワー」「ステキな金縛り」
などの三谷幸喜が監督、脚本を務め
主演の中井貴一やディーン・フジオカ
石田ゆり子、草刈正雄など
豪華なキャストが名を連ねています

 

あらすじ
史上最悪の総理大臣の黒田啓介は
演説中に市民の投げた石が頭に当たり
記憶を失くしてしまう
国政の混乱を避けるため
記憶喪失になったことを国民や家族には知らせず
真実を知る3人の秘書官とともに
日々の公務をこなすことになる

 

感想
めっちゃ嫌いってわけではない
でも、全然ハマらなかった
普通に観ることはできたけど
ちょっと長すぎる気もした
やっぱり自分には三谷幸喜作品は
合わないとあらためて思いました

 

この映画は全く観る気がありませんでした

昔から三谷幸喜の映画はあまり好きじゃないし
わざわざ観に行く必要も無いかな
と思っていたので

でも、TOHOシネマズのフリーパスがあるので
せっかくならと、時間的にもちょうどいい時間に
やっていたので観てきました


で、予想はしていましたが
やっぱり自分には合わなかった

めちゃくちゃつまらなかったクソ映画
とまでは思いませんでしたが
なんかそんなに面白くは思いませんでした

世間一般的には人気があるし好きな人が多い
三谷幸喜の映画ですけど
個人的には全然好きじゃないですね

コメディーだけど
全く乗れないし笑えない


本当にハマらないです

これは個人の好みの問題でしょうけど

 

三谷作品の何が自分にハマらないのだろう
と考えてみると

そもそも、三谷幸喜の笑いのセンスが
自分のツボにハマらない
他には、予定調和すぎる物語が好きじゃない
豪華キャストに興味が無い

そんなところだと思います

本作もそんな感じでハマらない映画です

 

まず、ギャグシーンの話をすると

小ボケがすごく多いですよね
映画全体が小さいボケで埋め尽くされている

数分に1回以上は誰かしらが
ボケてるんじゃないでしょうか

常に誰かがボケてる状態が続く映画です

こんなのが好きな人もいるんでしょうが
僕はこんなやたらボケまくる作品は
あまり好きじゃない

観ていてすごくうるさく感じるんですよ

小ボケを挟むたびにストーリーが滞って
流れが悪くなったりもするし

これがすぐ終わるような短編映画なら
全然いいですけども
この映画は2時間以上ありますしね

2時間もこのノリで続けられたら
例え笑えたとしてもちょっとしんどい


そして、その小ボケがすごく微妙です
笑える笑えないかくらいの
絶妙に面白くないボケをかましてくる

投げる球が多い分
たまに笑えたりもしますが
基本はあまり面白くないボケが多い


僕の好みで言えば
ボケの数が少なくても
要所的に大きな笑いが生まれれば
それで満足です

コメディーだからって
全部を笑いで埋め尽くす必要も無いと思うし


それと、三谷幸喜の笑いって
ちょっと古臭い
ベタと言ったら聞こえはいいですけど
昭和を感じる笑いです

オヤジギャグに似たようなものを感じる

全部小さい笑いでインパクトが弱かったりもします
だから、あまり思い出せない
これがすごく印象に残った
って笑いが全然無いんですよね

あんなにボケの数が多いのに
ほとんどどんなボケがあったのか覚えていません


あと、ちょっとくどいな
と思うところもあります

通訳の人がいちいちアメリカ大統領の
通訳をかぶせてるのとか
面白いと思ってのことでしょうが
正直すごくうるさい

しかもシーンが移り変わっても
それをずっと続けるし

さすがにあれは邪魔ですよ

他にも同じことの繰り返しや
長々と1つのボケを引っ張ったりとか
くどい演出が多かったです


ストーリーの関しては
内容の薄さに対して上映時間が長すぎる

無駄なシーンが多かった印象です

特にアメリカ大統領の接待の場面とか
無駄に長い
ストーリー上も大して意味があると思えなかったし

ゴルフの場面とか
やたら小ボケを詰め込むだけで
めっちゃ無駄だと思った


それに、ストーリーが予定調和すぎます
全部思った通りに進んでいくし
あまり障害も無く上手く話が進んでいくだけで
カタルシスもないし

なんかつまらないストーリーでした

ラストなんかもすごくフワッと終わって
全然気持ち良くない終わり方です

主人公が成長した感じも無いですしね

最悪な総理大臣から良い総理大臣になる
って話ではなくて
最初から最後まで良い総理大臣の話なんですよ

主人公が成長しているようで
実はほとんど成長していない

最悪な総理大臣というのは
設定上での話で終わっているので
この映画で描かれているのは
優しい人が優しく過ごしているだけの物語

いろいろトラブルが起きているようで
実はそんなに波風が立っていないから
全然面白みのないストーリーだったと思います

 

いろいろと言いましたが
僕がこの映画で1番引っかかったのが

記憶を失くすことと性格が変わることが
ごっちゃになっていた事です

それがすごく腑に落ちない

最悪の総理大臣が記憶を失うことで
すごく良い人になってしまうんですが

そこって別問題じゃないのか?
って思ってしまうわけです

はじめは最終的には
その部分の辻褄が合うストーリーに
なっているのかとも思ってましたが
結局、辻褄は合わず

実は良い人だけど総理を務めるために
悪人を演じていたとか
何か大きなきっかけがあって横暴な人間に
変わってしまったとか

何かしら理由があれば
記憶を失うことで過去の自分に戻ったと
納得できるんですけど


確かに、昔は優しい人間だったけど
途中で変わったみたいな話は出てきますが

あそこまで横暴で最低な人間になってしまう理由
としては説得力に欠ける
なんかすごくフワッとした理由で納得できない

というか
昔はおとなしくて優しかった人間が
パワハラやセクハラを普通にやる人間に
なってしまうこと自体がちょっとおかしい

最終的に記憶を取り戻すけど
そのまますごく良い人で終わってしまうのも
あんな酷い奴がこんな感じになれるの?
と疑問に思ってしまいますし


そのへんが少しリアリティーに欠けますよね


他にもツッコミどころが多くて
そこがノイズになりました

石を投げた犯人が直接総理大臣に会えるとか
ありえないし
総理大臣に対するセキュリティーが
ガバガバだったり

とにかく、リアリティーが薄いです

フィクションだから
と言ってしまえばそれで終わりですけど

そういう細かい変なところが多くて
いちいち気になってすごく邪魔なんです

 

あと、総理大臣とか政界とかを
描いている作品なのに
風刺などはほとんどないのもどうかと思う

せっかくならもう少し切り込んで
ブラックな笑いとかあっても良かったと思います

総理大臣を題材に
ただのドタバタコメディーをやりました
ってだけではもったいないですよ

 

久しぶりに観た三谷映画でしたが
やっぱり面白くなかった
駄作とまでは言いませんが
薄っぺらい映画だとは思う

笑いに関しては個人の問題だとも思うので
笑える人が観れば笑える映画なんでしょう

 


ステキな金縛り Blu-rayスタンダード・エディション