何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ウィッチ」感想 全然怖くないと思ったけど よく考えたら怖いかも

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どうもきいつです


ホラー映画「ウィッチ」観ました

第31回サンダンス映画祭で
監督賞に輝いた2016年の作品
魔女をテーマに
赤子をさらわれた家族が
次第に狂気の淵へと転落していく姿を描いた
ファンタジーホラー映画です

監督のロバート・エガースは
本作が初監督作
主演の少女を演じるのは「スプリット」などの
アニャ・テイラー=ジョイです

 

あらすじ
1630年のニューイングランド
信仰心のあついキリスト教徒の一家が
森の近くの荒れ地へ移り住んでくる
そんなある日、赤ん坊のサムが突如
姿を減してしまう
一家が悲しみにくれる中、父ウィリアムは
娘のトマシンが魔女ではないかと疑い始める

 

感想
第一印象は
怖くない、よくわからない
でしたが
後から考えると
実はすごく怖い映画だったかも
と思わされる
深読みすることや考察したりもできる
なかなか興味深い映画でした

 

アニャ・テイラー=ジョイが
すごく好きなので
まだ観ていなかった本作を観てみました

やっぱり可愛いですね
彼女が見れただけで
本作を観る価値がありました

それだけで満足の映画
なんですけども


アニャ・テイラー=ジョイの魅力だけでなく
本作はとても興味深い映画でした

ホラー映画ですけど
わかりやすく面白いとか
わかりやすく怖い
って映画ではなかったので

つまらない映画だと思ってしまう人も
いるかもしれませんが
深く考えると面白い映画だと思います

正直、僕も第一印象は
なんだかよく分からない映画
だったんですけど

観終えた後に
よくよく考えてみると
なかなか怖さもありますし
面白い要素も多い作品に思えてきました

 

軽く観てしまうと
本当に意味があまりわかりません

最後まで観ても
真相はさほど解明する訳じゃないし

意味深な場面が多いですが
意図がわかりづらい

そもそもキリスト教の価値観や宗教観が
かなり重要な作品でもあるので
それに馴染みがあまりない
日本人からすれば
ちょっと理解しがたいことが多いです


でも、後からでも調べれば
それなりに理解できたりはすると思うので
宗教的な部分はそこまで難しいわけでも
ありませんでした

黒山羊、うさぎ、林檎や
映画の中での意味ありげな物や言動
そういうものたちがキリスト教では
どういった意味があるのか
ってことだけでも調べれば

これらが意図しているものが
なんとなくわかってくると思いますよ

 

で、この映画は
観る人や考え方の違いによって
解釈や見えかたが変わる作品だと
思います
怖さに関しても同じで
どんな角度からこの映画を観るかによって
怖さの種類が変わってくる


単純に魔女や悪魔の
オカルト的な怖さなのか
人間の醜さや心の闇などの
現実的な怖さなのか

たぶん観る人によって
解釈が違ってきます

同じ人が観たとしても
1回目と2回目では
見えかたが変わってくるかもしれない


そんな、答えが1つに絞られていないような
作品でした

だから、観終えた後も
いろいろ考察することができて
楽しいんですよね

ああでもない、こうでもない
と思いを巡らせてみたり
誰かの考察を読んで違った考え方を
見てみたり
友達と議論してみたり

そういった楽しみかたができる
映画なんだと思います

 

個人的な考えでは

トマシンは早い段階で魔女になってた説か
実は魔女なんていなかった説
がしっくりきますね


トマシンがはじめから魔女だった場合なら
この物語はめっちゃ怖いと思いますよ

それぞれのシーンがいちいち怖く見えます

トマシンの表情なんかも怖く思える
なかなかハードな状況にもかかわらず
あまり表情に変化が無かったりもしますし

ラストの惨劇も衝撃ですし
実は全部トマシンの計画通り
だったようにも思える終わりかたです


魔女がいなかったと考えると
それはそれで気持ち悪さがある

人間の醜さ、弱さがすごく浮き彫りに
なると思います

不幸で絶望的な環境に置かれることで
たとえ家族であろうと疑心暗鬼になったり
憎しみが生まれたり

そして、最後の惨劇ですよ

魔女がいないと考えると
また違った怖さを感じれます

 

そんな感じで
考察する面白さがある作品ですが
魅力はそれだけではないです


この映画は終始暗い雰囲気で
すごくじめじめした映画
そして、ラストはかなりのバッドエンドで
後味はすごく悪いです

でもですね
この最悪なバッドエンドなんですが
意外と気持ちいいんですよ
カタルシスを感じます


なぜかというと
トマシンが最悪な環境から
最後には解放されるからです

父親のプライドによって
望んでいない貧困生活を
余儀なくされて

赤ちゃんがいなくなったことで
母親からは強く当たられる

双子の兄妹はわがままで
言うこと聞かないし

トマシンはかなり鬱屈した気持ちを
抱え込んでいるわけです


だから、トマシン目線で考えると
この物語の結末は意外とハッピー
だったのかとも思える

それがラストの表情にも表れているんじゃ
ないですかね
あの不敵な笑みには
いろいろ込められていそうですね

 

それと、ビジュアル面もとても魅力的
不気味で不穏な空気感ではありますが
美しくもある映像です

自然の美しさを表現しつつも
自然の怖さ、気味悪さを
感じることができる

トマシンもとても美しく映されています
だからこそ、ちょっと不安にも感じる
美しいからこその不安定さが
表現されていると思います

そんな美しい映像の中に
気持ち悪い描写も所々にあり
そのギャップで不安な気持ちにも
させられます

特に魔女のインパクトはなかなかですね
あれは普通に怖いし
生々しさがあって気持ち悪い

映像的な魅力も十分にある
作品でしたね

すごく引き込まれる映像でした

 

アニャ・テイラー=ジョイの
可愛さだけでも満足できる映画
なんですけども
1本の作品としてとても魅力的でした

観れば観るほど
考えれば考えるほど
面白さに気付ける映画だったと
思います

怖くないようでかなり怖い作品でした

 


ウィッチ [Blu-ray]

 

 

映画「ゾンビランド」感想 笑えるゾンビ映画 ストーリー展開は雑

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どうもきいつです


ゾンビ映画「ゾンビランド」観ました

人類のほとんどかが
ゾンビと化してしまった世界を舞台に
引きこもりの青年がそんな世界を生き残るべく
自分の作ったルールをもとに
仲間とともに旅をするホラーコメディー
ゾンビ映画史上最大のヒットを記録した
2009年の作品

監督は「ヴェノム」「ピザボーイ 史上最凶のご注文 」
などのルーベン・フライシャーが務めています

 

あらすじ
人類の大半がゾンビと化した世界で
引きこもりのコロンバスは
ゾンビだらけの世界で生き残るためのルールを作り
それを実践して生き延びてきた
そんな中、屈強な男タラハシーや
したたかな詐欺姉妹ウィチタとリトルロックに
出会い、ゾンビのいない地を目指す

 

感想
コメディーとして面白いシーンが
たくさんあって笑える作品
ただ、ストーリーは雑で
後半は特に強引になっていて
あまり納得できる内容じゃない

 

続編が公開されたので復習もかねて
前作である「ゾンビランド」を
久しぶりに観てみました

観たのはずいぶん前なので
内容は結構忘れてた

なんとなくの流れは覚えていましたが
細かい部分はほとんど忘れていました

なので、観るのは2回目ですが
新鮮な気持ちで観れたと思います

 

この映画は単純に楽しめますね
バカバカしくて笑える

ゾンビ映画と言えばB級でマンネリ気味な内容
というのを逆手に取って
笑いに変えたり新しい見せ方をしたりと
面白い作り方をしている映画だと思う

 

ストーリーはゾンビ映画でありがちな
どうやって助かるか
どうやってゾンビと戦うか
みたいな絶望的な世界を
必死で生き残り助かるために戦う
ってわけではなく

こんな世界になってしまったのは仕方ないから
そんな絶望的な状況の中どう上手く生きていくか
そして、そんな世界に楽しみや希望を
見いだしていく物語です

ゾンビ映画なのにかなり楽観的な内容
作風もライトで緊張感なんて全然無いです

絶望的な世界観なのにすごくゆるい映画

それがこの作品の面白さでも
あると思います
と言うか、そこが1番の魅力ですよね

 

コメディー部分は笑えるシーンが多いと思う
基本アホらしいギャグが多め
でも、ユーモアがありますし
スベってるギャグにはなってません


冒頭のルールの説明をかねての
人々がゾンビに襲われるシーンは
なかなか好きです

ゾンビ映画らしいパニックシーンですけど
バカバカしくて面白い

その後の、主人公がルールを守って
上手くゾンビから逃げているシーンも
コミカルで笑えますしね

他にも小ボケみたいなシーンが多く
一つ一つもそれなりに笑える

特に笑ったのは
やっぱりビル・マーレイですね

ビル・マーレイが本人として出ているのも
面白いですが
あの死にかたはアホすぎる

ゾンビのふりをして脅かそうとしたら
殺されてしまうという…
そりゃそうなるだろ!!
っとツッコミたくなりますよね

あそこは1番の笑いました

 

基本的に笑えるし面白い映画なんですが
その反面、微妙なところも多いと思いました

この作品で一番もったいないと思うのは
メリハリが無いということ

最初から最後まで
一発ギャグみたいな笑いのシーンの羅列が
続いているだけの内容になってしまってる

だから、かなりダラダラ進んでいる印象の
映画になっていると思います


やはり、緊張と緩和が大事だと思うんです

いくら面白いギャグでも
ただギャグを並べてるだけじゃ飽きてくるし
最後のほうは
もういいよ…
って、さすがに食傷気味になってきます

それに、大きい笑いを作るのには
緊張感も大事ですしね

そこのバランスが重要だと思うわけです


で、本作はゾンビ映画なので
やっぱりもっとそこを生かすべきだったと
思います

せっかくゾンビを扱っているんですから
もっと怖いシーンやビックリシーンが
多くあっても良かったですよね

ふざけたバカバカしい見せ方だけじゃなく
生きるか死ぬかの緊張感が
張り詰めたシーンとかがあるほうが
笑いのシーンが爆発的に面白く
できると思いますし

この映画では
ゾンビと戦うシーンは
ほとんどコミカルであっさりと
ゾンビを倒してしまうから
緊張感なんて全然無いです

終盤も危機的状況ではあるけど
なんかごちゃごちゃしてるだけで
恐怖感や緊迫半は全く生まれてませんでしたしね

 

そして、ストーリーももう少し
真面目に作るべきだったんじゃ
ないでしょうか

この映画のストーリーはかなり雑だと思う

キャラクターの魅力は引き出せてないし
展開はめちゃくちゃだし
人間ドラマも薄すぎるし

とにかくストーリーがテキトー

コメディーだから別にいいじゃん
とも思うかもしれませんが
だからこそストーリーがしかっりしてれば
さらに笑えると思う

これも緊張と緩和ですよね

ストーリーがちゃんとしてれば
さらに笑いのシーンが際立って
もっと笑えるはず

 

それに、こういう作品は
キャラクターの個性や魅力も
大事だと思いますが

本作は登場人物があまり魅力的ではない

表面的には面白げな人たちですけど
キャラクターが深掘りされていなくて
何を考えてるか掴み所が無かったり
あまり好感的な印象も持てない

キモい童貞、頭おかしいオッサン
性格が悪い姉妹
それ以上のキャラになっていないので
意外性が無いし好きにもなれない

しかも、この人たちの
人間関係の描きかたもかなり雑で
最終的に絆が深まりますけど
いまいち説得力に欠けます

なぜそうなったのか?
の部分が全然描かれてない

なんとなく楽しく過ごしてる描写は
あるけども
絆が深まるのがわかるエピソードが
無いですよね

なんとなくいつのまにか
仲良くなってました
ってだけです

 

あと、展開が強引ですよね
目的も不明確ですし

特に終盤
なぜ遊園地に行くのかよくわからない
なぜそこが最終目的地になりえるのか?
遊園地を動かせばゾンビが
集まってくるであろうことを
予測しなかっとのか?
あんな逃げ場の無い絶叫マシーンに
乗るのは意味不明

とにかく終盤はぐちゃぐちゃ

たぶん、遊園地でのゾンビとのバトルを
見せたかったんだと思います

確かに遊園地でのシーンは
それなりに面白かったと思いますが
その為だけのこじつけが多過ぎて
そこがすごく気になる

あの姉妹がバカすぎて
もう死ねばいいのに
って思ってしまいますよね

最終決戦地を遊園地にするとしても
もっとやりようがなかったのでしょうか?

最後のあたりは
なんで?
と疑問に思うことが多くて
ラストの見せ場なのにいまいち入り込めなく
気持ちも上がりませんでした

あの大量のゾンビを
1人で片付けてしまうのも
さすがにリアリティが無さすぎですし


それに、生き抜くためのルールも
最後のほうではあまり機能していませんよね
せっかく面白い設定なのに
最初にそれを見せるだけで
後々の展開にはあまり繋がってこない

終盤にこそ
ルールを使った面白い展開を
見せて欲しかったです

なんかもったいないですよね

 

大人気のゾンビ映画ですか
雑なところが多くてちょっと微妙にも
思いました

ただ、面白い部分もたくさんあるし
ちゃんと笑えるコメディーにはなっています
個人的には本作を
最高とまでは思えませんでしたが
それなりに楽しめたし好きな作品でした

続編がどうなっているのか
気になるところです

あと、トゥインキー食べたい

 


ゾンビランド [Blu-ray]

 

 

映画「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」感想 超かわいい~ もはやドラッグ

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どうもきいつです


アニメ映画「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」観ました

日本キャラクター大賞2019でグランプリを受賞した
サンエックスの大人気キャラクター
すみっコぐらしの劇場版アニメーション
すみっこが大好きな個性豊かなキャラクターたちが
不思議な絵本の中で大冒険を繰り広げます

監督を「アイドルマスター」シリーズの
まんきゅうが務め
ナレーションは井ノ原快彦、本上まなみが
務めています

 

あらすじ
ある日の午後
お気に入りの喫茶店“喫茶すみっコ”を
訪れたすみっコたちが
地下室で見つけた不思議な絵本の中に
吸い込まれてしまった
絵本の中ですみっコたちは
自分が誰かわからないひよこと出会い
ひよこの家を探す大冒険が始まる

 

感想
とにかく最初から最後まで超かわいい
内容はほっこりするストーリーで癒されます
最後にはちょっと感動するし
このかわいさが病み付きになる
これはドラッグムービー

 

なんかすごく評判が良いし話題になってる本作
めっちゃ気になっていたので
観に行ってきました

普段こんなタイプの作品には
ほとんど触れないので

この映画をどう観ればいいのか
どう語ればいいのか
というのがちょっと難しいのですが…

ただ、1つ言えるのは超かわいい~

とにかくかわいい映画だったと思います

さすがかわいさを追い求めて
生み出されたキャラクターだけあり
デザインがそもそもめっちゃかわいいですね

もちろん子どもたちには好かれそうな
デザインだと思いますし
女子もこんなキャラクターは好きそう
おっさんでもかわいいと思えるんじゃないですかね

もう、かわいさの権化のようなキャラクターたち

そんなかわいいやつらが
かわいいストーリーのもと
かわいい行動でかわいく物語を進めていく

ただただかわいい
頭がおかしくなりそうです


そんなかわいいキャラクターたちの設定は
なかなかおかしい

統一感が無くてちょっとカオスなんですよ

クマがいてネコがいて
とういので動物なのかなと思うと

トンカツ、エビフライのしっぽ、タピオカとか
食べ物とかもいる

そこに雑草やほこりなんかもいて
衛生的に大丈夫か?
とか余計なことも考えてしまいます

他にも緑色のぺんぎん
恐竜の生き残りのとかげ

極めつけはおばけ
おばけってなんやねん
って思ってしまった

そんなカオスな世界観です
でも、そのカオスな世界観が妙に面白くて
なんか引き込まれてしまいます

そして、みんなかわいらしいですしね


このキャラクターたちのかわいさにハマれば
本作に病みつきになってしまうと思う
これはドラッグいたいなもんですよ

ハマってしまえば
こいつらを欲してしまいますね

それがこの作品の最大の魅力なんだと思います

 

ストーリーに関しては
とてもシンプルでわかりやすく
子ども向けの内容って感じです

大した展開は無いですし
ただすみっコたちが
かわいくドタバタ冒険するってだけの
内容ですしね

でも、終盤はほっこりと
感動できるようなラストを迎えて
観終えたときにはとても暖かい気持ちになれる

涙腺がゆるい人なら
泣いちゃうかもしれませんね


子ども向けのストーリーとしても
なかなか良い話で
絵本を読んでいるような感覚の映画だったと
思います

映画の長さも1時間程度と短く
子どもも集中が切れずに
最後まで観れるような長さでした

子ども向けの映画としては
かなり出来の良い作品だったんじゃないでしょうか

 

ただ、僕が思うのは
みんなちょっとこの映画のハードルを上げ過ぎです

あまりにみんながすごいと言い過ぎている

正直言って子供向けのアニメでも
これくらいのクオリティの作品は
いくらでもあるし
そこまで騒ぎ立てるほどのものか?
と少し疑問に思ってしまいます

ここまで高評価の大絶賛が多ければ
それを聞いて観に行く人もたくさんいるはず

でも、実際観に行った人の中には
評判程じゃないな
と思ってしまう人もいるでしょう

大人が観ても泣くほど感動できる
って声もよく聞きますが
正直そこまでではないと思いました


たぶん
この映画を絶賛している人たちって
そもそも、子供向け作品を
ちょっと舐めていて下に見ている人たち
じゃないのかなと思います

そういう人たちがたまたまこの映画を観て
想像以上に出来が良かったから
興奮してるんじゃないかと思う


子供向け作品の面白さやすごさを知っている人なら
この作品を特別に大絶賛することはないでしょう

ドラえもん、仮面ライダー、海外の子供向けアニメ
などでも良い作品はたくさんあるし
本作を必要以上に騒ぎ立てるほどではないですよね


本作は子供向けのファミリー映画
という気持ちで観に行くのがいいです

変に感動を期待して観に行くものではないと思う
そんな気持ちで観れば
この作品の本質からブレてしまう気がするし
評判ほど面白くなかったって批判も生まれる

でも、そんな批判もすごく野暮だと思いますし

 

あと、これは完全に個人的な好みですけども

本作のキャラクターはかわいさ100%で
僕の好みから言うとちょっと物足りない

確かにかわいいし中毒性があるけども
かわいいだけで終わっているので
広く大衆には広まるけども
深くハマれるキャラクターにはなっていないと思う

それでも、好きな人は好きだと思うし
ハマれるほどのかわいさがあれば十分なんですが
中毒性に関するとちょっと弱いですかね

やっぱり、かわいい中にももっとクセがあったり
独特な画風だったりする方が
何回も見たい作品になるじゃないでしょうか

世の中には
もっと中毒性の高いキャラクターやアニメも
存在するわけで
そんなのを知ってしまっていると
このすみっコぐらしでは刺激が足りない

かわいさだけでなく
キモさとか不安定さとか
そういうのがあるだけでもっと中毒性が
高まると思います

真面目にかわいすぎた
というのが個人的な物足りなさでした

 

とは言え
かわいさを追求したキャラクターには
十分魅力が備わっていますし
子供たちもこんなキャラは大好きだと思う

物足りないと言いつつも
僕もこのかわいさにはハマりましたし
この可愛さにやられました

子供と一緒に観るファミリー映画としては
素晴らしい出来だと思います

 


すみっコぐらし検定公式ガイドブック すみっコぐらし大図鑑 (生活シリーズ)

 

 

映画「シャイニング」感想 ジャック・ニコルソンの顔が怖すぎ もはや面白い

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どうもきいつです


ホラー映画「シャイニング」観ました

スティーブン・キングの小説を映画化した
1980年の名作ホラー映画
冬の豪雪で閉鎖されたホテルを舞台に
とある一家が狂気に満ちた出来事に
巻き込まれていきます

監督は「時計仕掛けのオレンジ」「2001年宇宙の旅」などの
スタンリー・キューブリックが務めています
原作と内容がかけ離れていたため
キングがキューブリックを批判したことでも
有名な作品

 

あらすじ
冬の期間、閉鎖されるホテルに
小説家志望のジャックとその一家が
管理人としてやって来た
そのホテルでは、かつて管理人が家族を
惨殺したという事件が起きており
当初は気にしていなかったジャックも
やがて邪悪な意思に飲み込まれていく

 

感想
なかなか謎の多い作風で
最後まで観てもよくわからなかったりする
でも、そのミステリアスさが魅力
怖いシーンはとても怖いし
ジャック・ニコルソンの顔芸が
狂気に満ちていて
恐ろしくもあり面白くもありました

 

「シャイニング」の続編が公開される
ということで
久しぶりに本作を観てみました

そもそも、この映画はすごく好きで
あらためて観てもやっぱり面白い

単純に怖いし
ミステリアスな物語にはとても引き込まれる
なんと言ってもジャック・ニコルソンの顔芸
あの顔だけでこちら側の感情が揺さぶられますよね

とにかく個人的にも
かなり大好きな作品です

 

まず、ストーリーの話をすると
正直言ってよくわからないことが多いです

最後まで観ても真相はわからない
途中の意味深なシーンには
どういう意図があるのか?
ジャックはなぜ気が狂ってしまったのか?
あのホテルは一体なんなのか?

謎だらけの映画です


僕は原作を未読なので
もしかしたら原作を読めば
もっと詳しいことが描かれているのかも
しれないです

スティーブン・キングがこの映画にぶちギレてる
ってことは
重要な場面を削っていたり
作者の意図するものとは別の表現を
していたのかもしれませんね

ただ、原作通り忠実に再現していても
面白くなっていたかはわからない

実際にキングが脚本を務めたドラマ版は
そんなに評判がよくなかったりするし


原作とかけ離れている作品だとしても
1本の映画としてはとても面白い
じゃあ、それでもいいじゃん
って思います


むしろ、この謎の多いホラー映画
というのがこの作品の最大の魅力だと思います

観ていると
途中からカオスな世界観に
なにがなんだかわからなくなってくる

現実なのか妄想なのか
過去なのか現在なのか
オカルト系なのかサイコ系なのか

で、結局どういうこと?
って感じで終わっていきます


でも、それが良いんですよね

考察したり深読みしたりするのが
面白い作品でもあると思います


物語の内容を要約すれば
閉鎖されたホテルで過ごす3人家族の父親が
急に気が狂って家族を殺そうとする
ってだけのシンプルな内容

そんなヤバイ奴から逃げ惑う
ホラーとしてはかなり王道な展開です


ありがちなホラー映画ではあるんですが
そんな中で謎に満ちたミステリアスなものが
たくさん散りばめられているから
より不気味に感じるし
よりこの世界に引き込まれていく

映画の中に引き込まれれば
怖い演出はもっと怖く感じると思う

自分が映画の中に入ってるのかと思うくらい
いつの間にか没頭してしまっています

 

細かい部分でも面白いと思えるものが
たくさんあります

恐怖演出なんかは
怖いだけでなくユーモアがある

怖いけどなんか面白い
って場面が多いです


エレベーターでの血の洪水なんて
正直意味わからないですけど
映像的なインパクトはすごいし
ちゃんと怖さも感じる

でも、やり過ぎててちょっと面白い


ダニーがレッドラム、レッドラム
連呼するシーンなんかも
鏡に映ったレッドラムの文字が
実はマーダーだった!!どーん!!
って、よく考えたらなんじゃそりゃ
なんですけど

このシーンもすごく怖い
なんかわからんけど怖い
ダニーめっちゃ怖い


あと、クマか犬かわからない奴
なんか同性愛的なものを示唆してるけど
唐突過ぎて意味不明

意味がわからな過ぎて怖い
普通笑ってしまいそうな面白いシーンの
はずなのになんか怖い


それと、双子は普通に怖い


そんな感じで
すごく印象に残る場面が多い映画です

映像が目に焼き付くんですよ

この映画の内容を忘れたとしても
映像は絶対に覚えているはず
それくらい強烈な映像が多い


それの最たるものが
ジャック・ニコルソンですよね

「シャイニング」=ジャック・ニコルソン
と言っても過言じゃないです

それくらいジャック・ニコルソンがすごい映画

もちろん怖いですが
それを通り越して面白いですから

見方を変えればコメディーですよ

特に顔芸が素晴らしい
あんな狂気に満ちた顔よくできるもんですよね

あの顔を見るためだけに
この映画を観てもいいと思います

ちょっとニヤっとした時の顔とか
すごくキモい
ゾクゾクしますよ

最初から最後まで
ジャック・ニコルソンの顔芸映画でした


それと、顔だけに注目しがちですけど
動きもなかなか面白いです

妻に息子への暴力を疑われた後の
イライラしてる動きとか
めっちゃ面白いです

狂気と怖さを感じる場面でも
あるんですけどね

 

見た目の話で言うと
デザイン面のセンスも素晴らしいです

ホテルの内装の模様や色彩に
すごくセンスを感じます

このちょっと奇抜なくらいの色や模様が
本作のミステリアスな雰囲気を
際立たせていると思う

1977年の「サスペリア」とかも同じで
鮮烈な色彩やデザインが
ホラーと上手く合わさって
より魅力を引き立てています

こんな鮮やかな色彩って
ホラーとは相性が良くないような気もしますが
実はすごく相性が良いんじゃないかと思う

ギラギラした色調が
落ち着きが悪くちょっと不安な気持ちにも
なるんですよね

そういった点も
記憶に残る映像に仕上がった
要因の1つじゃないでしょうか

 

あと、冒頭のシーンも印象的ですね
不穏な音楽と空撮の映像

これだけで完全に心が掴まれます
すごく引き込まれる映像だと思う

掴みも完璧な映画ですね

 

あらためて観てもやっぱり面白い映画
観れば観るほど魅力に引き込まれていくと
思います
観たことがない人には
是非観てもらいたいですね

怖くて面白い謎だらけの
不思議な映画です

 


シャイニング [Blu-ray]

 

 

映画「ブライトバーン 恐怖の拡散者」感想 子供って怖い…

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どうもきいつです


ホラー映画「ブライトバーン 恐怖の拡散者」観ました

SF、ホラー、サスペンスなど
さまざまなジャンルをミックスした作品
異様な能力を持つ12歳の少年が
周囲を恐怖に陥れる物語

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などの
ジェームズ・ガンが製作を担当し
「インバージョン 転移」の
デヴィッド・ヤロヴェスキーが
監督を務めています

 

あらすじ
子供ができずに悩んでいた
トーリとカイルの夫婦はある赤ちゃんを
自分たちの子供として育てることにした
ブランドンと名付けられた男の子は
夫婦にとってかけがえのない存在になるが
ブランドンが12歳になったある日
彼に普通でない異様な力が目覚め始める

 

感想
なかなか怖い映画
ホラーの怖さよりも
子供の怖さが伝わってきました
映画の面白さで言うと
特別に面白いわけではないかも
結構ベタな映画だったと思う

 

予告を見てとても面白そうだったので
前から観たかった映画です

強大な力を手に入れた若者が
道を踏み外してしまう
みたいな作風の作品はすごく好きなので
本作にも期待していました


そういうのもあって
僕は「キャリー」とか「クロニクル」
みたいな内容の映画を想像していたんですが
全然違った

「キャリー」「クロニクル」の場合は
主人公の生きる環境などのせいで
鬱屈した感情が
ちょっとしたきっかけで爆発して
暴走してしまう
という物語なんですが

本作の場合は
単純に善悪の分別がつかないような
ちょっとバカな子供が強大な力を手に入れて
わがまま放題に暴れ回るって内容

似てるようで全然違いますよね

 

本作で暴れまわるブランドンが
マジでクソガキなんですよ

どうしようもないクソガキ

家庭環境には恵まれているし
学校生活に関しても
ちょっと意地悪されているくらい

ごく普通のどちらかと言えば
幸せな方の子供だと思います

そんな普通な子供のブラントンが
自分の中の強大な力の存在に気付き
その力を使って人を殺しまくります

 

そういった内容なので
正直言ってブランドンには
全く感情移入できません

何かがきっかけで暴れているわけでもないし
暴れている目的もよくわからない

それにムカつく人を殺すのはわかるけど
普通に良くしてくれている人まで殺すのは
全く理解できないし


ただ、ひたすら子供が感情のおもむくままに
人を殺したり町を破壊したり
なんなの?このクソガキ
って映画でした

 

だから、この映画に人間ドラマを求めて
観てしまうと
なんかちょっと違う
と思ってしまうかもしれないですね

主人公の心の変化や
家族のドラマなんてほとんど描かれず
感情移入なんてできる内容ではないです


でも、この映画を
「13日の金曜日」や「悪魔のいけにえ」みたいな
ホラー映画だと思って観てみると
結構しっくりきました

なんかわからんけど殺しにくる奴から
逃げる映画

殺しにくる奴は
何を考えてるかわからないし
なぜ殺しにくるのかもわからない


ブランドンはまさしくそれだと思います
モンスターみたいなもんです

ブランドンが人を殺したり
破壊したりする衝動って

親の育て方のせいでそうなったのか
誰かに操られているのか
もともとそうプログラムされている存在なのか

そういうのが観ているだけでは全然わからないし
最終的にもそこははっきりしません

とにかく、なんか人を殺す奴
なんですよね


だからこそ、それが怖さに繋がっている

普通の人間の理解の外側の存在だから
より恐怖を感じるんだと思います

こういうモンスター的なキャラクターって
理解できたり感情移入できてしまったら
怖くなくなってしまいますし


その点では、ホラー映画として
ブランドンの描き方は間違っていなかった
のではないでしょうか

 

そして、この映画は
モンスター的な怖さだけでなく
子供の怖さもすごく感じました

もともと、僕が子供が苦手なので
よりそれを感じたのかもしれませんが

どう接したらいいのか?
何を考えているのか?
そういうのがわからなくて怖い

大人が制御しきれない危うさというのも
子供の怖さだと思う

で、普通なら
大人はそれを力で押さえつけることができます
悪いことをして聞く耳を持たなくても
わがまま放題言っていたとしても

大人のほうが強いから子供を制御できる


この映画はそんな力のバランスを
逆転させることで
子供の怖さを表現しているんだと思います


力のバランスが崩れるだけで
制御できなくなるというのには
ゾッとするものを感じます

この映画でも
親がどんなに愛情を注いだとしても
どんなに正しいことを説き伏せたとしても

自分のほうが強いとなってしまったら
なにも伝わらないんですよ

そうなってしまえば
いくら親でその子を愛していたとしても
もう怖くて仕方がないと思う

そりゃ最後の母親の選択の納得できますよね
殺らなきゃ殺られる
って気持ちしかないでしょう

 

で、これって
藤子・F・不二雄の短編漫画「わが子スーパーマン」にすごく似ています
と言うかほとんど同じような内容

この作品でもやっぱり制御できない子供の
怖さを描いている

この漫画の場合は子供が正義のヒーローに憧れて
無茶な行動を起こす話なんですが

それを止めるために父親が息子に
正しいことを教えようとしますけど
全く伝わらず制御できなくなってしまう
最終的には取り返しのつかないことに
なってしまいます

そんな物語の中で
子供の危うさを伝えている作品です


この映画も
同じような意味が込められているんじゃないのか
とも思いました

 

ここまで、いろいろ言ってきましたが

この映画が面白かったのかと言えば
そんなに面白かったわけでもなかったです

別につまらなくはないですが
普通な映画だと思う

設定は特殊で新鮮な感じはしますが
よく考えると最初に上げた「キャリー」や
「クロニクル」と結構似てるし

ホラー映画としてもベタな展開が多くて
なんか観たことあるような映画だったと思う


グロいシーンはなかなか攻めていたと思います
想像以上にグロかった

なのに年齢制限が無いのはちょっと謎ですね
PG12なので12歳未満でも親の同意があれば
観れます

なのでグロいシーンは印象に残りましたね

目に刺さったガラスの破片とか
おじさんのアゴとか

かと言って
そこまで魅力的ってほどでもなかったですが


それに、ストーリーは全然無いです
ヤバい子供が人殺して暴れ回ってるだけの
映画ですから

これも、王道ホラーと言えばそうなんですけど…

だからストーリーの魅力ってのも
ほとんどないですね


もうひとひねりくらい
面白い展開とかがあっても良かったと思います

あまりにもベタで平坦に流れて行く
映画だったので
ちょっと眠気にも襲われました

 


あと、最後のやつ
続編があるような感じで終わりましたが
あれはちょっとワクワクした

最初はこの映画
こんなスーパーマンがいたら嫌だ
みたいなヒーローもののアンチテーゼ的な
作品だと思っていたんですが

もしかしたら
これの元ネタはフライングヒューマノイド
じゃないですか?

フライングヒューマノイドを
こういう解釈でホラー映画にしました
ってことだったらすごくワクワクする


これから先も
様々な都市伝説やUMAなんかを
新しい解釈でホラー映画として
展開していくってことなら
個人的にはすごく期待してしまう

最後の場面を観ただけでの
個人的な予想なので
本当にそうなのかはわかりませんけどね

 

子供の怖さというのが
すごく伝わってきて
ホラー映画としてはそれなりに怖い作品に
なっていたとお観ます

でも、特出した面白さは無かったので
期待していたほどの映画ではなかったかも

まあ、続編が作られるのなら
観てみたいという気持ちは生まれました

 


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映画「地獄少女」感想 実写化は成功してると思うけど 白石晃士ならもっとできたはず

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どうもきいつです


アニメの実写化映画「地獄少女」観ました

2005年に第1期が放送されドラマ化もされた
人気テレビアニメ「地獄少女」を実写化した作品
ウェブサイトを通じて復讐の依頼を受け
それを遂行する地獄少女の姿を描いた作品

監督は「カルト」「不能犯」などの
白石晃士が務め
地獄少女を演じるのは玉城ティナです

 

あらすじ
午前0時にだけ現れる地獄通信というサイトで
復讐を依頼すると地獄少女が現れ
恨みを晴らしてくれるという都市伝説が
若者たちの間でささやかれていた
女子高生の美保は大好きなアーティスト、魔鬼
のライブで遥と出会い魅了され彼女と親しくなる
美保は遥と共に魔鬼のコーラスのオーディションを
受けることになるが
そこから不可解な事件に巻き込まれていく

 

感想
アニメの実写化としては
なかなか出来の良い作品だと思う
ただ、すごく面白いのかというとそうでもない
白石晃士ならもっとすごい映画を
撮れたんじゃないか?
そう思ってしまいました

 

アニメの「地獄少女」はそんなに
がっつりとは観ておらず
軽く作風や設定を知っている程度

なので、あまり思い入れのある作品では
ないのですが
白石晃士が監督を務めるということで
とても興味があった映画です

僕は白石監督の作品はとても好きで
彼の作品はいろいろ観ていて
特にコワすぎシリーズがすごく好き

独特な世界観やキャラクター
白石監督特有の絶妙な映像センスなどが
かなり僕のツボにハマるんですよね

そんなこともあって
この作品には結構期待していました

 

そして、実際に観てみると
白石監督らしい表現をたくさん見れたし
アニメの実写化としても
なかなか上手く仕上がっている

 

まず、コスプレっぽくなっていなかったのが
良かったですね

漫画、アニメ原作の実写映画って
大抵コスプレっぽくなってたりします

原因はいろいろあるでしょうが
ほとんどが現実にそぐわない
キャラクターや衣装のデザインを
そのまま現実に引っ張り出してきている
からだと思うんです

コスプレに見えないようにするには
いろいろ工夫が必要だと思うわけです


で、本作の場合は

原作の地獄少女こと閻魔あいと
その取り巻きたちは
かなりアニメ的なデザインだと思う

これをそのまま実写化したら
絶対にコスプレになるだろう
って思うんですが

それが以外とコスプレっぽく
なっていなかったんですよね


それはおそらく
白石監督の作風や世界観と
このキャラデザが上手くマッチしたんだと
思います

白石監督の生み出す
独特なビジュアル表現やホラーな世界観に
「地獄少女」のアニメ的なデザインが
良い感じに溶け込んでいるんですよ


さらに、それだけでなく
キャストがすごくハマってる

特に玉城ティナです

彼女の日本人離れしたルックスが
閻魔あいというミステリアスなキャラに
ぴったりで全然違和感がない

アニメの閻魔あいのイメージとは
少し違うと思うんですが
この映画のキャラクターとしては
謎の説得力があります


他のキャストたちも
良い感じで溶け込んでいる

そもそも、閻魔あいと取り巻きの
4人を演じている人たちが
なんかフィクションっぽい人ですよね

役者の存在自体が
ちょっと現実離れしているから
本作のこのキャラクターたちに
すごくハマってるんだと思います

 

そして、キャラクター以外に
白石監督らしさが溢れている作風も
とても良かったです


地獄の映像なんかは
白石らしさが溢れ出てましたし
暴力や残虐な場面も監督らしい

ちょっとキモかったりグロかったりする場面も
多くて若干不快
でも、ただキモい、グロい
ってだけではなく
独特のセンスがあるのでとても面白いんです

そういうところから
ただアニメを実写化した作品
ってだけではなく
白石晃士の作った作品
というのも感じられる映画でした

 

そんな感じで
アニメの実写映画、白石監督の映画として
それなりに面白い作品ではあるんですが
いまいちパッとしない印象の作品でもあります

めっちゃ面白い映画ではない


だからこそ
白石晃士ならもっとできたはずだろ
って思ってしまうわけです

 

特にストーリーですよね
なんかすごく薄い内容です
カタルシスが弱い

「地獄少女」の醍醐味は
理不尽なことへの復讐を見せることで
カタルシスを感じさせる
という部分だと思うんですが

本作はいまいちそこが弱い


復讐が実行されるときに
すごく気持ちよくなれなきゃいけない作品なのに
そこがちょっとモヤっとするんですよね

あんまり気持ちよくないと言うか…


なぜそうなるのかを考えると

そこに至るまでの描写か
ちょっと中途半端なんだと思う

登場人物にあまり感情移入できなかったり
エピソードがそんなに
深く掘り下げられてなかったり

何より胸くそ悪さが
そんなに強くなかったりする

白石監督ならもっと胸くそ悪いことが
できると思うんですけどね

反吐が出るほど嫌なものを見せつけて
ほしかった


魔鬼にしろ女の子の顔を切りつけた奴にしろ
そこまでムカつかないんですよ
普通に悪い奴ってくらいで
こんな奴ら死んでしまえ
ってほどまでは思えない

狙われた子たちに関しても
あまり感情移入できてないうちに
不幸に見舞われるので
この子たちの目線になって見ることも
できないですし


だから、自分が地獄に堕ちるリスクを
背負ってまで相手に復讐する
って部分にあまり納得できないんです

自分を犠牲にしてまですることか?
と少し疑問に思ってしまう
そこまでの強い思いが伝わってこない

 

特に主人公の美保が
最後に復讐するところですね

親友の遥を助けるため
ということは理解できますけど

美保と遥の関係性の深さを
そんなに深く描いていないから
このシーンは盛り上がりに欠ける

2人の関係性をもっと掘り下げていれば
かなり盛り上がると思いますし
感動的にもなると思うんですけど

それが無いから
ラストもなんか弱いんですよね


正直言って
この2人が親友にもそれ以上の関係にも
全く見えない

それどころか普通の友達としても
そこまで仲が良いようにも見えなかったり…


個々の描写も

美保が学校の交遊関係が上手くいってないとか
遥が家で母親に暴力を振るってるとか
これらにあまり意味が感じれない

このエピソードをきっかけに
2人の仲が深まっていく
っていうのならわかるけど
そんなに関係が無いですし

中途半端にそんな表面的な要素があるので
なんかストーリーもぶれてしまってますしね


とにかく、美保と遥の2人のドラマを
もっと深く見せるべきだったと思います

 

ただ、工藤仁のキャラは
すごく良かったと思います

物語を進める役割を上手くこなしているし
人間臭い性格に好感も持てる

コワすぎシリーズに登場する
同名キャラと通じる部分もあって
白石作品が好きな人なら
楽しめる要素になってると思います

コワすぎの工藤に比べると
だいぶマイルドにはなってますけどね

 

アニメの実写化はそれなりに
成功していましたが
普通な作品で終わってました

白石晃士なら絶対に
もっと面白くできていたはず

監督の個性や良いところは
たくさん出ていた作品でしたが
もっと出してほしかったですね

なんか惜しい映画だと思いました

 


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映画「ひとよ」感想 最高のドロップキック

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どうもきいつです


ドラマ映画「ひとよ」観ました

劇作家の桑原裕子が主宰する劇団KAKUTAの
代表作を映画化した作品
ある事件をきっかけに運命が狂ってしまった
家族が再会し絆を取り戻していく人間ドラマ

「孤狼の血」「凪待ち」などの白石和彌が
監督を務め
「凶悪」などで白石監督と組んできた
高橋泉が脚本を担当
物語の主役の3兄弟には
佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優
彼らの母親を田中裕子が演じています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
ある雨の夜、稲村家の母親のこはるが
3人の子供たちを守るために夫を殺害する
彼女は子供たちに15年後の再開を約束し
家を去っていった
事件以来、運命を大きく狂わされた3人は
心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいく
それから15年後、約束通り母こはるが帰ってくる

 

感想
重い内容の映画のようで
意外と笑えるコミカルな映画だった
それぞれのキャラクターに魅力もあるし
面白い作品だと思う
佐藤健のドロップキックが最高


白石和彌監督の新作ということで
とても期待していた作品

映画館で予告や宣伝がしょっちゅう流れていたし
とても気なっていました

そして、期待通り白石監督らしい作風で
楽しんで観ることができました


予告やあらすじなんかでは
とても重そうな映画のように思えるんですが
意外とそこまで重くない
登場人物たちがちょっと楽観的だったり
コミカルな演出が多かったりと
なかなか笑える映画でもあったと思います

でも、そんな中で
深い人間ドラマが描かれていましたし
家族の絆なんかもしっかりと描かれている

たった一夜の出来事に
人生を大きく振り回され縛られている人々の姿には
いろいろ考えさせられると思うし
人間臭さを感じれて
とても見応えのある作品でした


この映画の魅力と言えば
稲村家の人々だと思う
この一家がとても魅力的です

個人個人が面白い人たちだし
家族の関係性もとても面白い

なかなかハードな事件を経験しているのに
それなりに生きている人たちで
すごく図太い人たちだと思います

3兄弟たちもとても強い人たちだし
それ以上に母親が強い
この母親があってこそのこの子供たちなんだと
思わされます

とは言え、やっぱり事件のことは
完全に乗り越えられているわけではく
それぞれいろんな思いを抱えています

母親が戻ってくることで
再び過去の事件や家族と向き合い
それぞれが成長していく物語なんです


そんな中で見せられる
面白いシーンも魅力的で

特に3兄弟のやり取りが面白くて笑える
基本的に仲の良い兄弟で
でも、仲が良すぎるわけでもなく
どことなくリアルな兄弟関係だと思います

で、この3人のケンカが面白いですよね
今ケンカする?
って時にケンカしたり
ケンカの掛け合いなんかもちょっと笑える

本人たちは至って本気でケンカしているけど
なんか滑稽で観ていて笑ってしまいます


本気でケンカしていて中悪いのかと思うと
しょうもないことで笑いあっていたり
いざという時には団結して
強い絆を見せたりと

この兄弟の距離感がとてもリアルに感じました

馴れ合いにはなっていなくて
でも、心の底では繋がっていて

お互いに嫌いなところもあるけど
信頼し合っている部分もある
だからこそ本音でぶつかり合う事もできるわけです

このちょうどいい距離感が
本物の兄弟なんだな
と思わされました

 

それと、魅力的なシーンで言うと
終盤の佐藤健が演じる雄二の
ドロップキックがめちゃくちゃ印象に残りました

あれは最高のドロップキックだと思います

雄二の感情が爆発した時のあのドロップキックは
最高にカッコいいし最高に笑える

この映画で1番目に焼き付いたシーンだと思います

 

あと、松岡茉優も素晴らしかったです
末っ子の妹の園子を演じているんですが

この園子がめっちゃいい

単純に可愛いキャラだと思います
良い意味ですごく普通
なんかどっかに良そうな女の子って感じです

でも、芯の通った強い人でもあって
そこがとても魅力的

そんなナチュラルな園子を
松岡茉優がナチュラルに演じている

それがすごくハマっていて
普通に好きになってしまうくらい可愛く見えます

この松岡茉優が今まで見た中でも
1番好きかもしれません

 

いろいろと面白い要素があって
良い映画だとは思ったんですが

最高な映画だったのかと言うと
そこまでではなかった
ってのが正直な感想です

「孤狼の血」や「凪待ち」のほうが
個人的には良かったように思う

あまり深くはハマれなかった作品でした


なぜそうなのかと考えると

全体的にとっ散らかってたように思う

いろいろ要素を詰め込んでいましたが
あまり上手くまとまっていなかった

稲村家の事件を中心に
個人が抱えている問題だったり
その他の周りに人たちが抱えている問題だったり

それらが上手く繋がってないように思いました

と言うか
それぞれのエピソードが
ちょっとあっさりし過ぎていて
あまり深く掘り下げられていない

全体的に薄い印象を受けました

エピソードの描き方がちょっと中途半端で
いまいち感情移入しづらく思います


雄二の感情や思いなんかも少し掴み所が無くて
結局、この人は何をしたいんだろう?
と疑問に思ってしまいます

最終的に大暴れする堂下も
いろいろ問題を抱え得いる描写はあるけど
描き方が中途半端で
観ている側は置いてけぼりです

他にもいろんな人のエピソードや
それぞれの人間関係なども見せられるけども
あっさりさらっと流れてしまう事が多くて
それらの意味がすごく弱くなっていると思います

 

それと、殺人を犯した母親
というのがこの作品のメインでもありますが

この母親の周囲の人間があまりにも寛容すぎる
人間関係であまり波風が立たないんですよ

子供たちのためとは言えど
殺人を犯すということは相当重いことだと思うので
それに対する周りの反応が
あっさりし過ぎているのには少し違和感があります

子供たちもいろいろ思うことはあるみたいですが
普通に母親を受け入れていますし


そういう部分では少しリアリティに欠けるな
と思いました

フィクションだからと言ってしまえば
それでおしまいですが

このリアリティの無さは少し気になってしまう

だから、ラストの展開も
いまいち納得できなかったりします

現実的に見える作風なのに
ありえない展開だったり
現実味に欠ける部分があったりと
そこに矛盾を感じてしまいました

作り物の内容だったとしても
そこに納得できる何かがあれば
それで成立すると思いますが

この作品はそこが足りなかったんじゃ
ないでしょうかね

 

面白い映画だとは思いましたが
個人的には白石監督の他の作品に比べると
少し劣っているように思えました

良い部分もあれば悪い部分もある
って印象の作品

でも、邦画の中では面白い部類の
映画であることは間違いないと思います

 


孤狼の血 [Blu-ray]