何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

特撮「仮面ライダーゼロワン」感想 同じことの繰り返しが多くて途中で飽きた

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どうもきいつです


特撮ヒーロードラマ「仮面ライダーゼロワン」観ました

2019年9月から全45話放送された令和最初の仮面ライダー
人工知能をテーマに
人間に反旗を翻したロボットと仮面ライダーゼロワンとの戦いを描いています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
人口知能搭載型ロボのヒューマギアが様々な仕事で活躍する時代
ヒューマギアを開発し製造する飛電インテリジェンスの2代目社長として
売れないお笑い芸人の飛電或人が任命される
或人は仮面ライダーゼロワンに変身して
ヒューマギアを暴走させるテロ組織の滅亡迅雷.netとの戦いに巻き込まれていく

 

感想
なんかマンネリな展開の繰り返しで
正直、途中で飽きてしまった
設定、デザイン、演出などは良かっただけに
ちょっともったいない
ラストの展開はなかなかいいけど
そこまでの積み重ねがないので
盛り上がりに欠けたように思います

 

仮面ライダーは毎週欠かさず観ていて
本作も当然のごとく最後まで観ました

令和仮面ライダーの第1作で
テーマが人工知能と今までに無いテーマでもあったので
とても期待していました

1年間通して観てみた感想は
あまり面白くなかった

良いところもあるにはあるけど
それでも補えないくらい総合的に微妙

個人的に平成仮面ライダーのワーストだと思っている「仮面ライダーゴースト」に
匹敵するくらいかもしれない

新型コロナウイルスの影響をもろに受けて
可哀想な不運な作品ではあったんですが
それを差し引いてもちょっと微妙過ぎるかなと思います

 

いろいろと好きではない部分がたくさんあるんですが
まずは良かったと思うとこから

人間に近づきすぎた人工知能をテーマにしているのはとても面白いです

よくあるSF的な設定ではあるけど
仮面ライダーでは初めてのテーマですし
石ノ森章太郎作の「人造人間キカイダー」に通じるものもある

人工知能が発達してきた現代社会にも合っているテーマだと思います


そして、仮面ライダーたちのデザインに関しても格好よくて好きでした
主役ライダーのゼロワンはとてもシンプルだし
蛍光イエローに黒という配色も目立って記憶に残りやすい
バッタモチーフなのも原点回帰って感じで
昔からの仮面ライダー好きも好感が持てるんじゃないでしょうか

ゼロワンのフォームチェンジ後のデザインも
全体的にセンスがいいです
わかりやすく色分けされているし
それぞれの個性も際立たされています

他の仮面ライダーも
奇抜さよりも格好よさ重視のが多くて
子ども大人関係なく受け入れられやすいデザインだと思います


戦闘シーンも
わかりやすくカッコいい見せ方が多くて
子どもも真似したくなると思う

特に必殺技は少年漫画みたく
画面上に大きく技名が表示されたりして
子ども心をくすぐるような演出で好きでした

 

個人的に好きだったのはそれくらいで
それ以外はあまり好きじゃないです

特に酷いと思ったのは
1年間通してほぼ同じようなことを繰り返しているのですごくつまらなった

ストーリや展開、アクションなど
ずっと同じことを繰り返しているだけで
すごく味気なくて単調なんですよね

本作は全部で4章に分けれると思いますが
それぞれの章の中でも同じことを繰り返しているし
章自体も結局やってることは同じようなことで
正直言って最後までほぼ話が進んでないんですよ

人間と人工知能は仲よくしましょう
というのをひたすら毎週やってるだけ
個別のエピソードもそんなのばっかり
その上、全体を通したテーマもそれ

ヒューマギアが暴走してゼロワンがそれを止める
基本はその流れです

全体のテーマを人間とAIの関係性にして
その中で個別のエピソードはそれに関するけど
違った切込みの話にもできたと思う


それにアクションシーンもマンネリ
毎週代わり映えの無い単調な戦いをひたすら見せられる

最初のほうはまだ敵のバリエーションがあるのでそこまで酷くはないですけど
お仕事勝負みたいなのが始まってからは
毎週仮面ライダーサウザーとの闘い
しかも、毎回同じような戦い方で
使い回しの映像でも気づかれないレベルだと思う

それ以降も仮面ライダー対仮面ライダーばかりで
最後まで全然変わり映えが無いんですよね

フォームチェンジすらほとんどしなくなりますから
1年間通してアクションシーンが本当につまらなかった

 

あとは細かいことを言っていくと


仮面ライダーサウザーこと天津垓の扱いが悪すぎます

このキャラは敵として重要な役割を担っているのに
あまりにも小物になりすぎていて
全然魅力を発揮できていませんでした

途中からは完全にギャグ要員で
最後まで全く見せ場も無く
中途半端にロボット犬との感動エピソードがあっただけ

味方についた時も全くカタルシスが無かった

使いようによっちゃこの天津垓は
すごくいいキャラになったと思うんですけどね

ギャグみたいに乱用されてた1000パーセントって言葉がありましたけど
1回くらいカッコよくそのセリフを決めるシーンがあってもよかったと思う

 

あと、人間とヒューマギアの関係性に関しては
かなり悪いです

ヒューマギアはロボットだけど人間と同じだ
みたいな話なんですけど
本作はどう見ても平等ではないですよ

主人公の或人ですら
ヒューマギアを人間扱いしているスタンスだけど
本作を観てる限りじゃ
ヒューマギアをペットくらいに思っているようにしか見えない

そもそも、ヒューマギアが壊れても
データさえ残っていれば復活させれる
というのがダメですよね
命の重さが人間と同じではない

この設定がヒューマギアはロボットだ
人間とは別物だ
と言っているようなもの

それはそれで
だからヒューマギアは人間より優れている
という展開にすればSFとして普通に面白いですけど
全くそんな展開にもならないし
基本的にヒューマギアは人間に忠実なペットでしかないんですよ

主人公の言ってることとやってることの乖離が
すごく気持ち悪くもある
ちょっと不快感すらありますね


嫌なところで言えば
途中からやたらと夢って言葉を使い出しますが
これもちょっと気持ち悪い

夢を持つことは大事だ
という子どもたちに向けられたメッセージではありますが
僕はこの偏ったメッセージが嫌いです

夢を持つことはいいことだけど
本作を観ると夢を持たなきゃならない
と思わされてしまう

僕は夢なんて持たなくていいと思っています
子どもに対して夢を持てと言う言葉は
大人のエゴでしかない

「仮面ライダー555」では
夢の裏表を描いた素晴らしいメッセージが込められていたんですけど

同じ仮面ライダーなのに
なぜ本作はこんなにも浅はかなメッセージを込めてしまったのか…

 

そして、ラストの展開

これは盛り上がるっちゃ盛り上がるけど
取って付けた感がハンパないです

今までの積み重ねが無いから
いくら衝撃的な展開にしてみても
ただ薄っぺらいだけです

滅が人間に反乱を起こすってのも
或人が憎しみに駆られて暴走するのも
中身が無く薄っぺらい

滅の反乱に関しては全く理屈が通っていない
なぜ反乱を起こすのかの部分が完全に抜け落ちています

人間に悪意があるから滅ぼすとか言ってるけど
なぜ悪意があると思っているのか
というところは全く描かれていません

滅が人間に酷い仕打ちをされていたとか
人間の悪意を目の当たりにしてきたとか
バックボーンがあれば理解もできるけど

そもそも、指示を受けていたから反乱を起こしていただけだったわけで
そこから解放された上に、その指示者である人工知能が悪意の塊だったのなら
むしろ、逆の発想になると思いますけどね

AIが悪意に満ちていたのならヒューマギアを滅ぼさなければとなって
ヒューマギアを守るゼロワンと戦う展開のほうが盛り上がったかも


或人の闇落ち展開に関しても

イズが壊されたから怒るというのはわかるけど
やっぱり薄っぺらい

ここは或人とイズの関係性は
恋愛関係にしておくべきだったと思うんです

この2人の関係性は最後まで社長と秘書で
最後の展開にはちょっと弱いと思うんですよね

人間とAIが恋に落ちるというのは
本作のテーマの最大の終着点だとも思うんですけども
この2人だけでなく恋愛描写が全くありませんでした

子ども向けだからあえて避けてるのかもしれないけど
だからこそ、そこは描くべきだと思いますけどね


それと、最後にイズを復活させるのもちょっと微妙なラストかな
記憶は無いにしてもイズを復活させてしまう展開に
結局、人間扱いしてなかったんだ
と思わされてしまった

記憶が無くてもラーニングさせればいいんだ
というのはほんとにペット扱いですよね

ヒューマギアの扱いが安易すぎます

 

正直、他にもかなり言いたいことや納得いかないところがたくさんあるけど
ちょっときりがないですね

ただ、それらを総合して言えるのは
登場人物の描写が薄い
人間関係や個々のエピソードなど
そして、テーマが深掘りされていない
そこをもっと描くべきだった

無駄に同じようなことを繰り返すくらいなら
他にやるべきことはあったんじゃないのかと思う

 


今回の仮面ライダーは
整合性も悪いしやりたいこともブレていて
ちょっと酷かったなと思います

人工知能がテーマの名作は昔から山ほどあって
そこから学ぶべきものはたくさんあったんじゃないですかね

安易に人工知能と言うテーマに手を出しただけなのか
あまりにも浅はかな作品でした

 


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映画「ドント・ブリーズ」感想 終始ハラハラドキドキで楽しめた 設定が新しくて面白い

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どうもきいつです


ホラー映画「ドント・ブリーズ」観ました

盲目の老人宅に強盗に入った若者たちが
予期せぬ事態に巻き込まれていくスリラー映画
全米でスマッシュヒットを記録した2016年の作品です

リメイク版「死霊のはらわた」を手掛けたフェデ・アルバレスが監督を務めています

 

あらすじ
デトロイトに住むロッキー、マニー、アレックスの3人は
大金を持っていると噂のある盲目の老人の家に
強盗目的で忍び込む
しかし、その老人は盲目だが超人的な聴覚と怪力を待ち合わせた元軍人だった
侵入者の殺人も厭わない恐ろしい老人に恐怖する3人だったが
さらに、老人の想像を絶する異常な本性を知ることになる

 

感想
設定が斬新で面白かったです
演出はハラハラドキドキする展開の連続で
最後まで緊張しっぱなしで最高に楽しめました
自業自得な主人公たちにムカつくけど
それを超えるほどの異常なジジイに恐怖する
下手なホラー映画よりよっぽどゾクゾクさせられる怖い映画でした

 

前から気になっていた映画だったので観てみました

音を出したらヤバいホラーと言えば「クワイエット・プレイス」なんかがありますが
本作は「クワイエット・プレイス」以上に
リアリティと緊張感のある面白い作品でした

最後まで釘付けになって観ていた


とにかく設定が面白いですよね
強盗しに侵入した家のジジイが実はめっちゃヤバいジジイでした
というところがまず面白い

ジジイは盲目で強盗は3人
明らかにジジイが劣性で怯えるべきはジジイのはずなのに
逆に強盗たちが追い込まれるという
なかなかぶっ飛んだ作りの映画だと思う

普通とは逆転の発想なのが面白い

盲目という設定もかなり上手く使われていて
そこに恐怖を感じることもできました

悪い奴らと狂った老人の戦いも
なかなか新鮮で面白いです
この映画には善人はいません

ジジイも可哀想な人ではあるけども
あの発想はさすがにヤバすぎて擁護できない

しかも、あんな雰囲気のヤバいジジイって
実際にもいそうな気がします
たまにどこかで見かけるヤバいジジイってあんな感じですよね

さすがにあの発想をできる人はいないだろうけど

 

そして、ストーリーなんですが
これは空っぽと言っても過言ではないです

多少は主人公のバックボーンなんかも描かれていますけど
基本はヤバいジジイの家から脱出するシチュエーションを楽しむホラー

ストーリーは薄くてそこから感じるものなんてほとんど無いですが
この映画はストーリーを楽しむものじゃないですから
そこは全然気になりませんでした

ただ、ジジイの本性が明らかになっていく過程はすごく面白いです

人を殺しているとは言え自己防衛だし仕方ないよな…
あれ?このジジイはヤバいやつじゃん
いや、この境遇なら仕方ないか…
えっ!?このジジイさすがにヤバ過ぎる怖い

みたいな流れです

とにかく本作のジジイは雰囲気や風貌もヤバいけど
内面はもっとヤバい奴でした


そんなジジイの恐怖も含め
如何に怖くてゾクゾクさせられるかがこの映画の本質です

ちょっと気持ち悪さもあるので
好き嫌いは分かれそうですけど

 

そして、本作の肝でもあるホラーな演出ですが
最後まで飽きずにハラハラドキドキの連続です

こういうホラーは最高に楽しいですよね
ホラーといってもオバケが出てきたりはしませんけど
このジジイはもはや化け物ですから
マジでジジイ怖いです

盲目を生かした演出もゾクゾクさせられます

ジジイが目の前に現れたときの緊張感ったらないですよ
こちら側に向かってくるのを避けたりするのはヒヤヒヤする

ジジイがこちらに気づいてるのかどうか
気付かれていなかっても
少しの物音でも出せば居場所がばれてしまう

このギリギリのせめぎ合いが緊張感をMAXに高めます


この映画を観て思ったのは
めちゃくちゃ強い最強の奴より
致命的な弱点があるもののめっちゃ強い奴のほうが
ハラハラドキドキさせられる

強すぎると諦めの気持ちが生まれるけど
弱点があれば勝てそうな希望が生まれるんですよ

本作はそれをうまく利用してスリルを作っていました

相手に存在さえ気づかなければどうにか逃げれる
でも、見つかってしまえば圧倒的な強さに追い込まれてしまう
この絶妙なバランスに最後まで映画には引き込まれています

銃弾が主人公たちに当たらないのも
主人公補正ではなくてジジイが盲目だから
という理屈が通ってるのもいいですよね


それに、主人公たちをこれでもかと追い込んでいく展開も最高にハラハラします

一難去ってまた一難の連続に
気持ちを揺さぶられ続けました

ちょっとドS過ぎるだろと思いつつも
緊張感はどんどん高まっていきます

最初から最後までギリギリの綱渡りのような展開はすごく楽しめました

 

そんな感じでとても面白い映画ではありますが
B級映画というのもありますし
ツッコミどころもなかなか多い

特にジジイが強すぎる問題

さすがにジジイが強すぎて無理がある
盲目な上で3対1なのにあの圧倒的な強さ
ここは面白さでもあるんですけどね

でも、所々でジジイ見えてるだろってシーンもあったりします
最後のロッキーを捕まえる場面なんで絶対見えてるし

それと、主人公たちがくそ真面目に息を潜めてるけど
これ逆に音を鳴らしまくればジジイを惑わせるんじゃない?
みたいな野暮なことも思ってしまう

これを言ったら元も子もないけど
ちょっと主人公たちがバカっぽく見えました

 

あと、ラストがあまり好きじゃないですかね
主人公のロッキーが逃げ切って終わるけど
なんか納得できない

この終わり方なら単純にバッドエンドがよかったかも

逃げ切るにしてもロッキーがお金を盗んで逃げ切るのがあんまりですね
ここはせめてお金を捨ててほしかった

そもそもロッキーが事情があるにせよ私利私欲のために強盗をしているわけで
それで普通に成功してしまうのはどうかと思う

大きな代償を支払った上での成功なら納得はできるけど
仲間は死んでるけどそんなに親しい仲ではないし
最終的にプラマイでプラスが大きくなってる

だから、このラストには好感が持てない
この結末はカタルシスがあまり無いんですよね

それなら、ジジイに捕まってバッドエンドのほうがホラー的にも面白かったと思います

ただ、悪人とヤバいジジイが
両方ともお咎めなしでのさばったままのラストは
映画を観ている自分たちのような普通の人間からすれば
ある意味バッドエンドのようにも思えますけど


ラストはちょっと好きではないけど
総合的にはすごく面白かった
ここまでハラハラドキドキさせられるとは思わなかったです

設定の面白さとスリル満点の展開に
最後まで楽しめることができました

幽霊や怪物よりも
この世で1番怖いのはヤバいジジイかもしれない

 


ドント・ブリーズ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 

 

映画「呪われの橋」感想 シンプルだけどハイテンションなお化け屋敷映画で楽しい

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どうもきいつです


ホラー映画「呪われの橋」観ました

とある大学の心霊スポットを舞台に
肝試しを行う大学生たちを襲う恐怖を描いた
台湾のホラー映画
日本では2020年8月よりNetflixで配信されています

監督を務めるのはレスター・シーです

 

あらすじ
とある大学にある心霊スポット「女霊橋」
そこは、かつて恋人を待つ女学生が
湖に投身自殺を図ったいわくつきの場所だった
ある日、その大学に通う男女5人の学生たちが
遊び半分で「女霊橋」へ肝試しにやってきた
そして、彼らは想像もしない恐怖に見舞われていく

 

感想
よくあるようなシンプルなホラー映画だけど
テンポよく怖い展開が続くので最後まで楽しんで観れました
ありがちな恐怖演出でも畳み掛ければ怖さも増す
終盤のトリッキーな仕掛けもなかなか面白かったです

 

Netflixで配信が始まり
結構推されてるみたいだったので
なんか面白そうだし早速観てみました

以前に観た台湾映画の「怪怪怪怪物!」が面白かったので
同じ台湾映画の本作も面白いんじゃないかと期待していました

実際に観ると
ホラー映画としてなかなか楽しめる映画
最後までハラハラしながら観れました

全体的によくあるホラーって感じの映画ですが
そんな王道だからこそ楽しめるお化け屋敷のような面白さがあります

グロいシーンなんかはほぼ無いけど
ホラーが苦手な人ならかなり怖いかもしれない

 


ストーリーはシンプルで
肝試しに心霊スポットにやって来た若者たちが
次々に幽霊の餌食になっていくという内容

ただ、時系列がちょっと複雑で
女性記者が過去の事件を追っていく現代パートと
大学生が肝試しを行う過去パートが平行して描かれます
過去と現代を行ったり来たりする作風なので
ちょっとややこしくはあります
とは言え、見せ方はシンプルなので頭が混乱したりはしないと思う

それに、この時系列を利用した仕掛けが終盤に展開されていくんですが
そこはなかなか予想外で面白い展開でした

今まで違和感のあった部分が
終盤になると解消されていって気持ちがいいです

人数おかしくない?とか
登場人物の関係性がいまいちわかりづらいな
とか
気になる部分がいろいろあって引っ掛かるんですけど
そこには意味があったのかと納得させられます

ただ王道なホラーをやるだけではなくて
ちょっとした工夫もしっかりと凝らされていて
そこがこの映画の面白さだと思いました

 

そして、本作はホラー演出がちゃんと怖いです

驚かすようなびっくり演出もあるし
日本のホラーのような不穏な不気味さも感じれたりもします

オバケの風貌もかなり怖かったですしね
この見た目だけで夜にトイレに行けなくなるレベルですよ

序盤はあまり勢いもなく地味なシーンも多くて
スタートダッシュはちょっと遅いんですが
勢いがついてきてからは畳み掛けるように
恐怖の連続を見せられるのでとても楽しいです

恐怖を煽るのも上手くて
いつ来るの?いつ来るの?と気持ちを高めて
いいタイミングでドーンとすごいのが来たりするから
ゾクッとさせられるシーンが結構多かった

それにしっかりフェイントも掛けて
安心させてからビビらせてきたりもするので
なんか手のひらの上で転がされていたような気がする

若干ギャーギャー騒ぎすぎててうるささはあるものの
最後まで勢いよく進んでいくストーリーは
面白く観ることができました

 

ただ、もう少し説明してくれてもな
と思うところもあった

勢いで誤魔化してるけど
なんかよくわからんなってところは結構あります

特に最終的に取り憑かれてたことが発覚する女の子
この子がよくわからないんですよね

4年間歳をとってないみたいですけど
まずそこが何故かよくわからんし
霊の呪いみたいですけど何故そんな呪いをかけてるのかは謎

そこから4年間大学生をやってたのか?
という疑問もある
しかも、その間は普通に恋愛とかもしてたっぽいし
どこまで霊に操作されていたのかもいまいち不明

人物描写がちょっと薄すぎるのかなって感じはします


それと、橋の霊に関しても謎が多過ぎてモヤモヤする
もう少し何者かは知りたかったですよね

結局、噂の自殺した女性なのかどうかもわからず終いでしたし

この霊の目的もよくわかりませんでした
結局、こいつは何がしたいんだよって思ってしまう

序盤の大学生の楽しい日常とか
冒頭のシーンと同じシーンをまるまる2回やるとか
無駄に思うような場面も多少あったので
その部分で細かい部分を深掘りしてほしかったですね


あと、POV風の映像があまり生きてないようにも思いました

本作は登場人物が自ら撮影したスマホやカメラのPOV風の映像と
普通の映画のような映像をミックスしたような作風なんですけど
なんかすごく中途半端だなと思いました

物語の中でPOV風の映像に意味があるのならいいんですけど
あまり意味なんてなかったし
あのPOV風の映像が無駄に見づらくなってたりもしたので
必要あったのかなと感じた

逆に現代パートは全部POV映像でよかったと思うんですよね

現代パートの普通の映像のシーンなんですけど
カメラマンの顔を明らかに隠してるんです

ラストの伏線回収のために隠しているのはわかるけど
あそこまであからさまに隠していると
もはやネタバレみたいなもんですよ

それなら思いきって現代パートは全部POVのドキュメンタリーっぽくしたほうが
自然にカメラマンの顔は見えないので不自然さは消せたと思う

現代パートは過去パートに比べると動きもかなり少ないし
その方法がよかったんじゃないですかね

 

ちょっと文句も言いましたけど
基本的に楽しめるホラー映画でした

普通にそこそこ怖いシーンも多いし
ラストの展開は意外なので
ホラー好きな人でも最後まで楽しめると思います

 

 

映画「デス・ウィッシュ」感想 わかりやすい復讐劇 後味もいいので観やすかった

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どうもきいつです


アクション映画「デス・ウィッシュ」観ました

1974年に映画化された「狼よさらば」のリメイク作品
何者かに家族を傷つけられた外科医が復讐に乗り出す姿を描いた2018年のアクション映画

「グリーン・インフェルノ」などのイーライ・ロスが監督を務め
主演はブルース・ウィリスです

 

あらすじ
犯罪が多発し警察ですら手に負えない状況のシカゴ
外科医のポール・カージーは救急患者を診る日々を送っていた
そんなある日、家族が何者かに襲われ
妻は死に娘は昏睡状態に陥ってしまう
警察の捜査は一向に進まず
怒りを爆発させたポールは犯人を探しだし復讐することを決意する

 

感想
シンプルな復讐劇を楽しめるエンターテイメント作品
最後まで楽しんで観ることができました
人なんて殺したことのないおっさんが
復讐に目覚めていく姿はなかなか新鮮で面白かった
殺伐とした話だけど
最後は爽やかで後味のいい終わりかた

 

オリジナルは全く知らないんですが
前から気になっていた映画だったので観てみました

想像通りではありましたけど
なかなかシンプルに楽しめるエンターテイメントな作品でした

内容はありがちで
特に新しさのある映画ではないですが
わかりやすい復讐劇でラストは爽やか
すごく観やすい映画だと思う
万人が観ても楽しめるんじゃないでしょうか

ちょっとグロいシーンがあったりもしますが…

ツッコミどころも多少ありますけど
本作はシンプルだからこそ楽しめるタイプの映画だと思います

 

まず、ストーリーはと言うと
主人公ポールの家族が強盗に遭い妻が殺され娘は重傷
その犯人に復讐を挑む
というだけのかなり薄い内容

ただ、本作で面白いのが
復讐するおっさんがただの医者で
人なんて殺したことのないようなずぶの素人
そこが少し新鮮で面白かったです

爽快に復讐するタイプの映画って
大抵、実は殺し屋だったみたいな設定が多いけど
本作はそんなのとは真逆なのが面白い

動きがぎこちなくただのおっさんのはずなのに
何故か敵を次々に倒してしまっているという
なんか少し不思議な雰囲気も漂っています

てか、そもそもブルース・ウィリスが凄腕の外科医に見えないし
こんな強そうな医者いないだろ

でも、ブルース・ウィリスだから敵をバタバタと倒していくのには納得もできる

主人公のバランスが不思議すぎる
おかしいけど納得もできるという謎の感覚に陥ります


で、ラストはかなり爽やかな終わりかた
ちょっと都合がよすぎるくらいのハッピーエンドですけども
これはこれでありかなとも思えます

そもそも、全体的にはアホっぽい映画だったので
ご都合主義な部分はあまり気にならなかった

 

そして、アクションシーンも爽快で楽しめました

ただの医者なのにやたらと銃撃戦をこなしているのには違和感だらけだけど
まあ、そんな変な感じを含めて面白いアクションです

特に終盤の家の中での戦いは
ポールがいくらなんでも強すぎる

3対1なのに圧勝ですからね
しかも、つい最近初めて銃に触ったおっさんがですよ

ここでは何故か歴戦の戦士のような戦いっぷり
そりぁブルース・ウィリスだから強いのは当たり前だけど

弱いはずの人間がめっちゃ強い
という謎のアクションが個人的には面白くて好き

これは人によっては最大のツッコミポイントで
納得できない人も多いような気がしますけどね

 

それなりに面白くて楽しめましたけど
すごく面白かったかと言えばそんなこともなく
気楽に観れば楽しめる程度の映画ですかね

ストーリーは単純で普通すぎるし
あまり記憶に残るような映画ではないと思いました

それに、全体的に緊張感が無さすぎるのがもったいないですよね

妻が殺され娘が意識不明の状態で
主人公の境遇はなかなか重たいはずなんですけど
何故か全然緊張感がない

ポールが復讐を楽しんでる感があるんですよ
そこが悪いんだと思う

銃を手にして悪人を初めて殺してワクワクしてたりするし
これでなんかポールの心情がすごくブレてる

それに、ポールがヒーロー気取りで
悪人を退治するという部分もなんか邪魔

復讐を始める前にそれをやっちゃうから
まず復讐しろよと思ってしまう

主人公の復讐心がブレてるのでなんか乗り切れなかった


あと、普通の医者が復讐をするのなら
もっとギリギリ感は出してほしかったかな…

この映画って何故か適当に撃った銃弾が敵に当たって
何故か敵の銃弾は主人公に当たらない
ってことがすごく多くて
危機感を全然感じれないんですよね

主人公が多少は怪我をしますけど普通に動けてたりするし

警察が無能すぎるのもね…
全然ポールを追い込めないから盛り上がりが全然無い

ポールが敵のスマホを奪ったのとか
それを普通に持ち歩いてるポールもバカだけど
警察はそのポールにGPSがどうとかを調べる前に伝えてしまうという無能さ
そしてポールはスマホを壊して有耶無耶に

この一連の流れはさすがにアホすぎると思う


あと、すごく気になったのは
ポールの弟

ほとんどの人がこいつが黒幕だと思っていたはず
でも、弟は普通にいい人でした

これが謎なんですよね…

あえてのミスリードなのか
たまたま黒幕っぽく見えてしまったのか
まあ、どっちにしても上手くないです

意図せず黒幕に見えてしまったのなら
見せ方が下手すぎると思うし

これがこれがミスリードだったとしても全然上手くない
このミスリードになんの意味も無いですから

実は弟は黒幕ではなくて
真犯人は全く知らない人でした
ってどういうことよ?

それならありがちかもしれないけど
弟が黒幕の展開の方が面白いですよ

ほんとにこの弟の扱いは謎でした

てか、弟の存在必要なくない?
存在自体に必要性を感じれなかった

 

それと最後に

ハッピーエンドはいいんですけど
あれだけ人を殺しておいて全くお咎めなしは
ちょっと浅はかすぎる気がしますよね

ヒーロー気取りで殺人を犯していることには言及せずに
フワッと終わってるのはあまり好感が持てない

警察も真実を知った上で甘すぎるし
本作の警察は最後の最後まで無能ですよね

主人公やその家族が幸せならそれでいい
みたいな考えはちょっと怖い

このストーリーなら
最後に主人公は罪を背負うべきだと思います

メッセージ性は薄すぎる…
と言うか、無いんじゃないでしょうかね

 

ツッコミどころや納得できないところもたくさんありますけど
暇潰しに軽い気持ちで観るなら
楽しめる娯楽エンターテイメントな映画だったと思います

ブルース・ウィリスが戦ってるだけで満足できるかも

 


デス・ウィッシュ[Blu-ray]

 

 

映画「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」感想 面白い題材を全く生かしきれていない

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どうもきいつです


ホラー映画「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」観ました

インターネット上で囁かれる都市伝説スレンダーマンを題材にした2018年のホラー映画
とある動画を見たことをきっかけに
高校生たちにスレンダーマンの魔の手が忍び寄る

監督はシルバン・ホワイトが務めています

 

あらすじ
小さな町に住むハリーたち4人の女子高校生は
巷で囁かれる都市伝説スレンダーマンを呼び寄せる動画を見てしまった
半信半疑の4人だったが
そのうちの1人ケイティが姿を消す
その後、彼女たち前にスレンダーマンが姿を表すようになる

 

感想
なんか全然面白くなかった
題材になった都市伝説は興味深い内容だけど
いまいちそれを生かせていない
ホラーやサスペンスとしてもさほど面白いわけでもなく
最後まで退屈な映画

 

Netflixで見つけてなんとなく観てみました

前からスレンダーマンの都市伝説は多少知っていたので
それがどう映画になっているのか興味はありました

実際観てみると
特別記憶に残るようなものはない
普通のホラー映画って感じ
しかも、そんなに怖くない

所々に面白いと思える場面があるものの
全体的にはかなり微妙
退屈な時間が多かった

雰囲気は悪くないんですけどね
なにかが起きそうな不穏な空気が漂っていて
そこにはすごく魅力を感じます

ただ、雰囲気だけで中身が無い
なにかが起きそうで大したことは起きない
謎をたくさん散りばめているけど
結局なにも解決しない

この映画の中に何があるのかを考えてみても
何もないんですよね…

ストーリーもリングみたいな内容で
そんなに新鮮さがあるわけでもなくて面白味がないし
終盤にどんでん返しがあるわけでもないです

その上、スレンダーマンの都市伝説で囁かれている噂をとにかく全部詰め込みました
って設定なので
まとまりが全然無いんですよ

そもそもネット上でいろんな人たちが尾ひれを
付け加えていって出来上がってる都市伝説なので
そりぁまとまりがなくたって当然

そこを上手く整合性を合わせる工夫もなく
ただ噂を映像化しただけになっています

表面的にスレンダーマンの噂をなぞってるだけでそこを全く深掘りしないんですよね

子供を狙う理由も謎だし
あの風貌なのも謎だし
目的も謎
最後は木になってたけど正直言って意味不明

主人公たちがスレンダーマンから逃れるために
過去の文献を調べたりして
そこでいろいろと見つけてなんかわかった感じを醸し出してるんですけど
核心的な情報は何もなく

で、結局どういうことなの?
って疑問は全く拭えない

大事なものを差し出せばスレンダーマンから逃れられる
というのも理由が無く全く納得できない

この情報自体が誰かわからんやつが発信した全く信憑性の無い情報なのに
主人公たちがそれを絶対的に信用しているのも
なんか無理やりに思えます

最終的に主人公が自分を差し出して妹を助ける展開なんて
上手くやってるつもりなのかはわからないけど
全然上手くないし

自分を差し出したら妹が助かるという部分の
ロジックが全然なってないから…

結局スレンダーマンってなんなんだよ
という疑問が最後までつきまとう

これで得たいの知れない怖さが表現できてるならいいんですけど
全然怖くないですしね

ちょっとルール無用すぎるのかな…

こうしたら現れる
これはやっちゃダメ
みたいなのが無いんです

動画を見たら狙われるというのはあるけど
動画を見て以降は
存在自体が曖昧であまりにも掴み所が無さすぎる

それに、スレンダーマンの風貌も面白くはあるけどそんなに怖くはない

スーツを着てひょろ長い体型で
顔がなくてのっぺらぼうみたいな風貌
背中からは触手が出ています

ぱっと見のインパクトはそれなりにあるけど
それは最初だけでそこから先は見慣れて
ビジュアルに対しては何も思わなくなってくる

あと、この風貌に関しても都市伝説そのままで
なんのひねりもなく面白味に欠けます
映画だからこそのオリジナリティが全然ない


とにかくスレンダーマンに関する噂を全て詰め込んで
それを淡々と映像で見せているだけの作品

中身が本当にスカスカな映画なんです

 

ただ、スレンダーマンの都市伝説自体は
とても興味深くて
そこをもっと生かせればこの映画は面白くなったかもしれない


このスレンダーマンの都市伝説は少し特殊で
噂のもとが明確にはっきりしています

このスレンダーマンは実は完全な作り物で
フィクションなわけです

ただ、これがいつの間にかネット上で広まり
いろんな人が尾ひれをつけて
さらに噂が拡大して今に至るというわけです

でも、フィクションの存在にもかかわらず
実際に遭遇したという人が現れたり
大規模な誘拐事件や行方不明事件の直前に目撃されているという話もあるくらい

作り物のはずのスレンダーマンが
ネットで噂が広まるうちに
いつの間にか真実味を帯びた都市伝説へと変貌していったという
なかなか面白い存在なんですよね


本作もこの元ネタの都市伝説のように
嘘から始まりそれが現実へと変化していく
という部分を映画の中にも取り込んだら面白くできたかもしれない

登場人物たちが噂を広めたり
別の噂を誰かから聞いたりすることによって
スレンダーマンの行動や姿形が段々と変化していく
みたいな流れにしたらちょっとワクワクできそうです


本編の中でもスレンダーマンの恐怖がウイルスのように伝染していく
とかは言ってたんですけど

その部分も曖昧でフワッとしていて
そこをあまり広げないんですよね

そういうところがもったいないんですよ

面白くなりそうな要素は切り捨てて
単純で安易なホラーとしてしか作っていない


せっかくスレンダーマンという興味深いものを
題材にしてるんだから
その都市伝説自体を掘り下げるような作品にするべきだと思うんです

てか、そうした方が絶対に面白くなると思う

 

この映画自体は
本当に中身が無くてスカスカなので
特に語る内容が無かったりします

ホラーとしてもサスペンスとしても全然面白い要素が無いですし
登場人物もめっちゃ薄いし
ストーリーもめっちゃ薄いし
この映画の中にはなにがあったんだよ
って感じ

ただ、元ネタのスレンダーマンの噂自体は
とても面白い内容だと思うので
ネットで調べたり本を読んだりしてみてほしいです

この映画を観るくらいなら
自分でスレンダーマンについて調べたほうが有意義な時間が過ごせると思います

 


スレンダーマン 奴を見たら、終わり (字幕版)

 

 

映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」感想 νガンダムとサザビーカッコよすぎる ラストバトルが熱かった

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どうもきいつです


アニメ映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」観ました

ガンダムシリーズ初の完全オリジナル劇場作品
テレビアニメ「機動戦士ガンダム」から14年後の
宇宙世紀0093年を舞台に
シリーズの主要人物であるアムロ・レイとシャア・アズナブルの最後の戦いが描かれる1988年の作品

監督はテレビシリーズも手掛けてきた富野由悠季が務めています

 

あらすじ
宇宙世紀0093年
新生ネオ・ジオン軍の総帥となったシャア・アズナブルは
地球連邦政府に対し反乱の狼煙を上げる
そして、地球環境を汚染し続ける人類を粛清するため
小惑星アクシズを地球に落下させる計画を実行に移した
アムロ・レイは新型モビルスーツνガンダムに搭乗し
シャアの企みを阻止するために戦いを挑む

 

感想
熱い戦いにテンションがめっちゃ上がりました
登場するモビルスーツもみんなカッコいいし
ガンダムが好きなら単純に楽しめる映画
ちょっと描写不足でツッコミどころもなかなか多いけど
それを差し引いても楽しめる映画でした

 

爆音映画際で本作が上映されるということで
観に行ってきました

せっかく映画館で観るならと
テレビシリーズ「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」の3作をおさらいして
気持ちを完全に作って挑んできました

なかなかいろんな意味ですごい映画
面白かったけど
なにこれ?って映画でもあります

意味がわかるようで意味がわからない
こいつら何がしたいんだよ?!と気持ちがありつつ
なんとなく気持ちがわかるような気もする

 

まずはじめに
この映画はテレビシリーズを観ていなかったらついていけないと思います

少なくとも1作目の「機動戦士ガンダム」だけでも観ていないと理解できないことが多い
できれば2作目の「機動戦士Zガンダム」も観てるほうがいい
「機動戦士ガンダムZZ」は観なくても大丈夫だと思う

本作を知識無く観てしまうと
よくわからん言葉が当たり前のように飛び交ってるし
登場人物の関係性やバックボーンは謎だし
そもそもシャアって誰だよ
という状態になってしまうと思います

基本説明なんか全く無くて
今までのシリーズがあってこその
この劇場版なので
初めて観るガンダムとしてはハードルが高すぎます

完全にファン向けの映画です

ただでさえ若干意味がわからない映画なのに
その上、知識がなければマジで意味不明な映画になってしまう

僕はそれなりにガンダムが好きだし
事前に復習していたのでその辺は大丈夫でした


まず、個人的に本作で好きなところは
モビルスーツのカッコよさ
本作のモビルスーツは全部カッコいいです

アムロが乗るνガンダムは超カッコいいし
シャアのサザビーも超カッコいい

ZZの時よりもかなりモビルスーツがシンプルになっていて
そこがスタイリッシュですごくいい

正直、ZZに登場したモビルスーツはちょっと微妙なのが多かったりするし

主役の機体以外にも
リ・ガズィ、ジェガン、ギラ・ドーガ、ヤクト・ドーガ、α・アジールなど
基本的に全部カッコいい

特にリ・ガズィとα・アジールはめっちゃ好きです

こんなカッコいいロボットが戦ってるだけで
テンションが上がります


ストーリーに関しては結構シンプルにも思えます
戦争が舞台で敵味方いろいろと思惑が交錯したりもしてますけど
メインとなるのはアムロとシャアの決戦で
そこを中心として描かれている

本作は
結局アムロとシャアの個人的な気持ちのぶつかり合いで
そこに決着をつけることが最大の目的
アムロとシャアの戦いがすごく熱い映画なんですよ

だから終盤の2人の戦いはめっちゃ盛り上がるし
戦争とか立場とかを越えた気持ちのぶつかり合いが最高です

しかも、ここでのモビルスーツの戦闘もめっちゃカッコよくて素晴らしい
モビルスーツから降りての生身での戦いもあるし

ここは1作目の最終回のような熱さがありますよね

 

ただ、結構ツッコミどころもあって
描写不足もかなりあります

特に登場人物の感情の変化がかなり唐突
敵味方ともなんかよくわからん行動をする奴が多い


中でもクェスがなかなかヤバい奴

見た目は可愛らしい女の子なんですけど
やってることが本当に支離滅裂と言うか

アムロと仲良くするチェーンに急にブチギレたり
何の前触れもなくシャアについて行って戦争に参加したり
戦いの中でもやたら身勝手な行動をとるし

コイツ一体何したいんだよ
と思いますよね

たぶんクェスのことが嫌いな人も多いはず
情緒不安定な上に周りをかき乱して事態を悪くして
しかも、自分勝手な言動ばかり

純粋なニュータイプなのに強化人間くらい精神が不安定でたちが悪い


他にも
ハサウェイの言動なんかも
いまいち何をしたいのかわからない
みんなの邪魔しかしてないし

その割に物語にそんなに絡んでもこないし

ハサウェイの存在って意味があったのか?


てか、シャアですらちょっと何したいのかがわからない

地球に隕石を落とそうとしてるけど
地球にいるセイラさんとかどうでもいいのか?
って疑問があったりするし

 

こういう部分に関しては
短い時間にいろいろ詰め込んだ結果
描写不足、説明不足になってしまったのかな
とは思えます

ただ、ガンダムシリーズって
毎回、登場人物がみんな面倒くさい奴ばかりで
自分勝手な行動をして面倒くさい事態を引き起こす
って展開がすごく多いアニメだったりもして

アニメシリーズを見た上で本作を続けて観ると
この映画の登場人物の面倒くささもお約束と言うか

普通に許容できてしまいました

こんな自分勝手に動くキャラなんてガンダムではあるあるだし
むしろ、面倒くさいキャラたちの面倒くさい人間関係を見たいという気持ちもある

 

そして、問題は結末ですよね

なかなかすごい終わり方をする
正直、意味が分からねぇ

このラストって何も解決してないんですよ

隕石は地球から反れるけど
何故隕石が反れたのかよくわからんし
戦争が解決したわけでもないし
アムロとシャアの戦いに決着が着いたわけでもないし

こんな唐突にエンディング曲始まる?!
ってみんな思ってしまうはず

このラストは賛否あるかなと思う


僕はこのラストは好きです

すっきりはしないけど
長く続いたシリーズの最後に
この終わり方をするのは格好よくも思える

このラストは人によりいろいろと解釈があって
なかなか答えは出せない
それがこの作品の面白さだと思います

普通にすっきり終わるラストより
本作のラストは観終えたときに余韻にも浸れます


それに、この作品はこの結末よりも
ここに至るまでの過程が最も重要だと思えます

アムロとシャアの意地と意地とのぶつかり合い
と言うか、シャアの意地ですかね

この映画はシャアの物語で
シャアがアムロに異常に執着してるし
ララァに異常に執着してるし
人類や地球に異常に執着している

いままでどこか掴み所の無かったシャアにスポットが当たって
今まで見えてこなかった彼の人間性が少しだけ浮き彫りになります

今までクールで頭が良く完璧に見えていたシャアも
本作ではすごく愚かで人間臭い

アクシズを地球に落とすのだって
人類を地球の重力から解放するためとか
でかい事を言ってるけど

映画を観進めて行くと
ただ単にアムロを引っ張りだすためだけにやってんじゃねぇか?
と思えてくるんですよね


とにかく、本作は地球連邦とネオ・ジオン軍との戦いを描いているというよりは
シャア・アズナブルという1人の人間を描いた作品なんじゃないかと思うんです

シャアの意地と生き様と面倒くさい人間性
そこを描いた作品だと思えば
本作のよくわからないラストもなんか少し納得できる

あの何も解決していないようなラストでも
シャアの物語だけは終結している

 

かなり古い映画で今さら感もありますけど
あらためて観るとやっぱりすごく面白い
昔のアニメだけど映像のクオリティも高いです
これはガンダムが好きなら十分楽しめる映画だと思う

よくわからないなと思うかもしれないけど
カッコいいモビルスーツの戦いが観れるだけでも
本作を見る価値はある

 


U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

 

 

映画「2分の1の魔法」感想 なんかすごく薄い内容 あまりワクワクしなかった

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どうもきいつです


アニメ映画「2分の1の魔法」観ました

魔法が忘れられてしまった不思議な世界を舞台に
とある兄弟が冒険する姿を描いたファンタジー映画
「トイ・ストーリー」などのピクサー・アニメーションが手掛けるアニメ作品です

同じピクサー作品の「モンスターズ・ユニバーシティ」を手掛けたダン・スキャロンが監督を務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
科学の発展によって魔法が忘れ去られた世界
そこに住む少年イアンは何をやっても上手くいかない
そんな彼が望むのは自分が生まれる前に亡くなった父親に会うことだった
イアンは16歳の誕生日に父親が残した杖と魔法の書かれた手紙を受けとる
早速魔法を使ってみると父親の半分だけが蘇った
イアンと兄バーリーは完全に父を蘇らすために旅に出る

 

感想
つまらなくはなかったけど
すごく薄くて記憶から消えてしまいそうな映画
結末は良い終わりかたですが
そこに至るまでがあっさりしすぎ
お兄ちゃんが痛すぎて最後まで好きになれなかった

 

ピクサーの新作映画ということで
期待して観に行ってきました

ピクサーは毎回クオリティの高い映画を見せてくれるので
本作もとても期待していたんですが
正直、ちょっと微妙でしたね

まあ、ピクサーと言えど
毎回絶対に面白い作品ばかりってわけでもなく微妙なのも結構あるし
本作ははずれのほうだったのかなって感じです

つまらない映画ってほどではないんですけど
普通すぎて面白味がないストーリーに
最後は感動するけど全体的に薄すぎる人物描写
すごく中途半端な作品でした


ストーリーの流れは
シンプルに主人公と兄が冒険をするという内容で
その目的は父親を蘇らすためってよくありそうな設定
父親が下半身だけ復活してるのは特殊でちょっと面白い設定ですけど

ストーリーの中で描かれるのも兄弟の絆や親子の絆みたいな家族愛がテーマで
王道の感動ストーリーって感じですかね

ファミリー映画としてはそんなに悪くはないと思いますけど
あまりにもひねりが無いのでインパクトが弱いです


基本的にテンポはすごくいいので見やすくはあります
ただ、かなり薄味なんですよね…

主人公たちは冒険に出て次々と物語は進んでいくんですけど
登場人物たちの内面がほとんど描かれていないので
なかなか感情移入がしづらい

主人公のイアンでさえなんかフワッとしたキャラクターで
いまいち行動原理や感情の変化などがわかりにくい

この物語の主軸でもあるイアンが父親に会いたい
というのも
何故そこまで?
と思ってしまう

やることなすこと上手くいかなくて
父親を求めているって描写ですけど
その2つがそんなにつながってないように思うし

父親が偉大な人物でそこに憧れを抱いているとかなら理解できるけど
イアンのお父さんはすごく普通そうだし

ましてや会ったことすらないのにそこまで求めるのかな?
と少し疑問

引っ込み思案で自信のない少年
というのもちょっとありがちすぎでテンプレですよね

記号的には少年らしい要素が詰め込まれてるけど
なんか作り物っぽくも見えて薄っぺらい人物像です


兄のバーリーなんて全然好きになれなかった

基本身勝手な行動ばかりで
その上、自分の考えを強引に押し付けたりするし
ずっと鬱陶しい奴なんですよ

途中で厄介者扱いされてることに機嫌を悪くするけど
そりゃそうだろ
なに一丁前に傷ついてるんだよ
そういうところが余計にムカつく

言動がずっと中二病なのも痛すぎるし
なんか最後まで好きになれないキャラなんですよ

もう少し内面を描いてくれれば納得できると思うんですけどね

父親に対する思いとかは途中で明かされるけど
これとコイツのウザい性格は全然関係ないし


はじめはこのウザいバーリーが旅を経ることで
最終的に成長するものだと思ってたんですよ

でも、結局は最後まで
反省することもなく性格を変えることもなく
ちょっといいことをしていいやつっぽく見せて終わり

イアンとバーリーが大喧嘩をして
それをきっかけに2人が成長するんだろうな
と予想してたんですが

変わったのはイアンだけでバーリーは何も変化していない

そもそもケンカの場面もあっさりしすぎてて
そこまでいいシーンには見えませんでした

ここのケンカはただ感情が爆発しただけで終わり
本音をぶつけ合ったりはさほどしなくて
せっかく重要な場面なのにその扱いはもったいない

ここが薄いから兄弟愛も薄く感じてしまいます


最終的な物語の落としどころは
ちょっとひねったラストになっていて感動的な終わりかたをしますけど
そこに至るまでが微妙すぎるんですよね

なんか盛り上がる場面もあまり無くて
ギリギリ退屈ではないくらいの低空飛行で最後まで持っていって
最後はちょっとだけ盛り上がるみたいな感じ

つまらなくはないけどすごく微妙な気持ちになった

 

あと、世界観の設定もちょっと緩い

魔法が無くなってしまった世界
という部分にあまり説得力が無いように思います

科学の技術が発展したから魔法が無くなった
って言ってますけど
普通に魔法のほうが便利だし廃れないだろ
と思ってしまう

この世界がSFのなんでもありな未来世界なら
それも納得できるけど
実際この世界は現代社会と同じような生活を送ってるし

誰もが魔法を使えるわけじゃなく
努力しなければ使えないから楽な方へみんな行ってしまった
って設定はあるものの

それを差し引いても魔法のほうが便利でしょ
もし自分がこの世界にいたら努力をしてでも魔法使いたいよ

しかも、イアンは結構簡単に魔法使えてるし
才能さえあれば魔法が使えるというのなら
それこそ魔法が廃れる理由がない

すごく野暮なこと言ってるような気もするけど
この設定の緩さはすごく気になってしまった


伏線の張りかたや映像のクオリティなど
そういうのはいつも通りレベルは高いと思います
でも、その点に関しても
いつもよりはちょっと下かなと感じました


伏線なんかは細かくいろいろと用意されてるけど
少し表面的すぎると言うか
あまり上手くないと言うか
そこまで面白い伏線だとは思えなかった

魔法の石のありかもなんか普通すぎるし
もっとひねれなかったんですかね


映像のクオリティも高いけど
いつものピクサー映画に比べると魅力がない

そもそもキャラデザがちょっと微妙な気もするし
この世界自体が面白味に欠けてる気もする

いつものピクサーは映像の中に目玉になる要素があります
「ファインディング・ニモ」なら海の表現
「モンスターズ・インク」なら毛のモフモフ感
「リメンバー・ミー」なら光の美しさなど
どこか印象に残るすごい映像を見せてくれるんですけど

今回はそういうのを感じなかったんですよ
ただファンタジーな世界をやりました
で終わってしまってる

守りに入ってるのかどうかはわからないけど
映像に関してもすごく普通で
あまり記憶に残りませんでした

ピクサー作品には映像のすごさを期待してるので
これはちょっと拍子抜けでした

 

いろいろと文句を言いましたけど
ファミリー向けの軽く観る映画としては
そこまでつまらない映画ではないので
悪い映画だとは思いません

でも、ピクサーの作品が好きで
毎回、高いクオリティに期待を抱いている人ほど
今回の出来の作品は納得できないんじゃないでしょうか

今回は若干子供だましな作品で終わってしまっていたので残念でした

 


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