何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「シグナル100」感想 バカが繰り広げるデスゲームほどつまらないものはない

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どうもきいつです


サスペンス映画「シグナル100」観ました

宮月新と近藤しぐれによるコミックを
実写化した学園サバイバル
教師に自殺してしまう催眠をかけられた
36人の高校生たちが生き残りを懸けたデスゲームを
繰り広げるサスペンススリラー映画です

監督は「オルジャスの白い馬」などの竹葉リサ
主演を橋本環奈が務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
ある日、担任教師の下部が樫村玲奈ら36人の生徒に催眠をかける
遅刻をする、涙を流す、スマホを使うなど
日常の100の行為を合図に自殺してしまう催眠をかけられてしまった生徒たちは
死の恐怖に本性を現していき
生き残りを懸けたデスゲームへと発展していく

 

感想
発想は面白いけど
結局はバカ同士のデスゲームで萎えてしまう
命の駆け引きはしょうもないし
設定を全然生かしてないし
キャラクターは薄いし
ラストのオチも弱いし
全体的につまらない映画でした

 

デスゲーム系の映画ということで
ちょっと気になっていた映画

予告を見た時点ではチープ感が漂い
面白いかどうかは不安で
期待もしていなかったんですが

予想通りでしたね

とりあえず話題性だけを重視した映画
って感じなのは否めない

内容はかなりしょうもなかったと思います

僕はこういうデスゲーム的な作品は好きで

何が好きなのかと言うと

命懸けの駆け引き
騙し騙され誰が生き残るのか?
どうやって生き残るのか?
そんな命を懸けてるからこその知的な戦い
みたいなのがすごく好き

生きるか死ぬかの狭間で生まれる極限の戦いが
面白いわけです


そして、本作はと言うと
とにかく登場人物がみんなバカ
やってることが小学生レベルで緊張感も無い

刺激の強いグロテスクな自殺シーンは
頑張ってるけどそれだけで
それ以上のものはありません

だから、この映画は予告が1番面白い
本編を観てもそれ以上の面白さはありませんでした

 

細かいことを言っていくと

まず、設定が全然生かされていないと思う

催眠をかけられてしまった生徒たちが
特定の100の行動のどれかを行ってしまうと
自殺してしまう
という設定なんですが

それ自体はすごく面白いと思うんです

何をすれば自殺のスイッチが入ってしまうのか
わからない中で
たった1人だけ生き残れば催眠が解ける

そんな状況で相手をどう殺すか
自分はどう生き残るのか
そんなのを描いてくれれば面白いと思うんですが

この映画の場合はそんなのが全然無い

基本的にみんな狼狽えて勝手に死んで
命の駆け引きなんて無いんですよね

みんな仲良く誰も死なずに催眠を解く方法を探そう
って展開が最後まで続くのもつまらない

その中でヤバい奴が2人いますけども
その2人VS他の全員って構図になってるのも
つまらない

悪い奴らと良い人たちという
善悪のグループ2つだけに別れてしまうのは
デスゲーム系の作品としてはいまいち面白味に
欠けてしまうと思うんですよね

いくつもグループがあったり
個人個人でもぶつかり合ったり
裏切り者がいたり
登場人物の数だけ様々な思惑が渦巻くような
複雑に入り組んだ人間模様があればあるほど
疑心暗鬼になるし先の展開も読めなくなる

この映画にはそういうのが全く無いので
スリルがなくハラハラしない
先もなんとなく予想できる


そんな人間模様がつまらないだけでなく
デスゲームの駆け引きも本当にしょうもない
子供騙しな駆け引きしか見せられません

この映画の中では
自殺のスイッチとなる100のシグナルが
デスゲームで優位にたつためのカードな訳ですよ

何が自殺のスイッチになるのかの情報を
いかに手に入れるか
その情報を使っていかに相手を出し抜くか
そこが重要だと思う

でも、本作は
早い段階で100のシグナルの大半が
判明してしまうし
なぜ判明するのかというのも図書室の本に
載っていたから
とかバカみたいな理由

で、最終的には
他の生徒が知らない情報を持っている
クラスのヤバい奴が
情報を持っているという理由だけで
他の生徒たちを支配しようとする訳です

情報を持ってるから俺に従え
は、さすがにアホすぎる
こんな展開全然面白くないですよ

もっと知的に駆け引きしてほしいですよね
相手を自殺するように巧みに誘導する
みたいなのを見たかった

スポーツドリンクのくだりとか
本当にくだらなかったです
飲めば死ぬ可能性が高いのに
そんなリスクを背負って飲む必要がないし

飲んだら飲んだで
実は口に含んでただけでした
って展開もかなりレベルが低い

そもそも、自殺のスイッチになるシグナルを
本で知るんじゃなく
登場人物たちが自分たちで観察して推理する
って展開にしたほうが面白くなりそうですけど

そうすれば、ルールの穴なんかも
生まれてきそうですし
主人公だからこそ気づける真実とかも
描けそうな気がする

シグナルが明確じゃないほうが
スリルも生まれると思うし
裏切りや騙し合いの展開にも広がってくるはず


なんか素材はすごく良いのに
それを全然うまく活用できていない印象でしたね

あと、シグナルの中の
【7人に指を指される】と【酒を浴びる】
には興醒めです

直接的に人を殺せないから面白いのに
このシグナルがあるから
殺そうと思えば簡単に殺せてしまう

単純に殺せないからこそ面白さが生まれる設定
だとも思ったので
このシグナルが出てきたとたんに稚拙になって
今までのことが全部バカバカしくなってしまった

 

そして、キャラクターが薄すぎるのもどうかと思う
登場人物がすごく多いわりに
目立った登場人物が全然いない
みんな同じ顔に見える
誰が誰だかわからない

主人公も本当に酷いです
橋本環奈じゃなかったら
たぶん主人公だと思えなかったかも

主人公のくせに空気です
いるかいないかわからないほど

この主人公は基本受け身で
ただその場の流れに身を任せているだけ
活躍もしないし目立った行動もしない
性格も普通過ぎてつまらない

こんなキャラクター
最初に死ぬモブキャラとさほど変わらないでしょ

全く魅力の無い主人公です

他のキャラもみんな同じ
全然魅力がない

感情移入もできなければ好きでもないキャラたちが
次々と死んでいきますけども
思い入れがないから
死んでも驚きも無いしショックでもない
気持ちが揺さぶられない

誰が死んでも何も感じないです

その点でもスリルが全く生まれていませんよね
人が死んでも感情が動かないんですから

 

さらにオチも酷いですね

マジでしょうもないです
これ、どんでん返しと思ってやってるんですかね?
キャラクターもブレてるし
ストーリーもブレてる
結局、この映画は何を見せたかったのか?
このラストはマジでクソ

バカな中学生が考えたような幼稚で辻褄が合わない
オチでした

 

それと、本作とは直接関係ないかもしれないけど
橋本環奈の価値が完全に落ちてますね

こんなクソみたいな映画ばかりに出ているのも
あるかもしれませんが

橋本環奈ってそんなに人気あるの?
って気持ちになってくる
いろんな作品に引っ張りだこではありますが

アイドルオタクはもはや橋本環奈には
興味ないだろうし
女子に人気が出るようなカリスマ性も無い
男子中高生が橋本環奈が出ているからって
この映画を観に行くだろうか?

そもそも、演技はそんなに上手くないし
かと言って人間性に魅力もあまり感じない

芸能界の中では上手く立ち回って評判はいいかもしれないけど
一般市民からすればそんなのどうでもいいわけで
全然需要が無いように思う


その上、こんなクソ映画ばかりに出されて
成長も無いでしょうし
やらされるのは変顔だけ

変顔すごいがまかり通るのも最初だけですよね

本作は変顔はありませんでしたが
逆に顔の演技が全く無かった
もっと狂気に満ちた顔とかを見たかった

あんなに変顔を安売りしているのに
こんな時には顔を歪ませないという…


前ならこんなタイプの映画に出れば
あの橋本環奈がこんな過激な映画に!?
ってなってたかもしれないけど

今やこんな映画に出たところで
橋本環奈ならこれくらい普通だろ
ってなってしまいますし

むやみやたらと消費されるだけの橋本環奈が
可哀想にも思えてきます

 

最後はちょっと話が反れましたが
とにかくこの映画はつまらない
デスゲームは人が残酷に死にまくればいい
ってだけじゃないですから
いかに面白く命のやり取りをするかが重要

この映画はそこが幼稚すぎる
本作の作者たちはデスゲームとは何たるかを
考え直すべきです

 


シグナル100 コミック 全4巻 完結セット

 

 

映画「キャッツ」感想 意味わからん 頭おかしくなる 怖い サイコ映画

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どうもきいつです


ミュージカル映画「キャッツ」観ました

1981年に初演されて以来、観客動員数は
世界累計8100万人にも達する
世界的な大ヒットを誇るミュージカルの金字塔
「キャッツ」を映画化した作品
ロンドンの街を舞台に猫たちの生き生きとした姿を
描いたミュージカル映画

監督は「レ・ミゼラブル」「英国王のスピーチ」などの
トム・フーパーが務めています

 

あらすじ
ロンドンの街の一角にあるゴミ捨て場に
人間に飼い慣らされることを拒みしたたかに生きる
個性豊かな猫たちジェリクルキャッツが集う
満月が輝くある夜
その日は新しい人生を生きることを許される
たった一匹の猫が選ばれる特別な夜であり
猫たち夜を徹して歌い踊る

 

感想
とにかく意味不明
マジで意味不明
戸惑いを隠せない
頭おかしくなる
ただ、魅力を感じる映画ではありました

 

以前から予告ではよく見ていて
そのビジュアルのインパクトに
記憶に刻み込まれていた作品です
あまりにキモいビジュアルに
もはや魅力を感じていたほど

それもあってすごく観たくもなっていたので
早速映画館に観に行きました


僕はミュージカル「キャッツ」の舞台を
観たこともなく
どんな 内容なのかも全く知らない
ストーリーも全然知らない
すごく有名なミュージカルって知識があるくらいで
完全に無知な状態で観に行った訳ですが

おもいっきりぶん殴られたような感覚です

マジで意味がわからなかった

自分は一体何を観ているのか…
そんな気持ちにさせられました

 

そもそも、この映画にはストーリーなんて
ほとんど無く
ただひたすら猫たちが歌い踊ってるだけの
ミュージカルシーンが続くだけ

正直、何をやっているのかわからないです
話の流れとか、目的とか、ドラマとか
そんなのは全く無いと言ってもいい

最後まで観ても
結局これはなんだったんだろうか…?
って気持ちになるだけなんですよ


ただ、思ったのは
この作品にとってはストーリーなんて重要じゃない
というのは何となくわかった

基になったミュージカルも意味不明らしいですし
「キャッツ」という作品はそういうものなんだと思う

この作品はミュージカルで
歌って踊ることで観客を魅了するもの
この作品はショーみたいなものなんでしょう

そう思って観れば
この意味不明でストーリーが無いような作風でも
そこは全然許容できる
むしろ、それが魅力にも感じるわけです

実際に劇中で披露される歌やダンスはとても魅力的
耳に残って離れないような曲も
たくさんありましたし
歌唱力もみんな素晴らしいと思います

ダンスに関しても見いってしまうほど
動きが綺麗でしたし
単純にダンスすごいなって思える


本作はミュージカルをそのまま映像化したような
映画なんだと思います

だからこの映画のほとんどがミュージカルシーン
普通の映画らしいシーンなんてほとんど無くて
常に誰かが歌って踊ってる

映画を観るというより
ショーを観る感覚で観れば
楽しめるんじゃないでしょうかね


でも、だからこそ
この作品を映画にする必要はあったのか?
と疑問も生まれてきます

正直言うと
この作品は映画で観るより舞台で観たほうが
すごいんだろうな
と、思ってしまった

映画だからこその豪華さやリアル感はあるものの
逆に映画だからこそアップのシーンが多かったり
キャラクター1人にスポットが当たる単独の場面が
とても多かったりと
ミュージカルシーンの全体が観れないのは
マイナスになってるように思う

人間離れした動きやCGを駆使した映像にも
違和感がすごくある

それに、緩急も少なくてメリハリがない
ただ淡々と歌とダンスが続くだけなので
中盤くらいから眠くなってきます

ショーを楽しむ作品にしては
見えかたが限定されていて
なんか窮屈な感じがするんですよね

なので、もとのミュージカルが好きな人は
この映画に違和感を感じて
あまり好きになれないかもしれない

で、普通に映画を観に来た人は
このつかみどころの無い作風に戸惑い
つまらないと思ってしまう人は多いかも

どちらにしても
あまり好感が持たれる作品ではないように思います
だから、めちゃくちゃ酷評されているんじゃ
ないでしょうか

 

そんな感じで否定的にはなりましたが
実は僕はそんなにこの映画が嫌いじゃないです

確かに意味不明で頭おかしくなりそうですし
途中は眠くなりましたけど
なんかこの変な映画を嫌いにはなれない

この作品を映画にする必要はあるのか?
ってことを言いましたが
ミュージカルの映像化としては噛み合ってない部分は確かにあります

ただ、映像だけを見てみると絶妙な魅力を
感じたりする

猫たちのキモいビジュアルや
地味に違和感のある背景のセット
映画ならではのCGを使った演出

これらが絶妙にバランスが崩れていて
逆にカオスで異常な映像になってる
それに魅力を感じてしまいました

それに、さっきから見た目がキモいって
言ってますけど
映画館に行く度に予告を見せられてた身としては
もう完全になれていたので本作を観た時点では
キモくなかったし


そんなことよりも
本編を観ればもっとキモいところがありますよ

ゴキブリのシーンとかマジでヤバイです
よくあんな映像作ったな…と思う
常軌を逸してますよ

擬人化されたゴキブリたちがポップな音楽に
あわせて踊り
それを擬人化された猫がポップな音楽に合わせて
食べる

頭おかしいのかと思います
ホラーよりホラーです
このシーンはサイコです


そんなカオスな映像の中で描かれる
意味不明なストーリーもより意味不明に感じるし
その意味不明さが気持ち悪い
意味のわからない歌詞がサイコに感じる

猫は犬にあらず
ってなんだよ…
ラストにそんな事言われたら怖いよ

この歌にも深い意味はあるのかもしれないけど
この映画の中では狂気感じる歌詞です
意味とか云々の前に怖い


最初からひたすらキャラ紹介みたいな歌のシーンが
ずっと続くのもちょっと頭がおかしくなってきますよね

いつまでこれが続くんだろうか?
最後までこれなの?
こわっ
って感じになります


そして、キモいとかサイコとか怖いとか言ってるけど
いつの間にかこの映画のことばかり考えている
音楽が頭の中で流れている
もはやドラッグですよ
頭がぶっ飛ぶ


で、この映画の何がすごいって
たぶんめっちゃ真面目に作ってるんです

あえてキモくしようとも思ってないでしょうし
カオスにしようなんて思ってないでしょう

普通に「キャッツ」の素晴らしい映画版を
作ろうとしている
良い映画を作ろうとしてるはず

なのにキモいし怖いし常軌を逸している
この映画はナチュラルにサイコなんですよね

でも、そこがいい
狙ってないのにそんな映画になるのがいい
偶然生まれたものかもしれないけど
だからこそ魅力を感じるわけです

これはオリジナルのミュージカルでは
出せなかった魅力だとも思います


今は酷評されているけど
たぶん後に
好きな人は好きなクソ映画
って位置付けになりそう

カルト的な人気を得そうな気がしてならない

僕は実際になんかこの映画が好きになってる
あの映像や音楽が頭から離れないんですよ
不思議な魔力を持った映画だと思います

 

世間から酷評されていますし
実際に映画としてはおかしい作品だと思う
でも、そのおかしさが時には魅力に変わるんだな
と思わされました

つまらない映画だけど魅力はある
いつの間にかこのキモい猫たちの世界に
引き込まれてしまっている自分がいる

 


キャッツ [Blu-ray]

 

 

映画「3D彼女 リアルガール」感想 これぞ教育に悪いティーン向け青春映画

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どうもきいつです


ラブコメ映画「3D彼女 リアルガール」観ました
那波マオによる漫画を実写化した2018年の作品
リア充美少女と恋愛経験オタク男子が織り成す純愛を描いた青春恋愛映画です
監督は「ヒロイン失格」「トリガール!」などを手掛けた英勉が務め
主演は中條あやみ、佐野勇斗です

 

あらすじ
アニメやゲームが好きな高校生の筒井光は
2次元の世界に満足し日々を過ごしていた
そんなある日、彼の前に現れた美少女
五十嵐色葉に告白され、突然訪れたリアルな恋愛に
疑惑と戸惑いを感じながらも
光を取り巻く状況は大きく変化していく

 

感想
オタクを讃えているようでただバカにしている映画
2次元とリアルな世界の対比も全然ないし
恋愛描写は薄すぎるし、登場人物たちは不快だし
ギャグはスベってるし
なんかいろいろ酷かった
そして、結局はアレな展開で興醒め
マジで教育に悪い映画

 

中条あやみが可愛いから観てみただけの映画
原作漫画は全く知らず
ティーン向け映画だろうしそんなに期待はしていませんでした

でも、ハードルを下げて観たにもかかわらず
なかなかつまらない映画でしたね
それにこの映画はちょっと不快に思うことも多かった

中条あやみの可愛さだけではこの映画は観れないです
それほどマイナスな要素が多い

 

ただ、悪いところだけ言うのもあれなので
まず、良いところを言っていきます


設定はなかなか面白いと思う

アニメ大好きなオタクが現実の美少女に出会い彼女に振り回され交流を深めていく

そんな状況から彼の心の変化や成長などを見せて
彼が自分自身と向き合う姿を描き
それをそれを通してアニメ、ゲームなどの
2次元の素晴らしさや現実と向き合うことの大切さを表現できると思う


そして、主人公の筒井光が魅力的でした
これは演じている佐野勇斗の力も大きいと思いますが
なんか見ていて面白いキャラクター
中条あやみ目当てで観た映画ですけども
そっちよりも筒井という面白キャラクターがとても良かったです

むしろ、中条あやみが演じる色葉は
逆に全然魅力が無かったり…


と、良かった部分はそれくらい
これも無理やり絞り出したに過ぎないですが…

この良いと思える要素も
本作の中では全然生かせてなかったりするし
基本的に最初から最後までつまらないです


そして、ここから先は否定しかしません


まずはストーリー
マジでつまらないです

青春ラブコメって感じでギャグを挟みつつ
物語が展開していくような作り

ただ、ギャグはつまらないしストーリーは平坦
観ていて全然気持ちが盛り上がらない
途中で普通にスマホとかを見てしまうほど
集中できないんですよ

登場人物の気持ちが全然描かれないから
この物語がどこへ進んでいるのか
終着点はどこなのか
そんなのが全然見えてこない

主人公の筒井は恋愛をしたいのか?
したくないのか?
何をきっかけにどう心が動いているのか?
で、結局何をしたいの?
その辺は全然伝わってきません


ヒロインの色葉に関しては
全く何を考えているのがわからない

確かに主人公の目線で見れば
ミステリアスなキャラではありますが
それにしても最後まで感情が伝わってこないんですよ

なんかロボットのようにも見えてくる

表面的にはみんな悩んでいたり
ぶつかり合ったりはするんですが
全く気持ちが乗ってないように見える

それっぽいエピソードは連ねてるけども
そこには感情がないんです

観ている側からすれば
こんな薄っぺらい恋愛ドラマを淡々と見せられても
感情移入できるわけもなく、ただ退屈なだけ
それぞれのエピソードも本当にしょうもないですし


そして、終盤の衝撃の展開…
これには完全に興醒め
ホントに酷い…

簡単に言うと
実は色葉は難病で
手術をしても成功するかわからない
手術は成功するが記憶喪失になり
筒井のことも忘れてしまう
でも、最後は愛の力で記憶を取り戻す

何?この茶番…
こういうの本当に嫌い

このタイプの映画って
難病とか記憶喪失とか死んでしまうとか
そんなのでしか恋愛を表現できないの?

マジで創造力が無いですよ

これ系の映画で毎回思うのが
病気でドラマを作ろうとしているのにその病名は明かされませんよね
なんか謎の不治の病みたいなのばかり

作り手側のさじ加減で
生きるも死ぬも
記憶喪失になるのも記憶を取り戻すのも
全部どうにでもなってしまう

安易な手法ですよね
こういうのを感じるとめっちゃ冷める

小学生、中学生の頭がお花畑な女子なら
騙せるでしょうが
だからこそたちが悪い

僕はこんな作品は本当に教育に悪いと思っているので
一刻もや早くこの世から消え去ってほしい

不謹慎なバラエティー番組やグロテスクなシーンを規制するよりも
こんな映画やテレビドラマを無くしたほうが日本は良くなると思いますよ

こんな作品は
一見、命の素晴らしさとか大切さを描いているようで
実は感動や涙のために命を弄んでいる低俗な作品ですからね

この映画はそんなところがすごく不快に感じる

 

不快と言えば
登場人物たちやギャグ描写も観ていてかなり不快に思う

基本的に登場人物の倫理観が欠けてるように感じるし
ギャグ描写もそれに伴って良い印象受けないです

例えば
筒井の家族はかなり嫌いですね

映画の中では
良い家族って感じに言ってたりするけど
正直、こんなクソみたいな家族は最悪

家族である息子を明かに見下していたりして扱い方が家族とは思えない
それをギャグとかコメディーっぽく演出していて
それがさらに不快感を煽ってる

色葉が筒井の部屋に行こうとした時の描写とか
母親が湯飲みを投げますが暴力的で全然笑えないし

父親を演じる竹内力の暴走するノリなんかは
本当に気持ち悪い
あのノリはVシネマなら笑えるけど
こんなタイプの映画でやったら
ただ不快なだけですよ
完全にスベってる


他にも
序盤の万引きだと騒ぐ本屋の店員は
マジで胸くそ悪いですよね
あんな奴めちゃくちゃ酷い死にかたでもしなければ
気持ちが晴れない
無駄にモヤモヤさせられるだけなんですよ


色葉の主治医も酷い
はじめはまともな人だと思ってたけど
終盤になるとキモさが炸裂する

記憶喪失になっしまった色葉から
筒井や友達たちを遠ざけていたとか想像すると
マジで気持ち悪いですよね


それ以外にも
筒井をバカにしてる同級生やその他クラスメイト
筒井の友達、恋愛アドバイスをくれる女子
みんな倫理観が欠けている

そんな奴らがコメディーっぽく
わちゃわちゃしてたら
それだけですごく不快になってくる

その上、ギャグのセンスも低すぎるとくるので
もうどうしようもない
スベってるし気持ち悪いし

この点でもこの映画は教育に悪いと
思わされますね…

 

そして、まだあります

この映画のテーマに関してですが
これも教育に悪いです


この映画が言いたいのは
アニメやゲームなんかの2次元世界に引きこもらず
恋愛、友情、楽しく充実した学校生活を送りましょう
ってことだと思います

本当に低次元ですよね

これって
ゲームなんか辞めて外で遊ぶことが素晴らしい
って言ってるのと変わらないですよ

この映画って基本オタクをバカにしてるんです
現実が充実してるっぽい奴らが
自分より下のオタクに手をさしのべてやってる
みたいな

何で上からなの?
お前らの充実した学校生活のほうが幻想ですよ


そもそも、現実の生活とアニメ、ゲームなどの
趣味の世界を別々に語ってることがナンセンスです

確かに現実の世界と向き合うことは大事ですよ
でも、アニメやゲームを好きなことが
現実から逃げてること
という風に一くくりにするのはおかしい

こんな趣味でも生きることの糧になる
アニメ、ゲームから学べるものは大きい
それがあるからより充実した実生活を送れる
という面もあるでしょうに

むしろ、そんな必死になれるものも無く
薄っぺらい恋愛、友情ばかりの学校生活を
送っていることのほうが残念な時間の使いかただし

本当に大事なことは
2次元の世界から抜け出すのではなく
2次元で得たものを糧にして
現実を生き抜くという事

この映画はそこを履き違えてる


アニメオタクが現実の美少女と恋愛する
という物語を描くにしても
本作のやり方は浅はかだと思います

リアルと2次元の対比とかも全然できてないし

だってこの映画の出来事ってリアリティーが
全く無いでしょ

偽物の2次元より本物の現実世界に向き合おう
って物語なのに
この映画の中の現実はリアリティーが無さすぎて
偽物にしか思えない
これが現実なの?

色葉は家族の存在もよくわからないし
どんな友達がいるのかもわからない
色葉がアニメのキャラクター以上に現実感が無い

それぞれのエピソードも作り物みたいでリアリティー無いし
最後の展開はいかにもテンプレの
低次元なラブストーリーだし

こんなクソ映画の物語より
面白いアニメやゲームのほうがよっぽど現実的だと
思いますけどもね

 

結局この映画を作った人たちには
創造力が無ければまともな倫理観も備わってない

アニメやゲームは辞めて
素晴らしい現実世界をエンジョイしましょう
という浅はかなメッセージしか込められていない

表面的には良いこと言ってるようには見えるし
小学生、中学生くらいなら騙せそうな内容なだけに
たちの悪さが際立ってます
本当にこの映画は教育に悪い低俗な映画

若者たちにはこんな映画で感動するような大人には
なってほしくないですね

他にも酷いところはいっぱいあるけど
もう面倒くさいから終わり

 


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映画「ジョジョ・ラビット」感想 戦争の悲惨さを感じ そして、希望も感じれた

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どうもきいつです

コメディー映画「ジョジョ・ラビット」観ました

第二次世界大戦下のドイツを舞台に
ヒトラーを空想上の友人に持つ
少年の日常ジョジョをコミカルに描いた人間ドラマ
第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を
受賞した作品です

監督は「マイティ・ソー バトルロイヤル」などの
タイカ・ワイティティが務め
監督自身もヒトラー役として出演しています

 

あらすじ
第二次世界大戦下のドイツで暮らすジョジョは
青少年集団ヒトラーユーゲントに入団し
架空の友達アドルフ・ヒトラーに助けられながら
立派な兵士を目指して日々を過ごしていた
そんなある日、母親と2人で暮らすジョジョは
家の片隅に隠された小さな部屋に
誰ががいることに気づいてしまう

 

感想
戦争を描いた悲しい話であるけど
ポップてコミカルな作風なので
楽しく笑って観れる映画でした
ジョジョ通して描かれる世界は
辛くあり優しさもあふれる世界に
感じることができた


映画館で予告を見てとても気になっていた映画
面白そうでしたし
とても期待して観てきました


予告の時点でも
戦争映画なのに明るい雰囲気の印象
だったんですけど
実際に観てみてもそのとおりで

第二次世界大戦中の物語ではありますが
作風はとてもポップでコミカル
笑えるシーンや楽しいシーンが
結構多かったりします

この映画は辛く悲しい世界の状況の中
明るく楽しく日々を過ごす人々を
観ることができる

でも、そんな中だからこそ
間違った思想が世間に蔓延っていたり
辛い現実が待ち受けていたりもする

この映画を観ていると気持ちをグラグラと
揺れ動かされ不安定な気持ちにさえ
なってしまいますけども
だからこそ戦争のむなしさ、不毛さを
あらためて感じることができる

説教臭く言葉で戦争はダメな事と言うのではなく
この映画を観ると感情の部分で
戦争って無駄な事だな…
と感じることができると思う

 

で、この映画のストーリーはと言うと
そこまで面白いストーリーではないと思う
正直言って大したことないストーリー

設定なんかも特に新鮮さはありませんでしたし
なんとなく予想できるような話の流れです

ナチスの思想を信じる少年と
その家にかくまわれていたユダヤの少女が
交流して絆を深めていく
みたいな内容がメインで

そんな設定はよくあると思いますし
面白みのある設定というわけでもないです

そこだけ見れば退屈そうな内容で
実際ストーリーの流れは盛り上がりも少なく
退屈に思ってしまうかもしれない


ただ、この映画は
それを補うくらいにキャラクターに魅力がある映画
だと思いいます

主人公のジョジョはもちろん
ジョジョの母親や周囲の人々
ユダヤの少女エルサ
みんな魅力的な存在感を放っていると思う

だから、この作品の世界の中で
生き生きと動いているキャラクターを観るだけで
なんか楽しくて面白く感じますし
フィクションの世界の話だけど
人間が生きているのを感じることができる

そんなキャラクターたちのやり取りなんかも
面白おかしく微笑ましいんですよね

戦争中の暗い時代ではあるけども
だからってみんなみんな毎日暗い顔を
している訳ではなく

そんな時代にも楽しい時間はあるし
そういう描写があるから
人々が生きているということを
より感じることができるんだと思う


様々なキャラクターがいる中で
特に良かったのは
スカーレット・ヨハンソンが演じる
ジョジョの母親ロージー
彼女がとても魅力的でした

優しく明るくユーモアにも富んでる
こんな時代だからこそ力強く生きている人

ジョジョを正しく生きれるように
導こうとしてますが
決して自分の思想を押し付けるわけでもなく
ジョジョの考えを尊重しているところもあります

だからと言って放任している訳でもなくて
しっかりとジョジョに向き合って
人間として大切なものを教えようとしている

そんな母親だからこそ
戦争やナチスにあこがれを抱いている
ジョジョですけども
根はウサギも殺せないような優しい少年に
育っているんだと思える

 

そして、ロージーのたどる運命
これはかなり落ち込む

あんなに優しくていい人が
こんな結末を迎えてしまうとは…

ここは唐突で衝撃的な展開ですけども
だからこそ現実味をおびてますよね
実際の人生もこんなものだと思う

何の前触れもなく悲惨な出来事が起きていく
いつ誰が死ぬかわからない
それが自分の可能性だってあるわけですし
戦時中なんて特にそうですよ

でも、そんな悲惨なことに巻き込まれたとしても
結局、悲しんでいる暇もなく生きて行くしかない


この映画を観ていると
反戦のメッセージだけではなく
力強く生きることの重要性が見えてきました

人生なんて楽しいこともあれば辛いこともある
辛いことがあったからってヘコんで終わりでなく
そこから先も生きて行かなければならないし
自分のすべきことがたくさん残っている

それを乗り越えれば
また楽しい人生がやってくるかもしれない

そのためには
やっぱり力強く生きていくしかないんじゃないかな
と思わされました

ジョジョという少年の目を通して
戦争の悲惨な世界を見せられ絶望を感じますが
日常の幸せや人間の温かみも見せられ
希望を感じることもできる物語だったと思います


とても良い映画でいろんなことを感じさせられる
映画ではありましたが

ちょっと気になる点も少しありました


特に言葉ですよね
ドイツが舞台の物語なのに全部英語
これはすごく気になった

アメリカの映画だから
仕方ないと言えばそうなんですけど
映画の冒頭からドイツ語ではなく英語なのが
すごくノイズになります

映画を観始めたときに
これってドイツの話じゃないの?
違うっけ?
みたいに余計なことを考えてしまった


それに全編英語というのもあって
アメリカ目線の戦争映画に見えてしまって
それはあまりいい印象ではないですよね

ナチス思想の少年とユダヤ少女の
交流を描いていますが
アメリカ目線の感動物語なんだよなぁ…
とすごく嫌な見かたをしてしまうも事実

戦争に勝った国目線っていうのを無意識ですが
感じてしまう

作ってる側も意識をしていないと思いますけど
これがいまだに残る戦争の爪痕なのかも

それを含めて
戦争って本当に人間にとって余計なもので
良いことなんて何も残らないんだな
と思わせられたりもしました

 

あと、ジョジョの空想上の友達アドルフ・ヒトラー
これの扱い方も
ただのギャグ要員で終わっていたのが
なんかもったいなく感じたし
アメリカ的なヒトラーの扱い方だとも感じます

終盤になればなるほど
ジョジョの中のヒトラーとの関係性を
深く見せてほしかったように思います

一応、最後の方にジョジョがヒトラーと対峙
しますが少し薄いように思うし
もう少し葛藤とかがあっても良かったのかな
とかも思ったりしました

あのヒトラーはあくまでジョジョの気持ちの一部で
本当の人間ではない
ジョジョとヒトラーのやり取りを
ギャグ的な部分だけでなく
精神的な描写として深く掘り下げれば
ジョジョの成長も
もっと良く見えたんじゃないかと思うわけです

面白い設定でしたし笑えるシーンも多かったので
全然悪いとは思いませんでしたが
せっかくなら笑いだけでなく真面目な話のほうにも
この設定を生かしてほしかったですね

 

戦争とか差別とか
そういうものを描いていて深さがある映画だと
思いますが
そこはあまり意識しないでもいいかも

単純にエンターテイメントとして
何も考えずに楽しむのがちょうどいいような
気がします
そんな観かたをしても
心の奥でこのメッセージを感覚的に感じ取れると思う

笑いながらも戦争の無意味さを感じることのできる
映画でした

 


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映画「ペット・セメタリー」(2019年)感想 前のほうが良いと思う部分もあれば今回のほうが良かった部分もある

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どうもきいつです


ホラー映画「ペット・セメタリー」観ました

1989年にも映画化されたスティーブン・キングの
小説を新たに再映画化した作品
ペット墓地の奥にある
死者を復活させるという森の存在を知った
とある一家の父親が恐怖に巻き込まれていくホラー映画

監督は「セーラ 少女の目覚め」などを手掛けた
ケヴィン・コルシュとデニス・ウィドマイヤーが
務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ

妻子とともに田舎に引っ越してきた医師ルイス
ある日、新たな生活にもなれてきた頃に
ペットの猫を事故で亡くしてしまう
ルイスは隣人のジャドに導かれ
ペット墓地の向こう側の森の奥深くで猫を埋葬した
すると翌日にその猫が生き返り姿を現すが

 

感想
1989年の映画版と比べると
良いところもあれば悪いところもある
雰囲気は良いけど
結局、ちょっと退屈な映画だった
ラストは前のほうが好き

 

1989年版の映画とどう違うのか?
面白くなってるのか?
というのが気になったので
本作を観てきました

正直言うと
前の映画化はそんなに好きじゃなかった
なので、今回の映画化は
前より面白くなってるんじゃないのか
と期待を込めて観てきたわけですが

まあ、良くなってるところもあれば
前のほうが良かったところもあり
なんかちょっと微妙でした

特に前作で好きだと思っていた部分が
変わっていたのはちょっと残念

 

全体のストーリーの流れは
少し地味だしテンポがそんなに良くもなく
ラストの展開が来るまでは退屈
終盤まではあまり面白いシーンも
ありませんでしたね

これは1989年版と同じかも
前作も終盤になるまでは退屈で
かなり地味な印象でした


この辺は前より良くしてほしかったな
と思いましたが
原作のストーリーもこんな感じ
なんでしょうかね?

終盤になるまでは
そんなにホラーっぽくもないし
ホラーっぽいシーンも無理やりな
気がしてしまいます

話も淡々としていて
いまいち盛り上りに欠けるし
あまり気持ちが乗っていかないです

 

で、ここからは前作より
良くなっていた部分を言っていきます

まず、1番良くなってると思ったのは
主人公のキャラクターですね

主人公のルイスが前作よりも
全然良くなっていたと思う


前作の場合はルイスがすごくバカに
見えたんですよね
家族への愛情が故に過ちを犯してしまう
というのが
この作品の重要な要素だと思いますが

あまりにルイスがバカすぎて
家族愛も感じれないし
全ての行動がただバカだから
という風にしか見えなかった


でも、今回の場合は
ルイスがしっかりとした死生観を持っていたり
娘や妻に対する思いなんかも
ちゃんと伝わってきました

根は真面目で人間性もしっかりしてる
家族に愛情を持って接している
そういうのを感じれましたね

それと、ルイスが妻のレイチェルの父親と
仲が悪いって描写がなくなっていたのも
良かったかもしれない
以前のあの要素はすごく邪魔な気がしてましたし
ストーリーとは関係ない上に
ルイスの印象も悪くなってましたから


そんな感じで、ルイスの死生観や家族愛が
まともな人として描かれているから
終盤の展開にもそれが生きてくるわけです

猫が死んだときは
前作ではルイスが娘を悲しませたくないと率先して
あの場所に埋めにいくわけですが

今回の場合は
猫が死んだことでそれをきっかけに娘に
生死について教育しようとする
そこをジャドのお節介であの場所に埋めに行くことになるんです

そうすることでルイスが親としても人としても
まともな人間に見える

だから、娘が死んでしまったときのあの行動には
人間の愚かさを感じれるし
娘への愛が故に崩れてしまう父親の姿を感じれる

そこがこの映画の怖い部分でもあるし
人間の狂気を感じれる部分でもあると思うんです

本作はその部分が前作より感じれました


それと、ルイスの子どもがトラックに轢かれる描写
これも良かった

前作では息子がトラックに轢かれるのが
今回は娘がトラックに轢かれて死んでしまう

これ自体は特に意味は無いんですけども
前作を知っている人からすれば予想外の展開で
なかなか驚かされたと思います

あらすじに娘が死んでしまうと書いてたりするので
それを見てしまえばネタバレになりますけど…

でも、ちょっとした変更で驚きが生まれるし
マンネリにもならないので
この変更はそんなに悪くないと思いました


それに、前作ではトラックに轢かれそうになって助かる
トラックに轢かれて死んでしまう
と同じようなシーンが2回もあったわけですが
これが本当に無駄だと思っていました

そもそも同じようなシーンを2回やるのはくどいと思うし
危険な道路で2回も息子を危機にさらすという事で
両親に危機感が無さすぎてバカ親にしか
見えませんでしたから
それで息子への愛が深いみたいな描写があっても
説得力が生まれませんよね

そこを本作では事故のシーンは1回だけ
事故の原因も運悪く目を話した隙に起きてしまう
という描写だったので
前作のようなバカ親には見えなくて
ただただ悲しくてやるせないシーンに
なっていました
だからこそルイスが娘を生き返らしたい
という気持ちもすごくわかるわけです


そんな感じで良い変更部分もありましたが
悪くなってるところもあった

しかも、それが個人的に前作で
好きだった部分でもあったので
とても残念に思ってしまいました

そんな中でも
ラストの展開がすごく残念だった

前作のラストは
ルイスが息子を生き返らすという過ちを
犯したにもかかわらず
そのせいで死んでしまった妻を
また生き返らせてしまうというオチ

このラストが後味めっちゃ悪いですけど
すごく好きだったんですよね

人間の愚かさや狂気をとても感じれて
ホラーのラストとしては素晴らしいと思う


ただ、本作のラストはそうではなくて
生き返った娘が大暴れして
家族が崩壊してしまうって感じのバッドエンド

前作のようにルイスが狂ってしまう訳でもなく
ちょっと気が迷った程度で終わってしまう

娘の姿をした何者かから逃げて戦うってだけの
普通のホラー展開で
ちょっと拍子抜けしてしまいました

せっかく今回はルイスがまともな人間として
描けているのに
なぜラストの展開を
前作のようにしなかったんですかね?

本作であのラストにすれば
ルイスが家族への愛が故に狂ってしまった
という部分も強調されると思いますが


これはラストを同じにすれば
オチを読めてしまうから変更したのかも
しれませんね
でも、前作のラストがすごく良かっただけに
今回のあのオチは微妙すぎる
すごくもったいないです


あと、猫の見た目も前作のほうが良かった

本作の猫はちょっと野性的過ぎません?
なんかあまり不気味に感じれない

前作のいかにも家猫って感じの風貌が
妙に不気味さを醸し出していたんですが
今回は全然不気味じゃない

野性的な見た目の猫が狂暴になっても
全然違和感がないので
そこが怖さに繋がっていかない

それに前のモフモフ感が個人的に好きだったし

 

そして、今回の再映画化を観て
前作、本作で共通して思ったのは
ルイスを導く幽霊とレイチェルの姉
これだけはやっぱり邪魔だと思ってしまいました

この2つの要素が
本筋とはあまり関わってないと思う
別に無くてもストーリーは成り立つでしょ

両方とも霊的なものですけど
因果関係とかも全然ないし
この2つに関わるシーンになる度に
ちょっと冷めるんですよね

ストーリーのテンポも悪くなるし
話が余計にややこしくなるだけで
邪魔な要素にしか思えない

原作ではこれらの要素が
どう扱われているのかは知らないですけど
僕が観た映画2作に関しては
ただの無駄な要素にしか見えませんでした

ビジュアル的な怖さを担ってるだけの要素でしたね

 

1989年版が微妙だっただけに
今回はそれを超える作品になるじゃないかと
期待したんですが
同じくらいの微妙さだったと思いました

せめて前作で良かった部分さえ受け継いでいたら
もっと面白くなってたように思う
前より良くなってる部分がたくさんあっただけに
すごくもったいない

 


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映画「死霊館」感想 良くも悪くも王道なわかりやすいホラー

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どうもきいつです


ホラー映画「死霊館」観ました

死霊館シリーズの第1作目
2013年の作品
超常現象を調査、解明してきた
アメリカでは有名な超常現象研究家の
ウォーレン夫妻が実際に調査した事件を基に
作られたオカルトホラー映画
不可解な現象に悩まされる一家を救うため
ウォーレン夫妻が悪霊に挑む姿が描かれます

監督は「ソウ」「インシディアス」などの
ジェームズ・ワンが務めています

 

あらすじ
1971年のアメリカ
古びた一軒家に両親と5人の娘が引っ越してくる
しかし、その家では奇妙な現状が次々と発生し
娘たちにも危害が及んだため
一家は心霊学者のウォーレン夫妻に助けを求めた
現地を調査すると恐るべき真実が明かになり
ウォーレン夫妻は館に住まう邪悪な存在に
立ち向かうことになる

 

感想
王道でシンプルな内容なので
ベタな印象を受けました
良く言えばわかりやすく楽しめる
悪く言えば面白味がない
普通のホラー

 

シリーズ化もしていて人気もあるようなんですが
今まで手をつけれてなかった作品
やっと観てみました


特別期待をしていたわけでは
ありませんでしたが
それなりに怖くて楽しめる映画でした

ホラー演出なんかは
テンポ良く驚かされて
まるでお化け屋敷のようです

派手な演出が多めで
かなりインパクトは強かった

日本的なホラーに比べると
ちょっとやりすぎだし
現実味は薄く感じますけども
これはこれでありかな

アメリカ的なホラーを観てる気分を味わえて
最後までビクビクできました


悪魔とか魔女とか
そういうのも日本人からすれば
馴染みがあまりないので
少し入り込みづらい部分はあります

まあ、こんなオカルトホラーが好きで
よく観る人からすればありがちの設定だし
むしろ、わかりやすいですが

 

そして、ストーリーはと言うと
これもかなり王道なホラーって感じで

簡単に言えば
いわくつきの一軒家に越してきた家族が
心霊現象に悩まされる
というありがちな内容

かなりベタでわかりやすいストーリーです


物語の流れなんかは
ほとんど1982年のホラー映画
「ポルターガイスト」ですよね
かなり似てます

それに「エクソシスト」を少し混ぜて
「鳥」をエッセンスとして散りばめてる
って感じの映画です

実際の出来事を基にした作品ではありますが
過去の作品の影響もかなり受けているんじゃ
ないのかと思う

こんなごちゃ混ぜな作風は
嫌いではないです


ウォーレン夫妻の設定も
なかなか面白いですね

様々な怪事件に携わり
それをいくつも解決してきたすごい夫婦

彼らの家に保管されている
数々のいわくつきの物品を見せられると
なんかすごくワクワクさせられる

この2人がヒーローのようにも感じれて
とても魅力的でした

こんな設定だからこそ
シリーズ化とも相性が良かったのかも

 

映像的には
不気味な雰囲気がすごく感じるし
オバケのビジュアルも狙いすぎてなくて
ちょうど良かった

必要以上に怖い見た目でもなく
グロテスクな表現をしてるわけでもない
幽霊っぽさは保たれていたと思います
幽霊に関してはリアリティーを感じれました

それに、グロい描写も
ほとんどありませんでしたね

ちゃんと心霊系、オカルト系の世界観が
保たれていたので
そこはとても好感が持てました

グロいのが苦手な人でも
この映画なら全然大丈夫だと思います
シンプルに心霊系のホラーになってます

 

基本的に王道なホラーで
お化け屋敷のように楽しめる映画ではあって
全然いい作品だとは思いますが

やっぱりちょっとベタ過ぎるかと思う

今までにいろんなホラー映画を
観てきた人からすれば
本作はかなり物足りないと思います

ストーリーや展開は予測できるし
ホラー演出も知っているようなものばかり

新鮮味が全然ないんですよ
もう少し捻りがほしいなと思ってしまいます

ホラー映画って
ただ怖さだけじゃなくて
ちょっと斬新なものも見せてほしいな
って気持ちもあります

独特な演出とか予想外の展開とか

観てる人を
なんじゃこれ!?
と思わせてくれるような
挑戦的なこともしてほしいですよね


本作の場合はなんか真面目過ぎるかと言うか…
最初から最後まで普通のホラー

確かにホラー演出はしっかりしていて
驚かされたり怖かったりもしましたが
堅実な作りなんですよね

個人的には
粗っぽくても攻めたものを見せてほしい
ホラーはめちゃくちゃやってほしい
意味不明で変だったとしても
すごいものを求めてるんですよ

 

あと、すごく気になったのが
アナベル人形

これすごく邪魔じゃないですか?

メインのストーリーの合間に
ちょくちょくアナベル人形のエピソードが
入ってくるんですが
本筋とは全く関係ない

シリーズ化を意識しての伏線とは
思うんですけども
1つの作品としてはこの要素が邪魔でしかない

ウォーレン夫妻の娘やアナベル人形の
描写が入る度に
メインストーリーのノイズになるし
目線がブレるんですよ

メインの事件とは関係ないところでも
別の事件が起きて
しかも、その2つは全く関係ないわけで
結局、何を見せたいのかがわからなくなってくる

アナベル人形が軽く触れられるだけなら
まだ多少は許容の範囲内だと思うけど
やたらアナベル人形の存在感が強いし
ちょっとでしゃばり過ぎてる気がするんです

メインエピソード並みにでしゃばるから
本当に邪魔

後の作品ではアナベル人形がかなり重要らしいし
だからこそここまで推してるんでしょうが

だったら本作の物語がおまけみたいにも
思えてしまって
なんかテンション下がりますよね
本作はウォーレン夫妻の紹介エピソードでしか
ないわけですから

続編がありきでこの作品が作られているなら
本作の価値は下がってしまってるようにも
思えました

シリーズの1作目なら
1つの作品として完成させるべきだと思う

伏線を張るにしても
もっとさりげないほうがいいでしょうし

 

まあ、文句も言いましたが
つまらない映画ではないと思います
王道でシンプルなのは別に悪いことでは
ないと思いますしね
物足りなさを感じつつも
それなりにホラーとして楽しめた映画
だったと思います

それと、マッケンジー・フォイちゃんは
やっぱりかわいいね

 


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映画「リチャード・ジュエル」感想 決めつけられた方はたまったもんじゃない…

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どうもきいつです


ドラマ映画「リチャード・ジュエル」観ました

1996年のアトランタ爆破テロ事件を
題材にしたノンフィクション映画
テロの容疑者とされた爆弾の第一発見者と
弁護士が無実を証明するために戦う物語

監督は「運び屋」「ハドソン川の奇跡」などの
クリント・イーストウッドが務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
1996年、オリンピック開催中のアトランタで
爆破テロが発生する
警備員のリチャード・ジュエルが
爆弾の入ったバッグを発見し多くの人の命が救われ
彼は英雄と称えられる
しかし、状況は一転し爆弾の第一発見者
ということで彼はFBIに逮捕されてしまう
ジュエルと彼の弁護士は無実の罪を晴らすため戦いうことを決意するが

 

感想
理不尽な現実を突きつけられ胸糞悪くなる映画でした
偏見にまみれたマスコミ、FBIには観ていてイライラが止まらない
そして、これは他人事ではなく
自分自身にも降りかかることだとも思える
誰しもがどちらの立場にもなりえる話

 

クリント・イーストウッドの新作映画
ということで楽しみにしていた作品
いつものごとく実話を基にした作品です

毎回のことですが
この監督の映画は現実を突きつけられ
いろいろ考えさせられますね

今回の場合は
マスコミや警察が偏見による決めつけで
1人の人間の人生が壊れてしまう話

こんな冤罪の事件は日本でもありますし
身近な題材とも言えます


この映画を観て感じるのは
やっぱりマスコミのことですよね

警察のことも嫌いにはなりますが
なによりもマスコミが大嫌いになる
もともとマスコミは好きではないですが…

今も昔も国も関係なく
やってることは変わらなくて
あきれてしまう気持ちすらあります


はじめは爆弾を発見して被害を押さえたジュエルを
英雄として持ち上げるんですが
FBIに容疑者として挙げられていることが
発覚すると
一転して全てが犯人扱いで報道する

しかも、この決めつけの根拠は
ジュエルがなんか犯人っぽいから
ただそれだけんんですよね

見た目が太っていてだらしなくヤバそうな奴だから
過去にちょっと問題を起こしていたから
それだけの理由で証拠もほとんどないのに

FBIは彼を犯人に仕立て上げようとするし
マスコミはFBIに目をつけられている
という理由から完全に犯人として報道しているわけです


で、そんなジュエルに疑いの目を向ける
FBIの捜査官やマスコミの女性記者の原動力がメンツや自分の成功だったりする

そういうのが余計に腹が立つんですよね
自分の利益のためだけに
他人の人生をぶっ壊しているんですから

人々のために絶対に犯人を逃したくない
国民に真実の報道を伝えたい
って理由で間違ったことをしてしまったのなら
100歩譲ってまだ許せますけども

この映画で描かれている人たちは
そんな大義名分があるわけでもないですから

そんな理由で犯人に決めつけられたら
たまったもんじゃないです

警察が大した証拠もなく
ジュエルが犯人っぽいってだけで
あそこまで酷い捜査をするのもどうかと思うし
ジュエルに群がってくるマスコミ
決めつけだけで好きかって言ってるテレビとか

とにかく、FBIとマスコミには
めちゃくちゃ腹が立たされる


ただ、そんなクソみたいなFBI、マスコミに
腹が立たされつつも
ジュエルも疑われて仕方がない人間性が
描かれてるんです

正直言ってジュエルはどうしようもない男です
と言うか人間性に欠陥があると思う

そもそも、まともな仕事にも就けておらず
そのくせ理想だけは一丁前
典型的な‘’本気出せば俺はやれる系”の
痛いヤツ

彼の正義感に関しても同じで
正義感があるのは良いんですが
なんかちょっとずれてる

大学での警備員のエピソードなんかも
明らかにやり過ぎなんですよ
自分の求められていること以外のことまで
手を出してしまっている

他にも
喋るなと言われているにもかかわらず
余計な事をベラベラと喋ったり
重要な事実を隠していたり

なかなかダメ人間だと思います


その反面
そんな痛い性格が幸いして
爆弾発見にも至りましたし
スニッカーズのエピソードは
良く考えればキモいですけども
それがきっかけで弁護士のワトソンとの
絆が生まれたりもするわけですが

まあ、ジュエルは
痛いヤツだし過去に問題も起こしてるし
見た目も良くないし
疑われても仕方がない人なんです

 

この映画ではジュエルをそう描くことで
よりこの事件の問題点が
浮き彫りになっているんだと思います

確かにジュエルは犯人っぽい人間ですけど
その事とこの事件の真相とは全く別問題

ジュエルの人物像とそれを犯人像に結び付けるのは
間違ったことですからね
第一発見者を疑うのは普通のことですけど
その後のジュエルを犯人と決めつけての捜査は
明らかにおかしいし
結局は真犯人からは遠ざかってる


マスコミに関しても
しっかりとジュエルのことを調べて
真実を伝えている部分もありますが
ジュエルの人物像や過去の経歴などは
事件には全く関係ない

それを面白おかしく報道して
さらに無いことや憶測まで付け足し
ジュエルを吊し上げる

そんな欺瞞だらけのマスコミの姿を見せられると
マスコミの問題点なども考えさせられます

 

そして、この映画を観てもう1つ思ったのが
本作を観て
FBI、マスコミをクソだと思った自分たちも
また同じく問題を抱えているということ

マスコミの情報に踊らされて
知ったように対象を批判するのは自分たちです

当時もマスコミの情報に踊らされ
ジュエルを称賛したり犯人扱いしたりも
市民はしているはず
受け取る側がそうだから
マスコミも過剰になってしまう面があると思う

この映画を観ている人も
この事件が過去の出来事で
ジュエルが冤罪だとわかってるし
ジュエルの目線で描かれた物語だから
ジュエルを犯人だとは疑わないけど

もし、当時リアルタイムでこの報道を見ていたら
この事件をどう思っていたか?
たぶん報道を鵜呑みにしてしまうんじゃないかと思う


それだけでなく
この映画を観てFBIやマスコミを
批判したくなるけど
これはジュエル目線の物語で映画でもある

これをすべて真実として受け取り批判してしまえば
結局、この事件でマスコミを信じて
ジュエルを犯人扱いしていた人たちと
やってることは同じ

この映画で描かれているFBIの捜査は
どこまで正しく描かれているのか?
マスコミの女記者はあまりにテンプレで
極端な描き方をされていないか?
と思える部分もある

確かにこの映画はほとんどが事実だと思うし
そこから冤罪の怖さや
一般人が政府の力に立ち向かう難しさが
描かれていて
社会の問題が浮き彫りにされている作品で
とても考えさせられる

ただ、この映画は
作品全てを真実と鵜呑みにして
FBIやマスコミを批判するための映画ではなく

これを観て今の社会の問題点に気づき
現代社会について考えたり
自分自身は大丈夫か?
と自分の姿と向き合うための映画だと思うんです


この映画はジュエルの冤罪を晴らすための戦いを
描きながらも
客観的に見ることのできる映画だったとも思います

FBIやマスコミの問題点も見せつつ
ジュエル自身の人として欠けた部分も描かれていて
中立的な目線のように感じました

とは言いつつ
マスコミは批判したくなりますが…


最後にはジュエルの無実が証明されますし
後味の良い終わり方でスッキリです

FBIと戦うジュエルと弁護士のワトソンの姿も
グッとくるものがあるし
映画としても普通に楽しめる
なかなか面白い映画でした

 


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